前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第33話:殿下からお手紙が届きました

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「まあ、そんな馴れ初めがあったのですね。素敵ですわ。ずっと好きだった幼馴染と、結婚できるだなんて。まるで小説の中のヒロインとヒーローみたいですわね」

「まあ、ソフィーナ様ったら。私、本当にルドルフ様の事が好きで。だからこそ、今回婚約を結べたことが夢の様で…」

「ソラ様の一途で真っすぐな思い、素敵ですわ。きっとお2人は、運命の赤い糸で結ばれていたのですね」

 ソラ様とルドルフ様の出会いから、結ばれるまでのお話。なんて素敵なのかしら?素敵すぎて、私まで胸がキュンキュンしてしまう。これが俗にいう、恋バナと言うやつなのね。まさか私が友人と恋バナをする日が来るだなんて、夢の様だわ。

「赤い糸だなんて、ソフィーナ様ったら。でも私も…」

「お取込み中失礼いたします。ソラお嬢様、そろそろお帰りのお時間です」

「まあ、もうそんな時間なの?ソフィーナ様とのおしゃべりの時間が楽しすぎて、すっかり時間を忘れてしまったわ。こんなに楽しい時間、生まれて初めてですわ。こんな風に私の話を聞いてくれたのは、ソフィーナ様が初めてで。

 ソフィーナ様、お話しを聞いて下さりありがとうございます」

「こちらこそ、お2人の素敵なお話しを聞かせていただき、ありがとうございます。私まで胸がキュンキュンして、幸せな気持ちになりましたわ。また話を聞かせて下さいね」

 前世では色々な恋愛小説を読んできたが、空想の話よりもソラ様のお話しの方が面白かった。やはり現実の話と作り話では、全く違うのね。

「私の為に、そんなに嬉しそうなお顔をして下さるだなんて…増々私、ソフィーナ様の事が好きになってしまいましたわ。また遊びに来てもよろしいですか?」

「ええ、もちろんですわ。ぜひまた来てください。私もソラ様の事、大好きですわ。これからもお友達として、仲良くしてください。とはいえ、ソラ様も婚約披露パーティの準備で忙しいでしょうし、無理はなさらないで下さいね」

「ありがとうございます。それではお手紙を書きますわ」

「お手紙、いいですね。私も書きますわね」

「それでは、これで失礼いたします」

「待って下さい、馬車まで見送らせてください。さあ、行きましょう」

 すっとサラ様の手を握り、歩き出す。

「ソフィーナ様は、本当にお可愛らしい方ですね。私、令嬢とこうやって手を繋いだのは初めてですわ」

「申し訳ございません、嫌でしたか?」

 急いで手を離そうとしたのだが、ギュッと握られた。

「嫌だなんて、とんでもありませんわ。何だか嬉しくて。こうやって手を繋いでいると、よりソフィーナ様と仲良くなれた気がして嬉しいです」

 そう言ってほほ笑んでくれたソラ様。どこまでもお優しい方だ。

「お見送り頂き、ありがとうございます。それではまた。必ずお手紙を書きますね」

「こちらこそ、今日は来てくださりありがとうございました。私も必ず書きますわ」

 笑顔で手を振ってくれるソラ様に向かい、私も笑顔で手を振り返した。

「ソラ嬢、思ったよりもいい子だったみたいだね」

「ソリティオは心配し過ぎなのよ。ソフィーナ、素敵なお友達が出来て、よかったわね」

 いつの間にか私の傍に来ていたお兄様とお母様。

「はい、私、今とても幸せですわ。ソラ様はとてもいい人で、話しもとても合うのです」

「そう、ソフィーナが嬉しそうな顔をしていると、私も嬉しいわ。さあ、そろそろお家に入りましょう。あなたに話さないといけない事もあるしね」

「私に話さないといけない事ですか?」

 一体何の話だろう?

「お父様がお待ちだから、そのまま応接室に行きましょう」

 お母様とお兄様と一緒に、お父様の待つ応接室へと向かうと、既にお父様が待っていた。

「ソフィーナ、よかったな。ソラ嬢と仲良くなれたそうだね。まあ、ソフィーナならすぐに友達が出来ると私は思っていたがな。友人が帰った後すぐに呼び出してすまない。実は殿下から、手紙を預かって来たのだよ」

「殿下からお手紙ですか?」
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