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第32話:ソラ様とお友達になりました
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「急にこんな事を言われても、混乱いたしますわよね。それでも私は、殿下とソフィーナ様には幸せになって欲しいのです。ソフィーナ様、何かお困りごとがあったら、何でも言ってください。私が力になりますわ」
困りごとか、それなら!
「それでしたら、私とお友達になってくださいませんか?私、少し前までどうしようもない性格でしたでしょう?そのせいで、令嬢のお友達が1人もいないのです。せっかく健康に生まれて来たのに、お友達もおらず寂しい人生を送るのかと思うと、なんだか惨めで。
あの…それで、もしソラ様さえよろしければ、その…私とお友達になってもらえませんか?」
言ってしまったわ。さすがに図々しかったかしら?
「あの、もしご迷惑なら、断ってもらっても…」
「私の様なものが、ソフィーナ様とお友達にですか!それは光栄ですわ。ぜひお友達になってください。まさかソフィーナ様に、そんな嬉しい事を言ってもらえるだなんて。これは夢かしら?愛するルドルフ様と婚約できただけでなく、今一番注目されている社交界の華、ソフィーナ様とこの私がお友達になれるだなんて。
本当に私の様なものでよろしいのですか?」
なぜかソラ様が、今までにないほどの興奮状態で迫って来たのだ。
「ええ…ソラ様さえよろしければ…」
「まあ、嬉しいですわ。ぜひお友達になってください。それにしても、ソフィーナ様からそんな嬉しいお話が頂けるだなんて。ソフィーナ様は、殿下のお誕生日パーティ以来、全てのお誘いをお断りしていらしたでしょう?
ですから、貴族世界の人間と関わるのが嫌なのかと。でも、そう考えるのも無理はないと思いますわ。今まで避けていたのに、掌を返したように、令嬢も令息も迫ってきたら、警戒いたしますよね。
皆様、ソフィーナ様を自分の家の夜会に参加してもらえないかと、必死になっていらしたのですよ!」
「まあ、そうでしたの?申し訳ございません。夜会などの判断は、両親や兄がしておりまして。私はどのお家から招待状が届いているか、把握していなくて。
ですがソラ様の婚約披露パーティには、ぜひ参加させていただきますわ」
沢山の貴族から社交界の招待状が届いているとは聞いていたが、そんなにたくさん届いていただなんて。それも令嬢のお家からも!しれっと断っていたとは知らずに、友達が出来ないと嘆いていただなんて。
「公爵様たちが心配するのも無理はないですわ。今やソフィーナ様は、貴族世界で一番注目されている令嬢ですもの。こんな事を言うのは失礼かと思いますが、その…昔のソフィーナ様は、とっつきにくいところがありましたでしょう?
ですが前回の夜会で、すっかり丸くなられたソフィーナ様を見た令息や令嬢たちは、何とかしてソフィーナ様と仲良くなりたいと必死なのです。もちろん、リレイスト公爵家の令嬢という点も魅力なのですが、なんと申しますか、ソフィーナ様は人を寄せ付けるというか。魅了させると申しますか。
とにかく人として素晴らしいお方なのですよ」
私が人として素晴らしいですって?
「ソラ様、いくら何でもお世辞がすぎますわ。私はどうしようもないクズ令嬢だったのです。そんなクズな私が、その様な事…」
「ソフィーナ様は、全く周りが見えていないのですね。アレック様やセシル様はもちろん、他の令息たちからも熱烈な視線を送られているというのに、全く気付かないだなんて。まあ、そんなところも、ソフィーナ様の魅力ですよね。
私もそんなソフィーナ様の虜になった人間の1人なんです。これからよろしくお願いしますね」
そう言ってにっこり笑ったソラ様。
そこまで絶賛される理由は分からないが、ソラ様はどうやら私を受け入れてくれた様だ。
「ソラ様が私を受け入れて下さって、とても嬉しいですわ。こちらこと、よろしくお願いします」
困りごとか、それなら!
「それでしたら、私とお友達になってくださいませんか?私、少し前までどうしようもない性格でしたでしょう?そのせいで、令嬢のお友達が1人もいないのです。せっかく健康に生まれて来たのに、お友達もおらず寂しい人生を送るのかと思うと、なんだか惨めで。
あの…それで、もしソラ様さえよろしければ、その…私とお友達になってもらえませんか?」
言ってしまったわ。さすがに図々しかったかしら?
「あの、もしご迷惑なら、断ってもらっても…」
「私の様なものが、ソフィーナ様とお友達にですか!それは光栄ですわ。ぜひお友達になってください。まさかソフィーナ様に、そんな嬉しい事を言ってもらえるだなんて。これは夢かしら?愛するルドルフ様と婚約できただけでなく、今一番注目されている社交界の華、ソフィーナ様とこの私がお友達になれるだなんて。
本当に私の様なものでよろしいのですか?」
なぜかソラ様が、今までにないほどの興奮状態で迫って来たのだ。
「ええ…ソラ様さえよろしければ…」
「まあ、嬉しいですわ。ぜひお友達になってください。それにしても、ソフィーナ様からそんな嬉しいお話が頂けるだなんて。ソフィーナ様は、殿下のお誕生日パーティ以来、全てのお誘いをお断りしていらしたでしょう?
ですから、貴族世界の人間と関わるのが嫌なのかと。でも、そう考えるのも無理はないと思いますわ。今まで避けていたのに、掌を返したように、令嬢も令息も迫ってきたら、警戒いたしますよね。
皆様、ソフィーナ様を自分の家の夜会に参加してもらえないかと、必死になっていらしたのですよ!」
「まあ、そうでしたの?申し訳ございません。夜会などの判断は、両親や兄がしておりまして。私はどのお家から招待状が届いているか、把握していなくて。
ですがソラ様の婚約披露パーティには、ぜひ参加させていただきますわ」
沢山の貴族から社交界の招待状が届いているとは聞いていたが、そんなにたくさん届いていただなんて。それも令嬢のお家からも!しれっと断っていたとは知らずに、友達が出来ないと嘆いていただなんて。
「公爵様たちが心配するのも無理はないですわ。今やソフィーナ様は、貴族世界で一番注目されている令嬢ですもの。こんな事を言うのは失礼かと思いますが、その…昔のソフィーナ様は、とっつきにくいところがありましたでしょう?
ですが前回の夜会で、すっかり丸くなられたソフィーナ様を見た令息や令嬢たちは、何とかしてソフィーナ様と仲良くなりたいと必死なのです。もちろん、リレイスト公爵家の令嬢という点も魅力なのですが、なんと申しますか、ソフィーナ様は人を寄せ付けるというか。魅了させると申しますか。
とにかく人として素晴らしいお方なのですよ」
私が人として素晴らしいですって?
「ソラ様、いくら何でもお世辞がすぎますわ。私はどうしようもないクズ令嬢だったのです。そんなクズな私が、その様な事…」
「ソフィーナ様は、全く周りが見えていないのですね。アレック様やセシル様はもちろん、他の令息たちからも熱烈な視線を送られているというのに、全く気付かないだなんて。まあ、そんなところも、ソフィーナ様の魅力ですよね。
私もそんなソフィーナ様の虜になった人間の1人なんです。これからよろしくお願いしますね」
そう言ってにっこり笑ったソラ様。
そこまで絶賛される理由は分からないが、ソラ様はどうやら私を受け入れてくれた様だ。
「ソラ様が私を受け入れて下さって、とても嬉しいですわ。こちらこと、よろしくお願いします」
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