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第31話:ソラ様の気持ち
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私はお礼を言われる事など、何一つしていない。むしろ、今まで散々迷惑をかけたくらいだが。よくわからず、首をコテンとかしげる。
「ソフィーナ様は、本当にお可愛らしいお方ですね。昔もお美しい方だとは思っておりましたが、表情が豊かになられてから、増々美しさに磨きがかかられて」
「ソラ様には負けますわ。いつも穏やかで、令嬢の鏡の様ではありませんか。それよりも、私にお礼とは一体どういうことですか?」
「その件なのですが、私の口からは詳しくは話せませんが、あなた様のお陰で私は、愛するルドルフ様と婚約を結ぶことが出来たのです。私も父も、あなた様や殿下には、本当に感謝しておりますわ」
「愛するルドルフ様という事は、ソラ様はずっと、ルドルフ様の事がお好きだったのですか?ですが殿下のお誕生日のパーティで、殿下のパートナーを務められていらっしゃったので、私はてっきり殿下の事がお好きなのかと」
「その件も、大人の事情で仕方なく私が勤めたのです。ですが、殿下も私も、お互い全く興味がない状況だったのです。殿下は私の気持ちを知っていらした様で。私に迷惑をかけてしまった事を、随分気にしていらっしゃって。
殿下のお力添えもあり、今回異例の速さで婚約する事が出来たのです」
「まあ、そうだったのですね。もしかして、私があまりにも殿下の婚約者にさせろとうるさかったため、ソラ様に白羽の矢が立ってしまったという事ですか?それでしたら、私のせいでソラ様にご迷惑をおかけしたという事ですよね。
私ったら、どこまでご迷惑をお掛けしたら気が済むのかしら?本当に申し訳ございませんでした」
きっと私との婚約を嫌がった殿下含めた王族が、私が事故で動けない間に殿下の婚約者を決めてしまおうと動いたのだろう。その結果、ソラ様が犠牲に…私の我が儘のせいで、ソラ様の人生までも狂わせてしまうところだったと思うと、申し訳なくてたまらない。
それなのに、私はソラ様とお友達になりたいだなんて、図々しい事を考えていただなんて。恥ずかしくてたまらない。
「違うのです!ルドルフ様の件は、ずっと私が片思いをしていると思っていて。お互いすれ違っていたのです。そんな中、殿下のパートナーを務めさせていただく事になって。そこでルドルフ様の、本当の気持ちを知る事が出来たのです。
とはいえ、私たちは奥手で…特にルドルフ様は伯爵令息でしょう?私が爵位の低いルドルフ様の元に嫁ぐのは気の毒と考えていた様で。そんなルドルフ様の気持ちを汲んでくださり、私とルドルフ様を結び付けて下さったのが殿下なのです。
本当に殿下には、感謝しかありませんわ。そしてソフィーナ様、あなた様の存在も、私たちが早く婚約をするきっかけになったのです。本当にありがとうございました」
再びソラ様が、私に向かって頭を下げたのだ。
「あなた様とルドルフ様の恋のキューピットを、殿下が務められた事は理解できましたわ。殿下に感謝されるのならわかりますが、どうして私にまで?」
「私の口からは詳しくは話せませんが、殿下がここまで動いて下さったのは、あなた様の存在があったからなのです。ソフィーナ様、殿下は不器用で自分のお気持ちをうまく表現できないところもございます。ですが、誰よりも優しくて誰よりもあなたの事を理解している方だと、私は思っております。
ですので、どうか殿下の事も見てあげてくださいね。そもそもあなた様は、この国で一番権力を持った大貴族、リレイスト公爵家の令嬢なのです。今のあなた様なら、殿下を支え、立派な王妃になれますわ」
「私が王妃だなんて…それに殿下も、私の事など…」
「私はあなた様が、次の王妃殿下にふさわしいと思いますわ。ですからどうか、王太子殿下との未来も、考えてみてくださいね」
そう言って笑ったソラ様。
王太子殿下との未来…
でも、殿下は私の事を嫌っているはず。ソラ様に代役をお願いしてまで、私との結婚を避けたのに…
「ソフィーナ様は、本当にお可愛らしいお方ですね。昔もお美しい方だとは思っておりましたが、表情が豊かになられてから、増々美しさに磨きがかかられて」
「ソラ様には負けますわ。いつも穏やかで、令嬢の鏡の様ではありませんか。それよりも、私にお礼とは一体どういうことですか?」
「その件なのですが、私の口からは詳しくは話せませんが、あなた様のお陰で私は、愛するルドルフ様と婚約を結ぶことが出来たのです。私も父も、あなた様や殿下には、本当に感謝しておりますわ」
「愛するルドルフ様という事は、ソラ様はずっと、ルドルフ様の事がお好きだったのですか?ですが殿下のお誕生日のパーティで、殿下のパートナーを務められていらっしゃったので、私はてっきり殿下の事がお好きなのかと」
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殿下のお力添えもあり、今回異例の速さで婚約する事が出来たのです」
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私ったら、どこまでご迷惑をお掛けしたら気が済むのかしら?本当に申し訳ございませんでした」
きっと私との婚約を嫌がった殿下含めた王族が、私が事故で動けない間に殿下の婚約者を決めてしまおうと動いたのだろう。その結果、ソラ様が犠牲に…私の我が儘のせいで、ソラ様の人生までも狂わせてしまうところだったと思うと、申し訳なくてたまらない。
それなのに、私はソラ様とお友達になりたいだなんて、図々しい事を考えていただなんて。恥ずかしくてたまらない。
「違うのです!ルドルフ様の件は、ずっと私が片思いをしていると思っていて。お互いすれ違っていたのです。そんな中、殿下のパートナーを務めさせていただく事になって。そこでルドルフ様の、本当の気持ちを知る事が出来たのです。
とはいえ、私たちは奥手で…特にルドルフ様は伯爵令息でしょう?私が爵位の低いルドルフ様の元に嫁ぐのは気の毒と考えていた様で。そんなルドルフ様の気持ちを汲んでくださり、私とルドルフ様を結び付けて下さったのが殿下なのです。
本当に殿下には、感謝しかありませんわ。そしてソフィーナ様、あなた様の存在も、私たちが早く婚約をするきっかけになったのです。本当にありがとうございました」
再びソラ様が、私に向かって頭を下げたのだ。
「あなた様とルドルフ様の恋のキューピットを、殿下が務められた事は理解できましたわ。殿下に感謝されるのならわかりますが、どうして私にまで?」
「私の口からは詳しくは話せませんが、殿下がここまで動いて下さったのは、あなた様の存在があったからなのです。ソフィーナ様、殿下は不器用で自分のお気持ちをうまく表現できないところもございます。ですが、誰よりも優しくて誰よりもあなたの事を理解している方だと、私は思っております。
ですので、どうか殿下の事も見てあげてくださいね。そもそもあなた様は、この国で一番権力を持った大貴族、リレイスト公爵家の令嬢なのです。今のあなた様なら、殿下を支え、立派な王妃になれますわ」
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「私はあなた様が、次の王妃殿下にふさわしいと思いますわ。ですからどうか、王太子殿下との未来も、考えてみてくださいね」
そう言って笑ったソラ様。
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