前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第30話:ソラ様がいらっしゃいます

「お菓子はこれとこれを。お茶は数種類準備して頂戴。それから、お花はここに飾りましょう」

「お嬢様、そんなに張り切らなくてもよろしいかと」

「でも今日は、ソラ様がわざわざ私に会いに来てくださる大切な日なのよ。精一杯おもてなしをしないと!」

 あの後すぐにお父様がソラ様のお父様に連絡してくれ、3日後に我が家にソラ様がいらっしゃることになったのだ。この3日、私はソラ様が来てくださるのを、首を長くして待っていた。もちろん、少しでも快適に過ごしていただけるように、お菓子やお茶も入念に選んだ。

 お花も庭師お勧めの一番きれいな物を選んだのだ。

「ソフィーナ、そんなに張り切らなくても…万が一ソラ嬢が、ソフィーナを傷つけるような事をしたら…ソフィーナが傷つかないといいのだが…」

 私の隣で、不安そうな顔でよくわからない事を呟いているお兄様。一体何をそんなに心配をしているのだろう。全く理解できない。

「お兄様の心配性は、かなりの重症ですね。大丈夫ですよ、お兄様。私、ソラ様に無礼を働く事はありませんから。それでは私は、着替えてきますね」

 嬉しくてついスキップをしてしまう。もうすぐ我が家に令嬢が来る、そう思うだけでワクワクするのだ。

 着替えを済ませ、玄関でソラ様の到着を待つ。

「ソフィーナったら、そんなにソラ嬢が来るのが待ち遠しいのね。あなたにも、令嬢のお友達が出来るといいわね」

 お母様も私を微笑ましく見てくれている。ただ、その横で相変わらずお兄様が、不安そうな顔をしているが…

 その時だった。ソラ様の家の馬車が、我が家に入って来たのだ。

 ついにいらしたわ。

 馬車が停まり、ゆっくりとソラ様が下りてきたのだ。

「ソラ様、今日は我が家にお越しいただき、ありがとうございます。さあ、こちらへどうぞ」

 降りてきたソラ様を捕まえ、早速屋敷に案内しようとしたのだが。

「ソフィーナ、落ち着いて。ソラ嬢、今日はよく来てくれたね。妹が暴走してすまない。実は君が来るのを、妹はとても楽しみにしていたんだよ」

「まあ、そうでしたのね。私の急な訪問にも承諾して下さり、ありがとうございます。私も今日、ソフィーナ様にお会いするのを、楽しみにしておりました。リレイスト公爵夫人、リレイスト公爵令息様も、わざわざお出迎え頂き、ありがとうございます」

 穏やかな表情で挨拶をするソラ様。なんて可愛らしい方なのかしら?この方とお友達になれたら嬉しいわ。

「こちらこそ、我が家に来てくださりとても嬉しいですわ。我が家に令嬢が訪問してくださる事なんて、今までなかったので。さあ、こちらです。どうぞ、足元にお気を付けくださいね」

 改めてソラ様の手をしっかり握り、彼女をエスコートしていく。ソラ様の手、温かくて柔らかいわ。私と同じくらいの手ね。いつも握っている殿方の手とは、また違う感触だ。

「こちらですわ。ソラ様はどんなお茶がお好みですか?こちらからお選びください。すぐにお菓子も準備しますね」

「何から何までありがとうございます。それでは、このローズヒップティを頂きますわ」

「それじゃあ私も、同じお茶を入れて頂戴」

「かしこまりました」

 使用人たちが、手際よくお茶とお菓子を準備してくれた。目の前にはソラ様がいらっしゃる。初めての経験に、つい顔がほころんでしまう。

「夜会の時も思ったのですが、ソフィーナ様はいつも楽しそうにニコニコしていらっしゃいますね。その…昔はあまり笑顔が見られませんでしたので、なんだか不思議で…申し訳ございません。悪い意味ではなくて、その…」

「謝罪いただかなくても大丈夫ですわ。確かに昔の私は、癇癪もちで我が儘で、どうしようもないクズだったので。本当にあの時は、申し訳ございませんでした。今思い出しただけでも、顔から火が出るくらい恥ずかしいですわ…」

「そんな、もうよろしいのです。ただ、本当にソフィーナ様は変わられたのだと思ったら、何だか嬉しくて。これでやっと、いいえ、何でもありませんわ」

 何かを言いかけたソラ様。何が言いたかったのかしら?

「そうそう、今日お屋敷に伺ったのは、ソフィーナ様にお礼を言いたくて」

「私にお礼ですか?」

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