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第58話:ファラオ様に心配をかけてしまった様です
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お兄様と一緒に馬車に乗り込み、家を目指す。すっかり日が沈み、辺りは薄暗くなり始めていた。ファラオ様、今頃どうしていらっしゃるかしら?
今日急に私が王宮に行かなかったから、心配していらっしゃるかしら?急にファラオ様の事が心配になって来たのだ。
「ソフィーナ、浮かない顔をしてどうしたのだい?」
「いえ、ファラオ様の事を考えてしまって。今日急に王宮に行かなかったので、心配していらっしゃったらと思って」
「そんな事は、気にしなくてもいいよ。君はファラオの、正式な婚約者でもないのだし。それにファラオもアラバシア王国から来国する王族を迎え入れる準備で、忙しいのではないのかな?俺もアレックもセシルも明日からその準備で、王宮に出向く事になっているし」
「まあ、そうなのですか?私、全く知りませんでしたわ」
「ソフィーナにはまだ伝えていなかったのかもしれないね。確かソラ嬢の婚約披露パーティの翌日に、来国する予定だよ。本来ならファラオは、ソラ嬢の婚約披露パーティに参加している余裕はないはずだけれど。ソラ嬢とは色々とあったから、参加するみたいだね」
お兄様の言う通り、ソラ様とルドルフ様の恋のキューピットでもあるファラオ様が、参加しない訳にはいかないだろう。何より私のエスコートを、買って出てくれているし。
それよりも…
「アラバシア王国といえば、小さな島国と聞いております」
「そうだね、小さな島国と言っても、非常に資源が豊富な国なんだ。我が国にとっても、利益が大きいからね」
「そうなのですね。私も公爵令嬢として、しっかりとアラバシア王国の王族の方たちを、もてなしたいと思いますわ」
任せて下さいと言わんばかりに、胸を叩いた。
「ソフィーナがそんなに張り切らなくていいよ。ただ、今回は王女と王太子が来る様でね。俺たちと歳が近いから、ファラオを中心に、俺たちがもてなすことになっているから、ソフィーナにも、お願いする事もあるかもしれないね」
同じ年頃の方がいらっしゃるですって。それなら、もしかしたらお友達になれるかもしれないわ。
何だか楽しみになってきた。
「屋敷が見えて来たね。今日作ったブローチ、夕方には届くと言っていたね。きっともう屋敷に届いているだろう」
「そうでしたわ!完成品を見るのが、楽しみです。ファラオ様、喜んでくださるかしら?」
今日は王宮に行かなかったから、明日はブローチを持って王宮に行こう。
「ソフィーナ、君はやっぱりファラオの事を…あれ?あそこにいるのは」
門が見えてきたタイミングで、お兄様が窓の外を見て何やら呟いている。その瞬間馬車が停まった。そして御者がドアを開けると同時に入って来たのは
「ソフィーナ!随分と帰りが遅かったね。今日王宮に来てくれなかったから、心配したよ。まさかソリティオと外出をするだなんて。それならそうと、どうして昨日言ってくれなかったのだい?」
ファラオ様だ。どうして彼がここにいるのだろう。
「ファラオ、どうして君がここにいるのだい?俺たちの外出は、昨日の夜急に決まったからね。王宮には使いを出しておいただろう?」
「確かに使いは来たけれど、昨日の今日だから心配で…」
「ファラオ様、わざわざ私に会いに来てくださったのですね。きちんとお知らせをしておらず、申し訳ございません。馬車の中では窮屈ですので、どうぞお屋敷に」
ファラオ様の手を取り、そのまま馬車を降りた。外ではお母様が、困った顔でこちらを見ていた。
「おかえりなさい、ソフィーナ。殿下はお昼過ぎからずっと、待っていらしたのよ」
「まあ、そうだったのですね。お忙しいのに申し訳ございません。どうぞこちらへ」
まさかお昼過ぎからずっと待っていて下さっただなんて、ますます申し訳ない。ファラオ様はただでさえ、お忙しい方なのに。
急いで客間へと案内した。
「ファラオ様、今日は本当にごめんなさい。まさかそんな時間から、ずっと待っていて下さっているとは知らずに。公務も滞っているのではありませんか?」
「公務の件は問題ないよ。昨日の夜、あまりよく眠れなかったから、全て片付けておいたし。ただ、君が来てくれない事がとても心配で。もしかしてソフィーナに嫌われてしまったのではないかと思ったら、いてもたってもいられなくて」
そう言うと、とても悲しそうな顔で私を見つめてきたのだ。その瞬間、胸がズキリと痛んだ。
今日急に私が王宮に行かなかったから、心配していらっしゃるかしら?急にファラオ様の事が心配になって来たのだ。
「ソフィーナ、浮かない顔をしてどうしたのだい?」
「いえ、ファラオ様の事を考えてしまって。今日急に王宮に行かなかったので、心配していらっしゃったらと思って」
「そんな事は、気にしなくてもいいよ。君はファラオの、正式な婚約者でもないのだし。それにファラオもアラバシア王国から来国する王族を迎え入れる準備で、忙しいのではないのかな?俺もアレックもセシルも明日からその準備で、王宮に出向く事になっているし」
「まあ、そうなのですか?私、全く知りませんでしたわ」
「ソフィーナにはまだ伝えていなかったのかもしれないね。確かソラ嬢の婚約披露パーティの翌日に、来国する予定だよ。本来ならファラオは、ソラ嬢の婚約披露パーティに参加している余裕はないはずだけれど。ソラ嬢とは色々とあったから、参加するみたいだね」
お兄様の言う通り、ソラ様とルドルフ様の恋のキューピットでもあるファラオ様が、参加しない訳にはいかないだろう。何より私のエスコートを、買って出てくれているし。
それよりも…
「アラバシア王国といえば、小さな島国と聞いております」
「そうだね、小さな島国と言っても、非常に資源が豊富な国なんだ。我が国にとっても、利益が大きいからね」
「そうなのですね。私も公爵令嬢として、しっかりとアラバシア王国の王族の方たちを、もてなしたいと思いますわ」
任せて下さいと言わんばかりに、胸を叩いた。
「ソフィーナがそんなに張り切らなくていいよ。ただ、今回は王女と王太子が来る様でね。俺たちと歳が近いから、ファラオを中心に、俺たちがもてなすことになっているから、ソフィーナにも、お願いする事もあるかもしれないね」
同じ年頃の方がいらっしゃるですって。それなら、もしかしたらお友達になれるかもしれないわ。
何だか楽しみになってきた。
「屋敷が見えて来たね。今日作ったブローチ、夕方には届くと言っていたね。きっともう屋敷に届いているだろう」
「そうでしたわ!完成品を見るのが、楽しみです。ファラオ様、喜んでくださるかしら?」
今日は王宮に行かなかったから、明日はブローチを持って王宮に行こう。
「ソフィーナ、君はやっぱりファラオの事を…あれ?あそこにいるのは」
門が見えてきたタイミングで、お兄様が窓の外を見て何やら呟いている。その瞬間馬車が停まった。そして御者がドアを開けると同時に入って来たのは
「ソフィーナ!随分と帰りが遅かったね。今日王宮に来てくれなかったから、心配したよ。まさかソリティオと外出をするだなんて。それならそうと、どうして昨日言ってくれなかったのだい?」
ファラオ様だ。どうして彼がここにいるのだろう。
「ファラオ、どうして君がここにいるのだい?俺たちの外出は、昨日の夜急に決まったからね。王宮には使いを出しておいただろう?」
「確かに使いは来たけれど、昨日の今日だから心配で…」
「ファラオ様、わざわざ私に会いに来てくださったのですね。きちんとお知らせをしておらず、申し訳ございません。馬車の中では窮屈ですので、どうぞお屋敷に」
ファラオ様の手を取り、そのまま馬車を降りた。外ではお母様が、困った顔でこちらを見ていた。
「おかえりなさい、ソフィーナ。殿下はお昼過ぎからずっと、待っていらしたのよ」
「まあ、そうだったのですね。お忙しいのに申し訳ございません。どうぞこちらへ」
まさかお昼過ぎからずっと待っていて下さっただなんて、ますます申し訳ない。ファラオ様はただでさえ、お忙しい方なのに。
急いで客間へと案内した。
「ファラオ様、今日は本当にごめんなさい。まさかそんな時間から、ずっと待っていて下さっているとは知らずに。公務も滞っているのではありませんか?」
「公務の件は問題ないよ。昨日の夜、あまりよく眠れなかったから、全て片付けておいたし。ただ、君が来てくれない事がとても心配で。もしかしてソフィーナに嫌われてしまったのではないかと思ったら、いてもたってもいられなくて」
そう言うと、とても悲しそうな顔で私を見つめてきたのだ。その瞬間、胸がズキリと痛んだ。
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