前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第57話:素敵なブローチが出来ました

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 まずはブローチの周りに、小さな宝石をはめ込んでいく。宝石の種類は非常に多く、どれにしようか迷ってしまう。

 さて、どの宝石にしようかしら?

 ファラオ様の瞳の色は赤だから、ルビーを入れよう。でもルビーだけではちょっとね。

 ふと綺麗な紫色の宝石が、目に飛び込んできた。まるで私の瞳の色の様だ。アメジスト、なんて綺麗な色なのかしら。

 そっとアメジストを手に取り、ルビーと交互にはめ込んでいく。

「アメジストとルビーですか。とても素敵ですね。こちらに少し大きめのアメジストとルビーがございますので、4方向はこの大きな宝石を埋め込んではいかがですか?すぐに加工いたしますよ」

「そんな事も出来るのですか?ではお願いします」

 手際よく加工してくれ、大きめの宝石を埋め込めるようにしてもらった。周りが完成したところで、今度は中心部だ。さて、ここはどうしようかしら?宝石をちりばめてもいいが…

 ファラオ様は、獅子がお好きだと言っていたわ。真ん中には宝石で獅子を模ろう。だが、私にはそんな高度な技術はないし…

「あの、真ん中は獅子をイメージしたいのですが、どうすればよろしいですか?」

「それでは、獅子の絵を描いてはいかがですか?この特殊な絵の具を使えば、デザインする事が出来ますよ」

「ありがとうございます。私、書いてみますわ」

 お店の人が準備してくれた獅子の絵を見ながら、自分なりに書いていく。う~ん、あまり上手くはないが、何とか獅子とわかるだろう。後は宝石を1つ1つ丁寧に付けていけば。

「出来ましたわ。お兄様、見て下さい。世界に1つだけのブローチが完成いたしましたわ」

「本当だ、素敵だね。俺も完成したよ。どうだい?素敵だろう?」

「お兄様のブローチも、とても素敵ですわ」

 正直お兄様のブローチの方が、出来栄えははるかに上だ。同じ兄妹なのに、どうしてお兄様は器用で、私は不器用なのかしら…

 とはいえ、一生懸命作ったのだ。きっとファラオ様も喜んでくださるはず。

「それでは最後に私共が仕上げをし、今日の夕方には公爵家にお届けにあがりますね」

「よろしくお願いします」

 一旦ブローチをお店の人に預けた。せっかくなので、いつもお世話になっている使用人たちにも、お土産を買って行く。

「あの子たちには、この髪飾りをプレゼントしましょう。それから、男性たちにはネクタイピンがいいわね。そうだわ、最近メイド長、お孫さんが生まれたと言っていたわね。子供用のおもちゃも買って行こう」

「ソフィーナ、ちょっと買いすぎだよ。でも、プレゼントだからいいか」

 そう言いつつも、苦笑いをしているお兄様。確かに少し散財しすぎたかもしれないが、それでもいつもお世話になっている使用人たちに贈るのだ。ここは私のポケットマネーから支払うのだから、問題ないだろう。

 買い物後は、お兄様と一緒に街を見たり、食事をして過ごした。

「お兄様、今日はありがとうございました。お兄様が付いて来てくださったお陰で、とても有意義な時間を過ごすことが出来ましたわ。それに、素敵なブローチをつくることも出来ましたし」

「俺の方こそ、今日は誘ってくれてありがとう。俺も街にはあまり出たことが無かったら、とても新鮮で楽しい時間だったよ。それに何よりも、ソフィーナとこうやって一緒に出掛けられた事が、とても嬉しいよ」

「私もですわ。お兄様とこうやって出掛けられた事が、とても嬉しいです。昔の私なら、絶対にできない事でしたので」

「ソフィーナはすぐに昔の事を持ち出して、後悔をする習性があるけれど、過ぎたことは仕方がない事。君は過去を悔い、しっかり謝罪をしたのだから、もう忘れよう。日も暮れて来たし、そろそろ帰ろうか」

 すっと手を差し出されたお兄様の手をしっかりと握った。これからもお兄様と、良好な関係が続くといいな。
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