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第66話:怒られました
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「次は俺とも踊ろう」
セシル様と踊った後は、アレック様、そしてお兄様ともダンスを踊った。相変わらずダンスが上手な2人に乗せられ、くるくると回ったりして、ダンスを楽しんでしまったのだ。
「ソフィーナ嬢は、相変わらずダンスが上手だね。また俺たちともダンスを踊ってくれるかい?」
「はい、もちろんですわ。私もとても楽しかったです。また踊ってくださいね」
「それじゃあ俺たちは、そろそろ行くよ。ソフィーナもゆっくり楽しむのだよ。もしファラオが鬱陶しくなったら、すぐに俺たちのところに来たらいいからね」
「もう、お兄様ったら。ファラオ様の事を鬱陶しく思う事なんて、思う訳がないでしょう。お兄様たちも、どうぞ楽しんでくださいね」
笑顔で去っていく3人を、私も笑顔で見送った。
「ソフィーナ…随分と楽しそうだったね…ねえ、僕に黙ってアレックとセシルに会いに行ったとは、どういうことだい?それにあれほどまでに、僕以外の男とダンスを踊ってはいけないと言ったのに。君は一体何を考えているのかい?」
後ろからものすごく低い声が聞こえる。しまった、ファラオ様の存在を、すっかり忘れていたわ。
恐る恐る振り向くと、にっこり笑ったファラオ様と目があった。これは相当お怒りの様だ。どうしよう…
「あの…ファラオ様、私は…」
「ソラ嬢やルドルフ殿への挨拶も終わったし、そろそろ帰ろうか。色々と話したい事もあるしね」
「ですが、まだパーティが終わっていませんし…」
今ファラオ様と2人きりになるのは、非常に怖いのだが。
「問題ないよ。一応ソラ嬢とルドルフ殿に、最後に挨拶をして帰ろうか。さあ、おいで。ソフィーナ。君はすぐにどこかに行ってしまうからね。しっかり捕まえておかないとね!」
ガッチリ私の腰を抱いたファラオ様と一緒に、ソラ様たちに挨拶をした。お願い、ソラ様。助けて!
そう目で訴えたが、全く気が付かないソラ様に、笑顔で見送られてしまった。どうしよう、こうなったらお兄様たちに…て…
お兄様もアレック様もセシル様も、沢山の令嬢たちに囲まれているわ。そもそもあなた達のせいで、ファラオ様がお怒りなのでしょう?何とかしてよ。
“どうしてまだ、アレックとセシルを見つめているのだい?もしかして、実は2人にまだ興味があるのかい?僕との婚約が決まっているのに、いけない子だね…“
耳元で恐ろしい声が聞こえる。
「いえ…たまたま視線の先に、お2人がいただけですわ。決して見つめていた訳では…」
つい声が震えてしまう。
「それじゃあ馬車で、ゆっくり話をしようか。さあ、おいで」
ファラオ様に連れられ、馬車に戻ってきた。こんなに狭い空間で、非常にお怒りのファラオ様と2人きりだ。もちろん、逃げ場はない。こうなったら
「ファラオ様、申し訳ございません。アレック様とセシル様、お兄様とダンスを踊った事、本当に反省しておりますわ。ですが、不可抗力と言いますか、なんと申しますか。どうしても断れる状況ではなかったのです」
「それにしては楽しんでいたよね?」
「それは、私のモットーは、どんな時でも全力で楽しむ事ですので」
せっかく健康な体に生まれたのだ。全力で楽しまないと損だろう。胸を張ってはっきりと告げた。
「そう、それは素敵なモットーだね。でも、僕との約束を破った事はよくなったのではないのかい?それに、僕に内緒で2人に会いに行っていたそうだね」
「その件はその…お2人にはとてもよくして頂いたので、自分の口からファラオ様と婚約する事になりそうだという事を伝えたかったのです。その件だけ伝えたら、すぐに帰ってきましたわ。ですが、その件でファラオ様に不快な思いをさせてしまったのなら、申し訳ございませんでした」
私の配慮が足りなかったかもしれない。そう思い、素直に謝る。ここまで潔く謝ったのだから、そろそろ許してもらえるかしら?
セシル様と踊った後は、アレック様、そしてお兄様ともダンスを踊った。相変わらずダンスが上手な2人に乗せられ、くるくると回ったりして、ダンスを楽しんでしまったのだ。
「ソフィーナ嬢は、相変わらずダンスが上手だね。また俺たちともダンスを踊ってくれるかい?」
「はい、もちろんですわ。私もとても楽しかったです。また踊ってくださいね」
「それじゃあ俺たちは、そろそろ行くよ。ソフィーナもゆっくり楽しむのだよ。もしファラオが鬱陶しくなったら、すぐに俺たちのところに来たらいいからね」
「もう、お兄様ったら。ファラオ様の事を鬱陶しく思う事なんて、思う訳がないでしょう。お兄様たちも、どうぞ楽しんでくださいね」
笑顔で去っていく3人を、私も笑顔で見送った。
「ソフィーナ…随分と楽しそうだったね…ねえ、僕に黙ってアレックとセシルに会いに行ったとは、どういうことだい?それにあれほどまでに、僕以外の男とダンスを踊ってはいけないと言ったのに。君は一体何を考えているのかい?」
後ろからものすごく低い声が聞こえる。しまった、ファラオ様の存在を、すっかり忘れていたわ。
恐る恐る振り向くと、にっこり笑ったファラオ様と目があった。これは相当お怒りの様だ。どうしよう…
「あの…ファラオ様、私は…」
「ソラ嬢やルドルフ殿への挨拶も終わったし、そろそろ帰ろうか。色々と話したい事もあるしね」
「ですが、まだパーティが終わっていませんし…」
今ファラオ様と2人きりになるのは、非常に怖いのだが。
「問題ないよ。一応ソラ嬢とルドルフ殿に、最後に挨拶をして帰ろうか。さあ、おいで。ソフィーナ。君はすぐにどこかに行ってしまうからね。しっかり捕まえておかないとね!」
ガッチリ私の腰を抱いたファラオ様と一緒に、ソラ様たちに挨拶をした。お願い、ソラ様。助けて!
そう目で訴えたが、全く気が付かないソラ様に、笑顔で見送られてしまった。どうしよう、こうなったらお兄様たちに…て…
お兄様もアレック様もセシル様も、沢山の令嬢たちに囲まれているわ。そもそもあなた達のせいで、ファラオ様がお怒りなのでしょう?何とかしてよ。
“どうしてまだ、アレックとセシルを見つめているのだい?もしかして、実は2人にまだ興味があるのかい?僕との婚約が決まっているのに、いけない子だね…“
耳元で恐ろしい声が聞こえる。
「いえ…たまたま視線の先に、お2人がいただけですわ。決して見つめていた訳では…」
つい声が震えてしまう。
「それじゃあ馬車で、ゆっくり話をしようか。さあ、おいで」
ファラオ様に連れられ、馬車に戻ってきた。こんなに狭い空間で、非常にお怒りのファラオ様と2人きりだ。もちろん、逃げ場はない。こうなったら
「ファラオ様、申し訳ございません。アレック様とセシル様、お兄様とダンスを踊った事、本当に反省しておりますわ。ですが、不可抗力と言いますか、なんと申しますか。どうしても断れる状況ではなかったのです」
「それにしては楽しんでいたよね?」
「それは、私のモットーは、どんな時でも全力で楽しむ事ですので」
せっかく健康な体に生まれたのだ。全力で楽しまないと損だろう。胸を張ってはっきりと告げた。
「そう、それは素敵なモットーだね。でも、僕との約束を破った事はよくなったのではないのかい?それに、僕に内緒で2人に会いに行っていたそうだね」
「その件はその…お2人にはとてもよくして頂いたので、自分の口からファラオ様と婚約する事になりそうだという事を伝えたかったのです。その件だけ伝えたら、すぐに帰ってきましたわ。ですが、その件でファラオ様に不快な思いをさせてしまったのなら、申し訳ございませんでした」
私の配慮が足りなかったかもしれない。そう思い、素直に謝る。ここまで潔く謝ったのだから、そろそろ許してもらえるかしら?
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