24 / 26
第24話:フローラの決断
しおりを挟む
断罪が終わった後は、しばらく王宮にお世話になる事になった。私には客室が与えられた。さらに、沢山のメイドが私の世話をしてくれる。美しいドレスに身を包み、身の回りの事は全てメイドがしてくれる。それはまさに、公爵令嬢として過ごしていた頃そのものの生活だった。
そんな私の元を訪ねて来たのは、アダム様だ。
「フローラ、全てが終わった。君のお父さんの名誉も回復したよ。ハリソンだが、国の最北端にある収容所に収監される事が決まった。もう二度とそこから出て来る事はないだろう。それからフェザー公爵一家は、全員公開処刑されたよ。先ほど刑が執行された。あれだけの罪を犯していたのだから、当然と言えば当然だろう」
予想通り、フェザー公爵家は全員処刑されたのか…公爵やダリア様は仕方ないにしろ、他の家族まで殺されるなんて…まるで10年前の自分たちを見ている様で、胸が痛んだ。
「それと、君の両親とお兄さんの亡骸なんだが、改めて公爵家の墓が建てられ、そこに埋葬されたよ。出来ればお姉さんの亡骸も、そこに移せたらと考えている」
「そうですか…ありがとうございます…」
アダム様は私の為に色々と動いてくれている様だ。それは嬉しい…でも…
「フローラ、俺は父上に代わり、次の国王になる事が決まった。これはもう決定事項で、どうする事も出来ないんだ!来月、就任式がある。その時は君を妃として、紹介したいと思っている」
「えっ…私をですか?」
「当たり前だろう。俺は君以外と結婚するつもりはないよ。フローラ、君を苦しめていた奴らは全ていなくなった。どうか俺とこの国をよりよくするため、共に歩んでいって欲しい」
アダム様の真っすぐな瞳…
「私は…」
「殿下、ちょっとよろしいでしょうか?」
「ああ、今行く。それじゃあフローラ、しばらくはゆっくり過ごすといい」
そう言って出て行ったアダム様。急に国王が変わる事が決まって、かなりバタバタしている様だ。
私が王妃…私が…
ふとお母様に貰ったペンダントを取り出した。お母様…私はどうすればいいの?会いたいわ…
「ねえ、あなた。私の両親とお兄様が眠るお墓は何処にあるか知っている?」
近くにいたメイドに声を掛ける。
「えっと…確認して参ります」
急いで部屋から出て行くメイド。しばらくすると、男性を連れて戻って来た。
「フローラ様、ご両親と兄上のお墓に行きたいとお伺いしました。私が案内しましょう」
男性に連れられて向かったのは、王宮の裏にある小高い丘の上だ。そこにはお墓が3つあり、それぞれの名前と年齢が彫られていた。
お父様とお母様は28歳で、お兄様はわずか10歳で亡くなったのね。
「お父様、お母様、お兄様、ずっと会いにこられなくてごめんなさい。やっとお父様の汚名を返上しました。でも…でも…」
お墓に縋りつき、子供の様に泣いた。いくら汚名を返上しても、3人が戻る事はない。3人は、どんな思いで殺されたのかしら?そう考えたら、涙が止まらないのだ。泣いて泣いて泣いて、泣き続けた。その時だった。
「フローラ、ここにいたんだね。さあ、日も沈みかけている、そろそろ王宮に戻ろう。ここはいつでも来られるからね」
そう言って手を差し伸べてくれるアダム様。アダム様の手を握り、王宮へと戻った。いつもの様に食事を済ませ、部屋に戻る。湯あみを済ませ、寝る準備が出来たところでメイドたちが外に出て行った。
アダム様、ごめんなさい…
私はやっぱり、この国の王妃になんてなれない。やっぱり私の家族を奪ったこの国が憎い…
1人静かに荷物をまとめた。そして、アダム様宛の手紙も書いた。アダム様、どうか私の事は忘れて、幸せになって下さいね!
こっそり窓から脱出し、門を目指す。もちろん、門番に止められた。
「フローラ様、どこに行かれるのですか?」
「急用が出来たので、しばらく留守に致します。アダム様には伝えてありますので」
「あ…お待ちください!フローラ様」
後ろで門番が叫んでいるが、無視して歩き出す。そして、馬車乗り場へとやって来た。幸いまだ馬車が残っていたので、乗せてもらえる様交渉する。通常料金の2倍出すと言ったら、馬車に乗せてくれた。
急いで馬車に乗り込む。
ゆっくり走り出す馬車。
さようなら、アペルピスィ王国。
さようなら、アダム様…
そんな私の元を訪ねて来たのは、アダム様だ。
「フローラ、全てが終わった。君のお父さんの名誉も回復したよ。ハリソンだが、国の最北端にある収容所に収監される事が決まった。もう二度とそこから出て来る事はないだろう。それからフェザー公爵一家は、全員公開処刑されたよ。先ほど刑が執行された。あれだけの罪を犯していたのだから、当然と言えば当然だろう」
予想通り、フェザー公爵家は全員処刑されたのか…公爵やダリア様は仕方ないにしろ、他の家族まで殺されるなんて…まるで10年前の自分たちを見ている様で、胸が痛んだ。
「それと、君の両親とお兄さんの亡骸なんだが、改めて公爵家の墓が建てられ、そこに埋葬されたよ。出来ればお姉さんの亡骸も、そこに移せたらと考えている」
「そうですか…ありがとうございます…」
アダム様は私の為に色々と動いてくれている様だ。それは嬉しい…でも…
「フローラ、俺は父上に代わり、次の国王になる事が決まった。これはもう決定事項で、どうする事も出来ないんだ!来月、就任式がある。その時は君を妃として、紹介したいと思っている」
「えっ…私をですか?」
「当たり前だろう。俺は君以外と結婚するつもりはないよ。フローラ、君を苦しめていた奴らは全ていなくなった。どうか俺とこの国をよりよくするため、共に歩んでいって欲しい」
アダム様の真っすぐな瞳…
「私は…」
「殿下、ちょっとよろしいでしょうか?」
「ああ、今行く。それじゃあフローラ、しばらくはゆっくり過ごすといい」
そう言って出て行ったアダム様。急に国王が変わる事が決まって、かなりバタバタしている様だ。
私が王妃…私が…
ふとお母様に貰ったペンダントを取り出した。お母様…私はどうすればいいの?会いたいわ…
「ねえ、あなた。私の両親とお兄様が眠るお墓は何処にあるか知っている?」
近くにいたメイドに声を掛ける。
「えっと…確認して参ります」
急いで部屋から出て行くメイド。しばらくすると、男性を連れて戻って来た。
「フローラ様、ご両親と兄上のお墓に行きたいとお伺いしました。私が案内しましょう」
男性に連れられて向かったのは、王宮の裏にある小高い丘の上だ。そこにはお墓が3つあり、それぞれの名前と年齢が彫られていた。
お父様とお母様は28歳で、お兄様はわずか10歳で亡くなったのね。
「お父様、お母様、お兄様、ずっと会いにこられなくてごめんなさい。やっとお父様の汚名を返上しました。でも…でも…」
お墓に縋りつき、子供の様に泣いた。いくら汚名を返上しても、3人が戻る事はない。3人は、どんな思いで殺されたのかしら?そう考えたら、涙が止まらないのだ。泣いて泣いて泣いて、泣き続けた。その時だった。
「フローラ、ここにいたんだね。さあ、日も沈みかけている、そろそろ王宮に戻ろう。ここはいつでも来られるからね」
そう言って手を差し伸べてくれるアダム様。アダム様の手を握り、王宮へと戻った。いつもの様に食事を済ませ、部屋に戻る。湯あみを済ませ、寝る準備が出来たところでメイドたちが外に出て行った。
アダム様、ごめんなさい…
私はやっぱり、この国の王妃になんてなれない。やっぱり私の家族を奪ったこの国が憎い…
1人静かに荷物をまとめた。そして、アダム様宛の手紙も書いた。アダム様、どうか私の事は忘れて、幸せになって下さいね!
こっそり窓から脱出し、門を目指す。もちろん、門番に止められた。
「フローラ様、どこに行かれるのですか?」
「急用が出来たので、しばらく留守に致します。アダム様には伝えてありますので」
「あ…お待ちください!フローラ様」
後ろで門番が叫んでいるが、無視して歩き出す。そして、馬車乗り場へとやって来た。幸いまだ馬車が残っていたので、乗せてもらえる様交渉する。通常料金の2倍出すと言ったら、馬車に乗せてくれた。
急いで馬車に乗り込む。
ゆっくり走り出す馬車。
さようなら、アペルピスィ王国。
さようなら、アダム様…
26
あなたにおすすめの小説
私が育てたのは駄犬か、それとも忠犬か 〜結婚を断ったのに麗しの騎士様に捕まっています〜
日室千種・ちぐ
恋愛
ランドリック・ゼンゲンは将来を約束された上級騎士であり、麗しの貴公子だ。かつて流した浮名は数知れず、だが真の恋の相手は従姉妹で、その結婚を邪魔しようとしたと噂されている。成人前からゼンゲン侯爵家預かりとなっている子爵家の娘ジョゼットは、とある事情でランドリックと親しんでおり、その噂が嘘だと知っている。彼は人の心に鈍感であることに悩みつつも向き合う、真の努力家であり、それでもなお自分に自信が持てないことも、知っていて、密かに心惹かれていた。だが、そのランドリックとの結婚の話を持ちかけられたジョゼットは、彼が自分を女性として見ていないことに、いずれ耐えられなくなるはずと、断る決断をしたのだが――。
(なろう版ではなく、やや大人向け版です)
ストーカーに狙われたので歳上騎士様に護衛をお願いしました。
ねーさん
恋愛
「氷の彫刻」と呼ばれる美貌の兄を持つ公爵令嬢のクラリッサは不審な視線に悩まされていた。
卒業を二日後に控えた朝、教室のクラリッサの机に置かれた一通の偏執狂者からの手紙。
親友イブを通じてイブの婚約者、近衛騎士団第四分団員のジョーンズに相談すると、第四分団長ネイトがクラリッサのパートナーとして卒業パーティーに出席してくれる事になって───
〈注〉
このお話は「婚約者が記憶喪失になりました。」と「元騎士の歳上公爵様がまさかの××でした!?」の続編になります。
やさしい・悪役令嬢
きぬがやあきら
恋愛
「そのようなところに立っていると、ずぶ濡れになりますわよ」
と、親切に忠告してあげただけだった。
それなのに、ずぶ濡れになったマリアナに”嫌がらせを指示した張本人はオデットだ”と、誤解を受ける。
友人もなく、気の毒な転入生を気にかけただけなのに。
あろうことか、オデットの婚約者ルシアンにまで言いつけられる始末だ。
美貌に、教養、権力、果ては将来の王太子妃の座まで持ち、何不自由なく育った箱入り娘のオデットと、庶民上がりのたくましい子爵令嬢マリアナの、静かな戦いの火蓋が切って落とされた。
【完結】 婚約破棄間近の婚約者が、記憶をなくしました
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
その日、砂漠の国マレから留学に来ていた第13皇女バステトは、とうとうやらかしてしまった。
婚約者である王子ルークが好意を寄せているという子爵令嬢を、池に突き落とそうとしたのだ。
しかし、池には彼女をかばった王子が落ちることになってしまい、更に王子は、頭に怪我を負ってしまった。
――そして、ケイリッヒ王国の第一王子にして王太子、国民に絶大な人気を誇る、朱金の髪と浅葱色の瞳を持つ美貌の王子ルークは、あろうことか記憶喪失になってしまったのである。(第一部)
ケイリッヒで王子ルークに甘やかされながら平穏な学生生活を送るバステト。
しかし、祖国マレではクーデターが起こり、バステトの周囲には争乱の嵐が吹き荒れようとしていた。
今、為すべき事は何か?バステトは、ルークは、それぞれの想いを胸に、嵐に立ち向かう!(第二部)
全33話+番外編です
小説家になろうで600ブックマーク、総合評価5000ptほどいただいた作品です。
拍子挿絵を描いてくださったのは、ゆゆの様です。 挿絵の拡大は、第8話にあります。
https://www.pixiv.net/users/30628019
https://skima.jp/profile?id=90999
お飾りの側妃となりまして
秋津冴
恋愛
舞台は帝国と公国、王国が三竦みをしている西の大陸のど真ん中。
歴史はあるが軍事力がないアート王国。
軍事力はあるが、歴史がない新興のフィラー帝国。
歴史も軍事力も国力もあり、大陸制覇を目論むボッソ公国。
そんな情勢もあって、帝国と王国は手を組むことにした。
テレンスは帝国の第二皇女。
アート王ヴィルスの第二王妃となるために輿入れしてきたものの、互いに愛を感じ始めた矢先。
王は病で死んでしまう。
新しく王弟が新国王となるが、テレンスは家臣に下賜されてしまう。
その相手は、元夫の義理の息子。
現王太子ラベルだった。
しかし、ラベルには心に思う相手がいて‥‥‥。
他の投稿サイトにも、掲載しております。
「この結婚はなかったことにしてほしい、お互いのためだ」と言われましたが……ごめんなさい!私は代役です
涙乃(るの)
恋愛
男爵家の双子の姉妹のフィオーリとクリスティナは、髪色以外はよく似ている。
姉のフィオーリ宛にとある伯爵家から結婚の申し込みが。
結婚式の1ヶ月前に伯爵家へと住まいを移すように提案されると、フィオーリはクリスティナへ式までの代役を依頼する。
「クリスティナ、大丈夫。絶対にバレないから!
結婚式に入れ替われば問題ないから。お願い」
いえいえいえ、問題しかないと思いますよ。
ゆるい設定世界観です
あなたが残した世界で
天海月
恋愛
「ロザリア様、あなたは俺が生涯をかけてお守りすると誓いましょう」王女であるロザリアに、そう約束した初恋の騎士アーロンは、ある事件の後、彼女との誓いを破り突然その姿を消してしまう。
八年後、生贄に選ばれてしまったロザリアは、最期に彼に一目会いたいとアーロンを探し、彼と再会を果たすが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる