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第6話:心が軽くなりました
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「お父様、落ち着いて下さい。こんな時間から急にお邪魔したら、きっとブラッディ伯爵家の方たちも、ご迷惑ですわ。明日改めて、伺いましょう。それから、慰謝料はいりませんし、ラドル様が私を陥れるために悪い噂を流していたことも、公言するつもりはございません」
「君は一体、何を言っているのだい?君がこの1年、どれほど辛い思いをして来たか。貴族界での評価を著しく落とされただけでなく、婚約者にまで裏切られていたのだよ。こんなひどい仕打ちをされて、黙っているだなんて」
「確かにラドル様が私にした酷い仕打ちは、許しがたい事です。ですが、きっとそこまで嫌われる事を、私が知らず知らずのうちに行ったのでしょう。とにかく私は、婚約を解消できればそれでよいのです」
正直もう、貴族世界でどう思われようがどうでもいい。それに…
「ラドル様と私が婚約を解消すれば、少しずつ悪い噂も落ち着くと思うのです。きっとあの人は、自分が悪者にならない様に上手く婚約を解消するのが目的でしょうし。それにもう、私は周りからどう思われようが、どうでもいいのです。
これからは周りに何と思われようが、堂々と生きてまいりますわ」
私は何も悪い事をしていない。彼と婚約を解消してしまえば、きっと自然に悪い噂も消えていくだろう。そんな淡い期待を抱いているのだ。
まあ、そううまくはいかないかもしれないが…
それでももう、どうでもいい。私の事を悪く言いたい人は、言い続ければいい。私も少しは強くならないと。
それに…
“アントアーネ、必ず僕が守るからね”
幼い頃、そう言ってほほ笑んでくれたラドル様の笑顔が脳裏に浮かんだ。
私を苦しめ、地獄に叩き落した憎い男。それでも私は、間違いなく彼が好きだった。
だからこそ、彼にはどうか幸せになってほしいのだ。あんなにも酷い裏切りをされたのに、本当に自分の愚かさが嫌になる。それでも私が彼にしてあげられる、唯一の事だから…
「アントアーネはどこまで優しい子なんだ。こんな優しい子に、あの男は!アントアーネ、本当にすまない。私があんな男と婚約させたばかりに、しなくてもよい苦労をさせてしまった。本当に私は、ダメな父親だ」
「お父様は悪くはありませんわ。私がラドル様と、うまく関係を築けなかったのがいけないのです。お父様にも沢山苦労を掛けてしまい、申し訳ございませんでした。無事婚約を解消できるまで、もう少しお付き合いください」
「アントアーネ…君って子は」
再びお父様が涙を流している。こんなにもお優しいお父様にも、随分と苦労をかけてしまった。その上、私の名誉はもしかしたら回復されないかもしれない。
きっとこれからも、お父様には辛い思いをさせてしまうかもしれない。それならいっその事…
「アントアーネ、そんなに辛そうな顔をしないでくれ。私は君が決めた事を、支持するよ」
そう言ってお父様がほほ笑んだ。お父様には、私が考えていることが全てお見通しなのね…
今日はきちんとお父様に真実を話すことが出来て、本当によかった。後はうまく婚約を解消するだけだ。
「アントアーネ、明日は学院をお休みしなさい。明日ラドル殿に会いたくはないだろう?私から学院には話をしておくから」
「私は大丈夫ですわ。どちらにしろ、私はこの国で生きていかないといけないのです。今更逃げるつもりもありません。それに私は、何も悪い事をしていないのです。堂々と生きていくつもりですから。
明日も堂々と貴族学院に行くつもりですわ」
そう笑顔で答えた。あの男と明日、やっと婚約解消できる。そう思うと、たとえ貴族学院で皆から悪口を言われたとしても、そんな事はもうどうでもいいのだ。言いたい奴には言わせておけばいい。
「アントアーネは本当に強い子だね。わかったよ、それじゃあ今日は遅いから、ゆっくり休みなさい。アントアーネ、どうか無理はしないでくれ」
「ええ、分かっておりますわ。それではお父様、おやすみなさい」
お父様に笑顔を向け、そのまま部屋を後にしたのだった。
「君は一体、何を言っているのだい?君がこの1年、どれほど辛い思いをして来たか。貴族界での評価を著しく落とされただけでなく、婚約者にまで裏切られていたのだよ。こんなひどい仕打ちをされて、黙っているだなんて」
「確かにラドル様が私にした酷い仕打ちは、許しがたい事です。ですが、きっとそこまで嫌われる事を、私が知らず知らずのうちに行ったのでしょう。とにかく私は、婚約を解消できればそれでよいのです」
正直もう、貴族世界でどう思われようがどうでもいい。それに…
「ラドル様と私が婚約を解消すれば、少しずつ悪い噂も落ち着くと思うのです。きっとあの人は、自分が悪者にならない様に上手く婚約を解消するのが目的でしょうし。それにもう、私は周りからどう思われようが、どうでもいいのです。
これからは周りに何と思われようが、堂々と生きてまいりますわ」
私は何も悪い事をしていない。彼と婚約を解消してしまえば、きっと自然に悪い噂も消えていくだろう。そんな淡い期待を抱いているのだ。
まあ、そううまくはいかないかもしれないが…
それでももう、どうでもいい。私の事を悪く言いたい人は、言い続ければいい。私も少しは強くならないと。
それに…
“アントアーネ、必ず僕が守るからね”
幼い頃、そう言ってほほ笑んでくれたラドル様の笑顔が脳裏に浮かんだ。
私を苦しめ、地獄に叩き落した憎い男。それでも私は、間違いなく彼が好きだった。
だからこそ、彼にはどうか幸せになってほしいのだ。あんなにも酷い裏切りをされたのに、本当に自分の愚かさが嫌になる。それでも私が彼にしてあげられる、唯一の事だから…
「アントアーネはどこまで優しい子なんだ。こんな優しい子に、あの男は!アントアーネ、本当にすまない。私があんな男と婚約させたばかりに、しなくてもよい苦労をさせてしまった。本当に私は、ダメな父親だ」
「お父様は悪くはありませんわ。私がラドル様と、うまく関係を築けなかったのがいけないのです。お父様にも沢山苦労を掛けてしまい、申し訳ございませんでした。無事婚約を解消できるまで、もう少しお付き合いください」
「アントアーネ…君って子は」
再びお父様が涙を流している。こんなにもお優しいお父様にも、随分と苦労をかけてしまった。その上、私の名誉はもしかしたら回復されないかもしれない。
きっとこれからも、お父様には辛い思いをさせてしまうかもしれない。それならいっその事…
「アントアーネ、そんなに辛そうな顔をしないでくれ。私は君が決めた事を、支持するよ」
そう言ってお父様がほほ笑んだ。お父様には、私が考えていることが全てお見通しなのね…
今日はきちんとお父様に真実を話すことが出来て、本当によかった。後はうまく婚約を解消するだけだ。
「アントアーネ、明日は学院をお休みしなさい。明日ラドル殿に会いたくはないだろう?私から学院には話をしておくから」
「私は大丈夫ですわ。どちらにしろ、私はこの国で生きていかないといけないのです。今更逃げるつもりもありません。それに私は、何も悪い事をしていないのです。堂々と生きていくつもりですから。
明日も堂々と貴族学院に行くつもりですわ」
そう笑顔で答えた。あの男と明日、やっと婚約解消できる。そう思うと、たとえ貴族学院で皆から悪口を言われたとしても、そんな事はもうどうでもいいのだ。言いたい奴には言わせておけばいい。
「アントアーネは本当に強い子だね。わかったよ、それじゃあ今日は遅いから、ゆっくり休みなさい。アントアーネ、どうか無理はしないでくれ」
「ええ、分かっておりますわ。それではお父様、おやすみなさい」
お父様に笑顔を向け、そのまま部屋を後にしたのだった。
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