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第18話:絶対に許さない~ブラッド視点~
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「アントアーネ、しっかりしてくれ。アントアーネ!」
俺の腕の中で、ぐったりとしているアントアーネに向かって、必死に声をかける。腕から伝わる、ものすごい熱。
「アントニオ殿、アントアーネがものすごく熱い。凄い熱だ」
「なんて事だ!こんなにひどい熱を出していただなんて…とにかく、すぐに医者に診せないと」
アントアーネの兄でもあるアントニオ殿も、かなり動揺している。どうしてこんな事になったのだろう。明るくて優しくて、正義感の強くて笑顔が素敵なアントアーネ。俺は彼女の太陽の様に笑う顔が大好きだった。
それなのに今は、顔色も悪く、ストレスからか明らかに痩せている。笑顔もなく苦しそうなアントアーネの姿が、俺の胸を締め付ける。
「ブラッド殿、すぐにアントアーネを屋敷に運ぼう。足の怪我も、手当てしないと!」
気が付くと馬車が屋敷についていた。
「アントニオ、ブラッド様、そんなに慌てて…アントアーネ!一体何があったの?」
夫人が慌てて俺たちの方にやって来た。アントアーネの姿を見て、真っ青な顔をしている。
「母上、すぐに医者の手配を。アントアーネは酷い熱だ」
「なんて事なの…それに足から血が出ているわ。一体何があったの?」
「話は後だ。すぐに医者に診せないと」
アントアーネを抱きかかえ、そのまま彼女の部屋に向かう。すぐに医者の診察が始まったのだ。
「お嬢様の症状ですが、特に病気などは見つかりませんでした。症状を見る限り、半年前と同じかと」
「半年前と同じですって…という事は、ストレスが原因で熱を出したのね」
「おそらくそうでしょう。今のお嬢様は、肉体的にも非常に弱っておられます。どうか体はもちろん、心のケアが終わるまでは、しっかり療養した方がよろしいかと。体力を回復させる薬を出しておきますので、食後に飲ませてください。それでは私はこれで」
そう言って部屋から出ていく医者。
「アントアーネ、ごめんなさい。心身ともに弱っていたのに、学院へ行く事を止めなかった私たちの責任ね。本当にごめんなさい」
そう言って、夫人がアントアーネに縋りつき、涙を流している。
「どうして母上が謝るのですか!もとはと言えば、全てあの男、ラドルの責任でしょう。あの男、アントアーネを裏切ったくせに、上手くクラスメートを味方につけ、アントアーネを再び傷つけていた!絶対に許せない!母上、父上に連絡をして、ラドルを訴える準備をしましょう。
このまま黙ってなんていられない。絶対にあの男を、地獄に叩き落してやる!」
「アントニオ殿、俺もあの男を訴えるのを、手伝うよ。こんなに心優しいアントアーネをボロボロにしたあいつを、絶対に許さない。いいや、あいつだけではない!あのクラスの人間を、全員地獄に叩き落してやる!」
今までに感じた事のない怒りが、体に沸き上がって来る。こんなに怒りを覚えたのは、初めてだ。
「…お兄様…ブラッド様…落ち着いて。どうかラドル様を…訴えないで…」
俺の手に温もりを感じたかと思うと、か細い声が聞こえたのだ。その声の主は…
「アントアーネ、目を覚ましたのだね。可哀そうに、苦しかったね」
「アントアーネ、よかった!でも、どうしてまだあの男を庇うのだい?あんなに君を苦しめた男なのに。それとも、まさかまだ彼が好きなのかい?」
そう、アントアーネだ。苦しそうに息をしている中、必死に訴えている。そこまでしてどうしてあんなクズ男を庇うのだろう。もしかしてアントアーネは、まだあのクズの事を…
そう思うと、胸が締め付けられた。
「いいえ…正直もう、顔も見たくはありませんわ…ですが…もうどうでもいいのです…あの人たちは、何を言っても私の言う事を信じない…そんな人たちに、今更どう思われようがどうでもいいのです…
もう疲れましたわ…」
そう言って悲しそうに笑ったアントアーネを見た瞬間、再び胸が締め付けられた。ずっと孤独の中、たった1人で戦ってきたアントアーネ。
誰からも信じてもらえず、悪者にされ、どんなに辛かったか!彼女の気持ちを思うと、いたたまれない気持ちになる。
正直あの男を、許すことはできない。
でも…
俺の腕の中で、ぐったりとしているアントアーネに向かって、必死に声をかける。腕から伝わる、ものすごい熱。
「アントニオ殿、アントアーネがものすごく熱い。凄い熱だ」
「なんて事だ!こんなにひどい熱を出していただなんて…とにかく、すぐに医者に診せないと」
アントアーネの兄でもあるアントニオ殿も、かなり動揺している。どうしてこんな事になったのだろう。明るくて優しくて、正義感の強くて笑顔が素敵なアントアーネ。俺は彼女の太陽の様に笑う顔が大好きだった。
それなのに今は、顔色も悪く、ストレスからか明らかに痩せている。笑顔もなく苦しそうなアントアーネの姿が、俺の胸を締め付ける。
「ブラッド殿、すぐにアントアーネを屋敷に運ぼう。足の怪我も、手当てしないと!」
気が付くと馬車が屋敷についていた。
「アントニオ、ブラッド様、そんなに慌てて…アントアーネ!一体何があったの?」
夫人が慌てて俺たちの方にやって来た。アントアーネの姿を見て、真っ青な顔をしている。
「母上、すぐに医者の手配を。アントアーネは酷い熱だ」
「なんて事なの…それに足から血が出ているわ。一体何があったの?」
「話は後だ。すぐに医者に診せないと」
アントアーネを抱きかかえ、そのまま彼女の部屋に向かう。すぐに医者の診察が始まったのだ。
「お嬢様の症状ですが、特に病気などは見つかりませんでした。症状を見る限り、半年前と同じかと」
「半年前と同じですって…という事は、ストレスが原因で熱を出したのね」
「おそらくそうでしょう。今のお嬢様は、肉体的にも非常に弱っておられます。どうか体はもちろん、心のケアが終わるまでは、しっかり療養した方がよろしいかと。体力を回復させる薬を出しておきますので、食後に飲ませてください。それでは私はこれで」
そう言って部屋から出ていく医者。
「アントアーネ、ごめんなさい。心身ともに弱っていたのに、学院へ行く事を止めなかった私たちの責任ね。本当にごめんなさい」
そう言って、夫人がアントアーネに縋りつき、涙を流している。
「どうして母上が謝るのですか!もとはと言えば、全てあの男、ラドルの責任でしょう。あの男、アントアーネを裏切ったくせに、上手くクラスメートを味方につけ、アントアーネを再び傷つけていた!絶対に許せない!母上、父上に連絡をして、ラドルを訴える準備をしましょう。
このまま黙ってなんていられない。絶対にあの男を、地獄に叩き落してやる!」
「アントニオ殿、俺もあの男を訴えるのを、手伝うよ。こんなに心優しいアントアーネをボロボロにしたあいつを、絶対に許さない。いいや、あいつだけではない!あのクラスの人間を、全員地獄に叩き落してやる!」
今までに感じた事のない怒りが、体に沸き上がって来る。こんなに怒りを覚えたのは、初めてだ。
「…お兄様…ブラッド様…落ち着いて。どうかラドル様を…訴えないで…」
俺の手に温もりを感じたかと思うと、か細い声が聞こえたのだ。その声の主は…
「アントアーネ、目を覚ましたのだね。可哀そうに、苦しかったね」
「アントアーネ、よかった!でも、どうしてまだあの男を庇うのだい?あんなに君を苦しめた男なのに。それとも、まさかまだ彼が好きなのかい?」
そう、アントアーネだ。苦しそうに息をしている中、必死に訴えている。そこまでしてどうしてあんなクズ男を庇うのだろう。もしかしてアントアーネは、まだあのクズの事を…
そう思うと、胸が締め付けられた。
「いいえ…正直もう、顔も見たくはありませんわ…ですが…もうどうでもいいのです…あの人たちは、何を言っても私の言う事を信じない…そんな人たちに、今更どう思われようがどうでもいいのです…
もう疲れましたわ…」
そう言って悲しそうに笑ったアントアーネを見た瞬間、再び胸が締め付けられた。ずっと孤独の中、たった1人で戦ってきたアントアーネ。
誰からも信じてもらえず、悪者にされ、どんなに辛かったか!彼女の気持ちを思うと、いたたまれない気持ちになる。
正直あの男を、許すことはできない。
でも…
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