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第36話:ブラッド様の方が一枚上手でした
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私がブラッド様を守りたいのに…でも、今の私は無力だ。もしこのままブラッド様が濡れ衣を着せられたまま、退学なんて事になったら。
悔しくて、涙が出そうになる。
「アントアーネ、そんな顔をしないで。俺の事を信じてくれて、ありがとう。先生、アントアーネの言う通り、どうやら俺を陥れた人間がいる様です」
「ブラッド殿、この後に及んで、君までそんな事を言うだなんて。こそまで言うのなら、証拠はあるのかい?証拠は」
「ラドルの言う通りだ。もちろん、証拠はあるのだよね?」
周りが再び騒ぎ出した。
私は不安からブラッド様を見つめるが、当の本人は涼しい顔をしている。
「先生、俺は非常に用心深い性格なのです。教室内で何かトラブルが起こった時に、証拠を提出できるように、ここに小型のカメラを仕込んでおいたのですよ」
そう言うと、ブラッド様が花の間から何かを取り出したのだ。
「これは、確かに小型のカメラだね」
「きっとここに、何らかの映像が映っているはずです。確認して頂いても、よろしいでしょうか?」
まさかブラッド様が、その様な物を準備していただなんて。さすがだ。
「ええ、分かりました。それでは、すぐに映像を確認して参りますので、少しお待ちください」
「先生、せっかくですから、ここで映像を確認しましょう。その方が手っ取り早いでしょうし」
「待って、監視カメラは…」
さっきブラッド様が不正を働いたと叫んだ令息が、急に慌てだしたのだ。
「君、どうしたのだい?やましい事がないのなら、別にいいだろう?」
「イヤ…その…」
「確かにやましい事がないのなら、監視カメラの映像を見ても問題ないだろう。先生、すぐに映像を確認してください」
「ラドル様!」
何を思ったのか、ラドル様まで映像の確認を求めてきたのだ。令息は真っ青な顔をして、ラドル様の名前を呼んでいるが、当のラドル様は彼と目も合わさず、涼しい顔をしている。
きっとラドル様は、この男を切り捨てるつもりなのだろう。そもそも、私に悪い噂を流した彼らに、全ての罪を擦り付けようとしていた人だ…本当に、最低な男。
「それじゃあ、映像を確認していきましょう」
そう言うと、先生が映像を確認していく。
「ブラッド殿が、メモを机に入れている様子はないようですね。もう少し遡ってみましょう」
先生がどんどん遡っていく。すると、さっきブラッド様が不正を働いていると叫んだ令息が、ブラッド様の机に何やらメモの様なものを入れている姿が、映し出されたのだ。
「先生…あの…これは、違うんです。俺は…」
必死に言い訳をしようとする令息。
「まさか君が、ブラッド殿を陥れていただなんて。本当に最低な奴だね。そういえば君、ブラッド殿が勉学も武術も出来る事を、妬んでいたものね。先生、こんな酷い事をする生徒と、同じ教室で学ぶなんてできません。
この男を退学にして下さい」
「そんな…ラドル様、どうしてそんな酷い事を言うのですか?俺はあなたの為に…」
「訳の分からない事を、言わないでくれるかい?もしかして、僕に罪を擦り付けようとしているのかい?本当に最低だな」
プイっとあちらの方を向いたラドル様。こんな風に平気で切り捨てられるだなんて、人の仮面をかぶった悪魔だわ。
「ラドルの言う通りだ。まさかブラッド殿を陥れるだなんて。彼はリューズ王国の侯爵令息だぞ。お前、頭おかしいんじゃないのか?」
「こんな男、退学が妥当だ。先生、さっさとこの男を退学にして下さい」
次々とクラスメートたちが、彼を非難し始めた。さっきまでブラッド様に酷い事を言っていたのに、本当に嫌な人たち。
なんだかこの人も、気の毒ね。ラドル様にいいように利用されて…きっとこの人の家は、これから後ろ指をさされながら生きていくのだろう。
貴族学院を退学になるだなんて、貴族社会では恥以外何物でもないのだから、最悪きちんと教育が出来ていなかったという事で、家族も罰せられる可能性もある。
そう考えると、なんだか気の毒になってきた。
「先生、退学だけは、どうかお許しください。ブラッド様、本当に申し訳ございませんでした。どうか退学だけは」
床に頭をこすりつけ、必死に謝る令息。そんな令息に近づき、膝をつくブラッド様。
「どうか頭を上げてくれ。君だけが悪い訳ではないと、俺は思っている。先生、今回の件、どうか不問にして頂きたい。俺はリューズ王国から来た、留学生です。あまり問題を大事にはしたくないのです」
「ですが、それではさすがに…」
「それなら、一定期間の停学という事でどうでしょう。もちろん、彼にも卒業証書を与えてあげてください。俺のせいで、誰かが退学になるのは嫌なのです」
「分かりました、被害者でもあるあなたがそれでいいというのなら、今回は停学処分という事にしましょう」
「ブラッド殿、ありがとうございます」
再び頭を床にこすりつけて、お礼を言う令息。停学と退学では、天と地ほど対応が違う。これで令息の首の皮が1枚、繋がったという事だ。
悔しくて、涙が出そうになる。
「アントアーネ、そんな顔をしないで。俺の事を信じてくれて、ありがとう。先生、アントアーネの言う通り、どうやら俺を陥れた人間がいる様です」
「ブラッド殿、この後に及んで、君までそんな事を言うだなんて。こそまで言うのなら、証拠はあるのかい?証拠は」
「ラドルの言う通りだ。もちろん、証拠はあるのだよね?」
周りが再び騒ぎ出した。
私は不安からブラッド様を見つめるが、当の本人は涼しい顔をしている。
「先生、俺は非常に用心深い性格なのです。教室内で何かトラブルが起こった時に、証拠を提出できるように、ここに小型のカメラを仕込んでおいたのですよ」
そう言うと、ブラッド様が花の間から何かを取り出したのだ。
「これは、確かに小型のカメラだね」
「きっとここに、何らかの映像が映っているはずです。確認して頂いても、よろしいでしょうか?」
まさかブラッド様が、その様な物を準備していただなんて。さすがだ。
「ええ、分かりました。それでは、すぐに映像を確認して参りますので、少しお待ちください」
「先生、せっかくですから、ここで映像を確認しましょう。その方が手っ取り早いでしょうし」
「待って、監視カメラは…」
さっきブラッド様が不正を働いたと叫んだ令息が、急に慌てだしたのだ。
「君、どうしたのだい?やましい事がないのなら、別にいいだろう?」
「イヤ…その…」
「確かにやましい事がないのなら、監視カメラの映像を見ても問題ないだろう。先生、すぐに映像を確認してください」
「ラドル様!」
何を思ったのか、ラドル様まで映像の確認を求めてきたのだ。令息は真っ青な顔をして、ラドル様の名前を呼んでいるが、当のラドル様は彼と目も合わさず、涼しい顔をしている。
きっとラドル様は、この男を切り捨てるつもりなのだろう。そもそも、私に悪い噂を流した彼らに、全ての罪を擦り付けようとしていた人だ…本当に、最低な男。
「それじゃあ、映像を確認していきましょう」
そう言うと、先生が映像を確認していく。
「ブラッド殿が、メモを机に入れている様子はないようですね。もう少し遡ってみましょう」
先生がどんどん遡っていく。すると、さっきブラッド様が不正を働いていると叫んだ令息が、ブラッド様の机に何やらメモの様なものを入れている姿が、映し出されたのだ。
「先生…あの…これは、違うんです。俺は…」
必死に言い訳をしようとする令息。
「まさか君が、ブラッド殿を陥れていただなんて。本当に最低な奴だね。そういえば君、ブラッド殿が勉学も武術も出来る事を、妬んでいたものね。先生、こんな酷い事をする生徒と、同じ教室で学ぶなんてできません。
この男を退学にして下さい」
「そんな…ラドル様、どうしてそんな酷い事を言うのですか?俺はあなたの為に…」
「訳の分からない事を、言わないでくれるかい?もしかして、僕に罪を擦り付けようとしているのかい?本当に最低だな」
プイっとあちらの方を向いたラドル様。こんな風に平気で切り捨てられるだなんて、人の仮面をかぶった悪魔だわ。
「ラドルの言う通りだ。まさかブラッド殿を陥れるだなんて。彼はリューズ王国の侯爵令息だぞ。お前、頭おかしいんじゃないのか?」
「こんな男、退学が妥当だ。先生、さっさとこの男を退学にして下さい」
次々とクラスメートたちが、彼を非難し始めた。さっきまでブラッド様に酷い事を言っていたのに、本当に嫌な人たち。
なんだかこの人も、気の毒ね。ラドル様にいいように利用されて…きっとこの人の家は、これから後ろ指をさされながら生きていくのだろう。
貴族学院を退学になるだなんて、貴族社会では恥以外何物でもないのだから、最悪きちんと教育が出来ていなかったという事で、家族も罰せられる可能性もある。
そう考えると、なんだか気の毒になってきた。
「先生、退学だけは、どうかお許しください。ブラッド様、本当に申し訳ございませんでした。どうか退学だけは」
床に頭をこすりつけ、必死に謝る令息。そんな令息に近づき、膝をつくブラッド様。
「どうか頭を上げてくれ。君だけが悪い訳ではないと、俺は思っている。先生、今回の件、どうか不問にして頂きたい。俺はリューズ王国から来た、留学生です。あまり問題を大事にはしたくないのです」
「ですが、それではさすがに…」
「それなら、一定期間の停学という事でどうでしょう。もちろん、彼にも卒業証書を与えてあげてください。俺のせいで、誰かが退学になるのは嫌なのです」
「分かりました、被害者でもあるあなたがそれでいいというのなら、今回は停学処分という事にしましょう」
「ブラッド殿、ありがとうございます」
再び頭を床にこすりつけて、お礼を言う令息。停学と退学では、天と地ほど対応が違う。これで令息の首の皮が1枚、繋がったという事だ。
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