私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい

Karamimi

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第35話:ブラッド様はそんな事はしません

 ブラッド様に教えてもらったお陰か、いつも以上に問題が解ける。このままいけば、本当に学年5位以内も、夢ではないかもしれない。

 そんな事を考えながら、問題を解いていく。

 その時だった。

「先生、ブラッド殿が、何やら怪しい動きをしています」

 急に令息の声が、響き渡ったのだ。その瞬間、皆が一斉にブラッド様の方を向いた。

「ブラッド殿、怪しい動きをしていたとの事だが…」

「いいえ、俺は通常通り試験を受けていただけで、特に怪しい動きなどしておりませんが」

「いいや、していたね。ブラッド殿、机の中のメモの様なものを見ていたよね?俺は君が怪しい動きをしているところを、この目でしっかり見たんだ。先生、ブラッド殿の机の中を、確認してください」

 そう令息が叫んだ。この男、確かラドル様にお金で雇われて、私の悪い噂を流した子爵令息だ。もしかしてラドル様の指示で!

「ブラッド殿、机の中を見せてもらうよ」

 ブラッド様の机から、メモの様なものが出てきたのだ。

「これは…ブラッド殿、これはどういうことですか?どうして今回のテスト範囲の答えが書かれた紙が、出てきたのですか?まさか不正を働こうとしたのでは…」

 ブラッド様が不正ですって。そんな事、絶対にないわ。ブラッド様は、その様な卑怯な事をする人間ではない。絶対にラドル様の指示で、あの男が動いたのだわ。

 チラリとラドル様の方を見ると、ニヤニヤしながらブラッド様を見ていた。間違いない、あの男、どこまで卑怯なのかしら?私だけならともかく、ブラッド様まで陥れるだなんて。

「先生、ブラッド様が不正を働く訳がございませんわ。彼は非常に優秀なのです。きっと誰かが、ブラッド様を陥れるために、わざとメモを入れたのですわ」

「アントアーネ、君がブラッド殿を信じたい気持ちは分かるけれど、実際ブラッド殿の机には、不正のメモが入っていたのだよ。彼はそういう卑怯な男なんだ」

 ここにきて、ラドル様が私の方にやって来て、そんなふざけた事を言いだしたのだ。

「ブラッド様は、そんな卑怯な人間ではありませんわ。私が一番彼の事をよく知っているのです。先生、ブラッド様はそんな人ではありません。きちんと調べて下さい」

「きちんと調べてくれと言われましても、実際ブラッド殿の机から、このような不正を働くメモが出てきておりますので…」

 先生が困った顔で呟いている。

 周りも

 “まさかブラッド様が、あのような不正を働くだなんて”

 “アントアーネ様と、ずっと一緒にいる様な人よ。不正を働いてもおかしくはないわ”

 “前のテストも、不正を働いて1位を取ったのか?そこまでして1位を取りたいだなんて、最低な奴だな”

 周りからも心無い言葉が飛び交う。

「先生、ブラッド殿は不正を働いたのです。そんな人間が、貴族学院を卒業させるだなんて。すぐに退学にさせて下さい」

 ラドル様が先生に向かってそう叫んだのだ。退学ですって!

「ラドルの言う通りだ。こんな不正を働くような男、退学にさせるべきだ」

「さっさとリューズ王国に帰れ」

 次々とブラッド様に暴言を吐くクラスメートたち。

「あなた達、いい加減にして。ブラッド様はそんな事をする人ではないわ。きっと誰かに陥れられたのよ」

「アントアーネ嬢、それじゃあ誰が、ブラッド殿を陥れたというのだい?もちろん、証拠はあるのだよね。証拠は」

「そうそう、ブラッド殿はここに来た時、証拠証拠と言っていたもんな。証拠がないのに、ブラッド殿が陥れたというのは良くないぜ」

「どうせなら、お前も一緒に退学になればいいんじゃないのか?そうだ、お前もリューズ王国に行けよ。目障りな奴が、2人まとめて消えてくれたらラッキーじゃん」

 令息たちが、好き勝手言っている。いつも私を助けてくれるブラッド様を、私は助ける事すらできないだなんて。悔しくてたまらない。

「皆、落ち着いてくれ。アントアーネは関係ないだろう?どうしてアントアーネが、リューズ王国になんて行かないといけないのだい?アントアーネ、信用していた男が不正を働くような奴だと知って辛いだろう。

 僕が君を…」

「触らないで下さい。ブラッド様は無罪ですわ。たとえみんながなんと言おうと、私はブラッド様を信じます!」

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