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第37話:お礼を言われる事はしていません
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「それでは、これでこの話しは終わりにしましょう。皆さんもお騒がせして、申し訳ございませんでした」
そう言うと、ブラッド様が皆に頭を下げたのだ。ブラッド様は被害者なのに、あんな風に頭を下げられるだなんて…本当に素敵な人だ。
「それじゃあ、気を取り直してテストを続けましょう。これが最後のテストになるのです。ラウレス子爵令息殿は、別の部屋でテストを受けて下さい。テストを受けた後、卒業式まで停学処分といたします」
「はい、ありがとうございます、先生、ブラッド殿」
涙を流しながら、教室から出ていくラウレス子爵令息を見送った。どうか彼がこれから、後ろ指をさされずに生きて行けたらいいな。ただ、この国では厳しいだろう。
それにしても、本当に憎らしい男。平気で人を利用し、切り捨てる。最低な男だわ。どうして私は、あんな男の事が好きだったのかしら?何だか昔の自分が、ものすごく恥ずかしくなってきた。
て、昔の事を悔いても仕方がない。これからは、今を見て生きて行こう。
そのためにも、まずはテストを無事終わらせないと。そんな思いでテストを進めていく。
そして、無事全てのテストが終わった。
「ブラッド様、テストも終わりましたし、一緒に帰りましょう」
「ああ、終わったね。どうだった?問題は解けたかい?」
「ええ、ブラッド様が教えて下さったお陰で、ほぼ全部解けましたわ。さすがブラッド様ですわね」
「それは良かった。アントアーネ、今日の件、俺の事を信じてくれてありがとう。君が信じてくれて、俺を庇ってくれた事、凄く嬉しかったよ」
「そんな、私は何もしておりませんわ。ブラッド様は、そんな不正を働くような人ではないという事は、私が一番よく分かっておりますので。でも、あの時私は何もできなくて…」
「君が最後まで俺の事を信じてくれたことが、何よりも嬉しかったんだ。誰からから信じてもらえるのって、こんなに嬉しいのだね」
そう言って笑ったブラッド様。
「ええ、誰かから信じてもらえることほど、嬉しいものはありませんわ。私はずっと誰からも信じてもらえず、独りぼっちだったのです。そんな中、ブラッド様はどんな時でも私の事を信じて下さり、守ってくれました。
あなたは本当に、私にとってのヒーローですわ。ブラッド様がいらっしゃらなかったら、とっくの昔に私の心は壊れておりましたので」
ブラッド様の存在が、どれほど私を助けてくれたか。彼がいなかったら、今の私はいないだろう。
「アントアーネにそう言ってもらえると、嬉しいよ。さあ、テストも終わったし、もう帰ろう。今日は料理長が俺たちの為に、それぞれの好物を作ってくれると言っていたよ」
「まあ、本当ですか?それは楽しみですわ。それでは参りましょう」
2人で手を繋いで、馬車へと向かおうとした時だった。
「ブラッド殿、今日は大変だったね。まさかクラスにあんな卑劣な奴がいただなんて。同じクラスメートとして、謝罪させてくれ。本当にすまなかった」
何を思ったのか、ラドル様がブラッド様に謝罪したのだ。
「別にあなたに謝罪して頂く必要はありませんよ。それじゃあ、俺たちは急ぎますので」
私を連れてその場を立ち去ろうとしたブラッド様の腕を、ラドル様が掴んだ。
「待って、今から皆でテストが終わったお疲れ様会を開くのだが、ブラッド殿とアントアーネも一緒に来ないかい?せっかく同じクラスになったのだし、いつまでもいがみ合っているのもよくないだろう?
それに君は卒業後、リューズ王国に帰るからいいかもしれないけれど、アントアーネはその後もずっとこの国で生きていくのだ。この辺で、皆と和解しておいた方がいいのではないのかい?皆も君たちが来てもいいと言ってくれているし」
この人は何を言っているの?和解ですって?そんなもの、できる訳がない。
「ブラッディ伯爵令息様、お気遣いありがとうございます。ですが私が行ったら、きっと皆さま嫌な思いをするでしょう。それに何よりも、私自身がもう皆様と関わりたくはないのです。
前にもいいましたが、どうか私の事は放っておいてください。それでは失礼いたします。行きましょう、ブラッド様」
「ラドル殿、申し訳ないが、俺も遠慮させてもらうよ。君たちだけで楽しんでくれ。それじゃあ、失礼するよ」
そう伝えると、ラドル様の元を立ち去ったのだった。
※次回、ラドル視点です。
よろしくお願いします。
そう言うと、ブラッド様が皆に頭を下げたのだ。ブラッド様は被害者なのに、あんな風に頭を下げられるだなんて…本当に素敵な人だ。
「それじゃあ、気を取り直してテストを続けましょう。これが最後のテストになるのです。ラウレス子爵令息殿は、別の部屋でテストを受けて下さい。テストを受けた後、卒業式まで停学処分といたします」
「はい、ありがとうございます、先生、ブラッド殿」
涙を流しながら、教室から出ていくラウレス子爵令息を見送った。どうか彼がこれから、後ろ指をさされずに生きて行けたらいいな。ただ、この国では厳しいだろう。
それにしても、本当に憎らしい男。平気で人を利用し、切り捨てる。最低な男だわ。どうして私は、あんな男の事が好きだったのかしら?何だか昔の自分が、ものすごく恥ずかしくなってきた。
て、昔の事を悔いても仕方がない。これからは、今を見て生きて行こう。
そのためにも、まずはテストを無事終わらせないと。そんな思いでテストを進めていく。
そして、無事全てのテストが終わった。
「ブラッド様、テストも終わりましたし、一緒に帰りましょう」
「ああ、終わったね。どうだった?問題は解けたかい?」
「ええ、ブラッド様が教えて下さったお陰で、ほぼ全部解けましたわ。さすがブラッド様ですわね」
「それは良かった。アントアーネ、今日の件、俺の事を信じてくれてありがとう。君が信じてくれて、俺を庇ってくれた事、凄く嬉しかったよ」
「そんな、私は何もしておりませんわ。ブラッド様は、そんな不正を働くような人ではないという事は、私が一番よく分かっておりますので。でも、あの時私は何もできなくて…」
「君が最後まで俺の事を信じてくれたことが、何よりも嬉しかったんだ。誰からから信じてもらえるのって、こんなに嬉しいのだね」
そう言って笑ったブラッド様。
「ええ、誰かから信じてもらえることほど、嬉しいものはありませんわ。私はずっと誰からも信じてもらえず、独りぼっちだったのです。そんな中、ブラッド様はどんな時でも私の事を信じて下さり、守ってくれました。
あなたは本当に、私にとってのヒーローですわ。ブラッド様がいらっしゃらなかったら、とっくの昔に私の心は壊れておりましたので」
ブラッド様の存在が、どれほど私を助けてくれたか。彼がいなかったら、今の私はいないだろう。
「アントアーネにそう言ってもらえると、嬉しいよ。さあ、テストも終わったし、もう帰ろう。今日は料理長が俺たちの為に、それぞれの好物を作ってくれると言っていたよ」
「まあ、本当ですか?それは楽しみですわ。それでは参りましょう」
2人で手を繋いで、馬車へと向かおうとした時だった。
「ブラッド殿、今日は大変だったね。まさかクラスにあんな卑劣な奴がいただなんて。同じクラスメートとして、謝罪させてくれ。本当にすまなかった」
何を思ったのか、ラドル様がブラッド様に謝罪したのだ。
「別にあなたに謝罪して頂く必要はありませんよ。それじゃあ、俺たちは急ぎますので」
私を連れてその場を立ち去ろうとしたブラッド様の腕を、ラドル様が掴んだ。
「待って、今から皆でテストが終わったお疲れ様会を開くのだが、ブラッド殿とアントアーネも一緒に来ないかい?せっかく同じクラスになったのだし、いつまでもいがみ合っているのもよくないだろう?
それに君は卒業後、リューズ王国に帰るからいいかもしれないけれど、アントアーネはその後もずっとこの国で生きていくのだ。この辺で、皆と和解しておいた方がいいのではないのかい?皆も君たちが来てもいいと言ってくれているし」
この人は何を言っているの?和解ですって?そんなもの、できる訳がない。
「ブラッディ伯爵令息様、お気遣いありがとうございます。ですが私が行ったら、きっと皆さま嫌な思いをするでしょう。それに何よりも、私自身がもう皆様と関わりたくはないのです。
前にもいいましたが、どうか私の事は放っておいてください。それでは失礼いたします。行きましょう、ブラッド様」
「ラドル殿、申し訳ないが、俺も遠慮させてもらうよ。君たちだけで楽しんでくれ。それじゃあ、失礼するよ」
そう伝えると、ラドル様の元を立ち去ったのだった。
※次回、ラドル視点です。
よろしくお願いします。
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