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第38話:このままだと本当にまずい~ラドル視点~
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「ブラッド!あの男、まさかあんなところに監視カメラを設置しているだなんて!」
屋敷に戻ってくると、怒りから近くにあったカバンを壁に投げつけた。
今日こそはあのにっくきブラッドを、この国から追い出してやろうと思ったのに!
ブラッド!どうやら夫人の友人でもある、元ラレックス伯爵令嬢の子供との事。僕が知らないところで、昔アントアーネはあの男と会っていたらしい。どうやらあの男は、アントアーネに気がある様で、四六時中彼女にベッタリとくっ付いているのだ。
その上、アントアーネの家でお世話になっているとの事。僕のアントアーネと一緒に暮らしているだなんて、聞いた時は腸が煮えくり返るほどの怒りを覚えた。
こんなに僕はアントアーネを愛しているのに、伯爵も夫人も全く取り合ってくれない。僕が何度も屋敷を訪れても、屋敷にすら入れてくれないのだ。その上、あの男は僕がアントアーネに近づかない様に、ずっと見張っている。
そのせいで、僕はなかなかアントアーネに近づく事が出来ない。まさかアントアーネの為に、わざわざリューズ王国からやってくるだなんて。どれだけ図々しい男なんだ。
僕はアントアーネを誰よりも愛している。少しやり過ぎたところはあったが、それもこれもアントアーネを愛するが故の行動なのに。それなのに、無理やり婚約を解消されてしまったのだ。
それでもアントアーネの評判は落ちたまま。このままいけば、アントアーネは誰とも結婚できないはず。貴族令嬢のアントアーネが結婚しないなど、我が国ではあり得ない。僕が誠心誠意対応すれば、きっとアントアーネも許してくれるはず、そう思っていた。
それなのに!
「このままだとまずい。アントアーネをあの男に取られてしまう。きっとアントアーネを、リューズ王国に連れて帰るつもりなんだ。そんな事、絶対にさせない。でも…」
完全にあの男にべったりのアントアーネを取り戻すのは、至難の業だ。一体どうすればいいのだろう。
アントアーネを他の男に取られるなど、絶対に嫌だ。アントアーネは僕のものなのに!
焦る気持ちとは裏腹に、時間だけが過ぎていく。ブラッド殿がリューズ王国に帰るまで、もう後少ししか時間は残されていない。このままアントアーネをリューズ王国に連れていかれては、手も足も出なくなる。それだけは、絶対に阻止しないと!
どんな手を使っても!
そんな日々を送っていたある日、僕はある令嬢たちの話を耳にした。
「どうしてあんなにも素敵なブラッド様に、あんな性悪女がついているのかしら?」
「もしかしたら、ブラッド様もあの女に弱みを握られているのかもしれないわ」
「確かあの女の家に、お世話になっているのよね。お可哀そうに、きっとお世話になっている以上、あの女に言いなりになるしかないのよね」
「どう見てもあんな女とブラッド様では、釣り合わないのに。やっぱりブラッド様の様な優秀な人間は、アイーナ様の様な美しい令嬢でないと」
「そうですわ、アイーナ様こそ、ブラッド様とお似合いですわ」
どうやら伯爵令嬢のアイーナ譲と、その取り巻きが話している様だ。
「まあ、皆様。アントアーネ様だって、魅力的ではありませんか。まあ、私には劣りますけれど。やはり私とブラッド様の方が、お似合いよね」
「ええ、もちろんですわ。きっとブラッド様も、アイーナ様の様な美しくて気品あふれる令嬢と、結婚したいはずですわ」
さらにアイーナ嬢をおだてる令嬢たち。こいつら、どこまでおめでたい頭をしているのだろう。あんな女よりも、アントアーネの方が数億倍魅力的なのに。
でも、あの女、うまく使えるかもしれない。そうだ、あの女とブラッド殿をくっつけてしまえば、アントアーネはまた僕の元に戻って来てくれる。
僕は彼女が1人になったタイミングで、そっとアイーナ嬢に近づいたのだった。
※次回、アントアーネ視点に戻ります。
よろしくお願いします。
屋敷に戻ってくると、怒りから近くにあったカバンを壁に投げつけた。
今日こそはあのにっくきブラッドを、この国から追い出してやろうと思ったのに!
ブラッド!どうやら夫人の友人でもある、元ラレックス伯爵令嬢の子供との事。僕が知らないところで、昔アントアーネはあの男と会っていたらしい。どうやらあの男は、アントアーネに気がある様で、四六時中彼女にベッタリとくっ付いているのだ。
その上、アントアーネの家でお世話になっているとの事。僕のアントアーネと一緒に暮らしているだなんて、聞いた時は腸が煮えくり返るほどの怒りを覚えた。
こんなに僕はアントアーネを愛しているのに、伯爵も夫人も全く取り合ってくれない。僕が何度も屋敷を訪れても、屋敷にすら入れてくれないのだ。その上、あの男は僕がアントアーネに近づかない様に、ずっと見張っている。
そのせいで、僕はなかなかアントアーネに近づく事が出来ない。まさかアントアーネの為に、わざわざリューズ王国からやってくるだなんて。どれだけ図々しい男なんだ。
僕はアントアーネを誰よりも愛している。少しやり過ぎたところはあったが、それもこれもアントアーネを愛するが故の行動なのに。それなのに、無理やり婚約を解消されてしまったのだ。
それでもアントアーネの評判は落ちたまま。このままいけば、アントアーネは誰とも結婚できないはず。貴族令嬢のアントアーネが結婚しないなど、我が国ではあり得ない。僕が誠心誠意対応すれば、きっとアントアーネも許してくれるはず、そう思っていた。
それなのに!
「このままだとまずい。アントアーネをあの男に取られてしまう。きっとアントアーネを、リューズ王国に連れて帰るつもりなんだ。そんな事、絶対にさせない。でも…」
完全にあの男にべったりのアントアーネを取り戻すのは、至難の業だ。一体どうすればいいのだろう。
アントアーネを他の男に取られるなど、絶対に嫌だ。アントアーネは僕のものなのに!
焦る気持ちとは裏腹に、時間だけが過ぎていく。ブラッド殿がリューズ王国に帰るまで、もう後少ししか時間は残されていない。このままアントアーネをリューズ王国に連れていかれては、手も足も出なくなる。それだけは、絶対に阻止しないと!
どんな手を使っても!
そんな日々を送っていたある日、僕はある令嬢たちの話を耳にした。
「どうしてあんなにも素敵なブラッド様に、あんな性悪女がついているのかしら?」
「もしかしたら、ブラッド様もあの女に弱みを握られているのかもしれないわ」
「確かあの女の家に、お世話になっているのよね。お可哀そうに、きっとお世話になっている以上、あの女に言いなりになるしかないのよね」
「どう見てもあんな女とブラッド様では、釣り合わないのに。やっぱりブラッド様の様な優秀な人間は、アイーナ様の様な美しい令嬢でないと」
「そうですわ、アイーナ様こそ、ブラッド様とお似合いですわ」
どうやら伯爵令嬢のアイーナ譲と、その取り巻きが話している様だ。
「まあ、皆様。アントアーネ様だって、魅力的ではありませんか。まあ、私には劣りますけれど。やはり私とブラッド様の方が、お似合いよね」
「ええ、もちろんですわ。きっとブラッド様も、アイーナ様の様な美しくて気品あふれる令嬢と、結婚したいはずですわ」
さらにアイーナ嬢をおだてる令嬢たち。こいつら、どこまでおめでたい頭をしているのだろう。あんな女よりも、アントアーネの方が数億倍魅力的なのに。
でも、あの女、うまく使えるかもしれない。そうだ、あの女とブラッド殿をくっつけてしまえば、アントアーネはまた僕の元に戻って来てくれる。
僕は彼女が1人になったタイミングで、そっとアイーナ嬢に近づいたのだった。
※次回、アントアーネ視点に戻ります。
よろしくお願いします。
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