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第56話:楽しい時間はあっという間です
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「皆楽しそうね。大人たちも盛り上がっている様だし、子供たちはこっちで話をしましょう」
イリーネお姉様に声をかけられ、お兄様たちの方に向かった。
「ブラッド様、よかったわね。あなた、ずっとアントアーネちゃんの事が、大好きだったものね。この人は本当に女嫌いで、リューズ王国では令嬢には一切近づかなかったのよ。だから今日、アントアーネちゃんと仲睦まじい姿を見た時、本当に驚いたのだから」
「イリーネ嬢、余計な事をベラベラ話すのはお止め下さい」
「あら、本当の事でしょう?まさかアントアーネちゃんが、リューズ王国に私と入れ違いで来ることになるだなんて、残念だわ。せっかくアントアーネちゃんと、ショッピングをしたりお茶をしたりしたかったのに」
イリーネお姉様が、心底残念そうにしている。私もイリーネお姉様と、この国でお茶やショッピングを楽しみたかった。
でも…
「ごめんなさい、イリーネお姉様。ですが私は、ブラッド様が大好きなので、彼と一緒にリューズ王国に行きますわ。それにしても、まさかイリーネお姉様とお兄様が、恋人同士になるだなんて、驚きですわ。10年前には、そんなそぶりを全く見せていなかったので」
「あら、私は10年前から、アントニオ様を慕っていたわ。アントニオ様がサルビア王国に帰ってからも、ずっと思い続けていたのよ。そんな中、アントニオ様がリューズ王国に留学して来て、これはチャンスだと思ったの。
それで、猛アプローチをして、やっとアントニオ様と恋人になれたの。アントニオ様、ものすごくモテるのですもの。令嬢たちを蹴落とすのに、苦労したわ」
令嬢たちを蹴落とす…確かに昔のおっとりとした優しいイリーネお姉様のイメージとは、真逆の性格だわ。ブラッド様が言っていたことは、こう言う事だったのね。
「イリーネお姉様は、随分情熱的になったのですね」
「そうね、10年前の私は、引っ込み思案で大人しい子だったから。でも、このままだとダメだと思ったの。そう思わせてくれたのは、アントアーネちゃんよ。いつも元気で明るくて、そんなアントアーネちゃんが私は大好きだった。
私もアントアーネちゃんの様になりたい、そう思ったの。まあ、ちょっと方向はずれてしまったけれど」
そう言って苦笑いをしているイリーネお姉様。私みたいになりたいと思ってくれていただなんて、なんだか嬉しい。
「私の事をそんな風に思って下さっていただなんて、嬉しいですわ。それにしても、ブラッド様といい、イリーネお姉様といい、ヴォーレル侯爵家の血筋は皆一途なのですね」
「言われてみれば、そうだね。ブラッド殿もイリーネも、ずっと俺たちを思い続けていてくれていたのだからね。俺たちは、幸せ者だ」
「お兄様の言う通りですわ。本当に私たちは、幸せ者ですね」
こんな風に一途に思ってもらえるだなんて、本当に有難い事だ。
「さあ、話しはこれくらいにして、料理を頂こう。イリーネ、これがサルビア王国の郷土料理だよ。とても美味しいから、食べてみて。それから、このジュースも美味しいよ」
お兄様が、すかさず料理をイリーネお姉様に進めている。お姉様、この国の料理を気に入ってくれるといいのだけれど…
「このお料理、とても美味しいわ。それにこっちも。リューズ王国のお料理も美味しいけれど、サルビア王国のお料理も絶品ね」
イリーネお姉様が、とても美味しそうに料理を頬張っている。よかった、気に入ってくれた様だ。
その後も4人で色々な話をした。
「アントアーネちゃん、安心して。リューズ王国の貴族たちは、あなたが来るのを心待ちにしているわ。ほら、あなたと仲が良かったサリア様やアンナ様も、あなたに会えるのを楽しみにしているわ。そうそう、ラックス殿も、アントアーネちゃんに会いたがっていたわ。どうやらラックス殿も、アントアーネちゃんが好きだったみたいね」
「何だって!ラックスの奴も、アントアーネを狙っていたのか!あいつ、やたらアントニオ殿に近づいているなと思っていたが。狙いはアントアーネだったのだな」
急にブラッド様が怒りだしたのだ。ブラッド様がこんな風に嫉妬するだなんて、なんだか嬉しい。
「ブラッド、それにアントアーネちゃんも、そろそろ休みなさい。明日は一大イベントが待っているのだから。本当に、明日が待ち遠しいわ」
トロンとした目で私たちのところにやって来たのは、リマおば様だ。随分とお酒を飲んでいる様だ。
「リマ夫人、少し飲みすぎですよ。それに、色々と話しすぎです。とはいえ、確かにもう遅いし、明日の卒業式に遅刻したら大変だ。ブラッド殿とアントアーネは、そろそろ休んだ方がいいね。俺たちも今日は長旅で疲れているし、この辺でお開きにしようか」
もうお開きだなんて…でも、確かにもう夜遅い。明日は卒業式だ、そろそろ寝ないと、明日に響いてしまう。
仕方ない、もう寝るか。
楽しい時間は、あっと言う間というけれど、本当ね。まあ、明日の卒業式が終わったら、またお兄様やイリーネお姉様とゆっくりお話しも出来るし、今日はこの辺にしておこう。
こうして楽しい宴は、お開きになったのだった。
イリーネお姉様に声をかけられ、お兄様たちの方に向かった。
「ブラッド様、よかったわね。あなた、ずっとアントアーネちゃんの事が、大好きだったものね。この人は本当に女嫌いで、リューズ王国では令嬢には一切近づかなかったのよ。だから今日、アントアーネちゃんと仲睦まじい姿を見た時、本当に驚いたのだから」
「イリーネ嬢、余計な事をベラベラ話すのはお止め下さい」
「あら、本当の事でしょう?まさかアントアーネちゃんが、リューズ王国に私と入れ違いで来ることになるだなんて、残念だわ。せっかくアントアーネちゃんと、ショッピングをしたりお茶をしたりしたかったのに」
イリーネお姉様が、心底残念そうにしている。私もイリーネお姉様と、この国でお茶やショッピングを楽しみたかった。
でも…
「ごめんなさい、イリーネお姉様。ですが私は、ブラッド様が大好きなので、彼と一緒にリューズ王国に行きますわ。それにしても、まさかイリーネお姉様とお兄様が、恋人同士になるだなんて、驚きですわ。10年前には、そんなそぶりを全く見せていなかったので」
「あら、私は10年前から、アントニオ様を慕っていたわ。アントニオ様がサルビア王国に帰ってからも、ずっと思い続けていたのよ。そんな中、アントニオ様がリューズ王国に留学して来て、これはチャンスだと思ったの。
それで、猛アプローチをして、やっとアントニオ様と恋人になれたの。アントニオ様、ものすごくモテるのですもの。令嬢たちを蹴落とすのに、苦労したわ」
令嬢たちを蹴落とす…確かに昔のおっとりとした優しいイリーネお姉様のイメージとは、真逆の性格だわ。ブラッド様が言っていたことは、こう言う事だったのね。
「イリーネお姉様は、随分情熱的になったのですね」
「そうね、10年前の私は、引っ込み思案で大人しい子だったから。でも、このままだとダメだと思ったの。そう思わせてくれたのは、アントアーネちゃんよ。いつも元気で明るくて、そんなアントアーネちゃんが私は大好きだった。
私もアントアーネちゃんの様になりたい、そう思ったの。まあ、ちょっと方向はずれてしまったけれど」
そう言って苦笑いをしているイリーネお姉様。私みたいになりたいと思ってくれていただなんて、なんだか嬉しい。
「私の事をそんな風に思って下さっていただなんて、嬉しいですわ。それにしても、ブラッド様といい、イリーネお姉様といい、ヴォーレル侯爵家の血筋は皆一途なのですね」
「言われてみれば、そうだね。ブラッド殿もイリーネも、ずっと俺たちを思い続けていてくれていたのだからね。俺たちは、幸せ者だ」
「お兄様の言う通りですわ。本当に私たちは、幸せ者ですね」
こんな風に一途に思ってもらえるだなんて、本当に有難い事だ。
「さあ、話しはこれくらいにして、料理を頂こう。イリーネ、これがサルビア王国の郷土料理だよ。とても美味しいから、食べてみて。それから、このジュースも美味しいよ」
お兄様が、すかさず料理をイリーネお姉様に進めている。お姉様、この国の料理を気に入ってくれるといいのだけれど…
「このお料理、とても美味しいわ。それにこっちも。リューズ王国のお料理も美味しいけれど、サルビア王国のお料理も絶品ね」
イリーネお姉様が、とても美味しそうに料理を頬張っている。よかった、気に入ってくれた様だ。
その後も4人で色々な話をした。
「アントアーネちゃん、安心して。リューズ王国の貴族たちは、あなたが来るのを心待ちにしているわ。ほら、あなたと仲が良かったサリア様やアンナ様も、あなたに会えるのを楽しみにしているわ。そうそう、ラックス殿も、アントアーネちゃんに会いたがっていたわ。どうやらラックス殿も、アントアーネちゃんが好きだったみたいね」
「何だって!ラックスの奴も、アントアーネを狙っていたのか!あいつ、やたらアントニオ殿に近づいているなと思っていたが。狙いはアントアーネだったのだな」
急にブラッド様が怒りだしたのだ。ブラッド様がこんな風に嫉妬するだなんて、なんだか嬉しい。
「ブラッド、それにアントアーネちゃんも、そろそろ休みなさい。明日は一大イベントが待っているのだから。本当に、明日が待ち遠しいわ」
トロンとした目で私たちのところにやって来たのは、リマおば様だ。随分とお酒を飲んでいる様だ。
「リマ夫人、少し飲みすぎですよ。それに、色々と話しすぎです。とはいえ、確かにもう遅いし、明日の卒業式に遅刻したら大変だ。ブラッド殿とアントアーネは、そろそろ休んだ方がいいね。俺たちも今日は長旅で疲れているし、この辺でお開きにしようか」
もうお開きだなんて…でも、確かにもう夜遅い。明日は卒業式だ、そろそろ寝ないと、明日に響いてしまう。
仕方ない、もう寝るか。
楽しい時間は、あっと言う間というけれど、本当ね。まあ、明日の卒業式が終わったら、またお兄様やイリーネお姉様とゆっくりお話しも出来るし、今日はこの辺にしておこう。
こうして楽しい宴は、お開きになったのだった。
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