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第4話:侯爵家に向かいます
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「すまない。ジャンヌ、随分と辛い思いをさせてしまった様だな」
「私も今まで黙っていたのが良くなかったのです。ですから、謝らないで下さい。私はシャーロン様と婚約破棄出来れば、それで満足ですので…」
「そうか、わかったよ。ジャンヌ、色々とすまなかった。今日はゆっくり休みなさい」
「ありがとうございます。それでは、失礼いたします」
お父様とお母様も、私とシャーロン様の婚約破棄を認めて下さってよかったわ。
再びあの写真を見つめる。いくら私がお嫌いだからって、他の令嬢とこのような行為をするだなんて…そんなに嫌なら、はっきりと私に言えばいいのに。こんな姑息な手を使うだなんて…
なんだか無性に腹が立ってきた。私、こんな女好きな男のどこが好きだったのかしら?いつもいつも令嬢たちに囲まれて。
この写真を送って下さった方には、感謝しないといけないわね。この写真のお陰で、私も目が覚めたのだから。
シャーロン様と婚約破棄をしたら、しばらくは公の場に出るのは控えよう。もうこれ以上、令嬢たちの陰口を言われるのは御免だ。そうだわ、婚約破棄をしたら、また騎士団に戻れる様にお父様に頼んでみよう。
私は騎士団が大好きだったのだ。昔の様に竹刀を振るって皆と稽古がしたい。そして誰よりも強い、女騎士になりたい。
そう考えたら、なんだか心が軽くなった。
シャーロン様も我が家から婚約破棄の依頼を受ければ、きっと泣いてお喜びになられるだろうし。お互いの為にも、これでよかったのだろう。
とにかく今日は、明日に備えて早く寝ないと。そんな思いで、早めに就寝したのだった。
翌日
真っ赤なドレスに身を包み、鏡の前に立つ。見るからに悪そうな令嬢ね。でも、自分で言うのも何だが、私は赤いドレスが良く似合う。
今まではシャーロン様を意識して、黄色や青色のドレスを着ていたが、私にはあまり似合っていなかったのだ。
「お嬢様はやはり、赤色がお似合いになられますね。今日の門出にピッタリですわ」
「ありがとう、門出か。そうよね、今日から私、新しい自分に生まれ変わるつもりよ」
これからは、自分らしく生きる。無理に令嬢らしくしないし、昔の様に騎士団にも戻りたい。無事婚約破棄出来たら、両親にはそう伝えるつもりだ。
写真も持ったし、準備万端ね。
部屋から出て玄関に向かうと、既に両親が待っていてくれていた。私の為に騎士団をお休みしてくださったお父様。お忙しいのに手を煩わせてしまった事は、申し訳ない。でもその分、これからは騎士としてお父様を支えて行きたい。そう考えている。
「お父様、お母様、お待たせしてごめんなさい」
「そんな事は気にしなくていいよ。それよりもジャンヌの真っ赤なドレス、よく似合っているよ」
「本当ね。とても素敵よ。さあ、行きましょう」
両親と一緒に馬車に乗り込み、ディノス侯爵家を目指す。シャーロン様と婚約して4年、私はあまり侯爵家に来た事がなかった。本当に名ばかりの婚約者だったのだろう。でも、それも今日でお終いだ。
ディノス侯爵家に着くと、客間に案内された。客間には既に、ディノス侯爵と夫人、シャーロン様が待っていた。
「マリアーズ伯爵、夫人、ジャンヌ嬢もよく来てくださった。それで今日は、一体どうされたのですか?」
「急に押しかけてしまって、申し訳ございません。実は今日、ジャンヌとシャーロン殿の件で、お願いがあって参りました。単刀直入に申し上げます。娘のジャンヌとシャーロン殿の婚約を白紙に戻していただけないでしょうか?」
お父様ったら、いくら何でも単刀直入に言いすぎよ。そう思ったが、昨日の私もそんな感じだったから、似た者親子なのだろう。
「それは一体どういうことですか?シャーロンとジャンヌ嬢の婚約を白紙に戻すという事は…」
ディノス侯爵が戸惑っている。ただ、夫人は
「マリアーズ伯爵の意見に賛成ですわ。実は私も以前から、シャーロンとジャンヌ嬢の婚約に疑問を抱いていたのです。シャーロンとジャンヌ嬢は、お世辞にも仲睦まじいとも言えませんし。それに近年、結婚相手は本人同士の意思でという風潮も強くなってきております。かといって、我が家から申し込んだ婚約話でしたので、我が家から破棄したいだなんて言いづらくて。マリアーズ伯爵の方から言い出してくださって、助かりましたわ」
そう言って目を輝かせていた。
「確かにシャーロンとジャンヌ嬢の仲は、お世辞にもいいとはいけなかったが…それに陛下からも、親同士が決めた相手との婚約に関しては、本人たちの意見を聞いて対応する様にとも言われている。わかりました、それでは一度、シャーロンとジャンヌ嬢との婚約を白紙に戻しましょう」
予想通りではあるが、スムーズに婚約破棄が出来そうだ。これで私もシャーロン様も、自由の身。よかったわ。
「私も今まで黙っていたのが良くなかったのです。ですから、謝らないで下さい。私はシャーロン様と婚約破棄出来れば、それで満足ですので…」
「そうか、わかったよ。ジャンヌ、色々とすまなかった。今日はゆっくり休みなさい」
「ありがとうございます。それでは、失礼いたします」
お父様とお母様も、私とシャーロン様の婚約破棄を認めて下さってよかったわ。
再びあの写真を見つめる。いくら私がお嫌いだからって、他の令嬢とこのような行為をするだなんて…そんなに嫌なら、はっきりと私に言えばいいのに。こんな姑息な手を使うだなんて…
なんだか無性に腹が立ってきた。私、こんな女好きな男のどこが好きだったのかしら?いつもいつも令嬢たちに囲まれて。
この写真を送って下さった方には、感謝しないといけないわね。この写真のお陰で、私も目が覚めたのだから。
シャーロン様と婚約破棄をしたら、しばらくは公の場に出るのは控えよう。もうこれ以上、令嬢たちの陰口を言われるのは御免だ。そうだわ、婚約破棄をしたら、また騎士団に戻れる様にお父様に頼んでみよう。
私は騎士団が大好きだったのだ。昔の様に竹刀を振るって皆と稽古がしたい。そして誰よりも強い、女騎士になりたい。
そう考えたら、なんだか心が軽くなった。
シャーロン様も我が家から婚約破棄の依頼を受ければ、きっと泣いてお喜びになられるだろうし。お互いの為にも、これでよかったのだろう。
とにかく今日は、明日に備えて早く寝ないと。そんな思いで、早めに就寝したのだった。
翌日
真っ赤なドレスに身を包み、鏡の前に立つ。見るからに悪そうな令嬢ね。でも、自分で言うのも何だが、私は赤いドレスが良く似合う。
今まではシャーロン様を意識して、黄色や青色のドレスを着ていたが、私にはあまり似合っていなかったのだ。
「お嬢様はやはり、赤色がお似合いになられますね。今日の門出にピッタリですわ」
「ありがとう、門出か。そうよね、今日から私、新しい自分に生まれ変わるつもりよ」
これからは、自分らしく生きる。無理に令嬢らしくしないし、昔の様に騎士団にも戻りたい。無事婚約破棄出来たら、両親にはそう伝えるつもりだ。
写真も持ったし、準備万端ね。
部屋から出て玄関に向かうと、既に両親が待っていてくれていた。私の為に騎士団をお休みしてくださったお父様。お忙しいのに手を煩わせてしまった事は、申し訳ない。でもその分、これからは騎士としてお父様を支えて行きたい。そう考えている。
「お父様、お母様、お待たせしてごめんなさい」
「そんな事は気にしなくていいよ。それよりもジャンヌの真っ赤なドレス、よく似合っているよ」
「本当ね。とても素敵よ。さあ、行きましょう」
両親と一緒に馬車に乗り込み、ディノス侯爵家を目指す。シャーロン様と婚約して4年、私はあまり侯爵家に来た事がなかった。本当に名ばかりの婚約者だったのだろう。でも、それも今日でお終いだ。
ディノス侯爵家に着くと、客間に案内された。客間には既に、ディノス侯爵と夫人、シャーロン様が待っていた。
「マリアーズ伯爵、夫人、ジャンヌ嬢もよく来てくださった。それで今日は、一体どうされたのですか?」
「急に押しかけてしまって、申し訳ございません。実は今日、ジャンヌとシャーロン殿の件で、お願いがあって参りました。単刀直入に申し上げます。娘のジャンヌとシャーロン殿の婚約を白紙に戻していただけないでしょうか?」
お父様ったら、いくら何でも単刀直入に言いすぎよ。そう思ったが、昨日の私もそんな感じだったから、似た者親子なのだろう。
「それは一体どういうことですか?シャーロンとジャンヌ嬢の婚約を白紙に戻すという事は…」
ディノス侯爵が戸惑っている。ただ、夫人は
「マリアーズ伯爵の意見に賛成ですわ。実は私も以前から、シャーロンとジャンヌ嬢の婚約に疑問を抱いていたのです。シャーロンとジャンヌ嬢は、お世辞にも仲睦まじいとも言えませんし。それに近年、結婚相手は本人同士の意思でという風潮も強くなってきております。かといって、我が家から申し込んだ婚約話でしたので、我が家から破棄したいだなんて言いづらくて。マリアーズ伯爵の方から言い出してくださって、助かりましたわ」
そう言って目を輝かせていた。
「確かにシャーロンとジャンヌ嬢の仲は、お世辞にもいいとはいけなかったが…それに陛下からも、親同士が決めた相手との婚約に関しては、本人たちの意見を聞いて対応する様にとも言われている。わかりました、それでは一度、シャーロンとジャンヌ嬢との婚約を白紙に戻しましょう」
予想通りではあるが、スムーズに婚約破棄が出来そうだ。これで私もシャーロン様も、自由の身。よかったわ。
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