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第11話:待ちに待った騎士団入団の日を迎えました
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「お嬢様、騎士団の制服、とてもよくお似合いですよ」
「ありがとう。やっと制服が届いたのよね。でも、なんだかちょっと変じゃないかしら?」
鏡に映った自分の姿を見ながら、首をかしげる。この4年で私は、女性らしい体になってしまった。そのせいで、なんだか騎士団の制服を着た自分が変に映っているのだ。
「とても素敵ですよ。立派な女騎士でございます。我が国では女性の騎士様はほとんどおられませんので、不思議に感じられるのでしょう」
確かに我が国では、極端に女騎士が少ない。私が騎士団にいた頃から、周りには女性の騎士はいなかった。お父様曰く、我が国では女性の騎士は、数名しかいないらしい。
「お嬢様、今日からいよいよ騎士団入団の日ですね。どうかあまりご無理をなさらないようにしてくださいね。あなた様は令嬢なのですから。万が一お怪我でもされたら」
「ありがとう。でも私、これでも隊内では隊長の次に強かったのよ。だから大丈夫。それじゃあ、行ってくるわね」
心配そうなメイドたちに笑顔で手を振り、馬車に向かう。既にお父様とディーノが待っていてくれた。
心配そうなお母様に見送られ、3人で馬車に乗り込み騎士団を目指す。
ちなみに我が国の騎士団にはいくつもの部隊があり、それぞれの部隊に隊長と副隊長がいるのだ。そして全ての部隊を率いているのが、騎士団長のお父様だ。私もきっと騎士団を辞めていなければ、今頃隊長くらいにはなっていたかもしれない。
シャーロン様と婚約破棄をした翌日から、自主練を始めているし、ディーノとの打ち合いもした。思ったよりも腕は落ちていなかったし、きっと今からでも挽回できるはずだ。
「ジャンヌ、随分と嬉しそうな顔をしているね。ただ、ジャンヌは4年もの間、騎士団から離れていたのだから、怪我には十分気を付けるのだよ」
「ええ、大丈夫ですわ」
お父様ったら、心配性なのだから。
しばらく進むと、懐かしい騎士団の本部が見えて来た。またこの場所に戻って来たのね。
なんだか胸が熱くなるのを感じる。皆元気かしら?早く皆に会いたいわ。
馬車を降りると、ディーノとは一旦ここでお別れだ。お父様に連れられ、騎士団本部で書類の手続きを行った。
「それじゃあ早速、ジャンヌが所属する部隊に向かおう。懐かしい顔ぶれがお前を待っているぞ」
そう言って笑ったお父様。懐かしい顔ぶれか。きっとかつての仲間たちがいる部隊に入れてくれたのだろう。皆元気かしら?
しばらく進むと、ある部隊の稽古場へとやって来た。
あれは!
「グラディオン!」
燃える様な真っ赤な髪に、美しいエメラルドグリーンの瞳をした男性は!間違いない、グラディオンだわ。
私に気が付いて、こちらにやって来るグラディオン。
「団長、おはようございます。ジャンヌ、久しぶりだな」
「グラディオンも久しぶり。あなた、全然夜会に参加しないのだもの。もう怪我は大丈夫なの?それにしても、随分と背が伸びたのね。それに体つきもしっかりしているし。なんだか別人みたいよ」
「ジャンヌこそ、それなりに令嬢らしくなったじゃないか。まさかジャンヌがまた、騎士団に戻ってくるだなんてな」
なぜか今にも泣きそうな顔で、グラディオンがそう呟いたのだ。
「ジャンヌ、今日からお前がお世話になる部隊の隊長、グラディオンだ。隊長の言う事をしっかり聞いて、怪我の無いようにするのだぞ。グラディオン、後は頼んでいいか?」
「ええ、もちろんですよ、団長。それじゃあジャンヌ、皆に紹介するから、こっちにこいよ」
「ええ、分かったわ。それじゃあお父様、また後程。それよりもまさかグラディオンが隊長だなんてね。でもあなた、私の次に強かったものね」
まさかグラディオンが、隊長になっていただなんて。
「ジャンヌは相変わらずだな。もうあの時の弱い俺じゃないぞ。あの後猛烈に訓練を積んで、かなり強くなったからな。ジャンヌにだって負けないぞ」
「それじゃあ、後で勝負しましょう」
「いいぞ」
この感じ、なんだか懐かしいわ。子供の頃、ずっと一緒だったグラディオン。彼といると、本当に昔に戻ったみたいで、心の中が温かい気持ちになる。
「皆、新しい仲間を紹介する。といっても、知っている者も多いと思うが、ジャンヌ・マリアーズだ。これから俺たちの仲間として、色々と指導してやってくれ」
「ジャンヌ・マリアーズです。4年ぶりの騎士団という事もあり、勘が鈍っている部分もあるかと思いますが、すぐに取り戻すつもりでおりますので、どうかよろしくお願いします」
令嬢らしくカーテシー…ではなく、ぺこりと頭を下げた。
「ジャンヌ!おかえり。待っていたぞ」
「おかえりジャンヌ。お前、随分いやらしい体になったな」
「お前、ジャンヌになんて事を言うんだよ。ジャンヌ、皆お前が帰って来るのを待っていたよ。おかえり、ジャンヌ」
「「「「おかえり、ジャンヌ」」」」」
皆が笑顔で迎えてくれたのだ。それが嬉しくてたまらない。
「皆、ただいま。それから、こんな風に迎えてくれてありがとう」
今にも泣きそうになるのを必死に堪え、皆に笑顔を向けたのだった。
「ありがとう。やっと制服が届いたのよね。でも、なんだかちょっと変じゃないかしら?」
鏡に映った自分の姿を見ながら、首をかしげる。この4年で私は、女性らしい体になってしまった。そのせいで、なんだか騎士団の制服を着た自分が変に映っているのだ。
「とても素敵ですよ。立派な女騎士でございます。我が国では女性の騎士様はほとんどおられませんので、不思議に感じられるのでしょう」
確かに我が国では、極端に女騎士が少ない。私が騎士団にいた頃から、周りには女性の騎士はいなかった。お父様曰く、我が国では女性の騎士は、数名しかいないらしい。
「お嬢様、今日からいよいよ騎士団入団の日ですね。どうかあまりご無理をなさらないようにしてくださいね。あなた様は令嬢なのですから。万が一お怪我でもされたら」
「ありがとう。でも私、これでも隊内では隊長の次に強かったのよ。だから大丈夫。それじゃあ、行ってくるわね」
心配そうなメイドたちに笑顔で手を振り、馬車に向かう。既にお父様とディーノが待っていてくれた。
心配そうなお母様に見送られ、3人で馬車に乗り込み騎士団を目指す。
ちなみに我が国の騎士団にはいくつもの部隊があり、それぞれの部隊に隊長と副隊長がいるのだ。そして全ての部隊を率いているのが、騎士団長のお父様だ。私もきっと騎士団を辞めていなければ、今頃隊長くらいにはなっていたかもしれない。
シャーロン様と婚約破棄をした翌日から、自主練を始めているし、ディーノとの打ち合いもした。思ったよりも腕は落ちていなかったし、きっと今からでも挽回できるはずだ。
「ジャンヌ、随分と嬉しそうな顔をしているね。ただ、ジャンヌは4年もの間、騎士団から離れていたのだから、怪我には十分気を付けるのだよ」
「ええ、大丈夫ですわ」
お父様ったら、心配性なのだから。
しばらく進むと、懐かしい騎士団の本部が見えて来た。またこの場所に戻って来たのね。
なんだか胸が熱くなるのを感じる。皆元気かしら?早く皆に会いたいわ。
馬車を降りると、ディーノとは一旦ここでお別れだ。お父様に連れられ、騎士団本部で書類の手続きを行った。
「それじゃあ早速、ジャンヌが所属する部隊に向かおう。懐かしい顔ぶれがお前を待っているぞ」
そう言って笑ったお父様。懐かしい顔ぶれか。きっとかつての仲間たちがいる部隊に入れてくれたのだろう。皆元気かしら?
しばらく進むと、ある部隊の稽古場へとやって来た。
あれは!
「グラディオン!」
燃える様な真っ赤な髪に、美しいエメラルドグリーンの瞳をした男性は!間違いない、グラディオンだわ。
私に気が付いて、こちらにやって来るグラディオン。
「団長、おはようございます。ジャンヌ、久しぶりだな」
「グラディオンも久しぶり。あなた、全然夜会に参加しないのだもの。もう怪我は大丈夫なの?それにしても、随分と背が伸びたのね。それに体つきもしっかりしているし。なんだか別人みたいよ」
「ジャンヌこそ、それなりに令嬢らしくなったじゃないか。まさかジャンヌがまた、騎士団に戻ってくるだなんてな」
なぜか今にも泣きそうな顔で、グラディオンがそう呟いたのだ。
「ジャンヌ、今日からお前がお世話になる部隊の隊長、グラディオンだ。隊長の言う事をしっかり聞いて、怪我の無いようにするのだぞ。グラディオン、後は頼んでいいか?」
「ええ、もちろんですよ、団長。それじゃあジャンヌ、皆に紹介するから、こっちにこいよ」
「ええ、分かったわ。それじゃあお父様、また後程。それよりもまさかグラディオンが隊長だなんてね。でもあなた、私の次に強かったものね」
まさかグラディオンが、隊長になっていただなんて。
「ジャンヌは相変わらずだな。もうあの時の弱い俺じゃないぞ。あの後猛烈に訓練を積んで、かなり強くなったからな。ジャンヌにだって負けないぞ」
「それじゃあ、後で勝負しましょう」
「いいぞ」
この感じ、なんだか懐かしいわ。子供の頃、ずっと一緒だったグラディオン。彼といると、本当に昔に戻ったみたいで、心の中が温かい気持ちになる。
「皆、新しい仲間を紹介する。といっても、知っている者も多いと思うが、ジャンヌ・マリアーズだ。これから俺たちの仲間として、色々と指導してやってくれ」
「ジャンヌ・マリアーズです。4年ぶりの騎士団という事もあり、勘が鈍っている部分もあるかと思いますが、すぐに取り戻すつもりでおりますので、どうかよろしくお願いします」
令嬢らしくカーテシー…ではなく、ぺこりと頭を下げた。
「ジャンヌ!おかえり。待っていたぞ」
「おかえりジャンヌ。お前、随分いやらしい体になったな」
「お前、ジャンヌになんて事を言うんだよ。ジャンヌ、皆お前が帰って来るのを待っていたよ。おかえり、ジャンヌ」
「「「「おかえり、ジャンヌ」」」」」
皆が笑顔で迎えてくれたのだ。それが嬉しくてたまらない。
「皆、ただいま。それから、こんな風に迎えてくれてありがとう」
今にも泣きそうになるのを必死に堪え、皆に笑顔を向けたのだった。
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