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第27話:ジャンヌに会いたい~シャーロン視点~
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「お願いします、もう一度ジャンヌに会わせて下さい。僕の口からきちんと説明したのです。どうかお願いします」
「申し訳ないのだけれど、ジャンヌとは会わせられません。ジャンヌはもうあなた様の事を忘れ、前に進んでおります。どうかシャーロン様も、前にお進みください。あなた様ならジャンヌよりも、もっと素敵な令嬢とご婚約できるでしょう」
「僕はジャンヌの事を愛しているのです。お願いです。少しでいい、ジャンヌに会わせてください」
何度も何度も夫人に頭を下げた。でも…
「何度頭を下げられても、もうジャンヌには会わせられません。それに今、ジャンヌは屋敷にはおりませんので。あの日、もうジャンヌには関わらないとお約束して頂きましたよね。これ以上我が家に押しかけていらっしゃる様でしたら、あなた様有責で婚約破棄したことを公表しますよ。それでは失礼いたします」
夫人はそう言うと、屋敷に入って行ってしまった。
今日もジャンヌに会えなかった…
僕は何度もジャンヌの屋敷に足を運び、ジャンヌに会わせてもらえる様に懇願したが、全く会わせてもらえないのだ。いっその事、無理やり屋敷に侵入して…
いいや、ああ見えて夫人は、かつて女騎士として活躍した女性だ。未だに体を鍛えていると聞く、そこら辺の護衛よりもずっと強い彼女を振り切るのは困難だろう。それに伯爵家には、鍛え抜かれた護衛も沢山いる。
さすがにそれは無理だ。
仕方ない、帰るか…
馬車に乗り込み、屋敷に戻ってきた。あれ?あれは伯爵家の執事。どうして彼が我が家に…
すると
「シャーロン、お前は何を考えているのだ。今マリアーズ伯爵家の使いの者がやって来て、毎日マリアーズ伯爵家に出向いては、ジャンヌ嬢に会わせろと騒いでいるそうじゃないか。“これ以上我が家にやって来るなら、真実を話します!”と、言われたぞ」
「せっかく穏便に済ませたのだから、どうかこれ以上騒ぎを大きくしないで頂戴。令嬢はジャンヌ嬢だけではないのよ。もっと爵位も高くて、美しい令嬢を見つけたらいいじゃない。あなたは令嬢たちからの人気も高いのだから」
両親が必死に訴えている。ふざけるな、僕はずっとジャンヌだけを愛してきたのだ。今更別の女と結婚だなんて、絶対にいやだ。
「シャーロン、ジャンヌ嬢は騎士団に再入団した様だ。だからマリアーズ伯爵家には日中いくら行ってもいない。これ以上無駄足を運ぶような事はするな」
何だって!騎士団に再入団しただって。確かにジャンヌは、騎士団が大好きだった。でもあそこには、あの男がいる。
グラディオン!
グラディオンは未だに婚約者もいなければ、社交界にすら顔を出していない。きっとまだ、ジャンヌの事を諦めていないのだろう。
だとすると!大変だ、このままだと、グラディオンにジャンヌを取られてしまうかもしれない。
「父上、僕もすぐに騎士団に再入団したいです。手続きを行ってください」
絶対にグラディオンなんかに、ジャンヌを渡さない!僕もすぐに騎士団に入団しないと。
「残念だが騎士団長から、シャーロンの入団は断固として認めないと言われている。そもそもシャーロンは、騎士団になんて興味がないのだろう?ジャンヌ嬢を追って騎士団に入団するだなんて、私も反対だ。いい加減ジャンヌ嬢の事は諦めなさい」
そう言われてしまったのだ。
それでも僕は、何とかしてジャンヌと接触したくて、騎士団の稽古場へと向かった。ただ…
「シャーロン殿、何をしにいらしたのですか?ここは騎士団員以外の立ち入りは禁止されております。どうかお帰り下さい。今日は忠告で済ませますが、次はありませんよ!」
言葉は綺麗がだが、明らかに殺気立っている騎士団長にあっさりと追い払われた。どうやら僕が万が一騎士団の稽古場にやってきたら、すぐに報告する様にと門番に伝えていた様だ。
結局ジャンヌに会えないまま、時間だけが過ぎて行った。
そんな日々を過ごす事3ヶ月、正直何もする気にもなれない。一応僕は貴族なので、定期的に夜会には参加しているが、ジャンヌの居ない夜会なんて、虚しいだけだ。相変わらず令嬢たちが話しかけてくるのが、煩わしい。
このままずっとジャンヌに会えなかったら、どうしよう…
「申し訳ないのだけれど、ジャンヌとは会わせられません。ジャンヌはもうあなた様の事を忘れ、前に進んでおります。どうかシャーロン様も、前にお進みください。あなた様ならジャンヌよりも、もっと素敵な令嬢とご婚約できるでしょう」
「僕はジャンヌの事を愛しているのです。お願いです。少しでいい、ジャンヌに会わせてください」
何度も何度も夫人に頭を下げた。でも…
「何度頭を下げられても、もうジャンヌには会わせられません。それに今、ジャンヌは屋敷にはおりませんので。あの日、もうジャンヌには関わらないとお約束して頂きましたよね。これ以上我が家に押しかけていらっしゃる様でしたら、あなた様有責で婚約破棄したことを公表しますよ。それでは失礼いたします」
夫人はそう言うと、屋敷に入って行ってしまった。
今日もジャンヌに会えなかった…
僕は何度もジャンヌの屋敷に足を運び、ジャンヌに会わせてもらえる様に懇願したが、全く会わせてもらえないのだ。いっその事、無理やり屋敷に侵入して…
いいや、ああ見えて夫人は、かつて女騎士として活躍した女性だ。未だに体を鍛えていると聞く、そこら辺の護衛よりもずっと強い彼女を振り切るのは困難だろう。それに伯爵家には、鍛え抜かれた護衛も沢山いる。
さすがにそれは無理だ。
仕方ない、帰るか…
馬車に乗り込み、屋敷に戻ってきた。あれ?あれは伯爵家の執事。どうして彼が我が家に…
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「シャーロン、お前は何を考えているのだ。今マリアーズ伯爵家の使いの者がやって来て、毎日マリアーズ伯爵家に出向いては、ジャンヌ嬢に会わせろと騒いでいるそうじゃないか。“これ以上我が家にやって来るなら、真実を話します!”と、言われたぞ」
「せっかく穏便に済ませたのだから、どうかこれ以上騒ぎを大きくしないで頂戴。令嬢はジャンヌ嬢だけではないのよ。もっと爵位も高くて、美しい令嬢を見つけたらいいじゃない。あなたは令嬢たちからの人気も高いのだから」
両親が必死に訴えている。ふざけるな、僕はずっとジャンヌだけを愛してきたのだ。今更別の女と結婚だなんて、絶対にいやだ。
「シャーロン、ジャンヌ嬢は騎士団に再入団した様だ。だからマリアーズ伯爵家には日中いくら行ってもいない。これ以上無駄足を運ぶような事はするな」
何だって!騎士団に再入団しただって。確かにジャンヌは、騎士団が大好きだった。でもあそこには、あの男がいる。
グラディオン!
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だとすると!大変だ、このままだと、グラディオンにジャンヌを取られてしまうかもしれない。
「父上、僕もすぐに騎士団に再入団したいです。手続きを行ってください」
絶対にグラディオンなんかに、ジャンヌを渡さない!僕もすぐに騎士団に入団しないと。
「残念だが騎士団長から、シャーロンの入団は断固として認めないと言われている。そもそもシャーロンは、騎士団になんて興味がないのだろう?ジャンヌ嬢を追って騎士団に入団するだなんて、私も反対だ。いい加減ジャンヌ嬢の事は諦めなさい」
そう言われてしまったのだ。
それでも僕は、何とかしてジャンヌと接触したくて、騎士団の稽古場へと向かった。ただ…
「シャーロン殿、何をしにいらしたのですか?ここは騎士団員以外の立ち入りは禁止されております。どうかお帰り下さい。今日は忠告で済ませますが、次はありませんよ!」
言葉は綺麗がだが、明らかに殺気立っている騎士団長にあっさりと追い払われた。どうやら僕が万が一騎士団の稽古場にやってきたら、すぐに報告する様にと門番に伝えていた様だ。
結局ジャンヌに会えないまま、時間だけが過ぎて行った。
そんな日々を過ごす事3ヶ月、正直何もする気にもなれない。一応僕は貴族なので、定期的に夜会には参加しているが、ジャンヌの居ない夜会なんて、虚しいだけだ。相変わらず令嬢たちが話しかけてくるのが、煩わしい。
このままずっとジャンヌに会えなかったら、どうしよう…
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