私だってあなたなんて願い下げです!これからの人生は好きに生きます

Karamimi

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第28話:やっと会えたのに…~シャーロン視点~

「シャーロン、何をしているの?早く夜会に行くわよ」

「分かっていますよ…」

母上に促され、馬車に乗り込んだ。今からグルシュファー伯爵家の夜会に参加するのだ。正直夜会になんて出たくない。また令嬢たちに囲まれて、聞きたくもない話を聞かされたり、変な声を出してすり寄ってきたりするのだろう。

僕はただ、ジャンヌに嫉妬して欲しくて令嬢たちと仲良くしていただけだ。ジャンヌが居なくなった今、令嬢なんて鬱陶しいだけなのだ。

それでも僕は、侯爵令息だ。もしもまたジャンヌと婚約を結び直した時、ジャンヌが少しでも社交界にスムーズに馴染めるように、僕が土台を整えておきたいと思っているのだ。

その為にも今は辛いけれど、頑張らないと。

そんな思いで、グルシュファー伯爵家の夜会へとやって来た。僕がホールにやって来るや否や、令嬢たちに囲まれた。相変わらず煩わしい。

露骨に避けるのも失礼かと思い、適当に笑顔を振りまきながら、その場を去ろうとした時だった。

「あら?珍しい。ジャンヌ様がいらしていますわ。シャーロン様に婚約破棄をされて寝込んでいらっしゃると聞いておりましたが、案外元気そうですわね」

1人の令嬢がポツリと呟いたのだ。ジャンヌが来ているだって?辺りを見渡すと、確かにジャンヌの姿が。どうやら令嬢たちと話をしている様だ。

夢にまで見たジャンヌが、今近くにいる。居てもたってもいられず、小走りでジャンヌの方に向かった。

「ジャンヌ、久しぶりだね。会いたかったよ」

僕が声をかけると、ゆっくりとジャンヌが振り返ったのだ。久しぶりに近くで見たジャンヌは、やっぱり可愛いな。ついジャンヌに見とれてしまう。

そんな僕ににっこり微笑んだジャンヌだったが、すぐに僕の傍から離れようとしているではないか。きっと夜会の時、僕が彼女をあしらっていた事を気にしているのだろう。もうそんな事、気にしなくてもいいのに。

必死に彼女を引き留め、僕の気持ちを伝えたのだが、ジャンヌからはもう関わらないで欲しいと言われてしまった。きっと今まで、僕に冷たくされた事を引きずっているのだろう。

でも、もうジャンヌに冷たくするつもりはない、これからはずっと一緒にいるつもりなのだ。とにかく僕の気持ちをしっかり伝えようとしたのだが、令嬢たちに邪魔されてしまい、ジャンヌとろくに話すことが出来なかったのだ。

せっかくジャンヌに会えたのに。何とかしてジャンヌと話したくて、ジャンヌの様子を遠くで伺う。ただ、令嬢たちに絡まれている間に、見失ってしまったのだ。急いでホール中を探したが、全く見つからない。

もしかして、中庭に出たのかな?

上手く令嬢たちを巻き、1人中庭に出てジャンヌを探す。すると1人でベンチに座っているジャンヌを見つけたのだ。

ここなら人気も少ないし、誰にも邪魔されずにゆっくりジャンヌと話が出来る。

そう思い、ジャンヌに話しかけたが、すぐにその場を去ろうとしてしまった。必死に引き留め、何とか話を聞いてもらえることになった。

僕がいかにジャンヌを愛しているかを、必死に伝えた。これでジャンヌも僕の気持ちを分かってくれる、そう思ったのだが…

ジャンヌは頑なに、僕の謝罪を受け入れてはくれない。

どうしてだ、こんなにジャンヌを愛しているのに。どうしてジャンヌは僕を受け入れてくれないのだ!僕はジャンヌの無実を晴らし、汚名を返上してあげた恩人なのに。

確かに証拠を手に入れたのはグラディオンだが、あいつは僕のアシストをしただけ。そうだ、僕が彼女の真の恩人なんだ。

それなのにジャンヌは…

「ジャンヌの無実を証明し、汚名を返上するために僕がどれだけ頑張ったか…君は恩を仇で返すつもりかい?そんな薄情な人間だったのかい?ジャンヌは恩人を見捨てたりしないよね…」

そう呟いていた。

そしてゆっくりとジャンヌに近づく。君は僕のものだ。誰にも渡したりしないよ…

その時だった。あろう事か、グラディオンが現れたのだ。その瞬間、ジャンヌがグラディオンに飛びついたのだ。

どうしてグラディオンが夜会にいるんだ?それになぜジャンヌは、グラディオンに抱き着いている!急いでジャンヌをグラディオンから引き離そうとしたのだが、グラディオンに阻止されてしまった。

一体何なんだ、グラディオンの奴!

グラディオンとジャンヌを引き離したくて、グラディオンに席を外してもらう様に頼んだのだが、あろう事かグラディオンの奴

「ジャンヌはもう話が終わっているという顔をしているぞ。シャーロン、ジャンヌはもうシャーロンには興味がないと言っている。男らしく諦めろ。あまりしつこく付きまとう様なら、容赦しないぞ。それとも俺と剣で勝負するか?」

そう叫んで、ニヤリと笑ったのだ。その瞬間、背筋が凍るような感覚に襲われた。しばらく会わない間に、無駄にガタイが良くなったグラディオン。さらに隊をまとめ上げる隊長として、日々稽古に励んでいると聞く。

こんな男と勝負をしたら、僕はきっと殺される。ここは一旦身を引いた方が賢明だ。

そう思い、僕は2人の元を去る事にしたのだ。

グラディオンの奴!グラディオンに邪魔されたショックと悔しさから、僕はそのまま馬車に乗り込み、家路につく事にしたのだった。

グラディオンめ!あいつ、絶対に僕からジャンヌを奪うつもりだ。でも、絶対に奪われたりはしない!大丈夫だ、きっとまだ間に合う。

そう何度も自分に言い聞かせたのだった。


※次回、ジャンヌ視点に戻ります。
よろしくお願いします。

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