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第12章 激闘編
強者
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<憂鬱な薔薇リーダー シャリエルン視点>
「喋るなら小声にしてくださいよ」
「分かってる」
「分かってないでしょ」
「ちっ」
いまだ小声で話し続けるティアルダとラルス以外は沈黙のまま。
徐々に距離を詰め。
残すは200歩……150歩。
「ところで、王子軍の中に現れた気配は1つなんですよね?」
これまでのところ、複数を感知したとは聞いていない。
とはいえ、多勢の軍の中に湧いた気配を判別するのは難しいはず。
なら、強者と共に戦う者も複数。そう考えるのが妥当だろう。
「セル、どうだ?」
「森では1つだと感じたのですが……どうやら複数いるようです」
「ふむ、当然だな」
「いえ、違います」
違う?
何が違うんだ?
「恐ろしい気配が2つ存在するんです」
「……」
共に戦う者の中にもう1人、恐ろしい腕の持ち主がいる?
「少なくとも強者が2人いるってことですか?」
「……ええ」
「そいつぁ、ますます面白くなってきたぜ」
「でも、強者2人の相手は大変ですよ」
「ラルス以外は問題ねえ」
「なっ! 私も平気です」
「それは、どうかな」
「ティアルダさん!」
「まっ、安心しな。ラルスの面倒はアタシが見てやるからよ」
「面倒なんてかけません。1人でも大丈夫です」
「そうか、そうか」
「もう……」
「ティアルダもラルスも交戦する気満々だなぁ」
「ああ、ドロテアもだろ?」
「……まあな」
血の気の多い3人は今にも参戦しそうな勢いを見せている。
頼もしい限りだ、が……。
「3人とも、あの気配はそう簡単では」
「セルフィアナの言う通り、油断できる相手ではないわね」
セルが警戒するレベルの強者2人にその味方も複数いるはず。
当然、簡単に扱えるわけがない。
「ウチが苦戦するほどか?」
「……多分」
「ほう、悪くねえなぁ」
それでも、ティアルダの戦意は増すばかり。
「やる気満々のところ悪いんだけど、エリシティア様が関わっていないなら私たちは手出ししないわよ。あの気配の者にもアイスタージウス軍にもね」
「副長の言う通りです。その場合、戦闘になんてなりませんから」
「なっ!」
「いくら強者と戦いたくても駄目ですよ、諦めてください」
「……」
「それにそもそも、あの多勢相手に無事で済むとは思えませんし」
「……ウチが苦戦するような相手なら何とかすんだろ」
「もう、個人戦と違うことくらい分かってるでしょうに」
「……」
余程腕試しがしたかったのだろう。
2人の正論の前にティアルダが悔しそうに俯いてしまった。
「セルの読みでは戦闘になりそうにない、か?」
「はい、エリシティア様が関わっている可能性は低いと思いますので」
「ここまでの感知でそう判断したのだな」
「その通りです」
「ちっ、感知ミスってこともあんだろ」
ティアルダが剣を取りたい気持ちは良く分かる。
が、ここは。
「喋るなら小声にしてくださいよ」
「分かってる」
「分かってないでしょ」
「ちっ」
いまだ小声で話し続けるティアルダとラルス以外は沈黙のまま。
徐々に距離を詰め。
残すは200歩……150歩。
「ところで、王子軍の中に現れた気配は1つなんですよね?」
これまでのところ、複数を感知したとは聞いていない。
とはいえ、多勢の軍の中に湧いた気配を判別するのは難しいはず。
なら、強者と共に戦う者も複数。そう考えるのが妥当だろう。
「セル、どうだ?」
「森では1つだと感じたのですが……どうやら複数いるようです」
「ふむ、当然だな」
「いえ、違います」
違う?
何が違うんだ?
「恐ろしい気配が2つ存在するんです」
「……」
共に戦う者の中にもう1人、恐ろしい腕の持ち主がいる?
「少なくとも強者が2人いるってことですか?」
「……ええ」
「そいつぁ、ますます面白くなってきたぜ」
「でも、強者2人の相手は大変ですよ」
「ラルス以外は問題ねえ」
「なっ! 私も平気です」
「それは、どうかな」
「ティアルダさん!」
「まっ、安心しな。ラルスの面倒はアタシが見てやるからよ」
「面倒なんてかけません。1人でも大丈夫です」
「そうか、そうか」
「もう……」
「ティアルダもラルスも交戦する気満々だなぁ」
「ああ、ドロテアもだろ?」
「……まあな」
血の気の多い3人は今にも参戦しそうな勢いを見せている。
頼もしい限りだ、が……。
「3人とも、あの気配はそう簡単では」
「セルフィアナの言う通り、油断できる相手ではないわね」
セルが警戒するレベルの強者2人にその味方も複数いるはず。
当然、簡単に扱えるわけがない。
「ウチが苦戦するほどか?」
「……多分」
「ほう、悪くねえなぁ」
それでも、ティアルダの戦意は増すばかり。
「やる気満々のところ悪いんだけど、エリシティア様が関わっていないなら私たちは手出ししないわよ。あの気配の者にもアイスタージウス軍にもね」
「副長の言う通りです。その場合、戦闘になんてなりませんから」
「なっ!」
「いくら強者と戦いたくても駄目ですよ、諦めてください」
「……」
「それにそもそも、あの多勢相手に無事で済むとは思えませんし」
「……ウチが苦戦するような相手なら何とかすんだろ」
「もう、個人戦と違うことくらい分かってるでしょうに」
「……」
余程腕試しがしたかったのだろう。
2人の正論の前にティアルダが悔しそうに俯いてしまった。
「セルの読みでは戦闘になりそうにない、か?」
「はい、エリシティア様が関わっている可能性は低いと思いますので」
「ここまでの感知でそう判断したのだな」
「その通りです」
「ちっ、感知ミスってこともあんだろ」
ティアルダが剣を取りたい気持ちは良く分かる。
が、ここは。
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