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第21話 準備8
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シャワーを浴びて、今度は迷うことなく服を全部身に着けてリビングのソファに戻ると、アキヤさんが心配そうにわざわざ立ち上がって抱きしめてくれた。
「大丈夫?」
「大丈夫です。たぶん、アキヤさん手加減してくれたし……」
セックスの後、しばらくベッドで抱き合っていれば、自分で立ち上がれる程度に回復した。
初体験であんなに大きなペニスを受け入れたのに……オメガすごい。
でも、一番はアキヤさんが気遣ってくれたからだと思う。
セックス中は夢中で気付かなかったけど、アキヤさんのペニスのサイズ的に、あそこで終わるわけがない。
下半身も密着していなかった。
つまり……アキヤさんは、全部入れてない、はず。
「あ、あの、俺が怖がったからですよね? ごめんなさい……あの、今日で、俺……アキヤさんのペニス、怖くなくなりましたから!」
むしろ大好きになった……と言いたかったけど、ただの淫乱みたいでそれは憚られた。
「ミチくん……よかった。本当は次も手加減してあげたいんだけど……」
アキヤさんが優しく俺の後頭部を撫でて、項に近い場所にキスをされる。
「っ!」
「ヒートまでにセックスに慣れないといけないから、次は全部入れさせてね?」
「あ、は、はい……がんばり、ま、す……!」
「ミチくんだけじゃないよ、俺もがんばる。今日のセックスでもう最高に良かったのに、もっと奥……番の奥まで入れるの、絶対に気持ちいいから。今から慣れておかないと本番で……うん。がんばるから」
「は、はい……えっと、よろしくお願いします」
それ、どうがんばるんだろう……?
正直、アルファのそういう所はよく解らないけど、俺ばかりが慣れてなくて迷惑なんじゃって心配だったからちょっと安心した。
「明日休みだよね? 泊ってく?」
言葉だけでなく、ぎゅっと、帰すの嫌だなって言うように両手で強く抱きしめられるけど……嬉しいけど……。
「ごめんなさい、あの、ドキドキしてヤバイので帰ります」
アルファの側にいたい気持ちも大きいけど、実はさっきからアキヤさんの顔がまともに見られない。
……セックスする前だって大好きだったのに、今……めちゃくちゃ最高に大大大好きって俺の本能が五月蠅くて……顔見るたびに心臓が痛い。
このままだと好きすぎでやばい。
一回落ち着きたい。
「気持ちはわかるかな……じゃあ、車で送るよ」
「いいですよ。まだ余裕で電車あるし」
お尻に違和感はあるけど、電車でたった数駅。乗っている時間だけなら一〇分もかからない。
それをわざわざ……。
「……そんな顔とフェロモンのオメガを一人で帰せないよ。車で送っちゃだめなら、家から出さない」
顔とフェロモン?
自分ではわかるようなわからないようななんだけど……アキヤさんが半分怒っているような真剣な顔で言うから素直に頷いた。
アルファに心配されて気遣われるの、申し訳ないけど嬉しいな。
「……じゃ、じゃあ……送ってください」
俺が頷くと、アキヤさんは一瞬で笑顔になる。
うぅ、眩しい、好き……。
「食欲ある? 途中で何か食べて行こうか?」
「今はちょっと……」
疲れることはしたけど、身体も心も幸福感でいっぱいで、食べる気になれない。
「何かテイクアウトしようか? 家に帰って落ち着いてから、食べられそうなら食べて」
「別に大丈夫ですよ。すぐ前がコンビニだし」
優しくしてくれるのは嬉しいけど、俺だって成人男性だ。それくらい……
「……ミチくん」
「アキヤさん?」
アキヤさんが優しい笑顔からまた、ふっと真剣な顔になる。
食事くらいでそんな……
「今日は絶対に家から出て欲しくない。独占欲強くて面倒くさいと思うけど、お願い」
「あ……」
あ、そういうことか。
俺、アルファの気持ち考えてなかった。
「面倒なんかじゃないです! わかりました。えっと、じゃあ、食べやすい物で……おにぎりとか?」
「おにぎりか……」
俺の言葉でアキヤさんはほっとしたのか、表情を緩めて、ついでに抱きしめる腕の力も緩む。
「俺が作ろうか?」
「え?」
アキヤさんが、おにぎりを……?
「他人が握ったの、ダメ?」
「いえ、そんなことないです。ただ……料理するんですね?」
いや、料理はしそうな気がする。
実家のアルファの父やアルファの兄だって料理が得意で、手打ちそばなんかはお店レベルにおいしい。
でも、アキヤさんみたいなアルファらしいかっこいいアルファがおにぎりみたいな庶民的なメニューを作る姿が……想像できない。もっとすごいフランス料理とか、米を使うなら寿司とか作りそう。
「一人暮らしだからそれなり作るよ。食べたいものになりがちだけど……朝からはちみつたっぷりのパンケーキとか」
「ふふっ。本当に甘いの好きなんですね。それも美味しそう」
まだ想像はつかないけど、新しい一面を知ってしまったなと思うと嬉しくてたまらなかった。
「今度、泊ってくれたら作るよ」
「え……?」
「来週は泊って欲しいな」
少し緩んでいた腕に、また力がこもる。
身体が密着して……あ、首筋近い。
「来週はもっと奥まで入れて、今日よりも沢山イかせてあげるから……動けないと思う」
「っ……!」
やっと引いてきた体の熱が、疼きが……うぅ、フェロモンもめちゃくちゃ感じる。
「……は、はい……」
今ですらこんなにドキドキしてやばいのに、来週……。
俺、どうなっちゃうんだろう?
「大丈夫?」
「大丈夫です。たぶん、アキヤさん手加減してくれたし……」
セックスの後、しばらくベッドで抱き合っていれば、自分で立ち上がれる程度に回復した。
初体験であんなに大きなペニスを受け入れたのに……オメガすごい。
でも、一番はアキヤさんが気遣ってくれたからだと思う。
セックス中は夢中で気付かなかったけど、アキヤさんのペニスのサイズ的に、あそこで終わるわけがない。
下半身も密着していなかった。
つまり……アキヤさんは、全部入れてない、はず。
「あ、あの、俺が怖がったからですよね? ごめんなさい……あの、今日で、俺……アキヤさんのペニス、怖くなくなりましたから!」
むしろ大好きになった……と言いたかったけど、ただの淫乱みたいでそれは憚られた。
「ミチくん……よかった。本当は次も手加減してあげたいんだけど……」
アキヤさんが優しく俺の後頭部を撫でて、項に近い場所にキスをされる。
「っ!」
「ヒートまでにセックスに慣れないといけないから、次は全部入れさせてね?」
「あ、は、はい……がんばり、ま、す……!」
「ミチくんだけじゃないよ、俺もがんばる。今日のセックスでもう最高に良かったのに、もっと奥……番の奥まで入れるの、絶対に気持ちいいから。今から慣れておかないと本番で……うん。がんばるから」
「は、はい……えっと、よろしくお願いします」
それ、どうがんばるんだろう……?
正直、アルファのそういう所はよく解らないけど、俺ばかりが慣れてなくて迷惑なんじゃって心配だったからちょっと安心した。
「明日休みだよね? 泊ってく?」
言葉だけでなく、ぎゅっと、帰すの嫌だなって言うように両手で強く抱きしめられるけど……嬉しいけど……。
「ごめんなさい、あの、ドキドキしてヤバイので帰ります」
アルファの側にいたい気持ちも大きいけど、実はさっきからアキヤさんの顔がまともに見られない。
……セックスする前だって大好きだったのに、今……めちゃくちゃ最高に大大大好きって俺の本能が五月蠅くて……顔見るたびに心臓が痛い。
このままだと好きすぎでやばい。
一回落ち着きたい。
「気持ちはわかるかな……じゃあ、車で送るよ」
「いいですよ。まだ余裕で電車あるし」
お尻に違和感はあるけど、電車でたった数駅。乗っている時間だけなら一〇分もかからない。
それをわざわざ……。
「……そんな顔とフェロモンのオメガを一人で帰せないよ。車で送っちゃだめなら、家から出さない」
顔とフェロモン?
自分ではわかるようなわからないようななんだけど……アキヤさんが半分怒っているような真剣な顔で言うから素直に頷いた。
アルファに心配されて気遣われるの、申し訳ないけど嬉しいな。
「……じゃ、じゃあ……送ってください」
俺が頷くと、アキヤさんは一瞬で笑顔になる。
うぅ、眩しい、好き……。
「食欲ある? 途中で何か食べて行こうか?」
「今はちょっと……」
疲れることはしたけど、身体も心も幸福感でいっぱいで、食べる気になれない。
「何かテイクアウトしようか? 家に帰って落ち着いてから、食べられそうなら食べて」
「別に大丈夫ですよ。すぐ前がコンビニだし」
優しくしてくれるのは嬉しいけど、俺だって成人男性だ。それくらい……
「……ミチくん」
「アキヤさん?」
アキヤさんが優しい笑顔からまた、ふっと真剣な顔になる。
食事くらいでそんな……
「今日は絶対に家から出て欲しくない。独占欲強くて面倒くさいと思うけど、お願い」
「あ……」
あ、そういうことか。
俺、アルファの気持ち考えてなかった。
「面倒なんかじゃないです! わかりました。えっと、じゃあ、食べやすい物で……おにぎりとか?」
「おにぎりか……」
俺の言葉でアキヤさんはほっとしたのか、表情を緩めて、ついでに抱きしめる腕の力も緩む。
「俺が作ろうか?」
「え?」
アキヤさんが、おにぎりを……?
「他人が握ったの、ダメ?」
「いえ、そんなことないです。ただ……料理するんですね?」
いや、料理はしそうな気がする。
実家のアルファの父やアルファの兄だって料理が得意で、手打ちそばなんかはお店レベルにおいしい。
でも、アキヤさんみたいなアルファらしいかっこいいアルファがおにぎりみたいな庶民的なメニューを作る姿が……想像できない。もっとすごいフランス料理とか、米を使うなら寿司とか作りそう。
「一人暮らしだからそれなり作るよ。食べたいものになりがちだけど……朝からはちみつたっぷりのパンケーキとか」
「ふふっ。本当に甘いの好きなんですね。それも美味しそう」
まだ想像はつかないけど、新しい一面を知ってしまったなと思うと嬉しくてたまらなかった。
「今度、泊ってくれたら作るよ」
「え……?」
「来週は泊って欲しいな」
少し緩んでいた腕に、また力がこもる。
身体が密着して……あ、首筋近い。
「来週はもっと奥まで入れて、今日よりも沢山イかせてあげるから……動けないと思う」
「っ……!」
やっと引いてきた体の熱が、疼きが……うぅ、フェロモンもめちゃくちゃ感じる。
「……は、はい……」
今ですらこんなにドキドキしてやばいのに、来週……。
俺、どうなっちゃうんだろう?
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