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第4話 最果ての村へ
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硬く冷たい石の感触で、俺の意識はゆっくりと浮上した。
夜の間に雨は上がっていたらしい。薄汚れた裏路地には朝日が差し込み、昨夜の雨水がきらきらと光を反射している。眩しさに思わず目を細めた。
死んだと思っていた。あのまま凍えて、誰にも知られずに死ぬのだと。だが、俺は生きていた。身体は鉛のように重く、節々が痛む。それでも、心臓はまだ律儀に鼓動を刻んでいた。
なぜ、死ななかったのだろう。
虚ろな目で空を見上げる。生きていることが、まるで罰のように感じられた。あのまま意識を失って、楽になれたはずなのに。
腹がぐう、と鳴った。強烈な空腹が、生きているという現実を否応なく突きつけてくる。俺はよろめきながら壁に手をつき、ゆっくりと立ち上がった。
このままでは、結局飢えて死ぬだけだ。それなら同じことか。
だが、その時だった。路地の入り口に、パン屋の親父さんが立っていた。俺がパーティーにいた頃、時々パンを買いに行っていた店だ。親父さんは俺の姿を認めると、少し驚いた顔をして、それから何かを察したように黙って近づいてきた。
そして、無言で紙袋を差し出した。中からは、焼きたてのパンの香ばしい匂いがした。
「……」
俺は何も言えなかった。何か言おうとしても、喉が張り付いて声が出ない。親父さんは何も言わず、俺の手に袋を押し付けると、すぐに背を向けて店に戻っていった。同情か、憐れみか。どちらにせよ、今の俺にはありがたかった。
紙袋の中には、少し形の崩れたパンが二つ入っていた。売り物にならないものだろう。俺はそれを、夢中で口にかきこんだ。パンはまだ温かく、その温かさが凍えた身体にじんわりと染み渡っていく。
涙が、ぼろぼろと零れた。パンの塩気と、涙の塩気が口の中で混ざり合う。悔しいのか、情けないのか、それとも人の優しさが身に染みたのか。自分でも分からなかった。
パンを全て食べ終えると、少しだけ力が湧いてきた。死ぬのは、まだ早いのかもしれない。いや、死ぬにしても、こんな場所はごめんだ。俺を侮蔑した奴らが笑いながら暮らすこの王都で、惨めに野垂れ死ぬのだけは嫌だった。
行く当てもない。だが、ここにいてはいけない。
俺はふらつく足取りで歩き出した。目指す方角なんてない。ただ、人の少ない方へ、この華やかな王都から遠ざかる方へ。背後で聞こえる市場の活気や、人々の楽しげな笑い声が、今はただただ苦痛だった。
王都の門を抜ける。衛兵が訝しげな視線を向けてきたが、みすぼらしい格好の男一人に構うほど暇ではないらしい。俺は誰に咎められることもなく、王都の外へと出た。
それからの旅は、過酷という言葉では生ぬるいものだった。
街道沿いを歩けば、他の旅人や商人に追い越されるたびに、惨めな気持ちになった。だから、いつしか街道を外れ、獣道のような場所を歩くようになった。食べ物は、森で木の実を拾ったり、川で魚を手づかみで捕まえたりして凌いだ。夜は洞窟や大木の根元で、獣に怯えながら眠った。
かつてパーティーで旅をしていた頃は、快適なテントがあり、温かい食事が用意されていた。危険な夜は、仲間が見張りをしてくれていた。その全てが、今はもうない。
一人きりの旅は、心を蝕む。歩きながら、何度も考えた。なぜ俺は追放されたのか。俺がもっと強ければよかったのか。もっと役に立つスキルを持っていれば。考えても答えの出ない問いが、頭の中をぐるぐると回り続ける。
そして、その思考はいつも同じ結論に行き着く。俺は無価値な人間なのだ、と。
何日歩き続けたのか、もう分からなかった。季節はすっかり冬になり、北風が身に染みる。俺は痩せこけ、髪も髭も伸び放題で、もはや冒険者の面影はどこにもなかった。ただの薄汚れた放浪者だ。
そんなある日、俺は小さな村にたどり着いた。
丘陵地帯にぽつんと存在する、十数軒の家が集まっただけの寂れた村だった。畑は痩せ、家々は古びている。村を歩く人々の顔にも活気はなく、皆一様にうつむき加減で、よそ者である俺を警戒するように遠巻きに見ているだけだった。
世界の果てにある村。今の俺には、そんな印象を受けた。そして、不思議と居心地の悪さは感じなかった。この澱んだ空気は、今の俺の心によく似ていたからだ。
村に一軒だけある粗末な酒場に入り、なけなしの銅貨で一番安いエールを頼む。水で薄めたような、気の抜けた味だった。カウンターの隅でそれをちびちびと飲んでいると、村の男たちの話し声が聞こえてきた。
「おい、聞いたか? また教会の『呪われた聖女』様が倒れたらしいぞ」
「ああ。隣の家の婆さんが様子を見に行ったら、熱を出して魘されてたって話だ」
「ちっ、疫病神が。あいつがこの村に来てから、ろくなことがねえ」
呪われた聖女。その言葉に、俺は思わず耳をそばだてた。
「馬鹿言え。あのお方がいなけりゃ、うちの小僧はとうに死んでた。お前だって、熱病にかかった時、あの方に癒やしてもらったじゃねえか」
「そりゃそうだがよ。人を癒やすたびに、自分が苦しむなんて、やっぱり普通じゃねえ。あれは呪いだ。聖女様なんて呼ばれてるが、実態は呪いを振りまく魔女かもしれん」
「声を落とせ。聞かれたらどうする」
男たちはひそひそと声を潜める。
俺はエールの杯を握りしめた。彼らの話から察するに、この村には一人の女性が住んでいるらしい。彼女は聖女と呼ばれるほどの治癒の力を持っているが、その力を使うと、代償として彼女自身が苦しむ。だから村人たちは、彼女を敬うと同時に、不気味がって『呪われた聖女』と呼んでいる。
自分と同じだ、と思った。
いや、違う。彼女は自分の身を削ってでも、人を助けている。俺とは大違いだ。俺は、誰の役にも立てなかった。
だが、それでも親近感のようなものを感じずにはいられなかった。その力ゆえに、人から疎まれている。その孤独は、痛いほど分かる気がした。
「あんな呪われた力、ありがた迷惑ってもんだぜ。下手に助けられて、こっちが罪悪感を背負わされるんじゃたまらん」
男の一人が吐き捨てるように言った。その言葉は、まるで俺自身の胸に突き刺さったようだった。
俺は杯に残っていたエールを一気に飲み干し、席を立った。店主の怪訝な視線を背中に感じながら、酒場を出る。
外は、冷たい風が吹いていた。
呪われた聖女が住むという教会は、村はずれの丘の上にあるらしい。古びた石造りの小さな教会が、夕暮れの空を背景にシルエットになっていた。
行くべきか、行かざるべきか。
俺はただの放浪者だ。何の力もない。行ってどうなるものでもない。むしろ、不審者として追い払われるのが関の山だろう。
分かっている。分かっているのに、足が勝手にそちらへ向かっていた。
何もかもに絶望し、生きる意味さえ見失っていた俺の心に、ほんの小さな石が投げ込まれた。それは好奇心か、同情か、あるいは自分と似た境遇の人間がいるという、ただそれだけの安堵感だったのかもしれない。
俺は、その正体も分からないまま、丘の上の教会へと続く寂しい道を、一歩一歩踏みしめていた。
夜の間に雨は上がっていたらしい。薄汚れた裏路地には朝日が差し込み、昨夜の雨水がきらきらと光を反射している。眩しさに思わず目を細めた。
死んだと思っていた。あのまま凍えて、誰にも知られずに死ぬのだと。だが、俺は生きていた。身体は鉛のように重く、節々が痛む。それでも、心臓はまだ律儀に鼓動を刻んでいた。
なぜ、死ななかったのだろう。
虚ろな目で空を見上げる。生きていることが、まるで罰のように感じられた。あのまま意識を失って、楽になれたはずなのに。
腹がぐう、と鳴った。強烈な空腹が、生きているという現実を否応なく突きつけてくる。俺はよろめきながら壁に手をつき、ゆっくりと立ち上がった。
このままでは、結局飢えて死ぬだけだ。それなら同じことか。
だが、その時だった。路地の入り口に、パン屋の親父さんが立っていた。俺がパーティーにいた頃、時々パンを買いに行っていた店だ。親父さんは俺の姿を認めると、少し驚いた顔をして、それから何かを察したように黙って近づいてきた。
そして、無言で紙袋を差し出した。中からは、焼きたてのパンの香ばしい匂いがした。
「……」
俺は何も言えなかった。何か言おうとしても、喉が張り付いて声が出ない。親父さんは何も言わず、俺の手に袋を押し付けると、すぐに背を向けて店に戻っていった。同情か、憐れみか。どちらにせよ、今の俺にはありがたかった。
紙袋の中には、少し形の崩れたパンが二つ入っていた。売り物にならないものだろう。俺はそれを、夢中で口にかきこんだ。パンはまだ温かく、その温かさが凍えた身体にじんわりと染み渡っていく。
涙が、ぼろぼろと零れた。パンの塩気と、涙の塩気が口の中で混ざり合う。悔しいのか、情けないのか、それとも人の優しさが身に染みたのか。自分でも分からなかった。
パンを全て食べ終えると、少しだけ力が湧いてきた。死ぬのは、まだ早いのかもしれない。いや、死ぬにしても、こんな場所はごめんだ。俺を侮蔑した奴らが笑いながら暮らすこの王都で、惨めに野垂れ死ぬのだけは嫌だった。
行く当てもない。だが、ここにいてはいけない。
俺はふらつく足取りで歩き出した。目指す方角なんてない。ただ、人の少ない方へ、この華やかな王都から遠ざかる方へ。背後で聞こえる市場の活気や、人々の楽しげな笑い声が、今はただただ苦痛だった。
王都の門を抜ける。衛兵が訝しげな視線を向けてきたが、みすぼらしい格好の男一人に構うほど暇ではないらしい。俺は誰に咎められることもなく、王都の外へと出た。
それからの旅は、過酷という言葉では生ぬるいものだった。
街道沿いを歩けば、他の旅人や商人に追い越されるたびに、惨めな気持ちになった。だから、いつしか街道を外れ、獣道のような場所を歩くようになった。食べ物は、森で木の実を拾ったり、川で魚を手づかみで捕まえたりして凌いだ。夜は洞窟や大木の根元で、獣に怯えながら眠った。
かつてパーティーで旅をしていた頃は、快適なテントがあり、温かい食事が用意されていた。危険な夜は、仲間が見張りをしてくれていた。その全てが、今はもうない。
一人きりの旅は、心を蝕む。歩きながら、何度も考えた。なぜ俺は追放されたのか。俺がもっと強ければよかったのか。もっと役に立つスキルを持っていれば。考えても答えの出ない問いが、頭の中をぐるぐると回り続ける。
そして、その思考はいつも同じ結論に行き着く。俺は無価値な人間なのだ、と。
何日歩き続けたのか、もう分からなかった。季節はすっかり冬になり、北風が身に染みる。俺は痩せこけ、髪も髭も伸び放題で、もはや冒険者の面影はどこにもなかった。ただの薄汚れた放浪者だ。
そんなある日、俺は小さな村にたどり着いた。
丘陵地帯にぽつんと存在する、十数軒の家が集まっただけの寂れた村だった。畑は痩せ、家々は古びている。村を歩く人々の顔にも活気はなく、皆一様にうつむき加減で、よそ者である俺を警戒するように遠巻きに見ているだけだった。
世界の果てにある村。今の俺には、そんな印象を受けた。そして、不思議と居心地の悪さは感じなかった。この澱んだ空気は、今の俺の心によく似ていたからだ。
村に一軒だけある粗末な酒場に入り、なけなしの銅貨で一番安いエールを頼む。水で薄めたような、気の抜けた味だった。カウンターの隅でそれをちびちびと飲んでいると、村の男たちの話し声が聞こえてきた。
「おい、聞いたか? また教会の『呪われた聖女』様が倒れたらしいぞ」
「ああ。隣の家の婆さんが様子を見に行ったら、熱を出して魘されてたって話だ」
「ちっ、疫病神が。あいつがこの村に来てから、ろくなことがねえ」
呪われた聖女。その言葉に、俺は思わず耳をそばだてた。
「馬鹿言え。あのお方がいなけりゃ、うちの小僧はとうに死んでた。お前だって、熱病にかかった時、あの方に癒やしてもらったじゃねえか」
「そりゃそうだがよ。人を癒やすたびに、自分が苦しむなんて、やっぱり普通じゃねえ。あれは呪いだ。聖女様なんて呼ばれてるが、実態は呪いを振りまく魔女かもしれん」
「声を落とせ。聞かれたらどうする」
男たちはひそひそと声を潜める。
俺はエールの杯を握りしめた。彼らの話から察するに、この村には一人の女性が住んでいるらしい。彼女は聖女と呼ばれるほどの治癒の力を持っているが、その力を使うと、代償として彼女自身が苦しむ。だから村人たちは、彼女を敬うと同時に、不気味がって『呪われた聖女』と呼んでいる。
自分と同じだ、と思った。
いや、違う。彼女は自分の身を削ってでも、人を助けている。俺とは大違いだ。俺は、誰の役にも立てなかった。
だが、それでも親近感のようなものを感じずにはいられなかった。その力ゆえに、人から疎まれている。その孤独は、痛いほど分かる気がした。
「あんな呪われた力、ありがた迷惑ってもんだぜ。下手に助けられて、こっちが罪悪感を背負わされるんじゃたまらん」
男の一人が吐き捨てるように言った。その言葉は、まるで俺自身の胸に突き刺さったようだった。
俺は杯に残っていたエールを一気に飲み干し、席を立った。店主の怪訝な視線を背中に感じながら、酒場を出る。
外は、冷たい風が吹いていた。
呪われた聖女が住むという教会は、村はずれの丘の上にあるらしい。古びた石造りの小さな教会が、夕暮れの空を背景にシルエットになっていた。
行くべきか、行かざるべきか。
俺はただの放浪者だ。何の力もない。行ってどうなるものでもない。むしろ、不審者として追い払われるのが関の山だろう。
分かっている。分かっているのに、足が勝手にそちらへ向かっていた。
何もかもに絶望し、生きる意味さえ見失っていた俺の心に、ほんの小さな石が投げ込まれた。それは好奇心か、同情か、あるいは自分と似た境遇の人間がいるという、ただそれだけの安堵感だったのかもしれない。
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