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第52話 天へと至る塔
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Aランク昇格試験、当日。
王都の北門は、早朝から、異様な熱気に包まれていた。
僕たち『フロンティア』の挑戦を一目見ようと、数え切れないほどの冒険者や、物見高い市民たちが、黒山の人だかりを築いていたのだ。
「来たぞ!『攻略神』だ!」
「あれが、リリアナ様とバルガス様か! なんて頼もしい……!」
僕たち三人が姿を現すと、割れんばかりの歓声が巻き起こった。その中には、僕たちを応援する声もあれば、嫉妬に満ちた野次もあった。だが、そんな喧騒も、今の僕たちの耳には、どこか遠いBGMのようにしか聞こえなかった。
僕たちの視線は、ただ一点。
霧深い山脈の向こうに、その威容を現す、巨大な塔だけを見据えていた。
『天へと至る塔』。
それは、まるで天を槍のように突き刺す、白亜の巨塔だった。雲を突き抜け、その頂は霞んで見えない。誰が、何のために建てたのか。その存在自体が、一つの巨大な謎だった。
塔の麓には、ギルドと王国騎士団によって、厳重な管理区域が設けられていた。そこには、今回の試験の立会人となる、貴族やギルドの上層部たちが集う、特設の観覧席まで用意されていた。
僕たちが管理区域に到着すると、ギルドマスターのダグラスが、厳しい顔で僕たちを迎えた。
「来たか。準備はいいな」
「はい。いつでも」
僕が答えると、彼は僕たちの後ろに立つ、観覧席の方をちらりと見た。
「今日の試験には、王家からもご名代がお見えになっている。くれぐれも、粗相のないようにな」
彼の視線の先には、豪奢な衣装を身につけた貴族たちに混じって、見知った顔がいくつかあった。ランズデール侯爵と、その息子アルフレッド様。彼らは、僕たちに激励の視線を送ってくれている。
そして、その少し離れた場所に。
勇者パーティ『サンクチュアリ』の姿もあった。
アレクサンダーは、腕を組み、冷たい笑みを浮かべてこちらを見ている。その瞳の奥には、僕たちの失敗を確信するような、不気味な光が宿っていた。
(……やはり、何かを企んでいるな)
僕は、彼の視線を受け止めながら、内心で警戒を強めた。だが、それを表情に出すことはない。
「フロンティア。試験内容の最終確認だ」
ダグラスが、塔の入り口を指差しながら言った。「この『天へと至る塔』、第十五階層まで到達すること。制限時間はない。生きて帰還することこそが、最優先事項だ。いいな」
「了解しました」
「よろしい。では、これより、Bランクパーティ『フロンティア』の、Aランク昇格試験を開始する!」
ダグラスの高らかな宣言と共に、塔の入り口である、巨大な石の扉が、ゴゴゴ、と重い音を立てて開いていった。
扉の向こう側は、光の届かない、深淵のような闇に包まれている。
「行くぞ」
僕は、二人の仲間に短く声をかけた。
「おうよ!」
「ええ!」
バルガスとリリアナも、力強く応じる。
僕たち三人は、観衆の万雷の拍手と、そしていくつかの悪意に満ちた視線を背中に受けながら、未知なる試練が待つ、塔の中へと、その一歩を踏み出した。
第53話 階層ごとの試練
塔の内部は、外から見た荘厳なイメージとは裏腹に、無機質で、冷たい石造りの空間だった。壁には、等間隔で魔導ランプが灯され、一本の巨大な螺旋階段が、上へ、上へと続いている。
「ここが、塔の内部か。思ったより、普通だな」
バルガスが、周囲を見回しながら言った。
「ええ。でも、何か、嫌な感じがするわ。空気が、階層ごとに違う匂いがする」
リリアナの鋭い感覚が、この塔の異質さを捉えていた。
僕の【地図化】スキルも、すでにこの塔の異常性を明確に示していた。
この塔は、階層ごとに、空間そのものが『断絶』しているのだ。一つの階層は、それ自体が独立した小世界(ミニチュアワールド)として完結しており、次の階層とは、全く異なる法則で成り立っている。
「気を引き締めろ。ここからは、俺たちの常識が通用しない世界だ」
僕たちは、螺旋階段を上り、最初の試練の舞台である、第一階層の扉を開けた。
扉の向こうに広がっていたのは、広大な、だだっ広い平原だった。そして、その地平線の彼方から、凄まじい数の軍勢が、地響きを立てながら迫ってくる。
「ゴブリンに、オーク……! なんて数だ!」
バルガスが、驚愕の声を上げた。その数は、千は下らないだろう。
これが、第一階層から第五階層までの試練。『物量』だ。
「バルガス、正面に城塞を張れ! 敵の突撃を、一点で受け止める!」
「リリアナ、城塞の影から、一体ずつ確実に仕留めろ! 焦るな、時間はいくらでもある!」
「「了解!」」
僕たちの、いつもの戦術が始まった。
バルガスの黄金の城塞が、敵の津波を受け止める巨大な防波堤となる。オークたちの巨大な棍棒が、ゴブリンたちの無数の矢が、その城塞に叩きつけられるが、傷一つ付かない。
そして、その絶対的な安全地帯から、リリアナの銀色の閃光が、何度も何度も煌めいた。彼女のレイピアは、敵の急所を正確に貫き、一体、また一体と、その命を刈り取っていく。
それは、もはや戦闘ではなく、効率的な『作業』だった。
観覧席に設置された、遠見の水晶(クリスタル)でその光景を見ていた者たちは、唖然としていた。
「な、なんだ、あの戦い方は……」
「まるで、流れ作業じゃないか……」
「あのドワーフの盾、硬すぎるだろ! オークの総攻撃を、涼しい顔で受け止めてやがる!」
「あのハーフエルフの剣もだ! 無駄な動きが一切ない! まるで、機械のように敵を処理している……!」
そして、彼らの視線は、後方で静かに戦況を見守る、僕の姿に集まった。
「そして、あのリーダー……。彼は、一体何をしているんだ? 何もしていないように見えるが……」
「いや、違う! 彼が、時折、二人に何かを指示している! あの完璧な連携は、全て彼が作り出しているんだ!」
彼らは、僕たち『フロンティア』の戦術の、その異常なまでの完成度に、ようやく気づき始めた。
数時間後。
僕たちは、第五階層のボスである、オーク・ジェネラルを難なく討伐し、次の階層へと続く階段を上っていた。僕たちの体には、まだ傷一つない。ポーションも、ほとんど消費していなかった。
「へへっ、ウォーミングアップにもなりゃしねえな!」
バルガスが、豪快に笑う。
「ええ。でも、ここからが本番よ」
リリアナが、気を引き締める。
その通りだった。第六階層の扉を開けた瞬間、僕たちを待っていたのは、全く違う種類の悪意だった。
空気が、一気に淀み、腐臭が鼻をついた。周囲の景色は、荒れ果てた墓地へと一変していた。地面からは、無数の骸骨、ゾンビ、そして亡霊たちが、次々と這い出してくる。
第六階層から第十階層までの試練。『状態異常』と『精神攻撃』。アンデッド地帯だ。
「うわっ、気色悪ぃ! 俺あ、こういうネチっこいのは苦手なんだよ!」
バルガスが、顔をしかめる。
「セシリアさんのような、神聖魔法の使い手がいれば……」
リリアナも、不安げに呟いた。
僕たちのパーティには、アンデッドに有効な浄化系の攻撃手段がない。これは、明確な弱点だった。
だが、僕は冷静だった。
「心配するな。俺たちには、俺たちの戦い方がある」
僕は、脳内マップに表示された、ある『情報』を指し示した。「この階層には、古代の浄化トラップが、いくつか眠っている。俺たちにとっては、それが最強の武器になる」
僕は、アンデッドの群れから距離を取り、彼らをある場所へと誘導し始めた。
そこは、一見するとただの広場だった。だが、僕のマップには、その床下に、巨大な魔力回路が隠されていることが示されていた。そして、その作動条件は、『一定数以上のアンデッドが、その上に集まること』。
僕たちは、アンデッドの群れにわざと追われる形で、その広場の中央へと駆け込んだ。
僕たちを追って、数百体のアンデッドが、その広場に殺到する。
そして、作動条件が満たされた、その瞬間。
広場の床全体が、まばゆいばかりの白い光を放った。
「「「ギシャアアアアアアア!」」」
アンデッドたちが、聖なる光に焼かれ、断末魔の叫びを上げて浄化されていく。
僕たちは、その光景を、安全な広場の隅から、ただ眺めているだけだった。
戦闘すら、行う必要はなかった。
ダンジョンのギミックそのものを、僕たちの武器として利用する。
その、あまりにも異次元な攻略法に、観覧席の者たちは、もはや言葉を失っていた。
「……ば、かな」
アレクサンダーが、呆然と呟いた。「罠を、利用した、だと……? そんなこと、ありえるはずが……」
彼の常識では、到底理解できない光景だった。
ダグラスは、腕を組み、ただ静かに、しかしその瞳の奥に、燃えるような興奮を宿して、水晶を見つめていた。
「……やはり、奴は『神』だ。ダンジョンという盤面を、完全に支配する、攻略の神だ」
僕たち『フロンティア』は、誰の予想をも遥かに超えるスピードで、塔を駆け上がっていく。
そして、ついに、第十階層のボス、リッチ・ロードをも難なく撃破し、前人未到の領域、第十一階層への扉の前に、たどり着いた。
その扉の向こう側には、一体、どんな試練が待っているのか。
僕たちの本当の挑戦が、今、始まろうとしていた。
王都の北門は、早朝から、異様な熱気に包まれていた。
僕たち『フロンティア』の挑戦を一目見ようと、数え切れないほどの冒険者や、物見高い市民たちが、黒山の人だかりを築いていたのだ。
「来たぞ!『攻略神』だ!」
「あれが、リリアナ様とバルガス様か! なんて頼もしい……!」
僕たち三人が姿を現すと、割れんばかりの歓声が巻き起こった。その中には、僕たちを応援する声もあれば、嫉妬に満ちた野次もあった。だが、そんな喧騒も、今の僕たちの耳には、どこか遠いBGMのようにしか聞こえなかった。
僕たちの視線は、ただ一点。
霧深い山脈の向こうに、その威容を現す、巨大な塔だけを見据えていた。
『天へと至る塔』。
それは、まるで天を槍のように突き刺す、白亜の巨塔だった。雲を突き抜け、その頂は霞んで見えない。誰が、何のために建てたのか。その存在自体が、一つの巨大な謎だった。
塔の麓には、ギルドと王国騎士団によって、厳重な管理区域が設けられていた。そこには、今回の試験の立会人となる、貴族やギルドの上層部たちが集う、特設の観覧席まで用意されていた。
僕たちが管理区域に到着すると、ギルドマスターのダグラスが、厳しい顔で僕たちを迎えた。
「来たか。準備はいいな」
「はい。いつでも」
僕が答えると、彼は僕たちの後ろに立つ、観覧席の方をちらりと見た。
「今日の試験には、王家からもご名代がお見えになっている。くれぐれも、粗相のないようにな」
彼の視線の先には、豪奢な衣装を身につけた貴族たちに混じって、見知った顔がいくつかあった。ランズデール侯爵と、その息子アルフレッド様。彼らは、僕たちに激励の視線を送ってくれている。
そして、その少し離れた場所に。
勇者パーティ『サンクチュアリ』の姿もあった。
アレクサンダーは、腕を組み、冷たい笑みを浮かべてこちらを見ている。その瞳の奥には、僕たちの失敗を確信するような、不気味な光が宿っていた。
(……やはり、何かを企んでいるな)
僕は、彼の視線を受け止めながら、内心で警戒を強めた。だが、それを表情に出すことはない。
「フロンティア。試験内容の最終確認だ」
ダグラスが、塔の入り口を指差しながら言った。「この『天へと至る塔』、第十五階層まで到達すること。制限時間はない。生きて帰還することこそが、最優先事項だ。いいな」
「了解しました」
「よろしい。では、これより、Bランクパーティ『フロンティア』の、Aランク昇格試験を開始する!」
ダグラスの高らかな宣言と共に、塔の入り口である、巨大な石の扉が、ゴゴゴ、と重い音を立てて開いていった。
扉の向こう側は、光の届かない、深淵のような闇に包まれている。
「行くぞ」
僕は、二人の仲間に短く声をかけた。
「おうよ!」
「ええ!」
バルガスとリリアナも、力強く応じる。
僕たち三人は、観衆の万雷の拍手と、そしていくつかの悪意に満ちた視線を背中に受けながら、未知なる試練が待つ、塔の中へと、その一歩を踏み出した。
第53話 階層ごとの試練
塔の内部は、外から見た荘厳なイメージとは裏腹に、無機質で、冷たい石造りの空間だった。壁には、等間隔で魔導ランプが灯され、一本の巨大な螺旋階段が、上へ、上へと続いている。
「ここが、塔の内部か。思ったより、普通だな」
バルガスが、周囲を見回しながら言った。
「ええ。でも、何か、嫌な感じがするわ。空気が、階層ごとに違う匂いがする」
リリアナの鋭い感覚が、この塔の異質さを捉えていた。
僕の【地図化】スキルも、すでにこの塔の異常性を明確に示していた。
この塔は、階層ごとに、空間そのものが『断絶』しているのだ。一つの階層は、それ自体が独立した小世界(ミニチュアワールド)として完結しており、次の階層とは、全く異なる法則で成り立っている。
「気を引き締めろ。ここからは、俺たちの常識が通用しない世界だ」
僕たちは、螺旋階段を上り、最初の試練の舞台である、第一階層の扉を開けた。
扉の向こうに広がっていたのは、広大な、だだっ広い平原だった。そして、その地平線の彼方から、凄まじい数の軍勢が、地響きを立てながら迫ってくる。
「ゴブリンに、オーク……! なんて数だ!」
バルガスが、驚愕の声を上げた。その数は、千は下らないだろう。
これが、第一階層から第五階層までの試練。『物量』だ。
「バルガス、正面に城塞を張れ! 敵の突撃を、一点で受け止める!」
「リリアナ、城塞の影から、一体ずつ確実に仕留めろ! 焦るな、時間はいくらでもある!」
「「了解!」」
僕たちの、いつもの戦術が始まった。
バルガスの黄金の城塞が、敵の津波を受け止める巨大な防波堤となる。オークたちの巨大な棍棒が、ゴブリンたちの無数の矢が、その城塞に叩きつけられるが、傷一つ付かない。
そして、その絶対的な安全地帯から、リリアナの銀色の閃光が、何度も何度も煌めいた。彼女のレイピアは、敵の急所を正確に貫き、一体、また一体と、その命を刈り取っていく。
それは、もはや戦闘ではなく、効率的な『作業』だった。
観覧席に設置された、遠見の水晶(クリスタル)でその光景を見ていた者たちは、唖然としていた。
「な、なんだ、あの戦い方は……」
「まるで、流れ作業じゃないか……」
「あのドワーフの盾、硬すぎるだろ! オークの総攻撃を、涼しい顔で受け止めてやがる!」
「あのハーフエルフの剣もだ! 無駄な動きが一切ない! まるで、機械のように敵を処理している……!」
そして、彼らの視線は、後方で静かに戦況を見守る、僕の姿に集まった。
「そして、あのリーダー……。彼は、一体何をしているんだ? 何もしていないように見えるが……」
「いや、違う! 彼が、時折、二人に何かを指示している! あの完璧な連携は、全て彼が作り出しているんだ!」
彼らは、僕たち『フロンティア』の戦術の、その異常なまでの完成度に、ようやく気づき始めた。
数時間後。
僕たちは、第五階層のボスである、オーク・ジェネラルを難なく討伐し、次の階層へと続く階段を上っていた。僕たちの体には、まだ傷一つない。ポーションも、ほとんど消費していなかった。
「へへっ、ウォーミングアップにもなりゃしねえな!」
バルガスが、豪快に笑う。
「ええ。でも、ここからが本番よ」
リリアナが、気を引き締める。
その通りだった。第六階層の扉を開けた瞬間、僕たちを待っていたのは、全く違う種類の悪意だった。
空気が、一気に淀み、腐臭が鼻をついた。周囲の景色は、荒れ果てた墓地へと一変していた。地面からは、無数の骸骨、ゾンビ、そして亡霊たちが、次々と這い出してくる。
第六階層から第十階層までの試練。『状態異常』と『精神攻撃』。アンデッド地帯だ。
「うわっ、気色悪ぃ! 俺あ、こういうネチっこいのは苦手なんだよ!」
バルガスが、顔をしかめる。
「セシリアさんのような、神聖魔法の使い手がいれば……」
リリアナも、不安げに呟いた。
僕たちのパーティには、アンデッドに有効な浄化系の攻撃手段がない。これは、明確な弱点だった。
だが、僕は冷静だった。
「心配するな。俺たちには、俺たちの戦い方がある」
僕は、脳内マップに表示された、ある『情報』を指し示した。「この階層には、古代の浄化トラップが、いくつか眠っている。俺たちにとっては、それが最強の武器になる」
僕は、アンデッドの群れから距離を取り、彼らをある場所へと誘導し始めた。
そこは、一見するとただの広場だった。だが、僕のマップには、その床下に、巨大な魔力回路が隠されていることが示されていた。そして、その作動条件は、『一定数以上のアンデッドが、その上に集まること』。
僕たちは、アンデッドの群れにわざと追われる形で、その広場の中央へと駆け込んだ。
僕たちを追って、数百体のアンデッドが、その広場に殺到する。
そして、作動条件が満たされた、その瞬間。
広場の床全体が、まばゆいばかりの白い光を放った。
「「「ギシャアアアアアアア!」」」
アンデッドたちが、聖なる光に焼かれ、断末魔の叫びを上げて浄化されていく。
僕たちは、その光景を、安全な広場の隅から、ただ眺めているだけだった。
戦闘すら、行う必要はなかった。
ダンジョンのギミックそのものを、僕たちの武器として利用する。
その、あまりにも異次元な攻略法に、観覧席の者たちは、もはや言葉を失っていた。
「……ば、かな」
アレクサンダーが、呆然と呟いた。「罠を、利用した、だと……? そんなこと、ありえるはずが……」
彼の常識では、到底理解できない光景だった。
ダグラスは、腕を組み、ただ静かに、しかしその瞳の奥に、燃えるような興奮を宿して、水晶を見つめていた。
「……やはり、奴は『神』だ。ダンジョンという盤面を、完全に支配する、攻略の神だ」
僕たち『フロンティア』は、誰の予想をも遥かに超えるスピードで、塔を駆け上がっていく。
そして、ついに、第十階層のボス、リッチ・ロードをも難なく撃破し、前人未到の領域、第十一階層への扉の前に、たどり着いた。
その扉の向こう側には、一体、どんな試練が待っているのか。
僕たちの本当の挑戦が、今、始まろうとしていた。
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