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第25話:穏やかな日々の終わり
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公爵邸での日々は、まるで陽だまりの中で微睡んでいるかのように、穏やかに過ぎていった。
執事長のセバスチャンさんも、騎士団長のギルバート様も、今では私をアシュレイ様の対等なパートナーとして扱い、敬意を払ってくれる。使用人たちの笑顔も、マーサさんの温かい気遣いも、全てが私の心を優しく満たしてくれた。
そして何より、アシュレイ様の存在が、私の世界の中心にあった。
彼の呪いは、日々の『癒やしの時間』によって、薄皮を剥がすように少しずつ快方へと向かっていた。彼が本来の感情を取り戻していく過程を、一番近くで見守ることができる。それが、私にとって何よりの幸福だった。
かつて「出来損ない」と蔑まれ、息を潜めるように生きていた日々が、まるで遠い昔の悪夢のように感じられる。
私は、この幸せな日々が、永遠に続いていくのだと、何の疑いもなく信じていた。
その穏やかな日常が、終わりを告げる予兆もなく、唐突に破られることになるとも知らずに。
その日も、空はどこまでも青く澄み渡っていた。
私はアシュレイ様と共に、蘇った花壇の世話をしていた。二人で土に触れ、花に水をやり、他愛もない話をして笑い合う。そんな何気ない時間が、私には宝物のように思えた。
「この青い花、君の瞳の色によく似ている」
アシュレイ様が、お母様の形見の花を指さして言う。
「まあ。アシュレイ様の瞳の色は、この紫の花のようですわ」
私がそう返すと、彼は少し照れたように視線を逸らし、私の髪にそっと触れた。
そんな甘やかな空気が、私たちの間に流れていた、その時だった。
屋敷の正面玄関の方から、けたたましい蹄の音と、馬車の到着を告げる声が聞こえてきた。それは、来客を知らせるいつもの合図とは明らかに違う、どこか切迫した響きを持っていた。
アシュレイ様の表情が、すっと引き締まる。穏やかな恋人の顔から、一瞬にして『氷の公爵』の貌へと切り替わった。
「……何事だ」
彼が低く呟くと同時に、執事のセバスチャンさんが慌てた様子で庭園へと駆け込んできた。その完璧な執事の仮面が、わずかに崩れている。よほどのことなのだろう。
「アシュレイ様! 王宮より、勅使がお見えになりました!」
「王宮から? 事前の連絡はなかったはずだが」
アシュレイ様の問いに、セバスチャンさんは緊張した面持ちで首を横に振った。
「はい。国王陛下からの、緊急の勅命とのことでございます」
国王陛下からの、勅命。
その言葉の重みに、私の心臓がどきりと跳ねた。空気を読んだのか、私の隣にいたアシュレイ様が、私を安心させるように、そっと私の手を握ってくれた。その手は、いつもと変わらず温かかった。
私たちは、急いで応接室へと向かった。
壮麗な応接室の中央には、王家の使者である近衛騎士が二人、そして壮年の文官が一人、硬い表情で直立していた。彼らの前には、丁重に白い布で覆われた、一つの長細い桐の箱が置かれている。
アシュレイ様が部屋に入るなり、彼らは一斉に深々と頭を下げ、騎士の礼を取った。
「アイゼンベルク公爵閣下にはご壮健のこと、お慶び申し上げます」
文官が、仰々しい口調で口上を述べた。
アシュレイ様は、国王の椅子と対になるように置かれた、公爵専用の豪奢な椅子にゆったりと腰を下ろした。その姿には、先ほどまでの穏やかさは欠片もなく、王家に次ぐ権力者としての圧倒的な威厳が満ち溢れている。私も、彼の後ろに控えるように、静かに佇んだ。
「それで、勅命とは何だ。もったいぶらずに申せ」
アシュレイ様の低い声が、部屋の空気を震わせる。
文官は居住まいを正すと、恭しく一通の親書をアシュレイ様に差し出した。セバスチャンさんがそれを受け取り、アシュレイ様に手渡す。
アシュレイ様は封蝋を解くと、静かに書面に目を通し始めた。
最初は、いつもと変わらぬ無表情だった。だが、読み進めるうちに、その紫の瞳に、鋭く、そして冷たい光が宿っていくのが分かった。部屋の温度が、数度下がったかのような錯覚さえ覚える。
親書を読み終えた彼は、それを静かにテーブルの上に置いた。そして、凍てつくような声で、文官に問いかけた。
「……それで、その箱の中身は、親書に書かれている通りのものなのだろうな」
「はっ。相違ございません」
文官は、アシュレイ様の威圧感に気圧されたように、額に汗を浮かべている。彼は騎士たちに目配せをすると、二人掛かりで、その桐の箱をアシュレイ様の前のテーブルへと運んだ。
そして、ゆっくりと、白い布が取り払われる。
現れたのは、剣だった。
しかし、それはもはや剣と呼べる代物ではなかった。刀身は真ん中から無残にぽっきりと折れ、柄に繋がっている部分も、刃こぼれやひび割れが無数に入っている。鞘はなく、鈍い銀色の刀身は、長い年月の間にその輝きを失い、ただの鉄塊のように見えた。
唯一、柄の部分に嵌め込まれた大きな青い宝石だけが、その剣がかつては非凡なものであったことを物語っていた。
「これは……」
私が息をのむと、アシュレイ様が私の疑問に答えるように、静かに言った。
「我が国に伝わる、伝説の聖剣『エクシード』だ」
聖剣エクシード。
その名前は、私のような世間知らずの娘でも、物語の本で読んだことがあった。百年前、大陸を闇に陥れようとした魔王を、建国の英雄王が打ち破る際に用いたとされる、伝説の剣。
「英雄王が魔王に最後の一撃を加えた際、その強大な力に耐えきれず、聖剣もまた折れたと伝えられている。以来、百年もの間、王家の宝物庫の奥深くで眠っていたはずだが……」
アシュレイ様は、鋭い視線で文官を射抜いた。
「なぜ、今になって、このような形で私の元へ届けられた? 国王陛下の真意は何だ」
その問いに、文官はごくりと喉を鳴らした。
「親書にもございました通り、陛下は噂をお聞きになられたのです」
「噂?」
「はい。アイゼンベルク公爵閣下のお傍には、いかなる壊れたものでも元に戻すという、奇跡の力を持つ乙女がいる、と」
その言葉が向けられたのが、私であることは明らかだった。使者たちの視線が、好奇と不信の色をない交ぜにして、私へと突き刺さる。
私はたまらず、アシュレイ様の背後に身を隠した。
「陛下は、その力の真偽を確かめたいと仰せです。もしその力が本物であるならば、この折れたる聖剣を修復し、王家への揺るぎなき忠誠の証として示されたし、と。……それが、国王陛下からの勅命にございます」
部屋の中に、重い沈黙が落ちた。
私の力が、ついに王宮にまで知られてしまった。そして、国王陛下は、私の力を試そうとしている。
アシュレイ様は、何も言わなかった。ただ、その紫の瞳の奥で、静かで、しかし激しい怒りの炎が燃え上がっているのが、彼の隣にいる私には痛いほど分かった。
彼は、私が政治の道具として利用されることを、何よりも嫌悪している。
壊れた聖剣。国王の勅命。
それは、私たちの穏やかな日々の終わりを告げると共に、私の運命の歯車を、大きく、そして否応なく回し始める合図だった。
執事長のセバスチャンさんも、騎士団長のギルバート様も、今では私をアシュレイ様の対等なパートナーとして扱い、敬意を払ってくれる。使用人たちの笑顔も、マーサさんの温かい気遣いも、全てが私の心を優しく満たしてくれた。
そして何より、アシュレイ様の存在が、私の世界の中心にあった。
彼の呪いは、日々の『癒やしの時間』によって、薄皮を剥がすように少しずつ快方へと向かっていた。彼が本来の感情を取り戻していく過程を、一番近くで見守ることができる。それが、私にとって何よりの幸福だった。
かつて「出来損ない」と蔑まれ、息を潜めるように生きていた日々が、まるで遠い昔の悪夢のように感じられる。
私は、この幸せな日々が、永遠に続いていくのだと、何の疑いもなく信じていた。
その穏やかな日常が、終わりを告げる予兆もなく、唐突に破られることになるとも知らずに。
その日も、空はどこまでも青く澄み渡っていた。
私はアシュレイ様と共に、蘇った花壇の世話をしていた。二人で土に触れ、花に水をやり、他愛もない話をして笑い合う。そんな何気ない時間が、私には宝物のように思えた。
「この青い花、君の瞳の色によく似ている」
アシュレイ様が、お母様の形見の花を指さして言う。
「まあ。アシュレイ様の瞳の色は、この紫の花のようですわ」
私がそう返すと、彼は少し照れたように視線を逸らし、私の髪にそっと触れた。
そんな甘やかな空気が、私たちの間に流れていた、その時だった。
屋敷の正面玄関の方から、けたたましい蹄の音と、馬車の到着を告げる声が聞こえてきた。それは、来客を知らせるいつもの合図とは明らかに違う、どこか切迫した響きを持っていた。
アシュレイ様の表情が、すっと引き締まる。穏やかな恋人の顔から、一瞬にして『氷の公爵』の貌へと切り替わった。
「……何事だ」
彼が低く呟くと同時に、執事のセバスチャンさんが慌てた様子で庭園へと駆け込んできた。その完璧な執事の仮面が、わずかに崩れている。よほどのことなのだろう。
「アシュレイ様! 王宮より、勅使がお見えになりました!」
「王宮から? 事前の連絡はなかったはずだが」
アシュレイ様の問いに、セバスチャンさんは緊張した面持ちで首を横に振った。
「はい。国王陛下からの、緊急の勅命とのことでございます」
国王陛下からの、勅命。
その言葉の重みに、私の心臓がどきりと跳ねた。空気を読んだのか、私の隣にいたアシュレイ様が、私を安心させるように、そっと私の手を握ってくれた。その手は、いつもと変わらず温かかった。
私たちは、急いで応接室へと向かった。
壮麗な応接室の中央には、王家の使者である近衛騎士が二人、そして壮年の文官が一人、硬い表情で直立していた。彼らの前には、丁重に白い布で覆われた、一つの長細い桐の箱が置かれている。
アシュレイ様が部屋に入るなり、彼らは一斉に深々と頭を下げ、騎士の礼を取った。
「アイゼンベルク公爵閣下にはご壮健のこと、お慶び申し上げます」
文官が、仰々しい口調で口上を述べた。
アシュレイ様は、国王の椅子と対になるように置かれた、公爵専用の豪奢な椅子にゆったりと腰を下ろした。その姿には、先ほどまでの穏やかさは欠片もなく、王家に次ぐ権力者としての圧倒的な威厳が満ち溢れている。私も、彼の後ろに控えるように、静かに佇んだ。
「それで、勅命とは何だ。もったいぶらずに申せ」
アシュレイ様の低い声が、部屋の空気を震わせる。
文官は居住まいを正すと、恭しく一通の親書をアシュレイ様に差し出した。セバスチャンさんがそれを受け取り、アシュレイ様に手渡す。
アシュレイ様は封蝋を解くと、静かに書面に目を通し始めた。
最初は、いつもと変わらぬ無表情だった。だが、読み進めるうちに、その紫の瞳に、鋭く、そして冷たい光が宿っていくのが分かった。部屋の温度が、数度下がったかのような錯覚さえ覚える。
親書を読み終えた彼は、それを静かにテーブルの上に置いた。そして、凍てつくような声で、文官に問いかけた。
「……それで、その箱の中身は、親書に書かれている通りのものなのだろうな」
「はっ。相違ございません」
文官は、アシュレイ様の威圧感に気圧されたように、額に汗を浮かべている。彼は騎士たちに目配せをすると、二人掛かりで、その桐の箱をアシュレイ様の前のテーブルへと運んだ。
そして、ゆっくりと、白い布が取り払われる。
現れたのは、剣だった。
しかし、それはもはや剣と呼べる代物ではなかった。刀身は真ん中から無残にぽっきりと折れ、柄に繋がっている部分も、刃こぼれやひび割れが無数に入っている。鞘はなく、鈍い銀色の刀身は、長い年月の間にその輝きを失い、ただの鉄塊のように見えた。
唯一、柄の部分に嵌め込まれた大きな青い宝石だけが、その剣がかつては非凡なものであったことを物語っていた。
「これは……」
私が息をのむと、アシュレイ様が私の疑問に答えるように、静かに言った。
「我が国に伝わる、伝説の聖剣『エクシード』だ」
聖剣エクシード。
その名前は、私のような世間知らずの娘でも、物語の本で読んだことがあった。百年前、大陸を闇に陥れようとした魔王を、建国の英雄王が打ち破る際に用いたとされる、伝説の剣。
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アシュレイ様は、鋭い視線で文官を射抜いた。
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その問いに、文官はごくりと喉を鳴らした。
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その言葉が向けられたのが、私であることは明らかだった。使者たちの視線が、好奇と不信の色をない交ぜにして、私へと突き刺さる。
私はたまらず、アシュレイ様の背後に身を隠した。
「陛下は、その力の真偽を確かめたいと仰せです。もしその力が本物であるならば、この折れたる聖剣を修復し、王家への揺るぎなき忠誠の証として示されたし、と。……それが、国王陛下からの勅命にございます」
部屋の中に、重い沈黙が落ちた。
私の力が、ついに王宮にまで知られてしまった。そして、国王陛下は、私の力を試そうとしている。
アシュレイ様は、何も言わなかった。ただ、その紫の瞳の奥で、静かで、しかし激しい怒りの炎が燃え上がっているのが、彼の隣にいる私には痛いほど分かった。
彼は、私が政治の道具として利用されることを、何よりも嫌悪している。
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