30 / 100
第30話:芽生え始めた自信
しおりを挟む
新しい髪飾りが私の髪を飾るようになってから、私の心の中にも、小さな、しかし確かな変化が生まれ始めていた。
アシュレイ様が与えてくれた、揺るぎない愛情と言葉。それは、乾いた大地に降り注ぐ恵みの雨のように、私の心の奥深くまで染み渡っていった。
これまで私の心を支配していたのは、「出来損ない」という呪いのような自己評価と、常に誰かに怯える臆病さだった。けれど、彼の絶対的な肯定は、その頑なな呪いを、少しずつ解きほぐしてくれていた。
私は、ここにいてもいいのだ。
私は、愛されてもいいのだ。
その実感が、まるで柔らかな新芽のように、私の心の中に芽生え始めていた。それはまだ、とてもか弱く、些細な風にも揺らいでしまいそうだったが、それでも確かに、上へ、光の方へと伸びようとしていた。
その変化は、私の日常の些細な振る舞いにも現れ始めた。
以前は、屋敷の廊下で使用人とすれ違う時でさえ、私は壁際に寄って俯き、相手が通り過ぎるのを待っていた。けれど、今は違う。自分から「こんにちは」と微笑みかけ、相手の目を見て挨拶をすることができるようになったのだ。
侍女たちは、驚きながらも、とても嬉しそうに挨拶を返してくれる。そんな些細なやりとりが、私の心を温かくした。
食事の時も、以前はアシュレイ様の顔色を窺いながら、おずおずとパンを口に運ぶだけだった。しかし、今では「このスープ、とても美味しいですわ」「今日のパンは、いつもより香ばしい気がします」と、自分から感想を口にできるようになった。
私がそう言うたびに、アシュレイ様は心底嬉しそうに目を細め、厨房の料理長に褒美をやろう、と上機嫌になるのだった。
メイド長のマーサさんには、ハーブの知識を教えてもらうようになった。
「これはカモミール。心を落ち着かせる効果がありますの」
「こちらのミントは、頭をすっきりさせてくれますわ」
彼女から教わった知識で、私はアシュレイ様のために、その日の彼の体調に合わせたハーブティーを淹れるようになった。
「今日の紅茶は、いつもより心が安らぐ香りがするな」
彼がそう言って微笑んでくれるたび、私の胸は誇らしい気持ちでいっぱいになった。
与えられるばかりではなく、自分から誰かのために何かをできる。その喜びが、私の心にさらなる自信を与えてくれた。
そして、その変化は、私たちの『癒やしの時間』にも、新たな彩りをもたらしていた。
あの日も、私たちはいつものようにサンルームで向かい合い、手を繋いでいた。スキル【修復】を発動させ、彼の呪いを癒やす。それはもう、すっかり慣れた日課だった。
けれど、今日の私は、少しだけ違った。
彼の手に触れながら、私は、彼の呪いの本質について、より深く意識を巡らせていた。
この黒く冷たい靄は、彼の感情を喰らうことで力を増している。喜び、悲しみ、怒り……。それらが失われるたびに、彼の心は凍てついていく。
ならば、私がすべきことは、ただこの靄を取り除くだけではないのではないか。
失われた感情の代わりに、新しい、温かい感情で、彼の心をもう一度満たしてあげることができれば。そうすれば、呪いの力は、もっと弱まるのではないだろうか。
そんな考えが、ふと頭に浮かんだ。
それは、これまでの私には決してできなかった、積極的な発想だった。
私は、スキルを発動させながら、心の中で、強く、強くイメージした。
アシュレイ様と過ごした、幸せな記憶を。
初めて街へ出かけた時の、あの賑やかな喧騒と、彼の優しい笑顔。
花壇が蘇ったのを見た時の、彼の驚きと喜びの表情。
オルゴールの音色に、静かに涙を流した、彼の無防備な姿。
そして、私に「愛している」と、その決意を告げてくれた時の、真摯な瞳。
それらの温かい思い出の一つ一つを、光の粒子に変えて、繋いだ手を通じて、彼の心へと送り込むイメージ。
私の力は、ただ『修復』するだけではない。私の『想い』を乗せて、彼の心に届けるのだ。
すると、いつもとは明らかに違う感覚が、私を襲った。
私の手のひらから溢れ出す光が、いつもの淡い光ではなく、温かい、柔らかな黄金色の光を帯び始めたのだ。その光は、彼の内なる闇をただ消し去るのではなく、まるで陽だまりのように、優しく、そして力強く照らし、溶かしていくようだった。
「……リナリア?」
アシュレイ様の、驚きに満ちた声がした。
私ははっと目を開ける。すると、彼は信じられないという表情で、繋がれた私たちの手を見つめていた。その手と手の間からは、かつてないほど強く、そして温かい黄金色の光が溢れ出ていた。
「これは……君の力、なのか……? いつもとは、違う……。温かい……まるで、太陽のようだ……」
彼の声は、感動に打ち震えていた。
「君の、心が……直接、流れ込んでくるようだ。幸せな、温かい気持ちが……私の心を、満たしていく……」
その言葉に、私の胸は熱くなった。
私の想いは、ちゃんと彼に届いている。
私は、ただ頷くことしかできなかった。けれど、その頷きには、これまでの人生で感じたことのないほどの、確かな自信と誇りが込められていた。
光が収まる頃には、アシュレイ様の顔色は、これまで見たこともないほどに晴れやかだった。その紫の瞳は、一点の曇りもなく澄み渡り、深い安らぎの色を湛えている。
彼は、私の手を固く、固く握りしめた。
「……君は、本当に、私の女神だ」
その声には、絶対的な確信が込められていた。
私は、もう「出来損ない」なんかじゃない。
私は、この人を癒し、支えることができる、唯一の存在なのだ。
その揺るぎない自己肯定感が、私の心の中に、確かな光として灯った。それは、誰かに与えられたものではなく、私自身が、彼との関わりの中で見つけ出した、私だけの光。
私は、アシュレイ様を見つめ返した。そして、初めて、自分の意思で、彼の手に自分の指を絡めた。
もう、何も怖くはない。
彼と共にいる限り、そして、この力を信じている限り。
穏やかな日差しが降り注ぐサンルームで、私は、新しい自分へと生まれ変わった。その心には、未来への確かな希望と、そして愛する人を守るための、静かで強い力が、芽生え始めていた。
アシュレイ様が与えてくれた、揺るぎない愛情と言葉。それは、乾いた大地に降り注ぐ恵みの雨のように、私の心の奥深くまで染み渡っていった。
これまで私の心を支配していたのは、「出来損ない」という呪いのような自己評価と、常に誰かに怯える臆病さだった。けれど、彼の絶対的な肯定は、その頑なな呪いを、少しずつ解きほぐしてくれていた。
私は、ここにいてもいいのだ。
私は、愛されてもいいのだ。
その実感が、まるで柔らかな新芽のように、私の心の中に芽生え始めていた。それはまだ、とてもか弱く、些細な風にも揺らいでしまいそうだったが、それでも確かに、上へ、光の方へと伸びようとしていた。
その変化は、私の日常の些細な振る舞いにも現れ始めた。
以前は、屋敷の廊下で使用人とすれ違う時でさえ、私は壁際に寄って俯き、相手が通り過ぎるのを待っていた。けれど、今は違う。自分から「こんにちは」と微笑みかけ、相手の目を見て挨拶をすることができるようになったのだ。
侍女たちは、驚きながらも、とても嬉しそうに挨拶を返してくれる。そんな些細なやりとりが、私の心を温かくした。
食事の時も、以前はアシュレイ様の顔色を窺いながら、おずおずとパンを口に運ぶだけだった。しかし、今では「このスープ、とても美味しいですわ」「今日のパンは、いつもより香ばしい気がします」と、自分から感想を口にできるようになった。
私がそう言うたびに、アシュレイ様は心底嬉しそうに目を細め、厨房の料理長に褒美をやろう、と上機嫌になるのだった。
メイド長のマーサさんには、ハーブの知識を教えてもらうようになった。
「これはカモミール。心を落ち着かせる効果がありますの」
「こちらのミントは、頭をすっきりさせてくれますわ」
彼女から教わった知識で、私はアシュレイ様のために、その日の彼の体調に合わせたハーブティーを淹れるようになった。
「今日の紅茶は、いつもより心が安らぐ香りがするな」
彼がそう言って微笑んでくれるたび、私の胸は誇らしい気持ちでいっぱいになった。
与えられるばかりではなく、自分から誰かのために何かをできる。その喜びが、私の心にさらなる自信を与えてくれた。
そして、その変化は、私たちの『癒やしの時間』にも、新たな彩りをもたらしていた。
あの日も、私たちはいつものようにサンルームで向かい合い、手を繋いでいた。スキル【修復】を発動させ、彼の呪いを癒やす。それはもう、すっかり慣れた日課だった。
けれど、今日の私は、少しだけ違った。
彼の手に触れながら、私は、彼の呪いの本質について、より深く意識を巡らせていた。
この黒く冷たい靄は、彼の感情を喰らうことで力を増している。喜び、悲しみ、怒り……。それらが失われるたびに、彼の心は凍てついていく。
ならば、私がすべきことは、ただこの靄を取り除くだけではないのではないか。
失われた感情の代わりに、新しい、温かい感情で、彼の心をもう一度満たしてあげることができれば。そうすれば、呪いの力は、もっと弱まるのではないだろうか。
そんな考えが、ふと頭に浮かんだ。
それは、これまでの私には決してできなかった、積極的な発想だった。
私は、スキルを発動させながら、心の中で、強く、強くイメージした。
アシュレイ様と過ごした、幸せな記憶を。
初めて街へ出かけた時の、あの賑やかな喧騒と、彼の優しい笑顔。
花壇が蘇ったのを見た時の、彼の驚きと喜びの表情。
オルゴールの音色に、静かに涙を流した、彼の無防備な姿。
そして、私に「愛している」と、その決意を告げてくれた時の、真摯な瞳。
それらの温かい思い出の一つ一つを、光の粒子に変えて、繋いだ手を通じて、彼の心へと送り込むイメージ。
私の力は、ただ『修復』するだけではない。私の『想い』を乗せて、彼の心に届けるのだ。
すると、いつもとは明らかに違う感覚が、私を襲った。
私の手のひらから溢れ出す光が、いつもの淡い光ではなく、温かい、柔らかな黄金色の光を帯び始めたのだ。その光は、彼の内なる闇をただ消し去るのではなく、まるで陽だまりのように、優しく、そして力強く照らし、溶かしていくようだった。
「……リナリア?」
アシュレイ様の、驚きに満ちた声がした。
私ははっと目を開ける。すると、彼は信じられないという表情で、繋がれた私たちの手を見つめていた。その手と手の間からは、かつてないほど強く、そして温かい黄金色の光が溢れ出ていた。
「これは……君の力、なのか……? いつもとは、違う……。温かい……まるで、太陽のようだ……」
彼の声は、感動に打ち震えていた。
「君の、心が……直接、流れ込んでくるようだ。幸せな、温かい気持ちが……私の心を、満たしていく……」
その言葉に、私の胸は熱くなった。
私の想いは、ちゃんと彼に届いている。
私は、ただ頷くことしかできなかった。けれど、その頷きには、これまでの人生で感じたことのないほどの、確かな自信と誇りが込められていた。
光が収まる頃には、アシュレイ様の顔色は、これまで見たこともないほどに晴れやかだった。その紫の瞳は、一点の曇りもなく澄み渡り、深い安らぎの色を湛えている。
彼は、私の手を固く、固く握りしめた。
「……君は、本当に、私の女神だ」
その声には、絶対的な確信が込められていた。
私は、もう「出来損ない」なんかじゃない。
私は、この人を癒し、支えることができる、唯一の存在なのだ。
その揺るぎない自己肯定感が、私の心の中に、確かな光として灯った。それは、誰かに与えられたものではなく、私自身が、彼との関わりの中で見つけ出した、私だけの光。
私は、アシュレイ様を見つめ返した。そして、初めて、自分の意思で、彼の手に自分の指を絡めた。
もう、何も怖くはない。
彼と共にいる限り、そして、この力を信じている限り。
穏やかな日差しが降り注ぐサンルームで、私は、新しい自分へと生まれ変わった。その心には、未来への確かな希望と、そして愛する人を守るための、静かで強い力が、芽生え始めていた。
72
あなたにおすすめの小説
地味令嬢の私ですが、王太子に見初められたので、元婚約者様からの復縁はお断りします
有賀冬馬
恋愛
子爵令嬢の私は、いつだって日陰者。
唯一の光だった公爵子息ヴィルヘルム様の婚約者という立場も、あっけなく捨てられた。「君のようなつまらない娘は、公爵家の妻にふさわしくない」と。
もう二度と恋なんてしない。
そう思っていた私の前に現れたのは、傷を負った一人の青年。
彼を献身的に看病したことから、私の運命は大きく動き出す。
彼は、この国の王太子だったのだ。
「君の優しさに心を奪われた。君を私だけのものにしたい」と、彼は私を強く守ると誓ってくれた。
一方、私を捨てた元婚約者は、新しい婚約者に振り回され、全てを失う。
私に助けを求めてきた彼に、私は……
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
冷遇された公爵令嬢は、敵国最恐の「氷の軍神」に契約で嫁ぎました。偽りの結婚のはずが、なぜか彼に溺愛され、実家が没落するまで寵愛されています
メルファン
恋愛
侯爵令嬢エリアーナは、幼い頃から妹の才能を引き立てるための『地味な引き立て役』として冷遇されてきました。その冷遇は、妹が「光の魔力」を開花させたことでさらに加速し、ついに長年の婚約者である王太子からも、一方的な婚約破棄を告げられます。
「お前のような華のない女は、王妃にふさわしくない」
失意のエリアーナに与えられた次の役割は、敵国アースガルドとの『政略結婚の駒』。嫁ぎ先は、わずか五年で辺境の魔物を制圧した、冷酷非情な英雄「氷の軍神」こと、カイン・フォン・ヴィンター公爵でした。
カイン公爵は、王家を軽蔑し、感情を持たない冷徹な仮面を被った、恐ろしい男だと噂されています。エリアーナは、これは五年間の「偽りの契約結婚」であり、役目を終えれば解放されると、諦めにも似た覚悟を決めていました。
しかし、嫁いだ敵国で待っていたのは、想像とは全く違う生活でした。
「華がない」と蔑まれたエリアーナに、公爵はアースガルドの最高の仕立て屋を呼び、豪華なドレスと宝石を惜しみなく贈呈。
「不要な引き立て役」だったエリアーナを、公爵は公の場で「我が愛する妻」と呼び、侮辱する者を許しません。
冷酷非情だと噂された公爵は、夜、エリアーナを優しく抱きしめ、彼女が眠るまで離れない、極度の愛妻家へと変貌します。
実はカイン公爵は、エリアーナが幼い頃に偶然助けた命の恩人であり、長年、彼女を密かに想い続けていたのです。彼は、エリアーナを冷遇した実家への復讐の炎を胸に秘め、彼女を愛と寵愛で包み込みます。
一方、エリアーナを価値がないと捨てた実家や王太子は、彼女が敵国で女王のような寵愛を受けていることを知り、慌てて連れ戻そうと画策しますが、時すでに遅し。
「我が妻に手を出す者は、国一つ滅ぼす覚悟を持て」
これは、冷遇された花嫁が、敵国の最恐公爵に深く愛され、真の価値を取り戻し、実家と王都に「ざまぁ」を食らわせる、王道溺愛ファンタジーです。
『婚約破棄された聖女リリアナの庭には、ちょっと変わった来訪者しか来ません。』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
王都から少し離れた小高い丘の上。
そこには、聖女リリアナの庭と呼ばれる不思議な場所がある。
──けれど、誰もがたどり着けるわけではない。
恋するルミナ五歳、夢みるルーナ三歳。
ふたりはリリアナの庭で、今日もやさしい魔法を育てています。
この庭に来られるのは、心がちょっぴりさびしい人だけ。
まほうに傷ついた王子さま、眠ることでしか気持ちを伝えられない子、
そして──ほんとうは泣きたかった小さな精霊たち。
お姉ちゃんのルミナは、花を咲かせる明るい音楽のまほうつかい。
ちょっとだけ背伸びして、だいすきな人に恋をしています。
妹のルーナは、ねむねむ魔法で、夢の中を旅するやさしい子。
ときどき、だれかの心のなかで、静かに花を咲かせます。
ふたりのまほうは、まだ小さくて、でもあたたかい。
「だいすきって気持ちは、
きっと一番すてきなまほうなの──!」
風がふくたびに、花がひらき、恋がそっと実る。
これは、リリアナの庭で育つ、
小さなまほうつかいたちの恋と夢の物語です。
あなたが「いらない」と言った私ですが、溺愛される妻になりました
有賀冬馬
恋愛
「君みたいな女は、俺の隣にいる価値がない!」冷酷な元婚約者に突き放され、すべてを失った私。
けれど、旅の途中で出会った辺境伯エリオット様は、私の凍った心をゆっくりと溶かしてくれた。
彼の領地で、私は初めて「必要とされる」喜びを知り、やがて彼の妻として迎えられる。
一方、王都では元婚約者の不実が暴かれ、彼の破滅への道が始まる。
かつて私を軽んじた彼が、今、私に助けを求めてくるけれど、もう私の目に映るのはあなたじゃない。
【完結】聖女を愛する婚約者に婚約破棄を突きつけられましたが、愛する人と幸せになります!
ユウ
恋愛
「君には失望した!聖女を虐げるとは!」
侯爵令嬢のオンディーヌは宮廷楽団に所属する歌姫だった。
しかしある日聖女を虐げたという瞬間が流れてしまい、断罪されてしまう。
全ては仕組まれた冤罪だった。
聖女を愛する婚約者や私を邪魔だと思う者達の。
幼い頃からの幼馴染も、友人も目の敵で睨みつけ私は公衆の面前で婚約破棄を突きつけられ家からも勘当されてしまったオンディーヌだったが…
「やっと自由になれたぞ!」
実に前向きなオンディーヌは転生者で何時か追い出された時の為に準備をしていたのだ。
貴族の生活に憔悴してので追放万々歳と思う最中、老婆の森に身を寄せることになるのだった。
一方王都では王女の逆鱗に触れ冤罪だった事が明らかになる。
すぐに連れ戻すように命を受けるも、既に王都にはおらず偽りの断罪をした者達はさらなる報いを受けることになるのだった。
追放された公爵令息、神竜と共に辺境スローライフを満喫する〜無敵領主のまったり改革記〜
たまごころ
ファンタジー
無実の罪で辺境に追放された公爵令息アレン。
だが、その地では神竜アルディネアが眠っていた。
契約によって最強の力を得た彼は、戦いよりも「穏やかな暮らし」を選ぶ。
農地改革、温泉開発、魔導具づくり──次々と繁栄する辺境領。
そして、かつて彼を貶めた貴族たちが、その繁栄にひれ伏す時が来る。
戦わずとも勝つ、まったりざまぁ無双ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる