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第三十四話 天空の浮遊島
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アステリアの空は、どこまでも青かった。
工房のバルコニーから見上げる空は、もう俺にとって、ただの背景ではなかった。それは、これから俺たちが駆け巡る、新たな冒険の舞台そのものだった。
「マスター、すごい……!鳥です!ゴブは、鳥になりました!」
ロックバードの背中に乗ったゴブが、興奮した声で叫んでいる。彼の小さな体は、風圧で飛ばされないように、俺のローブに必死にしがみついていた。
「ははっ、鳥になったのはゴブじゃなくて、こいつだよ」
俺は、ロックバードの岩のように硬い首筋を優しく撫でた。俺の想いに応えるように、ロックバードは一声高く鳴いた。
俺たちの後ろには、カエデとリオも乗っている。カエデは、最初は少し怖がっていたが、今では凛とした表情で、眼下に広がるアステリアの絶景を見下ろしていた。
「……信じられない光景だ。街が、まるで箱庭のようだ」
彼女の呟きには、抑えきれない感動が滲んでいる。
一方、リオは全く違う視点でこの状況を捉えていた。
「すごい!すごいよ、ユーさん!これがあれば、もう馬車を雇う必要がないじゃない!輸送コストはゼロ!移動時間は数分の一!私のビジネスプランが、根底から覆っちゃうよ!」
彼女は瞳を爛々と輝かせ、頭の中のそろばんを猛烈な勢いで弾いているようだった。どんな時でも商売のことを忘れない。そのたくましさには、もはや感心するしかなかった。
「とりあえず、どこか行ってみましょうか。今まで行けなかったような場所へ」
俺が言うと、三人は力強く頷いた。
ロックバードは、俺の意志を汲み取って翼を大きく羽ばたかせた。ぐん、と体が空へと持ち上がる浮遊感。アステリアの街並みはあっという間に小さくなり、俺たちは雲よりも高い場所へと到達した。
風が、頬を撫でる。眼下には、緑の森と青い川が織りなす、美しい大陸の姿が広がっていた。地理の教科書で見た、世界地図そのものだ。今まで、自分たちの足で歩いてきた道が、こんなにも広大な世界の一部だったという事実に、俺は改めて感動を覚えていた。
「すごい……綺麗……」
リオが、商人としての顔を忘れて、純粋な少女のような声を漏らした。
「ああ。世界は、こんなにも広かったのだな」
カエデも、静かに同意する。
俺たちは目的もなく、ただ気の向くままに空を飛び続けた。雲の海を突き抜け、巨大な滝の上を横切り、渡り鳥の群れと並んで飛ぶ。その全てが、初めての体験だった。
どれくらいの時間が経っただろうか。
俺たちが、大陸中央に広がる大森林の上空を飛行していた、その時だった。
ふと、ゴブが空の一点を指差した。
「マスター、あれ……なんですか?」
ゴブが指差す先。それは、はるか上空。雲の、さらにその上に、何か巨大な影が浮かんでいるように見えた。
「影……?ただの雲じゃないのか?」
カエデが目を凝らす。
だが、その影は、風に流される様子もなく、同じ場所に静止していた。まるで、そこに「在る」のが当たり前だというように。
「ユーさん、もっと近づいてみて!」
リオの好奇心に火がついたようだった。
俺はロックバードに指示を出し、その謎の影へと高度を上げていく。
雲の層を突き抜ける。視界が、一瞬、白に染まった。
そして、次に俺たちの目に飛び込んできた光景は、俺たちのちっぽけな想像力を、遥かに超えるものだった。
「……嘘だろ」
俺は、思わず呟いた。
目の前に、島が浮かんでいた。
巨大な岩の塊が、いくつも連なり、大地を形成している。そこには緑豊かな森が広がり、滝が流れ落ち、その水滴は重力に逆らうように、空へと霧散していた。
天空の浮遊島。
物語やおとぎ話の中でしか聞いたことのなかった、伝説の存在が、今、俺たちの目の前にあった。マップにも、どんな文献にも、その存在は記されていなかった。俺たちが、世界で最初の発見者なのかもしれない。
俺たちは、言葉もなく、その幻想的な光景にただただ見入っていた。
島の中心からは、巨大な水晶の塔が天に向かって伸びており、太陽の光を反射して、虹色の輝きを放っている。
「……行ってみよう」
俺の呟きに、反対する者はいなかった。
ロックバードを、ゆっくりと浮遊島へと降下させる。島に近づくにつれて、甘い花の香りと、澄んだ空気が俺たちを包み込んだ。
島の端にある、平らな岩場に着陸する。
俺たちは、恐る恐る、その未知の大地へと第一歩を踏み出した。
足元の草は、踏むと柔らかな光を放ち、すぐに元の形に戻る。地面に転がる石は、どれも磨かれた宝石のように透き通っていた。
「な、な、な……!」
リオが、腰を抜かさんばかりに驚いている。彼女は震える手で、足元に生えていた一輪の花を摘み取った。
「スキル、千里眼!」
鑑定を終えた彼女は、信じられないという顔で絶叫した。
「『星屑の花』!?これ、どんな病も癒すと言われる、幻の万能薬の材料じゃない!一輪で、金貨百枚は下らないお宝だよ!」
彼女の言葉を皮切りに、俺たちは周囲の探索を始めた。そして、この島が、まさに「宝島」と呼ぶにふさわしい場所であることを、すぐに理解した。
カエデが、岩壁に埋まっていた青白い鉱石を見つける。鑑定すると、伝説の金属『ヒヒイロカネ』の原石だった。
ゴブが、小川で泳いでいた小魚を捕まえる。それは、食べるとMPが永続的に上昇するという、『賢者の魚』だった。
そして俺は、木の幹に寄生していた、虹色に輝くキノコを見つけた。
【虹色胞子キノコ】
レア度:ユニーク
アイテム種別:モンスター素材
効果:モンスターに『属性変化』の特性を付与する。
「属性変化……!」
これを使えば、炎を操るスライムや、氷を纏うゴーレムといった、戦術の幅を劇的に広げるモンスターが創れるかもしれない。
俺たちは、夢中になって、この手付かずの楽園を探索した。
発見する全てが、見たこともない貴重なアイテムばかり。ここは、神々が残した、最後の秘境なのかもしれない。
「私たち、とんでもない場所を見つけちゃったね!」
リオが、両手いっぱいに集めた薬草を抱え、満面の笑みで言った。
「ああ。ここにある素材だけで、私たちは大陸最強のパーティになれるかもしれない」
カエデも、興奮を隠しきれない様子だ。
誰もが、この幸運に浮かれていた。
だが、俺だけは、心の片隅に、小さな違和感を覚えていた。
この島は、あまりにも「手付かず」すぎる。モンスターの姿が、一匹も見当たらないのだ。普通、これほど豊かな自然環境なら、それを糧とする生態系が形成されているはずだ。
そして、俺はその違和感の正体を見つけた。
それは、島の森の奥深く。明らかに、人工的な刃物で、乱暴に伐採された木々の切り株だった。まだ、新しい。誰かが、俺たちより先に、この島に足を踏み入れている。
俺がその切り株に気づいた、その時だった。
森の奥から、複数の人間の話し声と、金属が岩を削る、甲高い音が聞こえてきた。
「おい、もっと急げ!幹部様がお戻りになる前に、ノルマを達成しねえと、またひでえ目に遭わされるぞ!」
「分かってるよ!それにしても、この島はすげえぜ。掘れば掘るだけ、レア鉱石が出てきやがる!」
下品な、そしてどこか焦りの含まれた声。
俺たちは、顔を見合わせた。この楽園に響く、不協和音。
俺たちは、音を立てないように、声のする方へと、ゆっくりと近づいていった。
この島の静寂を破る者たち。その正体を、俺たちはまだ知らなかった。
工房のバルコニーから見上げる空は、もう俺にとって、ただの背景ではなかった。それは、これから俺たちが駆け巡る、新たな冒険の舞台そのものだった。
「マスター、すごい……!鳥です!ゴブは、鳥になりました!」
ロックバードの背中に乗ったゴブが、興奮した声で叫んでいる。彼の小さな体は、風圧で飛ばされないように、俺のローブに必死にしがみついていた。
「ははっ、鳥になったのはゴブじゃなくて、こいつだよ」
俺は、ロックバードの岩のように硬い首筋を優しく撫でた。俺の想いに応えるように、ロックバードは一声高く鳴いた。
俺たちの後ろには、カエデとリオも乗っている。カエデは、最初は少し怖がっていたが、今では凛とした表情で、眼下に広がるアステリアの絶景を見下ろしていた。
「……信じられない光景だ。街が、まるで箱庭のようだ」
彼女の呟きには、抑えきれない感動が滲んでいる。
一方、リオは全く違う視点でこの状況を捉えていた。
「すごい!すごいよ、ユーさん!これがあれば、もう馬車を雇う必要がないじゃない!輸送コストはゼロ!移動時間は数分の一!私のビジネスプランが、根底から覆っちゃうよ!」
彼女は瞳を爛々と輝かせ、頭の中のそろばんを猛烈な勢いで弾いているようだった。どんな時でも商売のことを忘れない。そのたくましさには、もはや感心するしかなかった。
「とりあえず、どこか行ってみましょうか。今まで行けなかったような場所へ」
俺が言うと、三人は力強く頷いた。
ロックバードは、俺の意志を汲み取って翼を大きく羽ばたかせた。ぐん、と体が空へと持ち上がる浮遊感。アステリアの街並みはあっという間に小さくなり、俺たちは雲よりも高い場所へと到達した。
風が、頬を撫でる。眼下には、緑の森と青い川が織りなす、美しい大陸の姿が広がっていた。地理の教科書で見た、世界地図そのものだ。今まで、自分たちの足で歩いてきた道が、こんなにも広大な世界の一部だったという事実に、俺は改めて感動を覚えていた。
「すごい……綺麗……」
リオが、商人としての顔を忘れて、純粋な少女のような声を漏らした。
「ああ。世界は、こんなにも広かったのだな」
カエデも、静かに同意する。
俺たちは目的もなく、ただ気の向くままに空を飛び続けた。雲の海を突き抜け、巨大な滝の上を横切り、渡り鳥の群れと並んで飛ぶ。その全てが、初めての体験だった。
どれくらいの時間が経っただろうか。
俺たちが、大陸中央に広がる大森林の上空を飛行していた、その時だった。
ふと、ゴブが空の一点を指差した。
「マスター、あれ……なんですか?」
ゴブが指差す先。それは、はるか上空。雲の、さらにその上に、何か巨大な影が浮かんでいるように見えた。
「影……?ただの雲じゃないのか?」
カエデが目を凝らす。
だが、その影は、風に流される様子もなく、同じ場所に静止していた。まるで、そこに「在る」のが当たり前だというように。
「ユーさん、もっと近づいてみて!」
リオの好奇心に火がついたようだった。
俺はロックバードに指示を出し、その謎の影へと高度を上げていく。
雲の層を突き抜ける。視界が、一瞬、白に染まった。
そして、次に俺たちの目に飛び込んできた光景は、俺たちのちっぽけな想像力を、遥かに超えるものだった。
「……嘘だろ」
俺は、思わず呟いた。
目の前に、島が浮かんでいた。
巨大な岩の塊が、いくつも連なり、大地を形成している。そこには緑豊かな森が広がり、滝が流れ落ち、その水滴は重力に逆らうように、空へと霧散していた。
天空の浮遊島。
物語やおとぎ話の中でしか聞いたことのなかった、伝説の存在が、今、俺たちの目の前にあった。マップにも、どんな文献にも、その存在は記されていなかった。俺たちが、世界で最初の発見者なのかもしれない。
俺たちは、言葉もなく、その幻想的な光景にただただ見入っていた。
島の中心からは、巨大な水晶の塔が天に向かって伸びており、太陽の光を反射して、虹色の輝きを放っている。
「……行ってみよう」
俺の呟きに、反対する者はいなかった。
ロックバードを、ゆっくりと浮遊島へと降下させる。島に近づくにつれて、甘い花の香りと、澄んだ空気が俺たちを包み込んだ。
島の端にある、平らな岩場に着陸する。
俺たちは、恐る恐る、その未知の大地へと第一歩を踏み出した。
足元の草は、踏むと柔らかな光を放ち、すぐに元の形に戻る。地面に転がる石は、どれも磨かれた宝石のように透き通っていた。
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鑑定を終えた彼女は、信じられないという顔で絶叫した。
「『星屑の花』!?これ、どんな病も癒すと言われる、幻の万能薬の材料じゃない!一輪で、金貨百枚は下らないお宝だよ!」
彼女の言葉を皮切りに、俺たちは周囲の探索を始めた。そして、この島が、まさに「宝島」と呼ぶにふさわしい場所であることを、すぐに理解した。
カエデが、岩壁に埋まっていた青白い鉱石を見つける。鑑定すると、伝説の金属『ヒヒイロカネ』の原石だった。
ゴブが、小川で泳いでいた小魚を捕まえる。それは、食べるとMPが永続的に上昇するという、『賢者の魚』だった。
そして俺は、木の幹に寄生していた、虹色に輝くキノコを見つけた。
【虹色胞子キノコ】
レア度:ユニーク
アイテム種別:モンスター素材
効果:モンスターに『属性変化』の特性を付与する。
「属性変化……!」
これを使えば、炎を操るスライムや、氷を纏うゴーレムといった、戦術の幅を劇的に広げるモンスターが創れるかもしれない。
俺たちは、夢中になって、この手付かずの楽園を探索した。
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リオが、両手いっぱいに集めた薬草を抱え、満面の笑みで言った。
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カエデも、興奮を隠しきれない様子だ。
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俺がその切り株に気づいた、その時だった。
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「おい、もっと急げ!幹部様がお戻りになる前に、ノルマを達成しねえと、またひでえ目に遭わされるぞ!」
「分かってるよ!それにしても、この島はすげえぜ。掘れば掘るだけ、レア鉱石が出てきやがる!」
下品な、そしてどこか焦りの含まれた声。
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日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。
そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。
日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。
この小説は真実の物語です。
「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」
どうぞ、お楽しみ下さい。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
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