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第六十七話 反撃の旗印
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バルガンの案内で、俺たちはアビスの一角にある隠れ家のような酒場へと足を踏み入れた。そこは表通りの殺伐とした雰囲気とは違い、どこか結束の固い秘密結社のアジトのような空気が漂っていた。
集まっていたのは皆、エンシェントドラゴン討伐レイドに参加した見覚えのある顔ぶれだった。
「おお、ユーじゃないか!」
「よく来たな、スライム使い!」
彼らは俺たちの姿を見ると、歓迎の声を上げてくれた。
バルガンはエールが満たされたジョッキを、テーブルに叩きつけるように置いた。
「まあ、座れ。話の続きだ」
俺たちが席に着くと、バルガンは真剣な表情で語り始めた。
「俺たちも、あんたたちと同じだ。パンデモニウムのやり方が我慢ならねえ」
彼の話によれば、エンシェントドラゴン討伐の後、レイドに参加したメンバーの多くがパンデモニウムから陰湿な嫌がらせを受けるようになったという。
狩場での執拗な妨害(PK)、レアアイテムの不当な買い叩き、そしてギルドへの勧誘を断った者への脅迫。
「奴らは恐怖でこの街を支配してる。自分たちの意に沿わない者は徹底的に叩き潰す。俺たちのレイドの成功が、奴らのプライドをいたく傷つけたらしい」
バルガンは悔しそうにジョッキを握りしめた。
「俺たちは奴らの支配に反旗を翻そうと考えている。だが、俺たちだけでは力が足りん。奴らはあまりにも巨大すぎる」
そこで彼は俺の目をまっすぐに見据えた。
「ユー。あんたの力が必要だ。あんたのあの常識外れの創造術と、誰も思いつかんような奇策。それがあれば、俺たちはあのクソったれなギルドに一矢報いることができるかもしれん」
彼の言葉は俺の心を激しく揺さぶった。
俺はただ、創造の祭壇へ行きたいだけだった。自分の目的のためにこの街を訪れた。
だが、この街で出会った人々は皆、パンデモニウムの圧政に苦しんでいた。
俺たちがパンデモニウムと戦う理由。
それは、もはやリオを傷つけられたことへの復讐だけではなかった。
この理不尽な力に虐げられている多くのプレイヤーたちを解放するため。
この歪んだ世界に一石を投じるため。
俺は隣に座るカエデとリオを見た。
カエデは静かに頷いた。彼女の騎士としての魂がこの戦いを求めている。
リオも拳を握りしめていた。商人としての彼女の正義感がこの不正を許せないでいる。
「……分かりました」
俺は腹を括った。
「俺たちの目的も、あなた方と同じです。パンデモニウムを叩き潰す。そのために俺の力、使ってください」
俺のその一言。
それが引き金だった。
バルガンはテーブルを強く叩き、雄叫びを上げた。
「聞いたか、野郎ども! 竜狩りの英雄ユーが、俺たちに力を貸してくれるそうだ!」
その声に、酒場にいた全てのプレイヤーたちが一斉に立ち上がり、拳を突き上げた。
「おおおおおっ!」
「モンスターメイカーの旦那が俺たちの味方だ!」
「これなら勝てる! あのパンデモニウムに勝てるぞ!」
地鳴りのような歓声がアジトを揺るがす。
それは、今まで虐げられてきた者たちが初めて上げた反撃の狼煙だった。
その日、その場所で対パンデモニウム連合が正式に結成された。
リーダーはバルガン。
そして俺は、彼の補佐役として作戦の立案を担当する軍師的な役割を担うことになった。
俺たちは早速、作戦会議を開いた。
俺が求める「創造の祭壇」は、アビスの最深部、パンデモニウムの本拠地のさらに奥にあるという。
そこへたどり着くには、まずアビスの各エリアを支配するパンデモニウムの幹部たちを打ち破らなければならない。
「アビスは大きく三つのエリアに分かれている」
リオが闇ルートで手に入れた詳細な地図を広げた。
「第一エリアは、カジノや闘技場が立ち並ぶ『賭博街』。ここを支配するのは幹部『幻惑のピエロ』」
「第二エリアは、PKたちの処刑場となっている『処刑場』。ここのボスは幹部『断罪のギロチン』」
「そして、最後の第三エリアが奴らの本拠地である『黒鉄の砦』だ」
一つ一つのエリアが、一つの巨大なダンジョンのようなものだ。
俺たちはこの三つのエリアを順番に攻略していく必要がある。
「よし、目標は決まったな!」
バルガンが力強く言った。
「まずは手始めに、あのピエロ野郎の化けの皮を剥がしに行ってやろうぜ!」
俺たちの連合は、その名を開拓者、そして新たな時代の先駆けという意味を込めて『フロンティア』と名付けた。
それは、俺たちが初めてこの世界に降り立ったあの始まりの街の名前でもあった。
フロンティアから始まった俺の冒険。
それは今、この奈落の底で世界を揺るがす大きな戦いへと繋がろうとしていた。
俺は集まった仲間たちの希望に満ちた顔を見渡した。
一人では何もできなかったかもしれない。
だが、仲間がいれば。
同じ志を持つ者たちが集まれば。
不可能を可能にできる。
俺は、そのことをこのM.M.O.の世界で何度も何度も学んできた。
俺たちの反撃の旗印が、今、高々と奈落の底に掲げられた。
集まっていたのは皆、エンシェントドラゴン討伐レイドに参加した見覚えのある顔ぶれだった。
「おお、ユーじゃないか!」
「よく来たな、スライム使い!」
彼らは俺たちの姿を見ると、歓迎の声を上げてくれた。
バルガンはエールが満たされたジョッキを、テーブルに叩きつけるように置いた。
「まあ、座れ。話の続きだ」
俺たちが席に着くと、バルガンは真剣な表情で語り始めた。
「俺たちも、あんたたちと同じだ。パンデモニウムのやり方が我慢ならねえ」
彼の話によれば、エンシェントドラゴン討伐の後、レイドに参加したメンバーの多くがパンデモニウムから陰湿な嫌がらせを受けるようになったという。
狩場での執拗な妨害(PK)、レアアイテムの不当な買い叩き、そしてギルドへの勧誘を断った者への脅迫。
「奴らは恐怖でこの街を支配してる。自分たちの意に沿わない者は徹底的に叩き潰す。俺たちのレイドの成功が、奴らのプライドをいたく傷つけたらしい」
バルガンは悔しそうにジョッキを握りしめた。
「俺たちは奴らの支配に反旗を翻そうと考えている。だが、俺たちだけでは力が足りん。奴らはあまりにも巨大すぎる」
そこで彼は俺の目をまっすぐに見据えた。
「ユー。あんたの力が必要だ。あんたのあの常識外れの創造術と、誰も思いつかんような奇策。それがあれば、俺たちはあのクソったれなギルドに一矢報いることができるかもしれん」
彼の言葉は俺の心を激しく揺さぶった。
俺はただ、創造の祭壇へ行きたいだけだった。自分の目的のためにこの街を訪れた。
だが、この街で出会った人々は皆、パンデモニウムの圧政に苦しんでいた。
俺たちがパンデモニウムと戦う理由。
それは、もはやリオを傷つけられたことへの復讐だけではなかった。
この理不尽な力に虐げられている多くのプレイヤーたちを解放するため。
この歪んだ世界に一石を投じるため。
俺は隣に座るカエデとリオを見た。
カエデは静かに頷いた。彼女の騎士としての魂がこの戦いを求めている。
リオも拳を握りしめていた。商人としての彼女の正義感がこの不正を許せないでいる。
「……分かりました」
俺は腹を括った。
「俺たちの目的も、あなた方と同じです。パンデモニウムを叩き潰す。そのために俺の力、使ってください」
俺のその一言。
それが引き金だった。
バルガンはテーブルを強く叩き、雄叫びを上げた。
「聞いたか、野郎ども! 竜狩りの英雄ユーが、俺たちに力を貸してくれるそうだ!」
その声に、酒場にいた全てのプレイヤーたちが一斉に立ち上がり、拳を突き上げた。
「おおおおおっ!」
「モンスターメイカーの旦那が俺たちの味方だ!」
「これなら勝てる! あのパンデモニウムに勝てるぞ!」
地鳴りのような歓声がアジトを揺るがす。
それは、今まで虐げられてきた者たちが初めて上げた反撃の狼煙だった。
その日、その場所で対パンデモニウム連合が正式に結成された。
リーダーはバルガン。
そして俺は、彼の補佐役として作戦の立案を担当する軍師的な役割を担うことになった。
俺たちは早速、作戦会議を開いた。
俺が求める「創造の祭壇」は、アビスの最深部、パンデモニウムの本拠地のさらに奥にあるという。
そこへたどり着くには、まずアビスの各エリアを支配するパンデモニウムの幹部たちを打ち破らなければならない。
「アビスは大きく三つのエリアに分かれている」
リオが闇ルートで手に入れた詳細な地図を広げた。
「第一エリアは、カジノや闘技場が立ち並ぶ『賭博街』。ここを支配するのは幹部『幻惑のピエロ』」
「第二エリアは、PKたちの処刑場となっている『処刑場』。ここのボスは幹部『断罪のギロチン』」
「そして、最後の第三エリアが奴らの本拠地である『黒鉄の砦』だ」
一つ一つのエリアが、一つの巨大なダンジョンのようなものだ。
俺たちはこの三つのエリアを順番に攻略していく必要がある。
「よし、目標は決まったな!」
バルガンが力強く言った。
「まずは手始めに、あのピエロ野郎の化けの皮を剥がしに行ってやろうぜ!」
俺たちの連合は、その名を開拓者、そして新たな時代の先駆けという意味を込めて『フロンティア』と名付けた。
それは、俺たちが初めてこの世界に降り立ったあの始まりの街の名前でもあった。
フロンティアから始まった俺の冒険。
それは今、この奈落の底で世界を揺るがす大きな戦いへと繋がろうとしていた。
俺は集まった仲間たちの希望に満ちた顔を見渡した。
一人では何もできなかったかもしれない。
だが、仲間がいれば。
同じ志を持つ者たちが集まれば。
不可能を可能にできる。
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俺たちの反撃の旗印が、今、高々と奈落の底に掲げられた。
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