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第七十五話 祭壇への道
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俺たちが処刑場から駆け出した背後で、壮絶な戦闘の火蓋が切って落とされた。
「行かせんと言ったはずだ!」
メフィストの怒声と共に、漆黒の魔力が嵐のように吹き荒れる。
「お前の相手は俺たちだぜ!」
バルガンが折れた戦斧を構え、大地に根を張るように立ちはだかった。彼の隣にはカエデが、そして頭上にはゼノンとイグニスが、それぞれ最強の敵を前に一歩も引かずに布陣を敷いていた。
仲間たちの命を賭した時間稼ぎ。その一秒一秒が、俺の背中を未来へと押し出していた。
「急ぐぞ!」
俺はリオとゴブの手を引き、パンデモニウムの本拠地である『黒鉄の砦』へと続く巨大な吊り橋を渡っていた。
砦の内部はアビスのどのエリアよりも堅牢で、そして殺意に満ちていた。通路の至る所にパンデモニウムの精鋭メンバーたちが、剣や魔法を構えて待ち構えている。
「侵入者だ! 殺せ!」
「モンスターメイカーを逃がすな!」
怒号と共に、十数人の敵が前方の通路を塞ぐように立ちはだかった。
「マスター!」
ゴブが杖を構える。だが、悠長に一人一人を相手にしている時間はない。
「ゴブ、足止めだけ頼む!」
俺はアイテムボックスから、以前に大量に作っておいた【オイル・スライム】のコアを取り出した。
「創造魔法『マテリアル・スプレッド』!」
ゴブの魔法が俺の意図を汲み取り、コアを液体状に変化させて前方の床一面に撒き散らした。
「うわっ!?」
「足が滑る!」
突進してきた敵兵たちは、スケートリンクのように滑る床の上で次々とバランスを崩して転倒していく。
俺たちはその混乱の只中を、風のように駆け抜けた。
「こっちだ、ユーさん! 地図によれば、この先に下層へ続く隠し階段がある!」
リオが斥候部隊から得た情報を元に、最短ルートを指し示す。
だが、その通路は巨大な鉄格子によって固く閉ざされていた。
「くそっ、罠か!」
「いえ、大丈夫です!」
ゴブが鉄格子の錠前に向かって杖を構える。
「アシッド・ボルト!」
ゴブが放った螺旋を描く酸の魔法が、錠前を直撃した。ジュウッと音を立てて頑丈な鉄の塊が、一瞬で溶け落ちていく。
俺たちは次から次へと現れる障害を、三人の連携で突破していく。
俺が創造術で道を切り開き、
リオがその知識で進むべき道を示し、
ゴブがその魔法で障害を破壊する。
まるで一つの生き物のように、俺たちの思考は完璧にリンクしていた。
だが、追っ手は執拗だった。
砦の奥へ進むにつれて、敵の数も質も上がっていく。
「まずい、囲まれた!」
十字路で、俺たちは四方から現れた敵兵に完全に包囲されてしまった。
「ここは俺が!」
俺は最後の手段として、ゴーレム軍団を一掃したあのスライム爆弾を創ろうとした。
だが、それをゴブが制止した。
「マスター、いけません! あれを使えばマスターの魔力が空になってしまいます!」
そうだ。俺の魔力は、この先にある伝説の創造のために温存しておかなければならない。
万事休すか。俺が覚悟を決めて剣を抜こうとした、その時。
ドゴオオオオオン!
俺たちを囲んでいた壁の一つが、轟音と共に内側から爆ぜた。
壁の向こうから現れたのは、巨大な盾を構えたバルガンだった。
「バルガンさん!?」
「よう、旦那。少し手間取っちまった」
彼の体は満身創痍だった。だが、その瞳の光は少しも衰えていない。
彼の後ろからは生き残ったフロンティアの精鋭たちが、雄叫びを上げながらパンデモニウムの兵士たちに襲いかかった。
「ここは俺たちに任せて先に行け!」
バルガンが俺たちの背中を強く叩いた。
「仲間が未来を繋ぐために命を張ってんだ! お前さんがそれを無駄にするんじゃねえぞ!」
「……っ! ありがとうございます!」
俺は涙をこらえ、再び走り出した。
仲間たちが次々と俺たちのために道を開いてくれる。その屍を越えて、俺は進まなければならない。
黒鉄の砦の最深部。
そこは外部の喧騒が嘘のように静まり返っていた。
砦の構造とは明らかに異質な、古代の石材で造られた巨大な神殿のような空間。
そして、その中央に『それ』はあった。
天と地を繋ぐ巨大な柱のようにも見える祭壇。
黒曜石でできた台座の上には見たこともない複雑な紋様が刻まれ、その一つ一つが淡い魔力の光を放っている。祭壇の周囲には三つのくぼみがあり、そこから流れ出す魔力が中央で一つの渦を巻いていた。
「……創造の祭壇」
俺はごくりと喉を鳴らした。
古文書に記されていた、伝説を生み出すための最後の場所。
俺たちの目的地。
俺たちの希望。
俺はふらつく足で祭壇へと歩み寄った。
リオとゴブが心配そうに俺の両脇を支えてくれる。
背後ではまだ、仲間たちの戦う音が微かに響いていた。
俺は祭壇の中央に立ち、アイテムボックスから三つの伝説級素材をゆっくりと取り出した。
賢者の石。
世界樹の枝。
古竜の心臓。
三つの素材を祭壇の三つのくぼみに一つずつはめ込んでいく。
その瞬間。
ゴオオオオオオオッ!
祭壇が地響きを立てて起動を始めた。
三つの素材から赤、緑、そして黄金の光の奔流がほとばしり、祭壇の中央で一つの巨大な純白の光の球体を形成していく。
凄まじい魔力の奔流。
工房での創造とは比較にならない、世界の理そのものを書き換えるかのような圧倒的なエネルギー。
俺はその光の前に、ただ立ち尽くすことしかできなかった。
俺の脳裏に仲間たちの顔が次々と浮かび上がってきた。
バルガン、カエデ、ゼノン。そして、名も知らぬ多くのフロンティアの仲間たち。
彼らが今、この瞬間も俺を信じて戦ってくれている。
俺はゆっくりと光の球体へと手を伸ばした。
「待っていてください、皆さん」
その声は震えていた。だが、そこには揺るぎない覚悟が宿っていた。
「今、俺たちの答えを。俺たちの最後の希望を――創り出しますから」
俺の手が光の球体に触れた。
その瞬間、俺の意識は創造の光の、そのさらに奥深くへと飲み込まれていった。
伝説の創造が、今、静かに始まった。
「行かせんと言ったはずだ!」
メフィストの怒声と共に、漆黒の魔力が嵐のように吹き荒れる。
「お前の相手は俺たちだぜ!」
バルガンが折れた戦斧を構え、大地に根を張るように立ちはだかった。彼の隣にはカエデが、そして頭上にはゼノンとイグニスが、それぞれ最強の敵を前に一歩も引かずに布陣を敷いていた。
仲間たちの命を賭した時間稼ぎ。その一秒一秒が、俺の背中を未来へと押し出していた。
「急ぐぞ!」
俺はリオとゴブの手を引き、パンデモニウムの本拠地である『黒鉄の砦』へと続く巨大な吊り橋を渡っていた。
砦の内部はアビスのどのエリアよりも堅牢で、そして殺意に満ちていた。通路の至る所にパンデモニウムの精鋭メンバーたちが、剣や魔法を構えて待ち構えている。
「侵入者だ! 殺せ!」
「モンスターメイカーを逃がすな!」
怒号と共に、十数人の敵が前方の通路を塞ぐように立ちはだかった。
「マスター!」
ゴブが杖を構える。だが、悠長に一人一人を相手にしている時間はない。
「ゴブ、足止めだけ頼む!」
俺はアイテムボックスから、以前に大量に作っておいた【オイル・スライム】のコアを取り出した。
「創造魔法『マテリアル・スプレッド』!」
ゴブの魔法が俺の意図を汲み取り、コアを液体状に変化させて前方の床一面に撒き散らした。
「うわっ!?」
「足が滑る!」
突進してきた敵兵たちは、スケートリンクのように滑る床の上で次々とバランスを崩して転倒していく。
俺たちはその混乱の只中を、風のように駆け抜けた。
「こっちだ、ユーさん! 地図によれば、この先に下層へ続く隠し階段がある!」
リオが斥候部隊から得た情報を元に、最短ルートを指し示す。
だが、その通路は巨大な鉄格子によって固く閉ざされていた。
「くそっ、罠か!」
「いえ、大丈夫です!」
ゴブが鉄格子の錠前に向かって杖を構える。
「アシッド・ボルト!」
ゴブが放った螺旋を描く酸の魔法が、錠前を直撃した。ジュウッと音を立てて頑丈な鉄の塊が、一瞬で溶け落ちていく。
俺たちは次から次へと現れる障害を、三人の連携で突破していく。
俺が創造術で道を切り開き、
リオがその知識で進むべき道を示し、
ゴブがその魔法で障害を破壊する。
まるで一つの生き物のように、俺たちの思考は完璧にリンクしていた。
だが、追っ手は執拗だった。
砦の奥へ進むにつれて、敵の数も質も上がっていく。
「まずい、囲まれた!」
十字路で、俺たちは四方から現れた敵兵に完全に包囲されてしまった。
「ここは俺が!」
俺は最後の手段として、ゴーレム軍団を一掃したあのスライム爆弾を創ろうとした。
だが、それをゴブが制止した。
「マスター、いけません! あれを使えばマスターの魔力が空になってしまいます!」
そうだ。俺の魔力は、この先にある伝説の創造のために温存しておかなければならない。
万事休すか。俺が覚悟を決めて剣を抜こうとした、その時。
ドゴオオオオオン!
俺たちを囲んでいた壁の一つが、轟音と共に内側から爆ぜた。
壁の向こうから現れたのは、巨大な盾を構えたバルガンだった。
「バルガンさん!?」
「よう、旦那。少し手間取っちまった」
彼の体は満身創痍だった。だが、その瞳の光は少しも衰えていない。
彼の後ろからは生き残ったフロンティアの精鋭たちが、雄叫びを上げながらパンデモニウムの兵士たちに襲いかかった。
「ここは俺たちに任せて先に行け!」
バルガンが俺たちの背中を強く叩いた。
「仲間が未来を繋ぐために命を張ってんだ! お前さんがそれを無駄にするんじゃねえぞ!」
「……っ! ありがとうございます!」
俺は涙をこらえ、再び走り出した。
仲間たちが次々と俺たちのために道を開いてくれる。その屍を越えて、俺は進まなければならない。
黒鉄の砦の最深部。
そこは外部の喧騒が嘘のように静まり返っていた。
砦の構造とは明らかに異質な、古代の石材で造られた巨大な神殿のような空間。
そして、その中央に『それ』はあった。
天と地を繋ぐ巨大な柱のようにも見える祭壇。
黒曜石でできた台座の上には見たこともない複雑な紋様が刻まれ、その一つ一つが淡い魔力の光を放っている。祭壇の周囲には三つのくぼみがあり、そこから流れ出す魔力が中央で一つの渦を巻いていた。
「……創造の祭壇」
俺はごくりと喉を鳴らした。
古文書に記されていた、伝説を生み出すための最後の場所。
俺たちの目的地。
俺たちの希望。
俺はふらつく足で祭壇へと歩み寄った。
リオとゴブが心配そうに俺の両脇を支えてくれる。
背後ではまだ、仲間たちの戦う音が微かに響いていた。
俺は祭壇の中央に立ち、アイテムボックスから三つの伝説級素材をゆっくりと取り出した。
賢者の石。
世界樹の枝。
古竜の心臓。
三つの素材を祭壇の三つのくぼみに一つずつはめ込んでいく。
その瞬間。
ゴオオオオオオオッ!
祭壇が地響きを立てて起動を始めた。
三つの素材から赤、緑、そして黄金の光の奔流がほとばしり、祭壇の中央で一つの巨大な純白の光の球体を形成していく。
凄まじい魔力の奔流。
工房での創造とは比較にならない、世界の理そのものを書き換えるかのような圧倒的なエネルギー。
俺はその光の前に、ただ立ち尽くすことしかできなかった。
俺の脳裏に仲間たちの顔が次々と浮かび上がってきた。
バルガン、カエデ、ゼノン。そして、名も知らぬ多くのフロンティアの仲間たち。
彼らが今、この瞬間も俺を信じて戦ってくれている。
俺はゆっくりと光の球体へと手を伸ばした。
「待っていてください、皆さん」
その声は震えていた。だが、そこには揺るぎない覚悟が宿っていた。
「今、俺たちの答えを。俺たちの最後の希望を――創り出しますから」
俺の手が光の球体に触れた。
その瞬間、俺の意識は創造の光の、そのさらに奥深くへと飲み込まれていった。
伝説の創造が、今、静かに始まった。
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日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。
殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。
本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。
日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。
そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
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