異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯

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統治責任者

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 翌日、辺境爵様から正式に村の統治責任者として任命され、勲章を授与された。
 ウェストール領内限定の準貴族として叙爵もされた。

「テオドール村のエドガーを我が領の準貴族『六爵』とする。家名は『テオドール』とする」
「今後も王国のため、辺境領のため、村のために務めを果たします」

 一から五爵まである王国貴族の階級の更に下に騎士爵があり、それと同格の『六爵』だ。村程度の規模ならば爵位は不要だが今後のテオドール村の発展を予想して爵位を賜った。

「エドガー様が貴族に‥‥‥!! やはりこのティナの目に狂いはありませんでしたね」
 『準』貴族だからな! 『準』!

 ちなみにここに来る時に思いついた缶詰だが辺境爵様が興味を持ってくれてアイディア自体を買ってくれた。
 特許の様に缶詰の売り上げの数%が入ってくる事になった。

 これでお金に余裕が出てくるな。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 馬車に乗り込もうとしたらエリーゼ様が近寄ってきた。
「エドガー様‥‥‥ワタクシお手紙を書きますわね。絶対に返信してくださいましね」
「わかりました、エリーゼ様。お手紙楽しみにしてますね」

「約束ですわよ! 返信がもし来なかったらそちらに行ってしまうかもしれませんわ!」
「わかりました。いらっしゃっても大丈夫なように村の整備をしておきますね」

「えっ? それって‥‥‥」
「では、ごきげんよう。エリーゼ様!」

 馬車に乗り込んだ。
「‥‥‥辺境爵令嬢が観光に来られるような村にしないとな。ティナ、今後も手伝ってくれな」
「はい、エドガー様」

 そして馬車は動き出した。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 テオドール村に近づくに連れて道が悪くなる。馬車が揺れてその度に尻が打ち付けられて大変痛い。
「この辺も課題だな‥‥‥道路整備か」

 遠くにテオドール村の壁が見えてきた。俺は馬車の窓から顔を出し全力で手を振る。
「フルルー!! 帰ってきたぞー!! 撃つなよー!!」

 これをやっとかないと撃たれるかもしれないから重要な事だ。この辺もフルルの射程範囲の可能性があるからな。

 撃たれたりしないかドキドキしながら馬車は進む。
 そしてようやくテオドール村の門に着いた。
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