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追放編
ヒュージモンスターの襲来
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「ヒュージモンスターが現れたぞ!! 各々、持ち場について指示に従ってくれ。竜騎士隊の不在の今、我々冒険者がこの街を守るぞ!!」
「「「「おお!!」」」」
ギルドマスター、ブライアンの声が響いた。冒険者達は士気高くそれぞれの持ち場に分かれていった。
アルフレッドはEランクなので高ランク冒険者達のサポートに回る‥‥‥はずだった、本来であれば。
大量にやけ酒を飲み、酔っ払っていたアルフレッドは外の風に当たるために城壁の上に登ってしまっていた。城壁の上にいた冒険者達に酔っ払い挨拶を交わす。
「あいっ! どうも~みなしゃま、ごくろーしゃまでしゅ」
「なんだ、この酔っ払いは?」
「真っ昼間から散々飲んでるバカヤローだろ。そんな奴いいからほっとけ」
他の冒険者はそれどころでは無い。アルフレッドは放置されていた。
オネットの街の城壁近くに突然現れたのは『ヒュージスライム』だった。
数百匹ものスライムが集まり合体した巨大なスライムである。それこそ城壁にも差し掛かるくらいのサイズ。
一応スライムである以上弱点は存在する。高火力の魔法か、あるいは武器で核を攻撃すれば良いのだが巨大すぎて核まで普通の武器では届かない。弾力も通常のスライムとは桁違いであり、そもそも並の武器の腕では刺さりもしないほどだった。
「くそ~!! 核まではとどかねぇ!」
「危ねぇ! 飲み込まれたら最後だぞ。気をつけろ」
「飲み込まれないように距離を取って攻撃すれば‥‥‥」
「バカ、それじゃ余計届かないだろうが!!」
「弓兵、一斉射!! 構え! 撃てぇ!!!」
ヒュヒュヒュヒュン!!!!
何十本もの矢がスライムの上部に刺さったが‥‥‥、あまり効果はなかった。弓の練度の低い者の放った矢などは刺さりもせずに弾かれてしまった。
「魔法隊!! 一斉に放てぇ!!」
ボボボボボン!!!!
派手に煙が上がった。
「やったか?」
風が吹き、煙が流れると若干縮んだかわからないくらいのスライムが再び城壁の方に近寄ってきた。
このままでは城壁ごと溶かされてしまう。
どうする、どうする?
ブライアンは考えた。一流冒険者達はよりにもよって全員留守だ。残されたものだけでなんとかせねば‥‥‥。
「これでどうだぁ! 【メガスラッシュ】!!!!」
街に現在残っていた赤髪の剣士ルーナ・スカーレットの声が響いた。彼女の必殺剣ならばあるいは‥‥‥?
斬撃がスライムの身体を押し潰す。
‥‥‥が核まではあとわずか数センチ届かなかった。
斬撃の形に潰れたスライムの身体が元に戻る。
危険を感じたのかスライムはルーナの手足を複数の触手で捉え、体内に飲み込んだ。ルーナはスライム内に引きづり込まれてしまった。
「ゴボッ(う、動きが‥‥‥息が‥‥‥)」
スライムの中でもがくルーナ。もし剣を持ったまま飲み込まれていたらあるいは核を傷つけることが出来たかもしれない。が剣はスライムの体外に残されていた。
「みんな、ルーナを助けろ!! こちらの打つ手が無くなるぞ!!」
というブライアンの声も虚しくルーナの近くに居た冒険者達もまとめて飲み込まれてしまった。
「「「「おお!!」」」」
ギルドマスター、ブライアンの声が響いた。冒険者達は士気高くそれぞれの持ち場に分かれていった。
アルフレッドはEランクなので高ランク冒険者達のサポートに回る‥‥‥はずだった、本来であれば。
大量にやけ酒を飲み、酔っ払っていたアルフレッドは外の風に当たるために城壁の上に登ってしまっていた。城壁の上にいた冒険者達に酔っ払い挨拶を交わす。
「あいっ! どうも~みなしゃま、ごくろーしゃまでしゅ」
「なんだ、この酔っ払いは?」
「真っ昼間から散々飲んでるバカヤローだろ。そんな奴いいからほっとけ」
他の冒険者はそれどころでは無い。アルフレッドは放置されていた。
オネットの街の城壁近くに突然現れたのは『ヒュージスライム』だった。
数百匹ものスライムが集まり合体した巨大なスライムである。それこそ城壁にも差し掛かるくらいのサイズ。
一応スライムである以上弱点は存在する。高火力の魔法か、あるいは武器で核を攻撃すれば良いのだが巨大すぎて核まで普通の武器では届かない。弾力も通常のスライムとは桁違いであり、そもそも並の武器の腕では刺さりもしないほどだった。
「くそ~!! 核まではとどかねぇ!」
「危ねぇ! 飲み込まれたら最後だぞ。気をつけろ」
「飲み込まれないように距離を取って攻撃すれば‥‥‥」
「バカ、それじゃ余計届かないだろうが!!」
「弓兵、一斉射!! 構え! 撃てぇ!!!」
ヒュヒュヒュヒュン!!!!
何十本もの矢がスライムの上部に刺さったが‥‥‥、あまり効果はなかった。弓の練度の低い者の放った矢などは刺さりもせずに弾かれてしまった。
「魔法隊!! 一斉に放てぇ!!」
ボボボボボン!!!!
派手に煙が上がった。
「やったか?」
風が吹き、煙が流れると若干縮んだかわからないくらいのスライムが再び城壁の方に近寄ってきた。
このままでは城壁ごと溶かされてしまう。
どうする、どうする?
ブライアンは考えた。一流冒険者達はよりにもよって全員留守だ。残されたものだけでなんとかせねば‥‥‥。
「これでどうだぁ! 【メガスラッシュ】!!!!」
街に現在残っていた赤髪の剣士ルーナ・スカーレットの声が響いた。彼女の必殺剣ならばあるいは‥‥‥?
斬撃がスライムの身体を押し潰す。
‥‥‥が核まではあとわずか数センチ届かなかった。
斬撃の形に潰れたスライムの身体が元に戻る。
危険を感じたのかスライムはルーナの手足を複数の触手で捉え、体内に飲み込んだ。ルーナはスライム内に引きづり込まれてしまった。
「ゴボッ(う、動きが‥‥‥息が‥‥‥)」
スライムの中でもがくルーナ。もし剣を持ったまま飲み込まれていたらあるいは核を傷つけることが出来たかもしれない。が剣はスライムの体外に残されていた。
「みんな、ルーナを助けろ!! こちらの打つ手が無くなるぞ!!」
というブライアンの声も虚しくルーナの近くに居た冒険者達もまとめて飲み込まれてしまった。
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