アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯

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飛竜の里編

宴が終わり

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 居た堪れない空気の中、宴的なものは終わった。みんなに謝りつつ、長老の部屋を後にした。

 ミリアさんが泊まる部屋を案内してくれた。
「ミリアさん、俺が折った弓がまだ残ってたら見せてくれないか?」
「‥‥‥わかりました」

 しばらくして戻ってきたミリアさん。
「‥‥‥勇者様。これが壊れた弓です。錬金術で直らないですか?」
「俺のは厳密に言うと錬金術ではないんだけどな。難しいかもしれないが‥‥‥まぁ俺のせいだし、試してみるか」

 折れた弓を受け取った。
 ふーむ、どうしよう。

 左手に折れた弓を持ち、いろんなものに触れてみる。

 うーん、なんだか上手くいかないな。
 弓という武器の特性上、剣とか槍とかとの共通点があまり無いのかな?

「ちょっと出てくるね」
「‥‥‥お供致します」

 まぁツリーハウスの渡り廊下は上がったり下がったり複雑だからついてきてもらった方がいいか。

 何かないかと探しながら歩いていたら何やら工房みたいな所に着いた。ここなら何かあるかな?

「アンタが話題の勇者様かい? こんな所に何か用ですかい?」
「ええ、まぁちょっと。覗いても構いませんか?」

「もの好きだねぇ。弓の修理の邪魔しなければお好きにどうぞ」
 お、ここで弓を直してたのか。壊れた弓がたくさん積んであった。他にもいろいろと‥‥‥。

 目についたものは滑車だ。
 何故こんなものが?
「この滑車は何に使うんです?」
「あー、それはロープを引っ掛けて引っ張ったりですね。少ない力で物を持ち上げたりするんですわ」

「へぇ‥‥‥」
 右手で触れてみると‥‥‥
【合成しますか?】
 キタよ、これが正解かな? 【はい】

パシュッ!!
 上下に滑車の付いたような弓が出来た。
 なんじゃこりゃ?

「!? 勇者様? 何をなされた? って、なんじゃ、それは!? 弓なのか!?」
 
 通常の弓と違って弓の弦が二本多い。鑑定のモノクルで見てみよ‥‥‥。

【コンパウンドエルブンボウ】
 
 エルブンボウってのは『エルフの弓』って意味だろうが、コンパウンドってのがなんだかわからない。

「少々お借りしますぜ。‥‥‥ほほう、なるほど。これは‥‥‥」
 取られた。まぁもともと俺のものではないんだけどさ。
 工房の親方は見ただけで大体の構造を理解したようだ。
 
 滑車も綺麗な円形ではなく歪んでいる。だがこれがポイントなんだろうな。

「ふむ、お返しします。滑車に掛かってるこの弦を引いてみてくだされ」

 3本のうちの真ん中のこれだな? 
 ぐっと引いてみる‥‥‥が全く動かない。しばらく悪戦苦闘していたが動く兆しがなかった。

「勇者様、私が‥‥‥」
 ミリアさんに渡すと軽く弦を引いてみせた。
 弓を引く姿が様になっていて、表情も凛としていてとても美しく感じた。

「このエルブンボウはエルフの魔力が有れば問題なく引けるのですがそうでない並の人間ではとても力が要ります。勇者様であればあるいは‥‥‥と思ったのでしょう」

 弓の練習なんて貴族時代にほんの少しやっただけだし。特にうちは剣術バカばっかりだったからな。その中でも俺は落ちこぼれだったけどさ。

「ふむ‥‥‥弦を引き切った時にとても抵抗が軽くなります。つまり弦を引き切った状態をとても少ない力で維持出来るのでとても狙いがつけ易くなると思います」
 そう言いながらミリアはゆっくりと弦を戻した。

「早速明日の朝試しに行きましょう、勇者様」
 ミリアさんの圧に負けて明日の朝出掛ける事になった。
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