アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

飛竜の里編

オーネットへ帰還

　一泊二日で帰ってくる予定だったのに六日も掛かってしまった。
　だが報告が完了すればようやく今回の仕事も終わる。今回の仕事は冒険者ではなく竜騎士隊としての仕事なので直接騎士隊の方に戻ればいいだろう。

　一番慣れているシルバーが飛竜の発着所に鳴き声で合図を送ってシルバー、デューン、ソフィアの順に着地した。

　ロザリーが出迎えてくれた。
「アル、おかえり！！　シルバーと連れてきたもう一頭と‥‥‥もう一人？　あとその人もなんか飛んでなかった！？」
「ただいま！　遅くなってすまなかった。それがいろいろとあってさ‥‥‥」

　ミリアがシルバーからひらりと飛び降りる。
「‥‥‥ここまで乗せてくれてありがとう」
　ミリアは飛竜の里に少しいた事もあって飛竜との接し方も手慣れていた。

「ここが街かや？　ほほう、こんな風に建物が並んどるんじゃな！」
　ソフィアは街とか見るのがまさか初めてなのか？　えらく興味深々だ。

「えーっと。この方々は誰‥‥‥？」
　あ、ロザリーに紹介しないと。

「ロザリー、こちらはエルフのミリア。訳あって連れてきたんだ」

「アル様の妻、ミリアです。どうぞ宜しく」
　ミリアがいきなりやってくれた。

「「「！？　はぁ！？！？！？」」」
　周りにいた人皆んなが驚きの反応。
　そりゃそうだ。
　
「おいっ！　そうじゃないだろ！？」
「‥‥‥違うのですか？」
　いや、責任は取るし、いずれはそうなるんだけど。今ここで言うのは違うんじゃないか？
　
「‥‥‥問題ありません」
　あるんだよ！　

「どう言う事？　さんざん仕事引き延ばして女引っ掛けてたって訳！？」
「いや、そうじゃなくて‥‥‥」
　ロザリーに襟首を掴まれる。
　
　と、そこにソフィアが割って入る。
「お主、アル殿に随分と失礼ではないか？」
「はぁ！？　そう言うアンタは誰なのよ！？」

「おい、ソフィアやめろ。ロザリー、こちらは元飛竜の里の長でドラゴニュートに進化したソフィアだ」
「ソフィアじゃ。よろしくの」
　
「はぁ！？　ドラゴニュート！？　超レア種族じゃない！！　しかもこの人もめちゃくちゃ美人だし！！　この人も嫁だって言うの？」

「いや、そうじゃなくて‥‥‥」
「おお！　それは良いのぅ。アル殿なら我が伴侶に申し分なしじゃ」

「はぁ！？　なんなの？　奥さん二人も！？　そんな甲斐性あったの！！？」
「いや、説明するから聞いてく‥‥‥」

「アル様！　『勇者は色を好む』と言いますから何人でも構いませんが前もって教えてくださいね」
　いや、説明をさせろ！！　させてくれ！！

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

（かくかくしかじかと説明中）

「ふーん、そんなことがあったのね。そりゃ大変だったわね」
「‥‥‥やっと説明出来た」

　ミリアと身体の関係になった部分は上手く隠して説明した。
　
「でもアルってそんなに強かったの？」
「あーいやーうーん、えーーーっと‥‥‥」