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新居編
ルーナは反対
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「アタイはやっぱり反対だぞ!! 家に霊がいるなんて気味が悪い!」
ムーの屋敷から出て定宿の食堂に戻った途端、反対意見を言うルーナ。
「ルーナはモンスターは平気なのに幽霊とかの怖い話が苦手なんす」
「ボクはルーナの方がいろいろおっかないですけどねー」
ジャックとアリウスは用事を終えて帰ってきていた。相談をしたらこれだ。
「おーしアリウス、てめぇ。よっぽどこの剣の錆になりたいらしいな。そこを動くなよ?」
「ほーら、怖い怖い」
アリウスが逃げてルーナが追いかけるというアリウスのルーナいじりも見慣れてきたな。
「この間取りと広さだけでもこの家賃はあり得ないのです。ましてや家精霊付きなんて絶対に住むべきです!!」
ミリアは断固賛成派だ。ミリアは森暮らしだったのに都市の事情にずいぶんと詳しいんだな。
「確かにそうっすね。各自の部屋と倉庫、食堂、キッチンに風呂場まであるんすか!? こりゃ精霊様に頭下げてでも住むしかないっすよ」
「ですよねー」
ちゃっかりアリウスもこっちの会話に入ってくる。こういうところ上手いよなぁ。
これで賛成派は四人、反対してるのはルーナだけだ。多分ソフィアはどっちでもいいと言うだろうからな。
「ず、ずるいぞ! お前らよってたかって‥‥‥」
いや、反対理由が精霊付ってだけだろ。
「ルーナさん、あなた家事はお得意かしら?」
ミリアがルーナに向き直り問いかけた。
「はっ! アタイが家事なんて出来ると思ってんのか? 出来る訳ねーだろ?」
まぁ予想通りだな。出来たらギャップでドキッとしてしまうかもしれない。
「精霊付きの屋敷は家事の負担がかなり減るのです。使用人を雇わなくても良くなるのですよ」
「‥‥‥そ、そうなのか?」
「他の物件では食事当番、掃除当番などを決めて行わねばなりません。ここならその程度は全て家精霊のムーがやってくれます。賃金も不要です。魔力を提供すれば良いのですから」
「‥‥‥」
真面目に考えだしたルーナ。
俺たちもルーナを諭す。
「俺たちの前では実体化しといてもらえばそのうち慣れるだろ?」
「精霊付きの家なんて滅多に住めないっすよ」
「剣術の訓練も庭でいつでも手伝ってくれますよ」
「‥‥‥わかった。住むよ」
ルーナが折れてくれた。まぁ普通に考えてこれ以上の物件はないだろうからな。
「よし、じゃあ乾杯っすね」
「家が無事見つかった事を祝して‥‥‥」
「「「かんぱーい」」」
明日はソフィアも連れて全員で屋敷に向かおう。
ムーの屋敷から出て定宿の食堂に戻った途端、反対意見を言うルーナ。
「ルーナはモンスターは平気なのに幽霊とかの怖い話が苦手なんす」
「ボクはルーナの方がいろいろおっかないですけどねー」
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「おーしアリウス、てめぇ。よっぽどこの剣の錆になりたいらしいな。そこを動くなよ?」
「ほーら、怖い怖い」
アリウスが逃げてルーナが追いかけるというアリウスのルーナいじりも見慣れてきたな。
「この間取りと広さだけでもこの家賃はあり得ないのです。ましてや家精霊付きなんて絶対に住むべきです!!」
ミリアは断固賛成派だ。ミリアは森暮らしだったのに都市の事情にずいぶんと詳しいんだな。
「確かにそうっすね。各自の部屋と倉庫、食堂、キッチンに風呂場まであるんすか!? こりゃ精霊様に頭下げてでも住むしかないっすよ」
「ですよねー」
ちゃっかりアリウスもこっちの会話に入ってくる。こういうところ上手いよなぁ。
これで賛成派は四人、反対してるのはルーナだけだ。多分ソフィアはどっちでもいいと言うだろうからな。
「ず、ずるいぞ! お前らよってたかって‥‥‥」
いや、反対理由が精霊付ってだけだろ。
「ルーナさん、あなた家事はお得意かしら?」
ミリアがルーナに向き直り問いかけた。
「はっ! アタイが家事なんて出来ると思ってんのか? 出来る訳ねーだろ?」
まぁ予想通りだな。出来たらギャップでドキッとしてしまうかもしれない。
「精霊付きの屋敷は家事の負担がかなり減るのです。使用人を雇わなくても良くなるのですよ」
「‥‥‥そ、そうなのか?」
「他の物件では食事当番、掃除当番などを決めて行わねばなりません。ここならその程度は全て家精霊のムーがやってくれます。賃金も不要です。魔力を提供すれば良いのですから」
「‥‥‥」
真面目に考えだしたルーナ。
俺たちもルーナを諭す。
「俺たちの前では実体化しといてもらえばそのうち慣れるだろ?」
「精霊付きの家なんて滅多に住めないっすよ」
「剣術の訓練も庭でいつでも手伝ってくれますよ」
「‥‥‥わかった。住むよ」
ルーナが折れてくれた。まぁ普通に考えてこれ以上の物件はないだろうからな。
「よし、じゃあ乾杯っすね」
「家が無事見つかった事を祝して‥‥‥」
「「「かんぱーい」」」
明日はソフィアも連れて全員で屋敷に向かおう。
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