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王都学院 編
ギルドにて
しおりを挟む自己紹介も終わり解散となる。クリフが寄って来た。寮に帰ろう。
「ネロ、大丈夫?」
「クリフありがとう、慣れてるし想定してたから大丈夫だよ。ダニエルだっけ?にはずっと睨まれてたけどね。」
「えっ、確か彼の親は侯爵だよ。ヤバいのに目を付けられたんじゃない?」
「うぇ、面倒な予感しかしない」
「俺はこれからギルドに行くけどクリフはどうする?」
「僕は別でやる事あるんだ、ごめんね」
よし、じゃひとりで行くか。
学院を出てギルドへ。途中の屋台で串焼きを食べる、うっま。
「おっちゃん、コレ美味いな。もう一本貰っていい?」
「ありがとよ、若ぇの。こっちのも食ってみっか?サービスだ」
「いいの?ありがとう。あ、冒険者ギルドってこの道であってる?」
「この道を真っ直ぐ行けば右手に見えるぞ」
「コレも美味い。ありがとう、宣伝しとくね」
「まいど、また来いよ~」
いいね、異世界っぽい。異世界の串焼きの人は大体優しい。と思う。
おっちゃんの言う通り歩いて冒険者ギルドに着いた。早速中へ。
「こんにちは~冒険者ギルドにようこそ~。受付のナタリーでーす。学院の生徒さーん?今日は登録かな~?」
おぉー、冒険者ギルドのお姉さんはやはり綺麗だ、語尾が長いけど。
「はい、そうです」
「じゃあこの用紙に必要事項書いて確認用に学生証の提示もお願いしまーす。」
サラサラと筆記する。学生証も出す。
「ありがとうございまーす。まぁ綺麗な字~、ギルドで働いてみる~?」
「いえ、冒険者で」
「ざんねーん、いつでも言ってね~。えーっとネロ•ヴァッサーくん、ふむふむ、え⁉︎ 水魔法一種って大丈夫?」
キタコレ、でもダニなんとかと違って本当に心配してくれているトーンだ。こういうのは不快にならない。焦って語尾が普通だ。
「大丈夫です、俺、結構強いですよ」
「えぇー、お姉さん心配~。マスター?」
あら、ギルマスを呼びに行っちゃった。奥からごつい男が出てくる。ギルドマスターの登場だ。
「おう、おめえさんがネロかい?学院生なら鑑定検査は入試でやったよな?アレをもう一回やって貰えるか?」
「え、嫌です」
「はぁ⁉︎ 何故だ?」
「多分正しい表示が出ないからです」
「じゃあ模擬戦になるが‥‥‥」
「それで良いです」
「‥‥‥って変わった奴だな。訓練所空いてるからそっちに来てくれ」
試験の時の文字化けしたやつじゃ俺の場合ダメなんだよ。腕力も体力もないし。ギルマスについて行き訓練所に着いた。
「水属性一種だったか?そんなのが一人で生き残れる世界だと思うか?死なれちゃ困るからこんな事するんだ。悪く思うなよ、武器は?」
「要りません」
「だろうな、じゃあ始めるか」
ギルマスが木剣を持って構える。脇構えってやつだ、隙はない、強いのだろうな。
「いつでもどうぞ」
「ナタリー、号令を」
「はじめ‼︎」
パン‼︎
号令と同時に木剣をウォーターバレットで撃ち抜いた。手から弾こうと思ったら、木剣自体が砕けてしまった。毎晩の魔力訓練のお陰で、速度も威力も上がっている気がする。
何が起きたかわからないギルマスとナタリーさんは固まっていた。
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