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第二部 家庭編
宝玉の話
しおりを挟む「つまり、その宝玉にお嬢が触れたら光って加護を得られたのですな?」
「それは加護の宝玉じゃな。適性が有る者が触れると属性なり、魔法の加護が得られるというものじゃ。聞いたことしかないがの」
「それで神級の加護を得られるならすごいものじゃない?」
マリアの質問に、
「とても神級の加護が貰えるものではないのじゃ。もらえて王級がせいぜいじゃ。宝玉自体はそこまで珍しいものではないがの」
と、ヨウコちゃんが答えた。
「プハァーーーーーー!! やっぱりネロの水がいっちばんだね!! で、なんの話だっだっけ?」
「一心不乱に飲んでたな‥‥‥。まぁいい。ビアンカが火神の加護を貰ってな。どうしてこうなったのかって‥‥‥」
「あ、それボクの実のせいかも」
ガタカターン!!
みんな一斉に立ち上がり、ユラに詰め寄る。
「「「どういう事!!!??」」」
「世界樹の実は加護の宝玉でもらえる加護を最大限引き出す作用があるんだよぅ‥‥‥、みんな怖いよぅ‥‥‥」
マリアとナタリーが
「普段から世界樹の実を食べてるから?」
「宝玉で神級の加護をもらえるの?」
シャルが
「ネロ! 他の子の分も見つけて来て!!!」
「そうだな。子供達、どうする? お前らも来るか?」
「行っていいのですか?」
「でしたら私も行きたいです!」
「父様! 僕も!!」
ジャンヌが嗜める。
「レオン‥‥‥、あんたって子はまた‥‥‥」
「いや、いいぞ。行くか? レオン!」
「は、はいっ!!!」
「ネロ‥‥‥その、レオンのことだけど、大丈夫?」
「任せとけ。危険なことにはならないよ」
「そんなこと言って7年近く帰って来られなかったじゃないか」
「‥‥‥‥‥‥うん。それは‥‥‥ごめん」
ーーーーーーーーーーーー
という訳で、リヴィアの案内で宝玉がドロップ出来そうなところにやってきた。
「次は私が加護をいただきたいですわ!」
「いや、俺だろ!」
「僕も欲しいよ!」
「適正があるからな、適正がない者が触れても何も起きないそうだから触る順番だけ決めておきなさい」
ちなみにビアンカはお留守番だ。色々検証したいそうだ。魔力の先生、ヨウコちゃんが面倒をみている。
「ここじゃな。風の遺跡じゃ。ぼん、お嬢。注意されよ、主殿がおるとは言え中々のモンスターがおるでの」
遺跡に入る。風の遺跡とだけあって遮蔽物は少なめだ。飛行タイプのモンスターが多く出ると思われる。
「順番は討伐数で決めることにしましたわ」
「‥‥‥まぁそれは任せるよ。さぁ、油断するなよ! サラ、警戒頼んだぞ!」
「あいよ、旦那! 右から早速鳥みたいのが来るぞ! 二匹!!」
「僕に任せて!」
ヒュッ!! ヒュッ!!
レオンのめにも止まらぬ二連射!
ドサドサッ!! と鳥タイプのモンスターが落ちてきた。
「とどめはお願い。兄さん、姉さん」
「お、おう!」
「え‥‥‥、はい! それっ!!」
キラキラして消滅していく。魔石(小)が残った。ハイドとフローラが拾う。
「レオン‥‥‥お前、すごいな‥‥‥」
「父様、ありがとうございます。弓だけはなんとかなってると思います。他は色々ダメなので‥‥‥ってなんですか! 父様!?」
俺は無言でレオンを抱きしめていた。
小さくて、健気で、弓の腕をこんなに上げて‥‥‥。
「父様! 行きましょうよ!」
「あぁ、すまんな。怪我とか無いか?」
「弓撃っただけで怪我しないですよ」
「そうか。それもそうだな」
結局俺は何もしないでもフロアボスの場所まで辿り着いた。
「お前たち、すごいなぁ。俺は何もしてないぞ。せめて休憩中の回復くらいはさせてくれ」
「旦那‥‥‥、あちしたちは‥‥‥?」
「主殿‥‥‥、我もいささか疲れました。アレで回復していただきたく‥‥‥」
アレとはポーションミストの事だろうけど。
いや、ダメだろ。子供の前であんな卑猥な声聞かせられるかっての。
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」
ショボーンとしてしまった二人。
「‥‥‥あとでな」
シャキーンを目を開いて
「お前たち、休んでないでさっさと行くぞ!」
「お主達、早う参るぞ!」
いや、休ませてやれよ‥‥‥。やれやれ。
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