169 / 171
第二部 家庭編
スタンピードの始まり
しおりを挟む俺は王都、マロニェール領マイチー州、ミヤキャソル領都センラックをミストドアで往復しながら対策をしていく。
王都とセンラックは海方面、マイチー州は山方面からモンスター達は発生するそうだ。
王都にはシャルとハイド、ヨウコちゃん。マイチー州はジャンヌとレオン、ローズとサラ。センラックにはマリアとビアンカ、リヴィアを配置した。
俺とフローラは遊撃、ミストドアで移動しながら攻撃したり回復したりする予定だ。
ーーーーーーーーーーーー
「そろそろ、最前のモンスターが到着しそうです」
王都のギルド職員の一言で場が緊張する。
遠くにモンスターが見えてきた。
「よし、じゃあハイド、母さんに見せてやろうか」
「はい! 母様、ご覧ください! これが父様との合成魔法です!!!!」
「「光水合成! ダイアモンドダスト!!」」
パァーンッ!!!!!!!!
水分を霧にしてハイドの光魔法で広範囲に散布、極限まで冷やした霧氷が中空で光輝き、モンスター達を凍てつかせる。
「モンスターが‥‥‥凍りついた!?」
「さあ! 行きましょう! 母様! 皆さん!! 勝利を我々に!!」
「‥‥‥!! ええ!!」
ハイドは大勢の前でも物怖じしないらしい。演説打って飛び出して行った。そこまで大したモンスターはいなさそうだ。
「ポール兄さん! 全体指揮をお願いします」
「任せておけ! 若者だけに任せておけるか! 我に続け!! 突撃!!!」
「ヴォー!! 倒すぞー!!!!」
「やるぞ! 俺たちが王都を護るんだ!!」
「おぉーーーーーー!!!!」
ーーーーーーーーーーーー
「傷ついた人をこちらに!! 回復出来ますので!!」
「おぉ、ありがたい!」
「連れてくる! 頼むぜ!」
「「土水合成! エリクサーゾーン!!」」
エリクサーミストを土魔法の癒しの魔法と組み合わせてより広範囲に回復ゾーンを作り出す。
「おお、あっと言う間に疲れも魔力も‥‥‥」
「ここにいて魔法を使ってもすぐに回復するぞ!」
「魔法も技も撃ち放題だ!!」
「ヨウコちゃん、あとは任せるぞ!」
「お任せあれ、ネロ様! では、妾も暴れるとするかの!」
ヨウコちゃんにはエリクサーをごっそりと渡しておいた。ミストに入ると蕩けるからな。
ーーーーーーーーーーーー
マイチー州に移動した。ここはこれからモンスターの先鋒が来そうだった。
「レオン、待たせたな。準備は?」
「大丈夫です、父様!」
「よし、じゃあ奴ら全体にかましてやろう!」
「はい! 風水合成! テンペスト!!」
突如巻き起こる突風、大雨の大嵐、竜巻が無数のモンスター達を飲み込んでいく! 雑魚モンスターはそれだけでキラキラしていく。
「すごい‥‥‥、行くよ、レオン!!」
「はい、母様!!!!」
「ウチらも負けてられないニャ!!」
「ようし! 旦那任せてくれ!!」
「父様、ポール兄さん。あとはお願いします。折を見て戻ってきますので」
「ネロよ、任せておけ! やるぞ、ポール!」
「ネロの魔法と比べたら型落ちだろうけどやってみるよ! 『アルティマフレア!!!!』
ヒュッ!!
シュババーーーーーン!!!!!!!!
どこが型落ちだよ‥‥‥。
あらかた吹き飛ばしてるじゃん。
「今だ! 突撃!!!!
「俺たちも続けー!!!!」
「おぉーーーーーーー!!!!」
ーーーーーーーーーーーー
ミヤキャソルに移動した。
「リヴィア、状況は?」
「まもなくこちらまで辿り着きそうですな」
「父様! 準備はいいですか!?」
「お前が指示出すのか、ふふっ、逆だろ。まぁいい。ぶっ放してやるか!」
「「火水合成!! ハイドロエクスプロージョン!!!!」」
ドカァーーーーーン!!!!
ハイドロボムの超強化版だ。点火する為の氷の微粒子が必要ないから、俺は水の分解に専念出来る。そして爆発の元になる水は海だからいくらでも有る。
「ちょっとネロ。海が燃えてるわよ」
「そういう魔法だからな。まさに火の海ってやつだ」
「まったく簡単に言うわねぇ。とんでもない事してる自覚は‥‥‥ないわね。そういう人だったわね」
まるで俺を人外扱い‥‥‥
いや、人外でしたね。
「我の分も残しておいて欲しかったのですが‥‥‥、まぁ残敵を討伐いたしますわ」
「あとは海に落ちた魔石を拾っといてくれ」
「わかりました、主殿」
「ここの指揮はお義兄さんお願いします」
「任せておけ! ありがとう、ネロ! 終わったら祝杯をあげよう!! 行くぞ、皆の者! 我に続けぇーー!!!!」
「「「ウォー!!!!!!!!」」」
ーーーーーーーーーーーー
その後は三カ所をローテーションで廻ってエリクサーゾーンで随時回復。負傷者はほとんどゼロだと思う。ちゃんと見てないからわからないけどな。
正直今回の一番の功労者はフローラだと思う。
1
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む
凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる