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30 浮気!?※R-18
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帰ってきた夏向のジャケットに女物のピアスが入っていた。
そして、白いシャツにはファンデと口紅がついている。
夏向は運転手さんが送迎してくれるから車だし、電車でぶつかってという可能性はない。
誰かわからないけど、女の子に抱きつかれたとしか、思えなかった。
「桜帆?」
洗濯機の前から動かなかった私を不審に思ってか、背後から夏向が声をかけた。
悪いことをしていたわけじゃないけど、驚いて思わず、ビクッと身を震わせてしまった。
「洗濯機の前で考え事?」
「う、ううん。ぼんやりしてただけ」
とっさに口から出たのは嘘だった。
聞けばよかった……と後悔したけど、もう遅い。
夏向が浮気なんかするわけない。
そもそも、夏向は慣れてない人に体を触られるのが嫌いだし。
それを知ってるのに私はモヤモヤした気持ちを消せなかった。
これはいきなり、飛び出してきた女性社員とぶつかっただけに決まっている。
でも……ぶつかっただけで、ポケットにピアスなんか入る?
「桜帆」
「……っ!」
伸ばされた手をとっさに払いのけてしまった。
私の拒絶に夏向は驚き、戸惑っていた。
「ご、ごめんね。夏向。いきなり、手を出すからびっくりして……」
なぜ、私が謝って言い訳しているんだろうと思っていると、夏向は近づくと無言で体を抱き抱えた。
「な、なに!?」
すたすたと歩き、ばんっと寝室のドアを乱暴に開けるとベッドに私の体をおろした。
まさか―――!
なにをされるか理解し、体を捩って逃げようとすると、両腕を掴まれてしまい、もう身動きがとれない。
「待って!夏向……!」
制止の声が聞こえているはずなのに夏向は唇を奪い、激しいキスをした。
拒絶すら許さない―――そんなキスを繰り返され、酸素が足りずに喘ぐように息をしていると、腕を高くあげ、体を押さえつけ、服を剥ぎ取り、あっという間に生まれたままの姿にされてしまった。
「やめて……!」
「どうして、俺を拒むの?」
「拒んでないっ」
首を横に振ったけれど、夏向は許してはくれなかった。
夏向は服を着たまま、まるで女王に仕える従者のように足の爪先から口づけると、指をゆっくりと肌の上を滑らせて、自分の指を教え込むように太ももから腹にかけて指が這い、脚をつかんで大きく広げさせた。
「や、やだ!」
「大丈夫。気持ちよくするだけだから。俺の事、欲しくなるまで」
なに、それっ。
性急に下腹部に顔を埋め、まだ濡れてもいない割れ目に舌の感触を感じた。
「うっ…くっ……」
恥ずかしくて涙がこぼれた。
まだ固い秘裂を舌がこじあけ、中へ侵入するとぬるりとした感触にびくりと体を震わせた。
ゆっくりと中を味わうかのように弧を描き、手が臀部を押した。
「あっ…んっ」
押されると中が狭まり、舌をより感じてしまう。
「だ、だめ。当たってる…からっ」
「どこに?」
意地悪な声で夏向は聞いてきた。
「ここ?」
「あっ、ああっ!ち、ちがっ、あっ」
固くなっている部分を舌で転がし、ぐっと舌がそこを押しつぶすと痛いほどの刺激に体が浮いた。
今まで触れたことのない部分は初めての感触に体と心が戸惑い、どうしていいかわからずに舌が何度もその部分を舐めあげては転がされるのをただ受け入れるしかなかった。
「ふっ……あ、あ…あっ」
すっかり濡れて指が入れられていることすら、気づかずに快楽に溺れ切っていた。
「な…んでっ……」
それなのに夏向は服を一切脱がず、ぐちゅぐちゅと水音をさせて零れる蜜を舐めとっていた。
「き、汚いから、やめてっ…あっ…んっ」
「まだ言えない?」
「…な、なにを」
くぷっと指が深くまで突き立てられ、大きく体を仰け反らせた。
「ひっ―――あああっ!」
達したばかりなのに夏向は容赦なく、何度も指を前後に動かして、また新たな快感を呼び起こさせる。
敏感になった体は擦られる度に腰が動いてしまう。
指を止めて、夏向は前の固い真珠を口に含んだ。
「ひぅっ……」
前と後ろから、与えられた刺激に目の前がちかちかして、頭が真っ白になりそうだった。
「やっ…ぁ」
怖くてぎゅっと夏向の体を押さえつけた。
それと同時にグッと前の真珠を舌が押しつぶし、脚がびくっと震えた。
「あああっ!」
簡単に達してしまい、あまりの恥ずかしさに涙をこぼした。
「まだがんばれるよね」
「もっ……無理っ」
何度も繰り返される快楽は気持ちいというよりは苦しかった。
「お願い、夏向っ…もうっ……」
「なに?」
服を着たままの夏向は顔を覗き込んできた。
言えない―――恥ずかしくて。
その心を読んだのか、指が中をかき回した。
「う……あ……んっ、んっ」
身悶えさせると、夏向は言った。
「ちゃんと言って?」
「……はっ……夏向が……い」
「聞こえない」
「夏向がほしい……」
ふっと夏向は嬉しそうに微笑み、幸せそうな顔をした。
服を脱ぎ、汗ばんだ体が触れた。
夏向は冷静な顔をしていたけど、全然、そうではなかったのだとわかった。
重ねた肌が心地いい。
「あ…夏向……」
夏向の肌に口づけを落とした。
「…っ…桜帆……」
熱く固いものがぐちっと水音をたてて中に入っていく。
濡れ切っていた中は容易くそれを受け入れて奥まで飲み込んだ。
「は、あっ……」
体が欲しかったものを得られた安堵で震えた。
「吸い付いてる」
「……んっ…そんなこと……言わないで……」
恥ずかしくてたまらない。
「桜帆の中、あったかい」
体を抱きしめて、夏向が笑う。
「何度抱いても、幸せだって思う」
「……夏…向」
さっきまでのもやもやした気持ちはもうなかった。
夏向が浮気?
そんなのできるわけがない―――
そっと指で夏向の頬をなでた。
「もっと俺に触って。桜帆」
「ん……」
汗ばんだ首筋や肩に口づけを落として、夏向の鎖骨の下に赤い痕をつけた。
私の痕を。
それを見て、夏向はまるで宝物のように痕をなぞり、笑った。
「いいね。もっと俺を欲しがって」
ぞくぞくするような笑みで私を見下し、深く抱きしめた。
ゆっくりと中を味わうように動かして、前後に揺さぶった。
「あっ…ああっ」
それを繰り返されると、たまらなくなる。
激しくして欲しい。
もっと―――
「そんなねだるような顔、俺にしか見せたらだめだからね」
夏向は顔を隠すように覆いかぶさると、激しく中を突き動かした。
「あっ、ああっ…あっ」
中の蜜がこぼれるほどに揺さぶられ、頭の中が何も考えられなくなってしまう。
もっと深く繋がりたいと思ったのか、体を折り曲げさせると、固く熱いものが腹の奥にぶつかった。
「ひっ…ああっ」
脳髄が焼かれるような刺激に身を捩らせると、中を締め付けてしまい、夏向が苦し気に呻いた。
「桜帆っ……」
こらえるように奥歯をかみしめて、夏向は汗を落とした。
そして、タガがはずれたように荒々しく鋭く中を突き動かした。
「あっ…あっ……」
受け止める体が苦しいのに与えられる刺激はさっきよりも感じてしまっている。
自分の体が熱く、悲鳴をあげるように背中を反らせた。
「っ…はっ」
それと同時に夏向が中に熱いものを放った。
「あ…あつい……」
くたりとシーツの上に体を虚脱させて、身を埋めた。
さすがの夏向も息をきらせて、私の体の上にのしかかっていた。
「それで、なにかあった?」
息をと整え、汗を手の甲でぬぐいながら、夏向は聞いていた、
夏向―――抱く前にそれは聞くことでしょう?
そう言いたかったのに意識が遠のいて言うことが出来なかった。
そして、白いシャツにはファンデと口紅がついている。
夏向は運転手さんが送迎してくれるから車だし、電車でぶつかってという可能性はない。
誰かわからないけど、女の子に抱きつかれたとしか、思えなかった。
「桜帆?」
洗濯機の前から動かなかった私を不審に思ってか、背後から夏向が声をかけた。
悪いことをしていたわけじゃないけど、驚いて思わず、ビクッと身を震わせてしまった。
「洗濯機の前で考え事?」
「う、ううん。ぼんやりしてただけ」
とっさに口から出たのは嘘だった。
聞けばよかった……と後悔したけど、もう遅い。
夏向が浮気なんかするわけない。
そもそも、夏向は慣れてない人に体を触られるのが嫌いだし。
それを知ってるのに私はモヤモヤした気持ちを消せなかった。
これはいきなり、飛び出してきた女性社員とぶつかっただけに決まっている。
でも……ぶつかっただけで、ポケットにピアスなんか入る?
「桜帆」
「……っ!」
伸ばされた手をとっさに払いのけてしまった。
私の拒絶に夏向は驚き、戸惑っていた。
「ご、ごめんね。夏向。いきなり、手を出すからびっくりして……」
なぜ、私が謝って言い訳しているんだろうと思っていると、夏向は近づくと無言で体を抱き抱えた。
「な、なに!?」
すたすたと歩き、ばんっと寝室のドアを乱暴に開けるとベッドに私の体をおろした。
まさか―――!
なにをされるか理解し、体を捩って逃げようとすると、両腕を掴まれてしまい、もう身動きがとれない。
「待って!夏向……!」
制止の声が聞こえているはずなのに夏向は唇を奪い、激しいキスをした。
拒絶すら許さない―――そんなキスを繰り返され、酸素が足りずに喘ぐように息をしていると、腕を高くあげ、体を押さえつけ、服を剥ぎ取り、あっという間に生まれたままの姿にされてしまった。
「やめて……!」
「どうして、俺を拒むの?」
「拒んでないっ」
首を横に振ったけれど、夏向は許してはくれなかった。
夏向は服を着たまま、まるで女王に仕える従者のように足の爪先から口づけると、指をゆっくりと肌の上を滑らせて、自分の指を教え込むように太ももから腹にかけて指が這い、脚をつかんで大きく広げさせた。
「や、やだ!」
「大丈夫。気持ちよくするだけだから。俺の事、欲しくなるまで」
なに、それっ。
性急に下腹部に顔を埋め、まだ濡れてもいない割れ目に舌の感触を感じた。
「うっ…くっ……」
恥ずかしくて涙がこぼれた。
まだ固い秘裂を舌がこじあけ、中へ侵入するとぬるりとした感触にびくりと体を震わせた。
ゆっくりと中を味わうかのように弧を描き、手が臀部を押した。
「あっ…んっ」
押されると中が狭まり、舌をより感じてしまう。
「だ、だめ。当たってる…からっ」
「どこに?」
意地悪な声で夏向は聞いてきた。
「ここ?」
「あっ、ああっ!ち、ちがっ、あっ」
固くなっている部分を舌で転がし、ぐっと舌がそこを押しつぶすと痛いほどの刺激に体が浮いた。
今まで触れたことのない部分は初めての感触に体と心が戸惑い、どうしていいかわからずに舌が何度もその部分を舐めあげては転がされるのをただ受け入れるしかなかった。
「ふっ……あ、あ…あっ」
すっかり濡れて指が入れられていることすら、気づかずに快楽に溺れ切っていた。
「な…んでっ……」
それなのに夏向は服を一切脱がず、ぐちゅぐちゅと水音をさせて零れる蜜を舐めとっていた。
「き、汚いから、やめてっ…あっ…んっ」
「まだ言えない?」
「…な、なにを」
くぷっと指が深くまで突き立てられ、大きく体を仰け反らせた。
「ひっ―――あああっ!」
達したばかりなのに夏向は容赦なく、何度も指を前後に動かして、また新たな快感を呼び起こさせる。
敏感になった体は擦られる度に腰が動いてしまう。
指を止めて、夏向は前の固い真珠を口に含んだ。
「ひぅっ……」
前と後ろから、与えられた刺激に目の前がちかちかして、頭が真っ白になりそうだった。
「やっ…ぁ」
怖くてぎゅっと夏向の体を押さえつけた。
それと同時にグッと前の真珠を舌が押しつぶし、脚がびくっと震えた。
「あああっ!」
簡単に達してしまい、あまりの恥ずかしさに涙をこぼした。
「まだがんばれるよね」
「もっ……無理っ」
何度も繰り返される快楽は気持ちいというよりは苦しかった。
「お願い、夏向っ…もうっ……」
「なに?」
服を着たままの夏向は顔を覗き込んできた。
言えない―――恥ずかしくて。
その心を読んだのか、指が中をかき回した。
「う……あ……んっ、んっ」
身悶えさせると、夏向は言った。
「ちゃんと言って?」
「……はっ……夏向が……い」
「聞こえない」
「夏向がほしい……」
ふっと夏向は嬉しそうに微笑み、幸せそうな顔をした。
服を脱ぎ、汗ばんだ体が触れた。
夏向は冷静な顔をしていたけど、全然、そうではなかったのだとわかった。
重ねた肌が心地いい。
「あ…夏向……」
夏向の肌に口づけを落とした。
「…っ…桜帆……」
熱く固いものがぐちっと水音をたてて中に入っていく。
濡れ切っていた中は容易くそれを受け入れて奥まで飲み込んだ。
「は、あっ……」
体が欲しかったものを得られた安堵で震えた。
「吸い付いてる」
「……んっ…そんなこと……言わないで……」
恥ずかしくてたまらない。
「桜帆の中、あったかい」
体を抱きしめて、夏向が笑う。
「何度抱いても、幸せだって思う」
「……夏…向」
さっきまでのもやもやした気持ちはもうなかった。
夏向が浮気?
そんなのできるわけがない―――
そっと指で夏向の頬をなでた。
「もっと俺に触って。桜帆」
「ん……」
汗ばんだ首筋や肩に口づけを落として、夏向の鎖骨の下に赤い痕をつけた。
私の痕を。
それを見て、夏向はまるで宝物のように痕をなぞり、笑った。
「いいね。もっと俺を欲しがって」
ぞくぞくするような笑みで私を見下し、深く抱きしめた。
ゆっくりと中を味わうように動かして、前後に揺さぶった。
「あっ…ああっ」
それを繰り返されると、たまらなくなる。
激しくして欲しい。
もっと―――
「そんなねだるような顔、俺にしか見せたらだめだからね」
夏向は顔を隠すように覆いかぶさると、激しく中を突き動かした。
「あっ、ああっ…あっ」
中の蜜がこぼれるほどに揺さぶられ、頭の中が何も考えられなくなってしまう。
もっと深く繋がりたいと思ったのか、体を折り曲げさせると、固く熱いものが腹の奥にぶつかった。
「ひっ…ああっ」
脳髄が焼かれるような刺激に身を捩らせると、中を締め付けてしまい、夏向が苦し気に呻いた。
「桜帆っ……」
こらえるように奥歯をかみしめて、夏向は汗を落とした。
そして、タガがはずれたように荒々しく鋭く中を突き動かした。
「あっ…あっ……」
受け止める体が苦しいのに与えられる刺激はさっきよりも感じてしまっている。
自分の体が熱く、悲鳴をあげるように背中を反らせた。
「っ…はっ」
それと同時に夏向が中に熱いものを放った。
「あ…あつい……」
くたりとシーツの上に体を虚脱させて、身を埋めた。
さすがの夏向も息をきらせて、私の体の上にのしかかっていた。
「それで、なにかあった?」
息をと整え、汗を手の甲でぬぐいながら、夏向は聞いていた、
夏向―――抱く前にそれは聞くことでしょう?
そう言いたかったのに意識が遠のいて言うことが出来なかった。
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