2 / 54
第1章
2 形だけの妻になりましょう
しおりを挟む
「興味のない妻を束縛する気はない。【契約】の範囲内で、好きにすればいい」
私を縛る【契約】の力。
すでに私の自由は制限されている。
イーザック様はそれで私の行動を管理できると、安心しているようだ。
「そうですか。好きにしていいと聞いて安心しました」
「ずいぶんと物分かりがいいな」
「私は物分かりがいいのではありません。諦めているだけですわ」
――諦めるしかないと、私に思わせたのは、あなたです。
いつも私の未来は決定済み――生まれた時から決められていた。
心臓がある左胸に手を置き、静かな口調で、イーザック様と話す。
私とイーザック様が、まともに会話をするのは、これが初めてのことだ。
「イーザック様。やっとお話できましたね。私の存在すら、忘れているのではと思っていました」
私が話し出すと、イーザック様は顔を背けた。
私の顔を見たくないし、声も聞きたくないというように、拒絶した態度をとる。
――私との結婚は、屈辱以外のなにものでもなかった?
私の国、ドーヴハルク王国はこの国より小さな国だ。
国の成り立ちは、血なまぐさいもので、グランツエルデ王国の領土を奪い、国として独立した。
グランツエルデ王国側からすれば、領土を略奪した子孫との結婚である。
領土ばかりか、王女を嫁がせて子供を作り、王家を乗っ取ろうとしているのではと疑われていてもおかしくない。
でも、私はただ――
「あなたとの結婚が政略結婚だとしても、私は幸せな家庭を築きたいと思っていました」
あなたと幸せになりたいと――会った時に、その気持ちを伝えようと決めていた。
ようやく話せた時には、彼は新しい妻を連れてきた。
私の言葉を聞いても、イーザック様の態度は冷たく、変わらなかった。
「何度も言わせるな。俺はお前に興味がない。だが俺たちは別れられない」
「……はい」
私たちの結婚は、国と国の【契約】によって縛られてた政略結婚。
そう――忌まわしい【契約】がある。
「レフィカ。お前が俺に媚びるのもわかる。俺はお前の命を握っているんだからな」
「媚びているわけではありません。今の言葉は私の素直な気持ちです」
「どうだか。なんとでも言える。国で教えられてきたのだろう? 俺を誘惑し、篭絡しろと」
「違います!」
「聞く気はない。今はドーヴハルク王国との同盟は維持したいと思っている。国境を接する他国を抑えるためにな」
夫も父も、私を政治の道具としか、見ていない。
ドーヴハルク王国とグランツエルデ王国の同盟を維持するための……
私とイーザック様が結婚する時に交わされた【契約】。
その【契約】は父によって、私の心臓に刻まれた。
今も思い出せる。
文字が刻まれる絶望感を――父が自分の血で書いた赤い文字が、黒く変色し、鎖のように私の体を包んだ。
見えないはずの自分の心臓に、鎖のようになった文字が絡みついたのがわかった。
ドーヴハルク王だけが使える【契約】の力は、王女の犠牲のもとに成り立つ。
定めた【契約】を破れば、死ぬ。
人質より悪い、王女の命は【契約】の担保として利用される物扱い。
普通の結婚ではない。
幸せな家庭を築き、穏やかに暮らせるなどと夢を見て、期待するのが間違っていたのだ。
イーザック様は最初から割りきった関係だったというのに、私一人が期待した。
――それだけの話。
気持ちを落ち着かせるため、深く息を吸い込み、左胸に手を当てる。
「俺は女同士の嫉妬や争いには疎いが、面倒は嫌いだ。メリアには近づくな」
メリアはイーザック様の言葉にくすっと笑った。
「レフィカ様、悪く思わないでくださいね? イーザック様はわたくしを心配してくださっているのです」
両手を胸の前に組み、メリアは目を潤ませた。
メリアの目は悲しげだったけれど、口もとの笑みは隠せない――隠すつもりはないようだ。
「わたくしはレフィカ様と仲良くしたいと思ってますの。……レフィカ様はどう思っていらっしゃるか、わかりませんけれど」
「安心しろ、メリア。危険な人間を近づけさせない」
――危険? 私が危険な人間?
気づけば、私は悪者にされていた。
「レフィカ、お前に別邸の使用を許可する」
「別邸……? それはつまり、別居するということですか?」
「そうだ。自由を望むお前には、願ってもない話だろう」
それはまるで、『寛大な夫に感謝しろ』という態度だった。
急な別居の提案に思えたけれど、イーザック様と大臣たちの間で決まっていたことなのか、居並ぶ大臣たちは涼しい顔をし、誰も驚いていなかった。
「生活に困らない程度の金は渡す。形だけの妻とはいえ王妃。みすぼらしい姿はさせられん」
イーザック様は淡々とした口調で告げた。
一応、体裁を保つ程度には、王妃として扱う気はあるらしい。
「さすがは陛下でございます! なんと寛大なお心!」
「レフィカ様にとっても別居されたほうがよろしいでしょう。陛下とメリア様が仲良く暮らすのを見るのはお辛いはず!」
「メリア様にはイーザック様とより親密になっていただき、早く世継ぎを産んでいただかねば!」
大臣たちは妻が誰であるかどうかより、早く世継ぎが欲しい。
現在、グランツエルデ王家の直系は二人。
イーザック様は二十三歳で、二つ上のお兄様は独身。
大臣たちはイーザック様に期待しているようだ。
「そんな! 王宮から追い出すなんて、レフィカ様がおかわいそうですわっ! 夫にも愛されず、頼れる人もいない国で、寂しい生活をされるなんて、わたくしなら耐えられないわ……!」
興奮したメリアが倒れるのではと心配したのか、黒髪の侍女が現れた。
黒髪の侍女はメリアに寄り添い、体を支えた。
「メリア様。大丈夫ですか?」
「ベルタ……」
「陛下がお決めになられたことですわ。メリア様は悪くありません」
ベルタと呼ばれた侍女はじろりと私を見て、声を発せず、口だけを動かした。
『蛮族のくせに』
口の動きだけでわかる短い蔑みの言葉。
北の民族ドーヴハルク人に、領土を奪われたグランツエルデ王国。
この国では、『蛮族』『野蛮人』などと言って、ドーヴハルク人をさげすむ人がいる。
大昔、ドーヴハルク人は騎馬戦術によって、グランツエルデ王国を圧倒し、北の広い海と大地を支配した。
いまだ両国は国と国の境が定まらず、たびたび小競り合いが起きている。
けれど、グランツエルデ王国は大国で、ドーヴハルク王国ばかりに戦力を割いていられない。
他の国とも国境を接しているグランツエルデ王国。
イーザック様が即位してから、他国と友好関係がうまくいっていないという事情がある。
だから、私との政略結婚を承諾し、ドーヴハルク王国と同盟を結んだ。
たとえ、心の中で『蛮族』と思っていようとも――ベルタの突き刺さるような視線が痛い。
「レフィカ様。ごめんなさい……。妻の地位を奪うつもりはなかったのに……どうしても、イーザック様を諦められなくて……」
メリアは私に謝罪し、涙をこぼした。
もちろん、演技である。
手でうまく口もとを隠しているけど、笑みが隠しきれてない。
イーザック様の妃になれて、喜びを我慢できないのだろう。
「いいえ、お気になさらないでください」
私は泣き真似をしているメリアに、にっこり微笑んだ。
「え……? どうして、笑顔に……?」
――赤髪の女商人の言っていたことは本当だった!
結婚すれば、運命が変わると、彼女は言った。
――夫からの別居の提案は、願ってもないチャンス!
私の夢は自由になること。
「妻の仕事はどうなりますか?」
「妻の役目はメリアがやる」
王宮から出て、今よりずっと行動に制限がなくなるどころか、妻の仕事もしなくていい。
私の最終的な目的は、この左胸に刻まれた【契約】を無効にすること。
そのことに、イーザック様は気づいていない。
――イーザック様、あなたにお礼を言いますわ。
限られた自由であっても、私は生まれて初めて自由を得た。
「私、別居します!」
ありがとう、別居!
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
満面の笑みを浮かべ、別居宣言をしたのだった。
私を縛る【契約】の力。
すでに私の自由は制限されている。
イーザック様はそれで私の行動を管理できると、安心しているようだ。
「そうですか。好きにしていいと聞いて安心しました」
「ずいぶんと物分かりがいいな」
「私は物分かりがいいのではありません。諦めているだけですわ」
――諦めるしかないと、私に思わせたのは、あなたです。
いつも私の未来は決定済み――生まれた時から決められていた。
心臓がある左胸に手を置き、静かな口調で、イーザック様と話す。
私とイーザック様が、まともに会話をするのは、これが初めてのことだ。
「イーザック様。やっとお話できましたね。私の存在すら、忘れているのではと思っていました」
私が話し出すと、イーザック様は顔を背けた。
私の顔を見たくないし、声も聞きたくないというように、拒絶した態度をとる。
――私との結婚は、屈辱以外のなにものでもなかった?
私の国、ドーヴハルク王国はこの国より小さな国だ。
国の成り立ちは、血なまぐさいもので、グランツエルデ王国の領土を奪い、国として独立した。
グランツエルデ王国側からすれば、領土を略奪した子孫との結婚である。
領土ばかりか、王女を嫁がせて子供を作り、王家を乗っ取ろうとしているのではと疑われていてもおかしくない。
でも、私はただ――
「あなたとの結婚が政略結婚だとしても、私は幸せな家庭を築きたいと思っていました」
あなたと幸せになりたいと――会った時に、その気持ちを伝えようと決めていた。
ようやく話せた時には、彼は新しい妻を連れてきた。
私の言葉を聞いても、イーザック様の態度は冷たく、変わらなかった。
「何度も言わせるな。俺はお前に興味がない。だが俺たちは別れられない」
「……はい」
私たちの結婚は、国と国の【契約】によって縛られてた政略結婚。
そう――忌まわしい【契約】がある。
「レフィカ。お前が俺に媚びるのもわかる。俺はお前の命を握っているんだからな」
「媚びているわけではありません。今の言葉は私の素直な気持ちです」
「どうだか。なんとでも言える。国で教えられてきたのだろう? 俺を誘惑し、篭絡しろと」
「違います!」
「聞く気はない。今はドーヴハルク王国との同盟は維持したいと思っている。国境を接する他国を抑えるためにな」
夫も父も、私を政治の道具としか、見ていない。
ドーヴハルク王国とグランツエルデ王国の同盟を維持するための……
私とイーザック様が結婚する時に交わされた【契約】。
その【契約】は父によって、私の心臓に刻まれた。
今も思い出せる。
文字が刻まれる絶望感を――父が自分の血で書いた赤い文字が、黒く変色し、鎖のように私の体を包んだ。
見えないはずの自分の心臓に、鎖のようになった文字が絡みついたのがわかった。
ドーヴハルク王だけが使える【契約】の力は、王女の犠牲のもとに成り立つ。
定めた【契約】を破れば、死ぬ。
人質より悪い、王女の命は【契約】の担保として利用される物扱い。
普通の結婚ではない。
幸せな家庭を築き、穏やかに暮らせるなどと夢を見て、期待するのが間違っていたのだ。
イーザック様は最初から割りきった関係だったというのに、私一人が期待した。
――それだけの話。
気持ちを落ち着かせるため、深く息を吸い込み、左胸に手を当てる。
「俺は女同士の嫉妬や争いには疎いが、面倒は嫌いだ。メリアには近づくな」
メリアはイーザック様の言葉にくすっと笑った。
「レフィカ様、悪く思わないでくださいね? イーザック様はわたくしを心配してくださっているのです」
両手を胸の前に組み、メリアは目を潤ませた。
メリアの目は悲しげだったけれど、口もとの笑みは隠せない――隠すつもりはないようだ。
「わたくしはレフィカ様と仲良くしたいと思ってますの。……レフィカ様はどう思っていらっしゃるか、わかりませんけれど」
「安心しろ、メリア。危険な人間を近づけさせない」
――危険? 私が危険な人間?
気づけば、私は悪者にされていた。
「レフィカ、お前に別邸の使用を許可する」
「別邸……? それはつまり、別居するということですか?」
「そうだ。自由を望むお前には、願ってもない話だろう」
それはまるで、『寛大な夫に感謝しろ』という態度だった。
急な別居の提案に思えたけれど、イーザック様と大臣たちの間で決まっていたことなのか、居並ぶ大臣たちは涼しい顔をし、誰も驚いていなかった。
「生活に困らない程度の金は渡す。形だけの妻とはいえ王妃。みすぼらしい姿はさせられん」
イーザック様は淡々とした口調で告げた。
一応、体裁を保つ程度には、王妃として扱う気はあるらしい。
「さすがは陛下でございます! なんと寛大なお心!」
「レフィカ様にとっても別居されたほうがよろしいでしょう。陛下とメリア様が仲良く暮らすのを見るのはお辛いはず!」
「メリア様にはイーザック様とより親密になっていただき、早く世継ぎを産んでいただかねば!」
大臣たちは妻が誰であるかどうかより、早く世継ぎが欲しい。
現在、グランツエルデ王家の直系は二人。
イーザック様は二十三歳で、二つ上のお兄様は独身。
大臣たちはイーザック様に期待しているようだ。
「そんな! 王宮から追い出すなんて、レフィカ様がおかわいそうですわっ! 夫にも愛されず、頼れる人もいない国で、寂しい生活をされるなんて、わたくしなら耐えられないわ……!」
興奮したメリアが倒れるのではと心配したのか、黒髪の侍女が現れた。
黒髪の侍女はメリアに寄り添い、体を支えた。
「メリア様。大丈夫ですか?」
「ベルタ……」
「陛下がお決めになられたことですわ。メリア様は悪くありません」
ベルタと呼ばれた侍女はじろりと私を見て、声を発せず、口だけを動かした。
『蛮族のくせに』
口の動きだけでわかる短い蔑みの言葉。
北の民族ドーヴハルク人に、領土を奪われたグランツエルデ王国。
この国では、『蛮族』『野蛮人』などと言って、ドーヴハルク人をさげすむ人がいる。
大昔、ドーヴハルク人は騎馬戦術によって、グランツエルデ王国を圧倒し、北の広い海と大地を支配した。
いまだ両国は国と国の境が定まらず、たびたび小競り合いが起きている。
けれど、グランツエルデ王国は大国で、ドーヴハルク王国ばかりに戦力を割いていられない。
他の国とも国境を接しているグランツエルデ王国。
イーザック様が即位してから、他国と友好関係がうまくいっていないという事情がある。
だから、私との政略結婚を承諾し、ドーヴハルク王国と同盟を結んだ。
たとえ、心の中で『蛮族』と思っていようとも――ベルタの突き刺さるような視線が痛い。
「レフィカ様。ごめんなさい……。妻の地位を奪うつもりはなかったのに……どうしても、イーザック様を諦められなくて……」
メリアは私に謝罪し、涙をこぼした。
もちろん、演技である。
手でうまく口もとを隠しているけど、笑みが隠しきれてない。
イーザック様の妃になれて、喜びを我慢できないのだろう。
「いいえ、お気になさらないでください」
私は泣き真似をしているメリアに、にっこり微笑んだ。
「え……? どうして、笑顔に……?」
――赤髪の女商人の言っていたことは本当だった!
結婚すれば、運命が変わると、彼女は言った。
――夫からの別居の提案は、願ってもないチャンス!
私の夢は自由になること。
「妻の仕事はどうなりますか?」
「妻の役目はメリアがやる」
王宮から出て、今よりずっと行動に制限がなくなるどころか、妻の仕事もしなくていい。
私の最終的な目的は、この左胸に刻まれた【契約】を無効にすること。
そのことに、イーザック様は気づいていない。
――イーザック様、あなたにお礼を言いますわ。
限られた自由であっても、私は生まれて初めて自由を得た。
「私、別居します!」
ありがとう、別居!
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
満面の笑みを浮かべ、別居宣言をしたのだった。
2,278
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
砕けた愛
篠月珪霞
恋愛
新婚初夜に男に襲われた公爵令嬢エヴリーヌは、不義密通の罪を被せられた。反逆罪に問われた彼女の一族は処刑されるが、気付くと時間が巻き戻っていた。
あなたへの愛? そんなものとうに、砕け散ってしまいました。
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
白い結婚を終えて自由に生きてまいります
なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。
忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。
「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」
「白い結婚ですか?」
「実は俺には……他に愛する女性がいる」
それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。
私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた
――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。
ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。
「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」
アロルド、貴方は何を言い出すの?
なにを言っているか、分かっているの?
「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」
私の答えは決まっていた。
受け入れられるはずがない。
自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。
◇◇◇
設定はゆるめです。
とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
【完結】王妃はもうここにいられません
なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」
長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。
だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。
私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。
だからずっと、支えてきたのだ。
貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……
もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。
「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。
胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。
周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。
自らの前世と、感覚を。
「うそでしょ…………」
取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。
ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。
「むしろ、廃妃にしてください!」
長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………
◇◇◇
強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる