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第65回『睡眠学習 草食系男子 ハロウィン』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第65回『睡眠学習 草食系男子 ハロウィン』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間10分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=jGCMwr1vJGw
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
今日はハロウィン。
渋谷の通りはハロウィンの仮装をしている人であふれかえっていた。
おばけの格好をする人、アニメやゲームの格好をする人、なんだかわからないネタに走った格好をする人、警察官の格好をする人、おっとこれは本物。
普段はできないことなので、みんな思い思いの姿で表を出歩くことを楽しんでいた。
私こと徳島志奈子も魔女の格好をしてハロウィンに参加していた。
隣りにいる女吸血鬼は私の友達の臼井里美だ。
今日のことも彼女が誘ってくれたのだ。
参加したからといって特にやることはなく、私たちは歩いていっておいしそうなお店を見つけてはそこでスイーツやジュースを買っていた。
要するに仮装をしながらの食べ歩きなのだが、これでもじゅうぶん非日常の世界に入り込んだ気分になれて私は大学のレポートのこともバイトのストレスもすっかり忘れられていた。
「里美、ハロウィンって楽しいね。」
「でしょ。参加してよかったでしょ。」
今までは仮装することに恥ずかしさを感じ、ネットで見るハロウィンの様子をどこか遠い世界の出来事のように見ていたが、私はそれが食わず嫌いであったことをもったいなく思った。
普段はシャイな私でもこれだけ楽しめるのだから、一年に一回くらい思い切りハメを外さなきゃ損だなと思った。
「タピオカください。」
私は通りに出店していたワッフル屋さんでタピオカワッフルを買った。
いつもの私ならきっとカスタードやチョコクリーム入りを選んでいたのだろうが、今日の私はやはりちょっと違った。
ワッフルにかぶりつきサクサクの生地とプチプチのタピオカの食感を楽しんでいるとき、前方に男の人の集団が見えた。
仮装している人ばかりの渋谷で、ごく普通の格好をして歩いている彼らはとても目立った。
「里美、見て。あの人たちもどうせなら仮装をすればいいのにね。」
私は里美の肩を叩いて、彼女の注意を彼らに向けた。
「あはは、志奈子もすっかりハロウィンにはまっちゃったね……、ちょっと待って。」
里美は眉間にしわを寄せて目を細めた。
突然黙ってしまった里美に私はなにかまずいことを言ってしまったのだろうかと不安になった。
「整えた髪、チェーンのアクセ、ブランドもののファッション、そして何よりあの自信満々な笑顔……。間違いないわ。あれは肉食系男子の仮装をしているのよ。」
「えっ? 肉食系男子っ?」
私は思わず叫んでしまった。
なぜなら肉食系男子は男の人がまだまだ元気だった時代に存在していた人たちだからだ。
ネットで古い画像を見たことがあるが、確かにあのような格好をしていた気がする。
「なーんだ、あれもハロウィンだったのね。面白いこと考えるねー。」
私と里美は顔を見合わせて笑った。
笑い終わって再びワッフルに手を付けようとしたとき、いつの間にか背後に先ほどの男の人の中の3人がいることに気付いた。
里美とのおしゃべりに夢中になりすぎて通行の邪魔になっていたのかもしれないと思った私は会釈して道を譲ろうとした。
ところが男の人たちは突如私たちの肩をつかんだ。
「ねえねえ、今暇? 俺たちとお茶しない?」
突然のお茶の誘いに私たちは気が動転し、思考が追い付かなかった。
ひょっとして私たちを知り合いと勘違いしているのだろうか?
だが挨拶もしなければ名前も呼ばないこのやり取りは、決してそういう雰囲気ではなかった。
「それ、ハロウィンの仮装でしょ? すげえかわいいじゃん。」
今度は私たちを誉め始めた。
肉食系男子の仮装をしているだけで行動ま肉食系男子のようなことができるものなのだろうか──。
ゴシャッ。
私の肩をつかんでいた男性が倒れたのに続き、里美の周りにいた二人も鈍い音とともに倒れた。
振り返るとそこには鉄パイプを持った、華奢ではあるものの清潔感のある男の人がいた。
「草食系男子!」
里美は叫んだ。
え? 里美の知り合い?
「そうさ、ご覧の通り僕は草食系男子さ。二人とも、早くこの場から逃げよう!」
知り合いじゃないんかーい!
男の人は私たちの手を引いて走り出した。
「あの、これはどういうことなんですか?」
里美は聞いた。
「あれは肉食系男子さ。だから君たちをナンパしてきた。」
「あの、でも肉食系男子って絶滅したんじゃ。」
「もちろん。でも肉食系男子のYoutubeは残ってるだろ? 彼らは肉食系男子の動画を夜な夜な見ているうちに寝オチしてしまった連中の末路さ。」
「あ! 睡眠学習!」
「ご名答。」
路地裏にたどり着いたころには、私と里美はすっかり息が上がっていた。
手にしていたワッフルはいつのまにか落としていた。
「君たちはここでおとなしくしているんだ。俺は奴らを倒しに行く。」
「倒しに行くって、私たちを守ってくれないんですか?」
里美は懇願するように呼びかけた。
「ふふ、俺は草食系男子。女子と一晩過ごすのは苦手さ。」
草食系男子さんが振り向いて見せてくれた笑顔は渋谷のネオンに照らされてきれいだった。
~・~・~・~・~
~感想~
話はわりとすぐ思い浮かんだのですが、話が長くなってしまって時間がかかってしまいました。
肉食系男子になる睡眠学習は別の方法を考えていたのですが、主人公が肉食系男子のYoutubeと言っていたことを思い出して直前で変更しました。
もう少し草食系男子とやり取りをさせたかったのですが、やはり話が長くなっていたのでとっとと切り上げました。
あとソンビものとして描いたのですが、オチでそこら辺を説明する予定だったのですが、急遽変更したので伝わらない話になってしまいました。
いつも以上に行き当たりばったりです。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第65回『睡眠学習 草食系男子 ハロウィン』
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詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
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今日はハロウィン。
渋谷の通りはハロウィンの仮装をしている人であふれかえっていた。
おばけの格好をする人、アニメやゲームの格好をする人、なんだかわからないネタに走った格好をする人、警察官の格好をする人、おっとこれは本物。
普段はできないことなので、みんな思い思いの姿で表を出歩くことを楽しんでいた。
私こと徳島志奈子も魔女の格好をしてハロウィンに参加していた。
隣りにいる女吸血鬼は私の友達の臼井里美だ。
今日のことも彼女が誘ってくれたのだ。
参加したからといって特にやることはなく、私たちは歩いていっておいしそうなお店を見つけてはそこでスイーツやジュースを買っていた。
要するに仮装をしながらの食べ歩きなのだが、これでもじゅうぶん非日常の世界に入り込んだ気分になれて私は大学のレポートのこともバイトのストレスもすっかり忘れられていた。
「里美、ハロウィンって楽しいね。」
「でしょ。参加してよかったでしょ。」
今までは仮装することに恥ずかしさを感じ、ネットで見るハロウィンの様子をどこか遠い世界の出来事のように見ていたが、私はそれが食わず嫌いであったことをもったいなく思った。
普段はシャイな私でもこれだけ楽しめるのだから、一年に一回くらい思い切りハメを外さなきゃ損だなと思った。
「タピオカください。」
私は通りに出店していたワッフル屋さんでタピオカワッフルを買った。
いつもの私ならきっとカスタードやチョコクリーム入りを選んでいたのだろうが、今日の私はやはりちょっと違った。
ワッフルにかぶりつきサクサクの生地とプチプチのタピオカの食感を楽しんでいるとき、前方に男の人の集団が見えた。
仮装している人ばかりの渋谷で、ごく普通の格好をして歩いている彼らはとても目立った。
「里美、見て。あの人たちもどうせなら仮装をすればいいのにね。」
私は里美の肩を叩いて、彼女の注意を彼らに向けた。
「あはは、志奈子もすっかりハロウィンにはまっちゃったね……、ちょっと待って。」
里美は眉間にしわを寄せて目を細めた。
突然黙ってしまった里美に私はなにかまずいことを言ってしまったのだろうかと不安になった。
「整えた髪、チェーンのアクセ、ブランドもののファッション、そして何よりあの自信満々な笑顔……。間違いないわ。あれは肉食系男子の仮装をしているのよ。」
「えっ? 肉食系男子っ?」
私は思わず叫んでしまった。
なぜなら肉食系男子は男の人がまだまだ元気だった時代に存在していた人たちだからだ。
ネットで古い画像を見たことがあるが、確かにあのような格好をしていた気がする。
「なーんだ、あれもハロウィンだったのね。面白いこと考えるねー。」
私と里美は顔を見合わせて笑った。
笑い終わって再びワッフルに手を付けようとしたとき、いつの間にか背後に先ほどの男の人の中の3人がいることに気付いた。
里美とのおしゃべりに夢中になりすぎて通行の邪魔になっていたのかもしれないと思った私は会釈して道を譲ろうとした。
ところが男の人たちは突如私たちの肩をつかんだ。
「ねえねえ、今暇? 俺たちとお茶しない?」
突然のお茶の誘いに私たちは気が動転し、思考が追い付かなかった。
ひょっとして私たちを知り合いと勘違いしているのだろうか?
だが挨拶もしなければ名前も呼ばないこのやり取りは、決してそういう雰囲気ではなかった。
「それ、ハロウィンの仮装でしょ? すげえかわいいじゃん。」
今度は私たちを誉め始めた。
肉食系男子の仮装をしているだけで行動ま肉食系男子のようなことができるものなのだろうか──。
ゴシャッ。
私の肩をつかんでいた男性が倒れたのに続き、里美の周りにいた二人も鈍い音とともに倒れた。
振り返るとそこには鉄パイプを持った、華奢ではあるものの清潔感のある男の人がいた。
「草食系男子!」
里美は叫んだ。
え? 里美の知り合い?
「そうさ、ご覧の通り僕は草食系男子さ。二人とも、早くこの場から逃げよう!」
知り合いじゃないんかーい!
男の人は私たちの手を引いて走り出した。
「あの、これはどういうことなんですか?」
里美は聞いた。
「あれは肉食系男子さ。だから君たちをナンパしてきた。」
「あの、でも肉食系男子って絶滅したんじゃ。」
「もちろん。でも肉食系男子のYoutubeは残ってるだろ? 彼らは肉食系男子の動画を夜な夜な見ているうちに寝オチしてしまった連中の末路さ。」
「あ! 睡眠学習!」
「ご名答。」
路地裏にたどり着いたころには、私と里美はすっかり息が上がっていた。
手にしていたワッフルはいつのまにか落としていた。
「君たちはここでおとなしくしているんだ。俺は奴らを倒しに行く。」
「倒しに行くって、私たちを守ってくれないんですか?」
里美は懇願するように呼びかけた。
「ふふ、俺は草食系男子。女子と一晩過ごすのは苦手さ。」
草食系男子さんが振り向いて見せてくれた笑顔は渋谷のネオンに照らされてきれいだった。
~・~・~・~・~
~感想~
話はわりとすぐ思い浮かんだのですが、話が長くなってしまって時間がかかってしまいました。
肉食系男子になる睡眠学習は別の方法を考えていたのですが、主人公が肉食系男子のYoutubeと言っていたことを思い出して直前で変更しました。
もう少し草食系男子とやり取りをさせたかったのですが、やはり話が長くなっていたのでとっとと切り上げました。
あとソンビものとして描いたのですが、オチでそこら辺を説明する予定だったのですが、急遽変更したので伝わらない話になってしまいました。
いつも以上に行き当たりばったりです。
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