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第130回『リモコン トラクター 馴れ馴れしい』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第130回『リモコン トラクター 馴れ馴れしい』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約56分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=awIUQdTCFJQ
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
ピコーン! ピコーン! ピコーン!
宇宙船に搭載された監視システムが乗組員たちに警報を告げた。
「エネルギーパネルに隕石が接近しています! 質量およそ100トン! 時速300キロ! 接触まで1時間!」
現在地球は外宇宙からエネルギーを調達するようになっていて、宇宙の各所に設置されたエネルギーパネルを経由して届けられ、人類の生活が保障されている。
そして僕らはエネルギーパネル監視員だ。
エネルギーパネルに異常がないか、ひいては付近の宇宙空間に怪しいものがないか調べ、あれば解決する言わば宇宙の警備員だ。
そしてこの宇宙船も監視員の一人と言っていいだろう。
敏感な探査能力で得た計測結果を、AIによる音声で僕らに教えてくれるからだ。
結局宇宙空間という暗く寒い場所で作業する人間は、少しでも人の声を聞きたいのだ。
たとえそれがモニターに表示されるのと変わらない数字であってもだ。
しゃべる機械は宇宙船だけではなかった。
船内のあらゆる機械が話しかけてくれて、僕らの孤独を癒してくれる。
モニターを付ければ、モニターが「何を見たいですか?」。
ポットからお湯を出せば、ポットが「寒いですか?」。
眠ろうとすれば、ベッドが「おやすみなさい」。
これをうるさいと思う人は、宇宙に出て長期の仕事に携わればそのありがたみがわかると思う。
さて、当面の問題は隕石だ。
このままでは隕石が衝突してエネルギーパネルが破壊されてしまう。
それを防ぐのが僕らの仕事だ。
僕らは所定の座席についた。
「ポイント287469522地点に、旋回します!」
アンソニーは舵を切った。
「エネルギー、20パーセント開放!」
ブラウンは推進力を上げた。
「周囲、異常なし!」
キャサリンはレーダーを確認した。
「発進します。」
宇宙船も答えた。
僕らの息はぴたりと合っていた。
これから僕らがやろうとしていることはエネルギーパネルよりも先に隕石に近づくことだ。
そして重力によって隕石をこちらへと引き寄せて、軌道を修正させて衝突を防ぐ。
つまりこの宇宙船は重力トラクターという役目も兼ねているのだ。
隕石にいつ、どれだけ近づけば衝突を防げるのかはコンピューターにより計算済みだ。
あとは所定の位置へと宇宙船を持っていくだけだ。
こんな作業は今まで何度もやってきた。
もちろん油断は禁物だが、失敗もありえなかった。
僕らはコンピューターに負けないくらい完璧な仕事をして、宇宙船を飛ばした。
想定通りの時間に目的地に着いた。
船外に出した噴射装置をリモコンで操作して、位置の最終調整をした。
あとは隕石が宇宙船の重力に捕まるのを待つばかりだ。
緊張から開放された僕らはお茶を入れた。
「さあ、隕石はこのお茶会に出席してくれるかな?」
「ふふ、無理よ。時間内には来るけど通り過ぎるだけよ。宇宙船にもエネルギーパネルにも。」
「でも匂いにつられてちょっとだけこっちに寄ってきてくれるのがかわいいんだよな。」
僕らが楽しく談笑している間に、隕石が近づいた。
「隕石接近中。まもなく当船の重力圏内に入ります。」
コンピューターが状況を告げると、正面の窓から隕石が見えてきた。
あれが今回の目的の隕石だ。
なるほど、確かにあの軌道ではエネルギーパネルに衝突する。
警告をしたコンピューターはやはり正確だった。
「やあ、待ってたよ隕石くん! 君もこっちに来てお茶を飲まないか?」
僕らはカップを持ち上げて隕石を歓迎した。
「馴れ馴れしいな。ウザ!」
隕石はそう言って、宇宙船に近づくどころか離れていった。
結果的には隕石の軌道の修正に成功し、エネルギーパネルへの衝突は防ぐことが出来た。
だが僕らは思った。
「お前もしゃべるんかい。」
~・~・~・~・~
~感想~
トラクターで検索してみたら重力トラクターというのがあり初めて知ったので、これで話を作ってみることにしました。
そうすると、重力で引き寄せられるのと馴れ馴れしいが比喩として同じ意味なので、これをオチにすることにしました。
オチは最初から決まっていたので、前半にしつこいくらいに機械が話すというフリを入れました。
もちろん隕石の質量とか速度はテキトウです。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第130回『リモコン トラクター 馴れ馴れしい』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約56分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=awIUQdTCFJQ
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ピコーン! ピコーン! ピコーン!
宇宙船に搭載された監視システムが乗組員たちに警報を告げた。
「エネルギーパネルに隕石が接近しています! 質量およそ100トン! 時速300キロ! 接触まで1時間!」
現在地球は外宇宙からエネルギーを調達するようになっていて、宇宙の各所に設置されたエネルギーパネルを経由して届けられ、人類の生活が保障されている。
そして僕らはエネルギーパネル監視員だ。
エネルギーパネルに異常がないか、ひいては付近の宇宙空間に怪しいものがないか調べ、あれば解決する言わば宇宙の警備員だ。
そしてこの宇宙船も監視員の一人と言っていいだろう。
敏感な探査能力で得た計測結果を、AIによる音声で僕らに教えてくれるからだ。
結局宇宙空間という暗く寒い場所で作業する人間は、少しでも人の声を聞きたいのだ。
たとえそれがモニターに表示されるのと変わらない数字であってもだ。
しゃべる機械は宇宙船だけではなかった。
船内のあらゆる機械が話しかけてくれて、僕らの孤独を癒してくれる。
モニターを付ければ、モニターが「何を見たいですか?」。
ポットからお湯を出せば、ポットが「寒いですか?」。
眠ろうとすれば、ベッドが「おやすみなさい」。
これをうるさいと思う人は、宇宙に出て長期の仕事に携わればそのありがたみがわかると思う。
さて、当面の問題は隕石だ。
このままでは隕石が衝突してエネルギーパネルが破壊されてしまう。
それを防ぐのが僕らの仕事だ。
僕らは所定の座席についた。
「ポイント287469522地点に、旋回します!」
アンソニーは舵を切った。
「エネルギー、20パーセント開放!」
ブラウンは推進力を上げた。
「周囲、異常なし!」
キャサリンはレーダーを確認した。
「発進します。」
宇宙船も答えた。
僕らの息はぴたりと合っていた。
これから僕らがやろうとしていることはエネルギーパネルよりも先に隕石に近づくことだ。
そして重力によって隕石をこちらへと引き寄せて、軌道を修正させて衝突を防ぐ。
つまりこの宇宙船は重力トラクターという役目も兼ねているのだ。
隕石にいつ、どれだけ近づけば衝突を防げるのかはコンピューターにより計算済みだ。
あとは所定の位置へと宇宙船を持っていくだけだ。
こんな作業は今まで何度もやってきた。
もちろん油断は禁物だが、失敗もありえなかった。
僕らはコンピューターに負けないくらい完璧な仕事をして、宇宙船を飛ばした。
想定通りの時間に目的地に着いた。
船外に出した噴射装置をリモコンで操作して、位置の最終調整をした。
あとは隕石が宇宙船の重力に捕まるのを待つばかりだ。
緊張から開放された僕らはお茶を入れた。
「さあ、隕石はこのお茶会に出席してくれるかな?」
「ふふ、無理よ。時間内には来るけど通り過ぎるだけよ。宇宙船にもエネルギーパネルにも。」
「でも匂いにつられてちょっとだけこっちに寄ってきてくれるのがかわいいんだよな。」
僕らが楽しく談笑している間に、隕石が近づいた。
「隕石接近中。まもなく当船の重力圏内に入ります。」
コンピューターが状況を告げると、正面の窓から隕石が見えてきた。
あれが今回の目的の隕石だ。
なるほど、確かにあの軌道ではエネルギーパネルに衝突する。
警告をしたコンピューターはやはり正確だった。
「やあ、待ってたよ隕石くん! 君もこっちに来てお茶を飲まないか?」
僕らはカップを持ち上げて隕石を歓迎した。
「馴れ馴れしいな。ウザ!」
隕石はそう言って、宇宙船に近づくどころか離れていった。
結果的には隕石の軌道の修正に成功し、エネルギーパネルへの衝突は防ぐことが出来た。
だが僕らは思った。
「お前もしゃべるんかい。」
~・~・~・~・~
~感想~
トラクターで検索してみたら重力トラクターというのがあり初めて知ったので、これで話を作ってみることにしました。
そうすると、重力で引き寄せられるのと馴れ馴れしいが比喩として同じ意味なので、これをオチにすることにしました。
オチは最初から決まっていたので、前半にしつこいくらいに機械が話すというフリを入れました。
もちろん隕石の質量とか速度はテキトウです。
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