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第168回『チョウチンアンコウ スプレー 四方八方』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第168回『チョウチンアンコウ スプレー 四方八方』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約59分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=nSernH-NhEw
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
私は3連休を利用して、とある海沿いの町へと旅行しに来ていた。
30代独身女の一人旅だ。
会社の人からは寂しくないのかと笑われたりもするが、一人の方が気楽でずっといい。
どこに行くのも自由で、飽きたら途中で引き返すのも自分次第だ。
誰に気兼ねする必要もない。
いつしか一人旅は私の趣味になっていた。
有名な観光地でもない町はとても静かなので、とてもリラックスできた。
ただ普通に歩くだけで、日々のストレスが雲散霧消されていくようだ。
これこそが旅行の醍醐味だ。
そして、もう一つの醍醐味が食事だ。
ここは海沿いの町。
新鮮な魚介類が食べられるに違いない。
旅行のときの私のこだわりは、おいしかったりテレビで紹介された店に行くよりも、なるべく地元の人が利用しているお店を選ぶことだ。
経験上、そういうお店の方がてらいのない本当の味を楽しむことができるからだ。
それは決して写真映えするようなものではなく、こんなことができてしまうのも一人旅の強みだった。
時計が正午を回り始めると、港にほど近い一角を歩いた。
今日の昼食探しだ。
予想通り、私好みの小さな食べ物屋さんがそこかしこにあった。
漁師さんが開いている魚料理を中心にした店、港で働いている人たちをターゲットにしたがっつりと食べられるお店など、どれもが私のお腹を誘惑した。
だが味など外見で判断できるものではなく、ここにあるお店はどれもネットにレビューが載っているものではない。
私は雰囲気が一番ビビッと来たお店の戸を開けた。
「いらっしゃい。」
店は老夫婦二人で営んでいるようだった。
私はこういうお店が大好きだったので、内心とても喜んだ。
「ここって長いんですか?」
「26の時に開いたから、もう50年近くになるねえ。」
「昔から変わらない田舎料理だから若い子のお口に合うかしらねえ。」
大ビンゴだ。
「とんでもないです。私、そういうお店の方が大好きなんですっ。」
目を輝かせて言う私に、二人は静かに笑ってくれた。
お店の中は建物は古いが、掃除と気配りが隅々まで行き渡っていた。
壁にはマジックで書かれたメニューが貼られていた。
紙の貼られ方を見る限り、その日に仕入れたものによって代わる方式らしい。
つまり新鮮で、お眼鏡にかなったものばかりということだ。
四方八方、何から何まで私好みだった。
私は胸をときめかせながら壁に貼られた魚の名前や料理を見ていると、珍しい名前に目が留まった。
「チョウチンアンコウって、あのチョウチンアンコウですか?」
「そうですよ。珍しいでしょう。アンコウと言ったら普通はキアンコウですから。でもこの地方じゃ昔からチョウチンアンコウも食べられてきたんですよ。」
昔から、という言葉に私は弱かった。
「じゃあ、それでお願いします!」
注文を受けると、おじいさんはチョウチンアンコウを取り出して鮮やかにさばき始めた。
そして網に乗せて焼くと、ジュウジュウととてもいい音が私の耳を楽しませた。
しばらく待つとご飯とお味噌汁とともに、焼いたチョウチンアンコウをおばあさんが持ってきてくれた。
「昔の人も食べるものがないからチョウチンアンコウを食べていたというのもありますからねえ。他のアンコウやお魚に比べると、ちょっと人を選びますよ。」
「へー。どんな味がするんでしょうかねえ。」
私は手を合わせていただきますの動作をすると、おばあさんがアンコウはお醤油をかけてお召し上がりくださいと言って、お醤油のビンを私の前に持ってきてくれた。
しかしそのビンは口からお醤油が垂れてくるものではなく、スプレー状に放射するタイプのものだった。
「これだと塩分の摂り過ぎが防げますよ。」おばあさんが言った。
これは違う。
私はそう言いたかった。
~・~・~・~・~
~感想~
別のオチを考えていて、伏線のつもりで前半の文章を書いていましたが、オチを途中で変更してしまったので意味のない文章が続く物になってしまいました。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第168回『チョウチンアンコウ スプレー 四方八方』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約59分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=nSernH-NhEw
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
私は3連休を利用して、とある海沿いの町へと旅行しに来ていた。
30代独身女の一人旅だ。
会社の人からは寂しくないのかと笑われたりもするが、一人の方が気楽でずっといい。
どこに行くのも自由で、飽きたら途中で引き返すのも自分次第だ。
誰に気兼ねする必要もない。
いつしか一人旅は私の趣味になっていた。
有名な観光地でもない町はとても静かなので、とてもリラックスできた。
ただ普通に歩くだけで、日々のストレスが雲散霧消されていくようだ。
これこそが旅行の醍醐味だ。
そして、もう一つの醍醐味が食事だ。
ここは海沿いの町。
新鮮な魚介類が食べられるに違いない。
旅行のときの私のこだわりは、おいしかったりテレビで紹介された店に行くよりも、なるべく地元の人が利用しているお店を選ぶことだ。
経験上、そういうお店の方がてらいのない本当の味を楽しむことができるからだ。
それは決して写真映えするようなものではなく、こんなことができてしまうのも一人旅の強みだった。
時計が正午を回り始めると、港にほど近い一角を歩いた。
今日の昼食探しだ。
予想通り、私好みの小さな食べ物屋さんがそこかしこにあった。
漁師さんが開いている魚料理を中心にした店、港で働いている人たちをターゲットにしたがっつりと食べられるお店など、どれもが私のお腹を誘惑した。
だが味など外見で判断できるものではなく、ここにあるお店はどれもネットにレビューが載っているものではない。
私は雰囲気が一番ビビッと来たお店の戸を開けた。
「いらっしゃい。」
店は老夫婦二人で営んでいるようだった。
私はこういうお店が大好きだったので、内心とても喜んだ。
「ここって長いんですか?」
「26の時に開いたから、もう50年近くになるねえ。」
「昔から変わらない田舎料理だから若い子のお口に合うかしらねえ。」
大ビンゴだ。
「とんでもないです。私、そういうお店の方が大好きなんですっ。」
目を輝かせて言う私に、二人は静かに笑ってくれた。
お店の中は建物は古いが、掃除と気配りが隅々まで行き渡っていた。
壁にはマジックで書かれたメニューが貼られていた。
紙の貼られ方を見る限り、その日に仕入れたものによって代わる方式らしい。
つまり新鮮で、お眼鏡にかなったものばかりということだ。
四方八方、何から何まで私好みだった。
私は胸をときめかせながら壁に貼られた魚の名前や料理を見ていると、珍しい名前に目が留まった。
「チョウチンアンコウって、あのチョウチンアンコウですか?」
「そうですよ。珍しいでしょう。アンコウと言ったら普通はキアンコウですから。でもこの地方じゃ昔からチョウチンアンコウも食べられてきたんですよ。」
昔から、という言葉に私は弱かった。
「じゃあ、それでお願いします!」
注文を受けると、おじいさんはチョウチンアンコウを取り出して鮮やかにさばき始めた。
そして網に乗せて焼くと、ジュウジュウととてもいい音が私の耳を楽しませた。
しばらく待つとご飯とお味噌汁とともに、焼いたチョウチンアンコウをおばあさんが持ってきてくれた。
「昔の人も食べるものがないからチョウチンアンコウを食べていたというのもありますからねえ。他のアンコウやお魚に比べると、ちょっと人を選びますよ。」
「へー。どんな味がするんでしょうかねえ。」
私は手を合わせていただきますの動作をすると、おばあさんがアンコウはお醤油をかけてお召し上がりくださいと言って、お醤油のビンを私の前に持ってきてくれた。
しかしそのビンは口からお醤油が垂れてくるものではなく、スプレー状に放射するタイプのものだった。
「これだと塩分の摂り過ぎが防げますよ。」おばあさんが言った。
これは違う。
私はそう言いたかった。
~・~・~・~・~
~感想~
別のオチを考えていて、伏線のつもりで前半の文章を書いていましたが、オチを途中で変更してしまったので意味のない文章が続く物になってしまいました。
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