婚約破棄されたら、王様の専属抱き枕に任命されました!

アイリス

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国王の視察

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でっぷりと太った校長が、ペコペコと頭を下げ、脂汗をかきながら国王ウィリスを案内してきた。
初めて身近に接する国王に対してどうすればいいのか分からないのだろう。

「こちらが学習室になります!魔石の力で温度、湿度ともに管理しておりまして、辞書や参考書は常設しております!」

「へえ、勉強するには環境のよさそうなところだね」

「お褒めに預かり光栄にございます!」


この学院にいる者の中で、一番ウィリスと近い関係にあるのはおそらくリリーだ。
しかしそれをここで自慢するのは間違っている。
リリーは友人達と一緒に教室の隅に控え、ウィリスの視察をじっと見つめていた。

肩に掛かる程度の金髪を後ろで一つにまとめているウィリスは、豪奢な上着に赤いマントを羽織っている。
簡素な夜着でいる時よりも一層、優雅で美しく見える。


友人たちと一緒にぼうっと見とれていたリリーだが、ウィリスが教室を出て行こうとした瞬間、彼とパチリと目が合った。
失礼にならないようにと慌てて目を伏せ、頭も下げる。

そしてウィリスが出て行くのを待っていたのだが、なんだか様子がおかしい。
周りに立っていた友人たちが息を呑み、小さな悲鳴さえ聞こえてきて、一体どうしたのかと顔を上げた途端、

「リリー、ここにいたのか」

麗しいウィリスの腕に囚われていた。

「ウィリス様?!」

「リリーにはいつも私の添い寝を頼んでいるんだ。私の大切な人だから、みな敬意を持って接するように」

周囲にいる友人達が、本格的に悲鳴に包まれた。
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