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深文end
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あれから学園全体の見直しがされた。
行き過ぎた生徒会役員への崇拝行動。
親衛隊の在り方。
風紀委員の取締り。
そして、生徒会役員へのリコール。
新しい校則が出来、学園全体が変わったこともあり、戸惑う生徒や教員もいたものの今では少し落ち着きを取り戻しつつある。
生徒会役員も一掃され、しかし生徒会の仕事は更に増え忙しい毎日を送っていた。
「…深文様、そろそろ休んでください」
朝からデスクに張り付いている会長が心配で、声をかける。
朝からやっているが書類は一向に減っているようには見えない。
これには現生徒会もうんざりしていた。
一掃された生徒会役員は身分や顔の良し悪しではなく学力の高いものから希望を取り役員についていた。
首席の深文様を筆頭に、次席の読書家眞藤辰彦君が副会長、眼鏡男子の柳川海君が会計、そして僕が書記を任されている。
今は各々休憩をしていて他の2人は生徒会室から出ていた。
生徒会室には僕と深文様だけ。
最近は忙しさ故に2人きりになることはあまりなく、話も事務的なことばかりだったから、それだけで嬉しい。
「深文様…」
声のトーンを低くして再度名前を呼ぶ。
「あー…わかったよ。少し休憩する」
深文様は降参だと張り付いていたデスクから顔を上げた。
日々の疲れのせいか、深文様は何処か窶(やつ)れてるように思える。
用意していた珈琲をデスクの空いたスペースに置いて、深文様がひと息つくのを見て安心した。
「…わりぃ…な」
小さい声、だった。
「生徒会のいざこざに巻き込む形になった…。」
生徒会のリコール。
新しくなった生徒会での忙しい毎日。
確かに体力的、精神的に辛いがそれは深文様も同じこと。
寧ろ負担続きで倒れてしまわないか心配で。
今も休まず無茶ばかりしていて…。
「本当は自主退学するって言ってたのに…引き留める形になったしな…」
あの時、辞めさせた人達に対して…せめてもの報いだと自主退学を望んでいた。
しかしそれは叶わなかった。
深文様の懸命の説得で。
…側にいてほしい。
好きな人にそんなことを言われ、決意は簡単に崩れ去った。
それに僕もやっと両想いになったのに深文様と離れるのは寂しいと思ったから。
でも一番の理由が
「…いいえ、深文様は無茶をする方なので僕が体調を見ていないと倒れてしまいますから」
一人で無理をするから。
頑張ることはいいことだけれど、深文様は自身の体調には無関心で以前のように倒れると懸念していた。
だから一番近くで、それを止める…体調管理面で役に立ちたいと自主退学を止めたのが一番の理由。
「あー…格好悪い所ばっかみせて悪い」
「…」
この人は…本当に何もわかっていない。
僕がこの人の全てが好きであると。
自信家だけど、そのための努力は惜しまない。
みんなの見ていない影で頑張る人。
だから何でも出来るように皆は思うけれど、それは深文様が努力した結果であること。
しかしそれは身近に見ていた人しかわからないから。
だから僕が…一番近くで深文様を見ていたい。
「いつでも、深文様は格好いいです。」
「…そーかよ」
「はい」
「お前には敵わないな。…ずっと俺の側にいてくれよ」
「はい…静雄さん。ずっと…側にいます」
「好きだ…夏」
お互い触れるようなキスをして笑った。
行き過ぎた生徒会役員への崇拝行動。
親衛隊の在り方。
風紀委員の取締り。
そして、生徒会役員へのリコール。
新しい校則が出来、学園全体が変わったこともあり、戸惑う生徒や教員もいたものの今では少し落ち着きを取り戻しつつある。
生徒会役員も一掃され、しかし生徒会の仕事は更に増え忙しい毎日を送っていた。
「…深文様、そろそろ休んでください」
朝からデスクに張り付いている会長が心配で、声をかける。
朝からやっているが書類は一向に減っているようには見えない。
これには現生徒会もうんざりしていた。
一掃された生徒会役員は身分や顔の良し悪しではなく学力の高いものから希望を取り役員についていた。
首席の深文様を筆頭に、次席の読書家眞藤辰彦君が副会長、眼鏡男子の柳川海君が会計、そして僕が書記を任されている。
今は各々休憩をしていて他の2人は生徒会室から出ていた。
生徒会室には僕と深文様だけ。
最近は忙しさ故に2人きりになることはあまりなく、話も事務的なことばかりだったから、それだけで嬉しい。
「深文様…」
声のトーンを低くして再度名前を呼ぶ。
「あー…わかったよ。少し休憩する」
深文様は降参だと張り付いていたデスクから顔を上げた。
日々の疲れのせいか、深文様は何処か窶(やつ)れてるように思える。
用意していた珈琲をデスクの空いたスペースに置いて、深文様がひと息つくのを見て安心した。
「…わりぃ…な」
小さい声、だった。
「生徒会のいざこざに巻き込む形になった…。」
生徒会のリコール。
新しくなった生徒会での忙しい毎日。
確かに体力的、精神的に辛いがそれは深文様も同じこと。
寧ろ負担続きで倒れてしまわないか心配で。
今も休まず無茶ばかりしていて…。
「本当は自主退学するって言ってたのに…引き留める形になったしな…」
あの時、辞めさせた人達に対して…せめてもの報いだと自主退学を望んでいた。
しかしそれは叶わなかった。
深文様の懸命の説得で。
…側にいてほしい。
好きな人にそんなことを言われ、決意は簡単に崩れ去った。
それに僕もやっと両想いになったのに深文様と離れるのは寂しいと思ったから。
でも一番の理由が
「…いいえ、深文様は無茶をする方なので僕が体調を見ていないと倒れてしまいますから」
一人で無理をするから。
頑張ることはいいことだけれど、深文様は自身の体調には無関心で以前のように倒れると懸念していた。
だから一番近くで、それを止める…体調管理面で役に立ちたいと自主退学を止めたのが一番の理由。
「あー…格好悪い所ばっかみせて悪い」
「…」
この人は…本当に何もわかっていない。
僕がこの人の全てが好きであると。
自信家だけど、そのための努力は惜しまない。
みんなの見ていない影で頑張る人。
だから何でも出来るように皆は思うけれど、それは深文様が努力した結果であること。
しかしそれは身近に見ていた人しかわからないから。
だから僕が…一番近くで深文様を見ていたい。
「いつでも、深文様は格好いいです。」
「…そーかよ」
「はい」
「お前には敵わないな。…ずっと俺の側にいてくれよ」
「はい…静雄さん。ずっと…側にいます」
「好きだ…夏」
お互い触れるようなキスをして笑った。
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