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4 聖魔術師の幻影編
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バルザード卿と新リテラの騎士たちとの手合わせを見ていたエンデバート卿が、突然、バサッと上着を脱いだ。
白に金糸で刺繍が入った典礼用の騎士服の下には、ピッタリとした白いシャツに薄い胸当。
「次は俺が出る」
エンデバート卿が言い放ち、次に手合わせをする準備をしていた騎士がさっと下がる。
控えていた騎士が、どこからか簡易兜と肘当を取り出し、エンデバート卿に渡した。
典礼用の騎士服の下にあらかじめ胸当をしていることといい、エンデバート卿用の簡易防具をすぐに出てくることといい、準備が良すぎる。
エンデバート卿が、訓練かもしくは対戦するかで剣を振るうのは、最初から予定されていた流れのようだ。
まさかとは思うけど、剣を振るう姿を見せて格好いいと思わせる魂胆ではないよねぇ?
普通のご令嬢には良い作戦かもしれないけど。こちらは騎士団所属の魔術師。騎士なんて毎日毎日飽きるほど見ている。
その上、私なんて後援が辺境騎士団なものだから、後援の騎士団に普通に放り込まれる。普通に混じって訓練して、普通に混じって討伐にも出掛ける。
そんな話をすると、ソニアにもリュリュ先輩にもユリンナ先輩にも、見事に引かれた。
うん。辺境の普通って、普通じゃないのかも。
まぁ、普通じゃない生活のおかげで、私は元気一杯に育つことが出来たわけだ。
そんな元気一杯の私に、たかだか剣を振るったり、ちょこっと手合わせしたりする姿を見せたくらいで、格好いいと思ってもらえると考えないでもらいたい。
私の頭の中身が向こうに伝わるわけもなく、エンデバート卿は準備を済ませて控えている騎士から木剣を受け取った。
ゆっくりとバルザード卿が待つ中央に歩いていく。
「バルシアス隊長!」
「いいとこ、見せてください!」
わっと歓声が上がった。
そういえば、新リテラ王国には女性騎士というものがなく、騎士は男性ばかり。周りからの歓声も野太い男性の声だ。
うん。この辺、グラディアとは雰囲気が違う。グラディアは女性騎士もいるので、こういった場でも必ず女性騎士がいっしょになって応援していたから。
男性の野太い声援に、手を挙げて応じるエンデバート卿。
対するバルザード卿は完全敵地での戦いのよう。ここは私が応援してあげないと!
「バルザード卿、頑張って!」
野太い声に負けじと、手を大きく振って声援を送る
「もちろんです、お嬢!」
バルザード卿も手を挙げて私の声援に応じてくれた。
「俺の後には隊長も控えてるんで!」
爆弾発言付きで。
「うん、バルザード卿で終わってくれると平和だね」
バルザード卿にさえ蹴散らされる新リテラの騎士たち。
相手がエンデバート卿だとしても、ここにグレイが参戦したら、血生臭いことになる。
「お嬢、分かってるなら、相手を煽るようなことはしないでくださいって」
バルザード卿は呆れた口調で私を窘める。
この手合わせの発端は私がポロッと口にした言葉なので、私も言い返せず。ぐっと口を閉じた。
「まぁ、いいです、お嬢がうちの騎士をそれだけ信じてくださってるってことですから!」
エンデバート卿を前にやる気満々のバルザード卿。
そのバルザード卿に、私の横から声が投げつけられた。
「バルザード、馴れ馴れしい」
グレイだ。少し機嫌が悪そうな声。
外周の散策やあちこちの見学、そしてここでの観戦、すべてにおいてグレイは私の右手を取ってピッタリと張り付いている。
その姿は、さながら番犬のよう。黒髪黒眼、要所要所を黒で統一した服装なので、見た目は黒い番犬だ。
グレイの持つ一本目の魔剣も黒い犬の姿に顕現するから、主と魔導具は似通うものなのかと思ってしまう。
その黒い番犬が恐ろしいことを口にした。
「次は俺だ」
「えっっっっ」
驚いて右隣を振り仰ぐと、エンデバート卿を睨み付ける鋭い眼差し。
私は息を飲む。
私の黒い番犬は殺る気満々だ。
いやいや、殺る気満々なんだから、もはや番犬ではない。闘犬だ。こうなったら誰にも止められない。
「バルザード、俺が行く」
眼差しだけでなく、声も鋭い。
叫び声でも大声でもないのに、空間を切り裂くような声は、よく通った。
エンデバート卿の準備が終わって、さぁやるぞ、というところでの交代宣言。
グレイが意図してやったのかは分からないけど、エンデバート卿の勢いを削ぐ絶妙なタイミングとなった。
エンデバート卿も、バルザード卿の勢いを中断させるようなタイミングでの交代宣言で、準備にも少し時間をかけていたわけなので、グレイの宣言に口を挟むことも出来ないようだ。
グレイの声掛けで、すぐさま、バルザード卿はこちらに走り寄ってくる。
「隊長」
バルザード卿もグレイが闘犬モードに入ったことが分かったようで、血の気のない顔をしていた。
今、私が出来ることは、闘犬をせめて猟犬にすることくらい。
「(グレイ。周りを探りたいから、長引かせて。殺らないようにね)」
ヒソヒソ声で囁きかけると、
「(ある程度、時間を稼いで、引き分けに見えるようにすればいいな)」
と冷静でまともな反応が返ってくる。
どうやら、それほど殺る気があった感じではなさそうで、私はホッと胸をなで下ろした。
ホッとした私とは逆に、さらに蒼白になるバルザード卿。
グレイは上着だけ脱ぎ捨てると、バルザード卿から木剣を受け取って、ゆっくりと中央に向かっていった。
「(お嬢、あれは時間をかけてゆっくり殺るつもりですよ)」
グレイが離れてから、バルザード卿が物騒なことをつぶやく。
「(隊長、お嬢に近づく野郎はすべて潰してきましたからね)」
「何それ?!」
思わず、普通に聞き返してしまった。
「(お嬢、声)」
私は慌てて口を塞ぐ。
大丈夫、誰にも聞かれてない。
周りはグレイとエンデバート卿の対決で盛り上がっていた。
「(いやいやいやいや、そんなことあるわけないでしょ。グレイ、私のことを妹くらいにしか思ってないから。だって……)」
と始まって。ここぞとばかりに、バルザード卿に向かって、グレイからいかに子ども扱いされているかを語る。あれもこれもと語る。
これじゃ、拗ねた子どものようだ。大人扱いしてもらいたいのに、してもらえない、半人前のよう。
ところが、バルザード卿は私の話など相手にもしなかった。
「(それ全部、昔の話ですよね。しかもお嬢に対しての。隊長、周りのヤツらに対しては、昔からバリバリ牽制してたって話ですぜ)」
そんな話は知らないし、聞いたこともない。私が不思議そうな顔をしていると、バルザード卿は真剣な顔で教えてくれた。
「(うちの騎士団に入ると、まず教わるのが、お嬢に近づき過ぎないこと、お嬢と仲良くし過ぎないことの二点。死の危険があるからと上官から厳重注意されました)」
「(最初に教わるのがそれ?!)」
「(魔獣と隊長、どっちが危険だと思ってるんですか)」
グレイだ。間違いなくグレイだ。
私の表情から理解が得られたと悟ったのか、バルザード卿の表情が和らぐ。
「(剣術大会のパーティーだって、隊長、お嬢をパートナーに出来て、もの凄くご機嫌だったんですよ)」
あのとき、バラの花束を捧げて、パートナーの申し込みをしてくれたっけ。てっきり、形だけのものかと思っていた。
「(そういえば、私、グレイから金章もらったんだよね)」
「(それ、好きな女性にあげるヤツなんですよ、お嬢)」
制服の胸ポケットのところに付けた金章を、バルザード卿に見せびらかすと、バルザード卿はしみじみとした口調となる。
「(隊長は奥手ですし、あまり器用でないかもしれませんが、お嬢のことはきちんと女性として見てますから。
これからも隊長を信じて、ついていってあげてください)」
なんだか、年寄り臭いことを言われてしまった。同い年なのに。
「(そうは言われてもね)」
急にそんなこと言われても、ちょっと戸惑いを感じてしまう。今は自分の役割に集中しよう。
そうこうしているうちに、始まりを告げる声が聞こえて、グレイとエンデバート卿の手合わせが始まった。
白に金糸で刺繍が入った典礼用の騎士服の下には、ピッタリとした白いシャツに薄い胸当。
「次は俺が出る」
エンデバート卿が言い放ち、次に手合わせをする準備をしていた騎士がさっと下がる。
控えていた騎士が、どこからか簡易兜と肘当を取り出し、エンデバート卿に渡した。
典礼用の騎士服の下にあらかじめ胸当をしていることといい、エンデバート卿用の簡易防具をすぐに出てくることといい、準備が良すぎる。
エンデバート卿が、訓練かもしくは対戦するかで剣を振るうのは、最初から予定されていた流れのようだ。
まさかとは思うけど、剣を振るう姿を見せて格好いいと思わせる魂胆ではないよねぇ?
普通のご令嬢には良い作戦かもしれないけど。こちらは騎士団所属の魔術師。騎士なんて毎日毎日飽きるほど見ている。
その上、私なんて後援が辺境騎士団なものだから、後援の騎士団に普通に放り込まれる。普通に混じって訓練して、普通に混じって討伐にも出掛ける。
そんな話をすると、ソニアにもリュリュ先輩にもユリンナ先輩にも、見事に引かれた。
うん。辺境の普通って、普通じゃないのかも。
まぁ、普通じゃない生活のおかげで、私は元気一杯に育つことが出来たわけだ。
そんな元気一杯の私に、たかだか剣を振るったり、ちょこっと手合わせしたりする姿を見せたくらいで、格好いいと思ってもらえると考えないでもらいたい。
私の頭の中身が向こうに伝わるわけもなく、エンデバート卿は準備を済ませて控えている騎士から木剣を受け取った。
ゆっくりとバルザード卿が待つ中央に歩いていく。
「バルシアス隊長!」
「いいとこ、見せてください!」
わっと歓声が上がった。
そういえば、新リテラ王国には女性騎士というものがなく、騎士は男性ばかり。周りからの歓声も野太い男性の声だ。
うん。この辺、グラディアとは雰囲気が違う。グラディアは女性騎士もいるので、こういった場でも必ず女性騎士がいっしょになって応援していたから。
男性の野太い声援に、手を挙げて応じるエンデバート卿。
対するバルザード卿は完全敵地での戦いのよう。ここは私が応援してあげないと!
「バルザード卿、頑張って!」
野太い声に負けじと、手を大きく振って声援を送る
「もちろんです、お嬢!」
バルザード卿も手を挙げて私の声援に応じてくれた。
「俺の後には隊長も控えてるんで!」
爆弾発言付きで。
「うん、バルザード卿で終わってくれると平和だね」
バルザード卿にさえ蹴散らされる新リテラの騎士たち。
相手がエンデバート卿だとしても、ここにグレイが参戦したら、血生臭いことになる。
「お嬢、分かってるなら、相手を煽るようなことはしないでくださいって」
バルザード卿は呆れた口調で私を窘める。
この手合わせの発端は私がポロッと口にした言葉なので、私も言い返せず。ぐっと口を閉じた。
「まぁ、いいです、お嬢がうちの騎士をそれだけ信じてくださってるってことですから!」
エンデバート卿を前にやる気満々のバルザード卿。
そのバルザード卿に、私の横から声が投げつけられた。
「バルザード、馴れ馴れしい」
グレイだ。少し機嫌が悪そうな声。
外周の散策やあちこちの見学、そしてここでの観戦、すべてにおいてグレイは私の右手を取ってピッタリと張り付いている。
その姿は、さながら番犬のよう。黒髪黒眼、要所要所を黒で統一した服装なので、見た目は黒い番犬だ。
グレイの持つ一本目の魔剣も黒い犬の姿に顕現するから、主と魔導具は似通うものなのかと思ってしまう。
その黒い番犬が恐ろしいことを口にした。
「次は俺だ」
「えっっっっ」
驚いて右隣を振り仰ぐと、エンデバート卿を睨み付ける鋭い眼差し。
私は息を飲む。
私の黒い番犬は殺る気満々だ。
いやいや、殺る気満々なんだから、もはや番犬ではない。闘犬だ。こうなったら誰にも止められない。
「バルザード、俺が行く」
眼差しだけでなく、声も鋭い。
叫び声でも大声でもないのに、空間を切り裂くような声は、よく通った。
エンデバート卿の準備が終わって、さぁやるぞ、というところでの交代宣言。
グレイが意図してやったのかは分からないけど、エンデバート卿の勢いを削ぐ絶妙なタイミングとなった。
エンデバート卿も、バルザード卿の勢いを中断させるようなタイミングでの交代宣言で、準備にも少し時間をかけていたわけなので、グレイの宣言に口を挟むことも出来ないようだ。
グレイの声掛けで、すぐさま、バルザード卿はこちらに走り寄ってくる。
「隊長」
バルザード卿もグレイが闘犬モードに入ったことが分かったようで、血の気のない顔をしていた。
今、私が出来ることは、闘犬をせめて猟犬にすることくらい。
「(グレイ。周りを探りたいから、長引かせて。殺らないようにね)」
ヒソヒソ声で囁きかけると、
「(ある程度、時間を稼いで、引き分けに見えるようにすればいいな)」
と冷静でまともな反応が返ってくる。
どうやら、それほど殺る気があった感じではなさそうで、私はホッと胸をなで下ろした。
ホッとした私とは逆に、さらに蒼白になるバルザード卿。
グレイは上着だけ脱ぎ捨てると、バルザード卿から木剣を受け取って、ゆっくりと中央に向かっていった。
「(お嬢、あれは時間をかけてゆっくり殺るつもりですよ)」
グレイが離れてから、バルザード卿が物騒なことをつぶやく。
「(隊長、お嬢に近づく野郎はすべて潰してきましたからね)」
「何それ?!」
思わず、普通に聞き返してしまった。
「(お嬢、声)」
私は慌てて口を塞ぐ。
大丈夫、誰にも聞かれてない。
周りはグレイとエンデバート卿の対決で盛り上がっていた。
「(いやいやいやいや、そんなことあるわけないでしょ。グレイ、私のことを妹くらいにしか思ってないから。だって……)」
と始まって。ここぞとばかりに、バルザード卿に向かって、グレイからいかに子ども扱いされているかを語る。あれもこれもと語る。
これじゃ、拗ねた子どものようだ。大人扱いしてもらいたいのに、してもらえない、半人前のよう。
ところが、バルザード卿は私の話など相手にもしなかった。
「(それ全部、昔の話ですよね。しかもお嬢に対しての。隊長、周りのヤツらに対しては、昔からバリバリ牽制してたって話ですぜ)」
そんな話は知らないし、聞いたこともない。私が不思議そうな顔をしていると、バルザード卿は真剣な顔で教えてくれた。
「(うちの騎士団に入ると、まず教わるのが、お嬢に近づき過ぎないこと、お嬢と仲良くし過ぎないことの二点。死の危険があるからと上官から厳重注意されました)」
「(最初に教わるのがそれ?!)」
「(魔獣と隊長、どっちが危険だと思ってるんですか)」
グレイだ。間違いなくグレイだ。
私の表情から理解が得られたと悟ったのか、バルザード卿の表情が和らぐ。
「(剣術大会のパーティーだって、隊長、お嬢をパートナーに出来て、もの凄くご機嫌だったんですよ)」
あのとき、バラの花束を捧げて、パートナーの申し込みをしてくれたっけ。てっきり、形だけのものかと思っていた。
「(そういえば、私、グレイから金章もらったんだよね)」
「(それ、好きな女性にあげるヤツなんですよ、お嬢)」
制服の胸ポケットのところに付けた金章を、バルザード卿に見せびらかすと、バルザード卿はしみじみとした口調となる。
「(隊長は奥手ですし、あまり器用でないかもしれませんが、お嬢のことはきちんと女性として見てますから。
これからも隊長を信じて、ついていってあげてください)」
なんだか、年寄り臭いことを言われてしまった。同い年なのに。
「(そうは言われてもね)」
急にそんなこと言われても、ちょっと戸惑いを感じてしまう。今は自分の役割に集中しよう。
そうこうしているうちに、始まりを告げる声が聞こえて、グレイとエンデバート卿の手合わせが始まった。
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