325 / 573
6 辺境伯領の噴出編
1-7
しおりを挟む
私が初めて北部辺境伯家に行ったのは、後援を受けるためにグレイと婚約したすぐ後。
すぐ後どころか、婚約の書類にサインをした翌日のことだった。
今から思えば、当時の私は『婚約』がどういうものなのか、あまりよく分かっていなかったんだと思う。
ちゃんと詳しく説明は受けたので、手続き上どうのこうのということは、しっかりと理解していたはずではある。
自分でも勉強したし、説明も丁寧だったので、この辺りの理解度には問題はなかった。
しかし、婚約したら具体的にどうなるとか、どう変わるとか、そういったことは想像がついてなかった。気持ちが追いつかなかったと言えばいいだろうか。
正式な婚約は五年後、私が十六歳になってから取り結ぶことになっていたので、十一歳の私は、先々どうなるかについては深刻に受け止めてなかったのだ。
とにかく。
平民になってしまっている十一歳の私が、名のある杖持ちの魔術師として害されることなく安心して生きていくには、心強い『後援』が必要で。
その『後援』に名乗りを上げてくれたのが、いつも私の手助けをしてくれたグレイだったから。
害されることなく安心して生きていく。
そのことで頭がいっぱいで、婚約についてはぽやぽやした考えしかなかった私は、婚約の書類が完成した翌日、ベイオス閣下の再訪を受けた。
婚約書類が受理された報告とともに、ベイオス閣下から告げられたのは、ニグラート辺境伯領への訪問について。
「エルシアちゃん、グレイといっしょにうちの領に遊びにおいで」
分かりました、と簡単に答えると、
「なら、善は急げだ。さぁさぁ、馬車に乗った乗った」
「え?!」
突然、襟首を猫のように掴まれて、ぽいっと馬車に押し込まれる私。
「今すぐですか?!」
馬車の中はふかふかのソファーのような乗り心地。私はそのふかふかに埋もれ、気持ちいいなぁと気が緩む。
いやいやこんなまったりとしていてはいけないと、はたと気がついて、すぐさま馬車の入り口を振り向いた。
そこには、にやにや顔のベイオス閣下がいて、今まさに馬車の扉を閉めようとしているところで。
「善は急げと言っただろう?」
言ってた、言ってたけど。いきなり?!
焦る私。だって、婚約した翌日に、いきなり北部辺境伯領に連れて行かれるとは、まったく思ってなかったし。
そんな私の耳に聞き覚えのある声。
「おっさんは言い出したら、後に引かないからな」
その声は、ふかふかに埋もれている私のすぐそばで聞こえた。
私は入り口の扉に向けていた目を、声がした反対側の方に向ける。すると、そこにはグレイが、どかっ、と楽な姿勢で座っていた。
ベイオス閣下、ついでにグレイまで馬車に乗せたんだ。
最初に『グレイといっしよに』と前置きされたのはこういうことか。
グレイは無言で、くいっと馬車の荷物置き場を指差す。グレイから、さらに後ろに目を向けると、いつの間にやら私の荷物が簡単にまとめられて乗せられていた。
はぁ。
ふかふかに埋もれたまま、私はため息をつく。いきなりな展開に頭が追いついていかない。落ち着け、私。落ち着いて状況把握だ。
ふぅ。
今度はため息ではなく深呼吸。気持ちを落ち着かせている私の背に、ベイオス閣下の穏やかな声がかけられた。
「おじさんは先に領地に戻ってるから、二人で仲良く帰ってくるんだよ~」
んんんんん?
「先にってどういうこと?!」
馬車の扉を振り向いたときは、すでにパタンと閉められた後。扉が閉まるや否や動き出す馬車。
馬車の窓の外には、にこやかな笑みを満面に浮かべて、ひらひらと手を振るベイオス閣下の姿。その隣には同じくひらひらと手を振る魔塔の先生やら孤児院の子どもたちやら。
遅かった。いろいろと遅かった。
すべて手を回された後だったんだ。
「えええええええ?!」
こうして、あまりのスピード展開に悲鳴を上げる私の心境を一切、気にかけることもなく、馬車はニグラート辺境伯領に向けて速やかに出発していった。
馬車を見送るベイオス閣下が、
「ほぼ、誘拐に近かったかな」
などと物騒な感想を口にしているとは、想像する心の余裕もないほどに。
「最初の最初は、普通に馬車で辺境に行ったんだよね」
誘拐されるように連れていかれた最初の時を思い出し、私は誰に聞かせるわけでもないのに、昔のことを口に出していた。
馬車を使う必要はなかったのに、実際、ベイオス閣下は自分だけさっさと先に辺境伯領に戻っていったのに。
どうしてあの時は、馬車に乗せられて何日もかけて、辺境伯領まで戻ったのか。
未だによく分からない。
「へ?! お嬢、まさか、馬車で北まで戻ったんですか?」
いつの間にか、バルザード卿が荷物をおいて戻ってきていた。私の独り言に敏感に反応する。
「そうなんだよね。まぁ、一番最初の時だけなんだけどね」
隣にいるグレイを見上げると、うむっと無言で頷いた。グレイもきっと思い出したのだろう、最初の最初を。
「数人だけなら、ここのタウンハウスにある転送の魔法陣を使って、移動できますよね?
なんでわざわざ何日もかけて、移動したんですかね。しかも、お嬢一人で馬車に乗って」
おや?
私一人で馬車に乗ってたわけじゃないけど?
だいたい、十一歳の子どもを一人で馬車に乗せて、何日もかかる場所まで行かせるのってダメじゃない? ある種の虐待だよね?
バルザード卿が誤解しているようだったので、私は当時の話を説明することにした。
「あのね、バルザード卿。十一歳の子ども一人を馬車に乗せて、辺境まで行かせるわけがないでしょ?」
「それはそうですね。でも、閣下や隊長は魔法陣で戻ったんでしょう?」
「グレイは私といっしょに馬車に乗ってたけど」
「えっ! 隊長と二人きりで馬車に? お嬢、身体は無事でした?」
ゴスッ
「今、なんか、凄い重い音が聞こえたような気が」
「気のせいだ、シア」
頭を押さえて痛そうにしているバルザード卿。絶対、グレイが殴ったんだと思うのに、速すぎて目がついていかない。
「いててて。お嬢、嫁入り前の娘が若い男と何日も密室で二人っきり、となると世間は想像するもんなんですよ」
ゲホゲホ。
バルザード卿のぶっとんだ言葉に、私はむせる。その背中を優しくなでてくれるグレイ。
「嫁入り前の娘と若い男って、ねぇ! 十一歳と十六歳なんだけど!」
そう。
今の年齢ならともなく、最初の最初は子どもと成人したて。いくら婚約したといっても、そういう男女の関係を持つ年齢ではない。早すぎるわ。妄想が過ぎるわ。
自分でも、真っ赤になってるだろうなぁと思いながら、熱を帯びた顔でバルザード卿に言い返した。
すると、なんてことはないような平然とした顔で、バルザード卿はさらに言い返してくる。
「十分、出来ますよね」
「出来るって、何を?!」
「そりゃあ、男女のいとな、」
ゴスッ
「いかがわしいことを口に出すな」
本日二度目の重い音が聞こえ、遅れてバルザード卿の絶叫が辺りに響き渡った。
すぐ後どころか、婚約の書類にサインをした翌日のことだった。
今から思えば、当時の私は『婚約』がどういうものなのか、あまりよく分かっていなかったんだと思う。
ちゃんと詳しく説明は受けたので、手続き上どうのこうのということは、しっかりと理解していたはずではある。
自分でも勉強したし、説明も丁寧だったので、この辺りの理解度には問題はなかった。
しかし、婚約したら具体的にどうなるとか、どう変わるとか、そういったことは想像がついてなかった。気持ちが追いつかなかったと言えばいいだろうか。
正式な婚約は五年後、私が十六歳になってから取り結ぶことになっていたので、十一歳の私は、先々どうなるかについては深刻に受け止めてなかったのだ。
とにかく。
平民になってしまっている十一歳の私が、名のある杖持ちの魔術師として害されることなく安心して生きていくには、心強い『後援』が必要で。
その『後援』に名乗りを上げてくれたのが、いつも私の手助けをしてくれたグレイだったから。
害されることなく安心して生きていく。
そのことで頭がいっぱいで、婚約についてはぽやぽやした考えしかなかった私は、婚約の書類が完成した翌日、ベイオス閣下の再訪を受けた。
婚約書類が受理された報告とともに、ベイオス閣下から告げられたのは、ニグラート辺境伯領への訪問について。
「エルシアちゃん、グレイといっしょにうちの領に遊びにおいで」
分かりました、と簡単に答えると、
「なら、善は急げだ。さぁさぁ、馬車に乗った乗った」
「え?!」
突然、襟首を猫のように掴まれて、ぽいっと馬車に押し込まれる私。
「今すぐですか?!」
馬車の中はふかふかのソファーのような乗り心地。私はそのふかふかに埋もれ、気持ちいいなぁと気が緩む。
いやいやこんなまったりとしていてはいけないと、はたと気がついて、すぐさま馬車の入り口を振り向いた。
そこには、にやにや顔のベイオス閣下がいて、今まさに馬車の扉を閉めようとしているところで。
「善は急げと言っただろう?」
言ってた、言ってたけど。いきなり?!
焦る私。だって、婚約した翌日に、いきなり北部辺境伯領に連れて行かれるとは、まったく思ってなかったし。
そんな私の耳に聞き覚えのある声。
「おっさんは言い出したら、後に引かないからな」
その声は、ふかふかに埋もれている私のすぐそばで聞こえた。
私は入り口の扉に向けていた目を、声がした反対側の方に向ける。すると、そこにはグレイが、どかっ、と楽な姿勢で座っていた。
ベイオス閣下、ついでにグレイまで馬車に乗せたんだ。
最初に『グレイといっしよに』と前置きされたのはこういうことか。
グレイは無言で、くいっと馬車の荷物置き場を指差す。グレイから、さらに後ろに目を向けると、いつの間にやら私の荷物が簡単にまとめられて乗せられていた。
はぁ。
ふかふかに埋もれたまま、私はため息をつく。いきなりな展開に頭が追いついていかない。落ち着け、私。落ち着いて状況把握だ。
ふぅ。
今度はため息ではなく深呼吸。気持ちを落ち着かせている私の背に、ベイオス閣下の穏やかな声がかけられた。
「おじさんは先に領地に戻ってるから、二人で仲良く帰ってくるんだよ~」
んんんんん?
「先にってどういうこと?!」
馬車の扉を振り向いたときは、すでにパタンと閉められた後。扉が閉まるや否や動き出す馬車。
馬車の窓の外には、にこやかな笑みを満面に浮かべて、ひらひらと手を振るベイオス閣下の姿。その隣には同じくひらひらと手を振る魔塔の先生やら孤児院の子どもたちやら。
遅かった。いろいろと遅かった。
すべて手を回された後だったんだ。
「えええええええ?!」
こうして、あまりのスピード展開に悲鳴を上げる私の心境を一切、気にかけることもなく、馬車はニグラート辺境伯領に向けて速やかに出発していった。
馬車を見送るベイオス閣下が、
「ほぼ、誘拐に近かったかな」
などと物騒な感想を口にしているとは、想像する心の余裕もないほどに。
「最初の最初は、普通に馬車で辺境に行ったんだよね」
誘拐されるように連れていかれた最初の時を思い出し、私は誰に聞かせるわけでもないのに、昔のことを口に出していた。
馬車を使う必要はなかったのに、実際、ベイオス閣下は自分だけさっさと先に辺境伯領に戻っていったのに。
どうしてあの時は、馬車に乗せられて何日もかけて、辺境伯領まで戻ったのか。
未だによく分からない。
「へ?! お嬢、まさか、馬車で北まで戻ったんですか?」
いつの間にか、バルザード卿が荷物をおいて戻ってきていた。私の独り言に敏感に反応する。
「そうなんだよね。まぁ、一番最初の時だけなんだけどね」
隣にいるグレイを見上げると、うむっと無言で頷いた。グレイもきっと思い出したのだろう、最初の最初を。
「数人だけなら、ここのタウンハウスにある転送の魔法陣を使って、移動できますよね?
なんでわざわざ何日もかけて、移動したんですかね。しかも、お嬢一人で馬車に乗って」
おや?
私一人で馬車に乗ってたわけじゃないけど?
だいたい、十一歳の子どもを一人で馬車に乗せて、何日もかかる場所まで行かせるのってダメじゃない? ある種の虐待だよね?
バルザード卿が誤解しているようだったので、私は当時の話を説明することにした。
「あのね、バルザード卿。十一歳の子ども一人を馬車に乗せて、辺境まで行かせるわけがないでしょ?」
「それはそうですね。でも、閣下や隊長は魔法陣で戻ったんでしょう?」
「グレイは私といっしょに馬車に乗ってたけど」
「えっ! 隊長と二人きりで馬車に? お嬢、身体は無事でした?」
ゴスッ
「今、なんか、凄い重い音が聞こえたような気が」
「気のせいだ、シア」
頭を押さえて痛そうにしているバルザード卿。絶対、グレイが殴ったんだと思うのに、速すぎて目がついていかない。
「いててて。お嬢、嫁入り前の娘が若い男と何日も密室で二人っきり、となると世間は想像するもんなんですよ」
ゲホゲホ。
バルザード卿のぶっとんだ言葉に、私はむせる。その背中を優しくなでてくれるグレイ。
「嫁入り前の娘と若い男って、ねぇ! 十一歳と十六歳なんだけど!」
そう。
今の年齢ならともなく、最初の最初は子どもと成人したて。いくら婚約したといっても、そういう男女の関係を持つ年齢ではない。早すぎるわ。妄想が過ぎるわ。
自分でも、真っ赤になってるだろうなぁと思いながら、熱を帯びた顔でバルザード卿に言い返した。
すると、なんてことはないような平然とした顔で、バルザード卿はさらに言い返してくる。
「十分、出来ますよね」
「出来るって、何を?!」
「そりゃあ、男女のいとな、」
ゴスッ
「いかがわしいことを口に出すな」
本日二度目の重い音が聞こえ、遅れてバルザード卿の絶叫が辺りに響き渡った。
25
あなたにおすすめの小説
結婚式をボイコットした王女
椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。
しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。
※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※
1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。
1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)
彼の過ちと彼女の選択
浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。
そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。
一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。
【完結】身代わりとなります
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
レイチェルは素行不良の令嬢として悪名を轟かせている。しかし、それはレイチェルが無知ゆえにいつも失態をしていたためで本人には悪意はなかった。
レイチェルは家族に顧みられず誰からも貴族のルールを教えてもらわずに育ったのだ。
そんなレイチェルに婚約者ができた。
侯爵令息のダニエルだ。
彼は誠実でレイチェルの置かれている状況を知り、マナー講師を招いたり、ドレスを作ってくれたりした。
はじめは貴族然としている婚約者に反発していたレイチェルだったがいつのまにか彼の優しさに惹かれるようになった。
彼のレイチェルへの想いが同情であっても。
彼がレイチェルではない人を愛していても。
そんな時、彼の想い人である隣国の伯爵令嬢フィオラの国で革命が起き、彼女は隣国の貴族として処刑されることが決まった。
そして、さまざまな思惑が交錯する中、レイチェルは一つの決断を下し・・・
*過去と未来が行ったり来たりしながら進行する書き方にチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんがご了承ください。
婚約破棄でお願いします
基本二度寝
恋愛
王太子の婚約者、カーリンは男爵令嬢に覚えのない悪行を並べ立てられた。
「君は、そんな人だったのか…」
王太子は男爵令嬢の言葉を鵜呑みにして…
※ギャグかもしれない
【完結】わたしは大事な人の側に行きます〜この国が不幸になりますように〜
彩華(あやはな)
恋愛
一つの密約を交わし聖女になったわたし。
わたしは婚約者である王太子殿下に婚約破棄された。
王太子はわたしの大事な人をー。
わたしは、大事な人の側にいきます。
そして、この国不幸になる事を祈ります。
*わたし、王太子殿下、ある方の視点になっています。敢えて表記しておりません。
*ダークな内容になっておりますので、ご注意ください。
ハピエンではありません。ですが、救済はいれました。
【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜
まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。
ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。
父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。
それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。
両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。
そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。
そんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。
☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。
☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。
楽しんでいただけると幸いです。
愛はリンゴと同じ
turarin
恋愛
学園時代の同級生と結婚し、子供にも恵まれ幸せいっぱいの公爵夫人ナタリー。ところが、ある日夫が平民の少女をつれてきて、別邸に囲うと言う。
夫のナタリーへの愛は減らない。妾の少女メイリンへの愛が、一つ増えるだけだと言う。夫の愛は、まるでリンゴのように幾つもあって、皆に与えられるものなのだそうだ。
ナタリーのことは妻として大切にしてくれる夫。貴族の妻としては当然受け入れるべき。だが、辛くて仕方がない。ナタリーのリンゴは一つだけ。
幾つもあるなど考えられない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる