縁の鎖

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穏やかな日常の終わり

母の遺品

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「あの女!最後まで憎たらしい!何が大公様に愛されている、最愛の奥様だ!お前達が知らないだけで、母屋にすら住めなかった惨めなお飾り公爵夫人だったのよ!!…でもこれで邪魔なヤツは居なくなった。これでやっと公私共に私が公爵夫人になれる!長かったわ。長かった。ふふっ。ふふふ。おーほほほほほほ。」

公爵夫人サリーフィリアの葬儀の後、公爵家本館にある大公の第二夫人ダチュラの自室から狂喜乱舞する声が響いた。



その夜ジュエリアは母の遺品の全てを失った。
母のドレスも、母の宝石も、母との思い出も、母と暮らした小さな館も、全て父の手によって燃やされた。
翌朝には灰になった。
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