縁の鎖

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孤立と孤独

婚約破棄の理由

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「母上、です!」

カーネリアンは会場に突き出された、カモミーラを指差す。

「カモミーラ!?」

プルメリア王太后が駆け寄る。

「ああ~こんなに、やつれて。いたわしい。」
「王妃様。私などを気遣ってくださり、ありがとうございます。大丈夫です。」
「いいのよ。いいの。私の力不足で、この様な辛い目に合わせてしまって…」
「母上。そろそろ、よろしいですか?」

カーネリアン国王が、プルメリア王太后の労いの言葉を遮る。

「カーネリアン!カモミーラの件と婚約破棄に何の繋がりがあると言うのです!?令嬢を公然に晒すような息子に、私は育てた覚えはありません!」
「ですが、母上がを証明する様に仰ったのですよ。」

カモミーラをマディラ伯爵夫人に託し、プルメリア王太后は壇上へ戻って行く。


「カモミーラは、フィサリスを殺害しようとしました。殺人未遂をジュエリアの親友が、犯したのです!」
「それは、まだ捜査段階だ!容疑が固まっていない!それにも関わらず、公然に晒すとはどう言う事だ!?」
「父上!疑わしきは罰せずのお考えが、不正や腐敗を招いたのです!」
「うっぐっう。だが時と場合があるだろう?」

カーネリアン国王とカルセドニー先王の睨み合いが続く。
誰一人声も物音も立てない中、怖いもの知らずな者がいた。

「カーネリアン様。先王陛下の仰る通りですわ。カモミーラ様がお可哀想です。」
「フィサリス。君は本当に優しいな。自分が殺害の被害に遭いながら、容疑者を擁護するなど簡単にできるものではない。それも血の繋がりのある、義姉が首謀者だと言うのに。本当に慈愛に満ち溢れており、王妃にふさわしい。」


カーネリアン国王の発言に、静まり返っていた会場が騒然となる。
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