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第19話 #恋がバレた日
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朝の教室に入った瞬間、空気が違った。
というか、明らかに「俺、見られてるな」っていうあの感じ。
机にカバンを置く前に、
すでに後ろの席の女子が小声でささやいた。
「おはよう、“蒼汰くん”。」
「……やめろ」
「“ひより”って呼んだんでしょ?」
「……おい、なんで知ってんだ」
「StarChat見てないの!?」
その言葉で悟った。
またやらかした。
スマホを取り出して、画面を開く。
そこにはトレンド1位――。
───────────────────────
StarChat #恋がバレた日
【校内ウォッチ】
「屋上で“ひより”って呼んだ瞬間の空気、尊すぎた件」
コメント:
・「#正式に両想い認定」
・「#呼び方でバレる恋」
・「#ツンデレ陥落」
───────────────────────
「……悠真、てめぇか」
「いやぁ~、つい手が滑った」悠真が机に突っ伏して笑う。
「滑ったじゃねぇだろ」
「だってさ、見たか? お前ら、まるでドラマ最終回だったぞ?」
「最終回って、俺らまだ第19話くらいだぞ」
「自己メタやめろ」
周囲が爆笑する中、
七瀬――いや、ひよりが教室に入ってきた。
ざわついていた空気が、一瞬で静まる。
そして、全員の視線が“俺たち”に向いた。
「おはようございます」
ひよりの声はいつもどおり柔らかい。
でも、頬が少し赤い。
こっちもなんとなく目を逸らす。
「……ひより」
「はい」
「なんか、俺ら、バレたらしい」
「ですね」
「怒ってる?」
「いえ。むしろ、スッキリしました」
「スッキリ?」
「だって、誤解じゃなくなりましたから」
その一言で、クラスが一気にざわめいた。
「え!? 本当なの!?」
「#ガチだった」
「#誤解終了のお知らせ」
桜井先生が教室のドアを開けて入ってくる。
「おはよう。……ああ、トレンドの件ね」
「先生、見てたんですか」
「もちろん。教育者としてチェックは怠らん」
「監視者だろそれ!」
「青春の経過観察だ」
「いや、研究対象扱い!?」
クラス全体が笑いに包まれた。
でもその中で、ひよりだけは少し照れくさそうに俯いていた。
昼休み。
屋上に出ると、
すでにひよりがベンチに座っていた。
「……ごめんな。なんか、全部バレた」
「謝らないでください」
「でも、こういうのって、面倒くさいだろ」
「いいえ。
“好きって言ってないのに、バレる”って、ちょっと面白いです」
「……お前なぁ」
「だって、今までも全部“誤解”でしたけど、
今日だけは、“誤解でいい”って思いました」
その言葉に、思わず黙る。
風が頬を撫でて、ひよりの髪が揺れた。
「ねえ、蒼汰くん」
「うん」
「もし、誤解が続くなら――
私は、それでもいいです」
「なんで」
「だって、誤解の中に、ちゃんと本当があるから」
心臓の鼓動が、耳の奥で鳴っていた。
言葉が出てこない。
でも、伝わっている気がした。
───────────────────────
StarChat #恋がバレた日
【桜井先生@担任】
「“誤解”とは、恋の予告編である。
本編が始まる勇気を、どうか失わないでほしい。」
コメント:
・「#先生、完全に監督」
・「#誤解の本編スタート」
───────────────────────
「……先生、またポエム投稿してる」
「名言メーカーですね」
「お前、褒めすぎだろ」
「だって、今日は本当に“本編”が始まった気がします」
ひよりが笑う。
その笑顔は、誤解じゃなくて、
ちゃんと“好き”の形をしていた。
というか、明らかに「俺、見られてるな」っていうあの感じ。
机にカバンを置く前に、
すでに後ろの席の女子が小声でささやいた。
「おはよう、“蒼汰くん”。」
「……やめろ」
「“ひより”って呼んだんでしょ?」
「……おい、なんで知ってんだ」
「StarChat見てないの!?」
その言葉で悟った。
またやらかした。
スマホを取り出して、画面を開く。
そこにはトレンド1位――。
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StarChat #恋がバレた日
【校内ウォッチ】
「屋上で“ひより”って呼んだ瞬間の空気、尊すぎた件」
コメント:
・「#正式に両想い認定」
・「#呼び方でバレる恋」
・「#ツンデレ陥落」
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「……悠真、てめぇか」
「いやぁ~、つい手が滑った」悠真が机に突っ伏して笑う。
「滑ったじゃねぇだろ」
「だってさ、見たか? お前ら、まるでドラマ最終回だったぞ?」
「最終回って、俺らまだ第19話くらいだぞ」
「自己メタやめろ」
周囲が爆笑する中、
七瀬――いや、ひよりが教室に入ってきた。
ざわついていた空気が、一瞬で静まる。
そして、全員の視線が“俺たち”に向いた。
「おはようございます」
ひよりの声はいつもどおり柔らかい。
でも、頬が少し赤い。
こっちもなんとなく目を逸らす。
「……ひより」
「はい」
「なんか、俺ら、バレたらしい」
「ですね」
「怒ってる?」
「いえ。むしろ、スッキリしました」
「スッキリ?」
「だって、誤解じゃなくなりましたから」
その一言で、クラスが一気にざわめいた。
「え!? 本当なの!?」
「#ガチだった」
「#誤解終了のお知らせ」
桜井先生が教室のドアを開けて入ってくる。
「おはよう。……ああ、トレンドの件ね」
「先生、見てたんですか」
「もちろん。教育者としてチェックは怠らん」
「監視者だろそれ!」
「青春の経過観察だ」
「いや、研究対象扱い!?」
クラス全体が笑いに包まれた。
でもその中で、ひよりだけは少し照れくさそうに俯いていた。
昼休み。
屋上に出ると、
すでにひよりがベンチに座っていた。
「……ごめんな。なんか、全部バレた」
「謝らないでください」
「でも、こういうのって、面倒くさいだろ」
「いいえ。
“好きって言ってないのに、バレる”って、ちょっと面白いです」
「……お前なぁ」
「だって、今までも全部“誤解”でしたけど、
今日だけは、“誤解でいい”って思いました」
その言葉に、思わず黙る。
風が頬を撫でて、ひよりの髪が揺れた。
「ねえ、蒼汰くん」
「うん」
「もし、誤解が続くなら――
私は、それでもいいです」
「なんで」
「だって、誤解の中に、ちゃんと本当があるから」
心臓の鼓動が、耳の奥で鳴っていた。
言葉が出てこない。
でも、伝わっている気がした。
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StarChat #恋がバレた日
【桜井先生@担任】
「“誤解”とは、恋の予告編である。
本編が始まる勇気を、どうか失わないでほしい。」
コメント:
・「#先生、完全に監督」
・「#誤解の本編スタート」
───────────────────────
「……先生、またポエム投稿してる」
「名言メーカーですね」
「お前、褒めすぎだろ」
「だって、今日は本当に“本編”が始まった気がします」
ひよりが笑う。
その笑顔は、誤解じゃなくて、
ちゃんと“好き”の形をしていた。
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