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本編
ウニのパスタ
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私とラジェで前菜を全て食べてしまう前に、今晩のメインディッシュであるパスタを作る。本当は、牛乳寒天をデザートとしえ作りたかったけど……砂糖を手に入れられなかったので、次回へ後回しだ。
パスタは、予定していた通りシンプルなウニのパスタだ。
エルさんにパスタを少し硬めに茹でてもらっている間、ラジェとフライパンで玉ねぎを炒めた。
「ラジェ、踏み台から落ちそうだよ。もっとこっちに寄ってね」
「う、うん……」
フライパンの中にウニ、牛乳、それからパルメザンに似たチーズをたっぷり入れる。
「お嬢様、パスタの準備が出来ました」
「じゃあ、ドーンとフライパンの中に投下してください!」
パスタとソースが上手く絡まると皿に盛りつけた。パスタの上からは、チーズをふりかけたのち、たっぷりとウニを盛りつけた。
氷室で固まっていたところてんを棒状に切り、葉野菜と合えたイタリアンサラダ風にした。ところてんはほぼ無味だった。でも、のどごしはつるつるとしていたので無事に成功している。ジョーが好きなサミコ酢を作り、それをところてんサラダのドレッシングにした。
「これで夕食の完成です!」
「たくさんできたね」
ラジェが並べられた夕食を見ながら笑顔になった。
でも、何か足りない……
「うーん。やっぱりデザートもほしいな……」
「ミリーちゃん、今日買った果物があるよ」
あ、そうだった。
私は棘のある丸い果物でキーリと呼ばれるもの、ラジェは大きなバナナに似たターノと呼ばれる果物を選んでいた。
キーリから切ってみれば、中からは赤いキウイのような実が現れた。一切れずつ切りラジェと味見をしてみる。
「「甘ーい!」」
それはキウイのようなオレンジのような、柑橘系の甘さのする果物だった。
次にターノを切ってみるが、それは硬く……まるで生の芋を切っているようだった。
スライスしたターノを一口食べ、ラジェも私も微妙な顔をする。青っぽくて硬いのだ。
見た目こそはバナナにそっくりだけど、酸味が強すぎる。熟れていないとかの話でない。申し訳ないけど、コッソリとハンカチの中に食べかけのターノをペッペッする。
うーん……これはたぶん前世のプランテインという、バナナの仲間だけど調理しないといけない果物に似ているのだと思う。
隣でどうにかターノを飲み込もうとするラジェに、持っていた別のハンカチを渡す。
「ラジェ、私はもうペッしたから」
「ミリーちゃん、ありがとう……」
ラジェも素早くハンカチを使う。
エルさんにターノのことを聞いてみたけど、初見の果物らしく分からないようだ。エルさんもターノを味見した後に苦い顔をしていた。
ラジェが少しシュンとする。
「僕が選んだ果物は美味しくなくてごめんね」
「大丈夫! これもきっと美味しくなるよ!」
スライスした残りのターノを油で揚げ、サッと塩を振り掛ける。
一口食べると、サクッとした食感と旨味……それからわずかな甘みが口の中に広がった。これは、完全にスナック菓子だ。それも、止まらないやつ!
ラジェが揚げたターノを食べ、目を瞠る。
「本当に美味しくなった……」
「火を通したら美味しくなる果物だったか……」
エルさんがターノの味の違いに驚いている隙に、次のターノに手を伸ばすが見つかってしまう。
「お嬢様、本当に夕食が入らなくなってしまう」
「そんなことはないよ!」
「これは夕食と共に出します」
エルさんが揚げたターノが入ったボウルを持ち上げ、ダイニングテーブルに置いた。
エルさんは私の大食い度をまだ把握していないようだ。そのボウルのターノを全て食べても、夕食のお代わりをするくらい食べられる自身はある。
ラジェと夕食の席に着くと、調理の間、ずっと部屋に籠っていた爺さんとキースが現れた。
「実に美味しそうな匂いが充満していました」
キースが笑顔でテーブルに並んだ食べ物を見ながら言う。爺さんの反応はその正反対で、訝しげに夕食を眺めた。
「……パスタ以外も作ったのだな」
「はい。でも、他はサラダと前菜のソース付き野菜スティックですよ」
「……うむ」
爺さんが座ると、サリさんがグラスにワインを注ぐ。私たち子供には水が注がれた。
それではいただきます!
ところてんのサラダを食べる。悪くない。爺さんの反応はぼちぼちだけど、月光さんは気に入ったようだ。キースの顔で口角を上げている。
ラジェはところてんが少し苦手だったようだ。次回は甘い寒天を食べてもらおう。
爺さんがバーニャカウダを口に入れると、私を睨む。爺さん、怖いって。
「ギルド長、カニのソースはいかがですか?」
「これはカニが入っておるのか……ワインとよく合う。うむ……よい」
爺さんは相当気に入ったようで、バーニャカウダがある皿を徐々に自分の方向に引く。
「それは、みんな用なので独り占めはやめてください」
「うむ……」
爺さんにバーニャカウダを全て吸い尽くされる前に、全員にシェアをする。もちろんエルさんとサリさんの分もある。
フォークを使い、メインディッシュのウニのパスタをソースに絡めながら掬う。束の間、滴り落ちそうなソースを眺めると口に入れた。
至福至福至福。パルメザン風のチーズとウニの相性があまりにもジャストフィット、美味さが全身に染みわたる。もう一口食べ、幸せな吐息を零す。
「はぁ。美味しい……」
周りを見れば、みんながウニのパスタを味わいながら静かに歓喜の声を上げていた。
パスタは、予定していた通りシンプルなウニのパスタだ。
エルさんにパスタを少し硬めに茹でてもらっている間、ラジェとフライパンで玉ねぎを炒めた。
「ラジェ、踏み台から落ちそうだよ。もっとこっちに寄ってね」
「う、うん……」
フライパンの中にウニ、牛乳、それからパルメザンに似たチーズをたっぷり入れる。
「お嬢様、パスタの準備が出来ました」
「じゃあ、ドーンとフライパンの中に投下してください!」
パスタとソースが上手く絡まると皿に盛りつけた。パスタの上からは、チーズをふりかけたのち、たっぷりとウニを盛りつけた。
氷室で固まっていたところてんを棒状に切り、葉野菜と合えたイタリアンサラダ風にした。ところてんはほぼ無味だった。でも、のどごしはつるつるとしていたので無事に成功している。ジョーが好きなサミコ酢を作り、それをところてんサラダのドレッシングにした。
「これで夕食の完成です!」
「たくさんできたね」
ラジェが並べられた夕食を見ながら笑顔になった。
でも、何か足りない……
「うーん。やっぱりデザートもほしいな……」
「ミリーちゃん、今日買った果物があるよ」
あ、そうだった。
私は棘のある丸い果物でキーリと呼ばれるもの、ラジェは大きなバナナに似たターノと呼ばれる果物を選んでいた。
キーリから切ってみれば、中からは赤いキウイのような実が現れた。一切れずつ切りラジェと味見をしてみる。
「「甘ーい!」」
それはキウイのようなオレンジのような、柑橘系の甘さのする果物だった。
次にターノを切ってみるが、それは硬く……まるで生の芋を切っているようだった。
スライスしたターノを一口食べ、ラジェも私も微妙な顔をする。青っぽくて硬いのだ。
見た目こそはバナナにそっくりだけど、酸味が強すぎる。熟れていないとかの話でない。申し訳ないけど、コッソリとハンカチの中に食べかけのターノをペッペッする。
うーん……これはたぶん前世のプランテインという、バナナの仲間だけど調理しないといけない果物に似ているのだと思う。
隣でどうにかターノを飲み込もうとするラジェに、持っていた別のハンカチを渡す。
「ラジェ、私はもうペッしたから」
「ミリーちゃん、ありがとう……」
ラジェも素早くハンカチを使う。
エルさんにターノのことを聞いてみたけど、初見の果物らしく分からないようだ。エルさんもターノを味見した後に苦い顔をしていた。
ラジェが少しシュンとする。
「僕が選んだ果物は美味しくなくてごめんね」
「大丈夫! これもきっと美味しくなるよ!」
スライスした残りのターノを油で揚げ、サッと塩を振り掛ける。
一口食べると、サクッとした食感と旨味……それからわずかな甘みが口の中に広がった。これは、完全にスナック菓子だ。それも、止まらないやつ!
ラジェが揚げたターノを食べ、目を瞠る。
「本当に美味しくなった……」
「火を通したら美味しくなる果物だったか……」
エルさんがターノの味の違いに驚いている隙に、次のターノに手を伸ばすが見つかってしまう。
「お嬢様、本当に夕食が入らなくなってしまう」
「そんなことはないよ!」
「これは夕食と共に出します」
エルさんが揚げたターノが入ったボウルを持ち上げ、ダイニングテーブルに置いた。
エルさんは私の大食い度をまだ把握していないようだ。そのボウルのターノを全て食べても、夕食のお代わりをするくらい食べられる自身はある。
ラジェと夕食の席に着くと、調理の間、ずっと部屋に籠っていた爺さんとキースが現れた。
「実に美味しそうな匂いが充満していました」
キースが笑顔でテーブルに並んだ食べ物を見ながら言う。爺さんの反応はその正反対で、訝しげに夕食を眺めた。
「……パスタ以外も作ったのだな」
「はい。でも、他はサラダと前菜のソース付き野菜スティックですよ」
「……うむ」
爺さんが座ると、サリさんがグラスにワインを注ぐ。私たち子供には水が注がれた。
それではいただきます!
ところてんのサラダを食べる。悪くない。爺さんの反応はぼちぼちだけど、月光さんは気に入ったようだ。キースの顔で口角を上げている。
ラジェはところてんが少し苦手だったようだ。次回は甘い寒天を食べてもらおう。
爺さんがバーニャカウダを口に入れると、私を睨む。爺さん、怖いって。
「ギルド長、カニのソースはいかがですか?」
「これはカニが入っておるのか……ワインとよく合う。うむ……よい」
爺さんは相当気に入ったようで、バーニャカウダがある皿を徐々に自分の方向に引く。
「それは、みんな用なので独り占めはやめてください」
「うむ……」
爺さんにバーニャカウダを全て吸い尽くされる前に、全員にシェアをする。もちろんエルさんとサリさんの分もある。
フォークを使い、メインディッシュのウニのパスタをソースに絡めながら掬う。束の間、滴り落ちそうなソースを眺めると口に入れた。
至福至福至福。パルメザン風のチーズとウニの相性があまりにもジャストフィット、美味さが全身に染みわたる。もう一口食べ、幸せな吐息を零す。
「はぁ。美味しい……」
周りを見れば、みんながウニのパスタを味わいながら静かに歓喜の声を上げていた。
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