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ハーレム
刃の生態(狩りについてはまるっきりカマキリだな)
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密や刃と完全に衣食住を共にするようになってから一週間。密は俺と一緒にエレクシアが用意した食事をとるようになったが、刃は生きている獲物しか食べないようで、自分で狩りを続けていた。
しかし、密の仲間が、姿が辛うじて見える辺りからこちらを窺っていてもそれを襲うような素振りは見せなかった。エレクシアの言ったとおり、俺達が邪魔をするのが理解できて獲物として狙うのをやめたんだろう。
でもだからこそ、刃の狩りの様子をじっくりと観察することができた。
その様子は、完全にカマキリのそれと同じだった。気配を殺し獲物の死角から慎重に接近して、あるいは待ち伏せて、鳥や小動物をカマで捕らえる。そしてその場でバリバリと骨ごとかじる。しかも意外に綺麗好きらしく、食事の後は決まって体を洗っていた。
この密林に生える蔓植物の一種は水を溜め込む性質があり、蔓を切るとまるでシャワーのように水が噴き出すのだ。それで体に付いた血や汚れを洗い流す姿は、まさに女の子がシャワーを浴びてる姿と変わりない。見た目は昆虫っぽいが。
そこで俺は、寝るとき以外の寛ぐ場所として作った、防水シートを木に吊るしただけの簡易テントの脇に、貯水タンクに雨水を溜めてそれを利用できるようにしたシャワーを設置してみた。刃の見てる前で何度か使ってみせるとその使い方を理解して、そちらで体を洗うようになったのだった。その様子からして密と同等程度の知能はあると思われる。
しかも、密もそのシャワーで体を洗い始めるようにもなった。
密と刃は相変わらずお互いに警戒し合ってるようだが、いつの頃からか露骨に威嚇するようなことはなくなっていた。俺がどちらの求めにもちゃんと応じることで無駄に争う必要がなくなったらしい。
ちなみに、二人とも基本的に昼行性なので夜は一緒に宇宙船内の部屋で寝ることになる。と言っても、密は毛布を重ねた自作の寝床で、刃はいつも同じ場所で壁を背にして座った状態で体を丸めて眠る。何故その位置なのかと言うと、そこが一番温かいかららしい。壁の裏に宇宙船の制御用CPUの排熱ダクトが通っていて、それで温かいのだ。
さらに刃の習性と言うか習慣として、毎日、寝る前に俺に甘えてくる。密は二日に一度だがこちらはかなり濃厚なのに対し、刃は首筋を俺の体に擦り付けるだけで時間も精々五分ほどでありつつ毎日だった。それに慣れてくると、俺自身、刃のことがさらに可愛く見えてきてしまっていた。
「可愛いな、お前……」
そう呟きながら俺は、ヘルメットのようでいて実は触覚もあるらしい滑らかな手触りの頭を撫でていたのだった。
しかし、密の仲間が、姿が辛うじて見える辺りからこちらを窺っていてもそれを襲うような素振りは見せなかった。エレクシアの言ったとおり、俺達が邪魔をするのが理解できて獲物として狙うのをやめたんだろう。
でもだからこそ、刃の狩りの様子をじっくりと観察することができた。
その様子は、完全にカマキリのそれと同じだった。気配を殺し獲物の死角から慎重に接近して、あるいは待ち伏せて、鳥や小動物をカマで捕らえる。そしてその場でバリバリと骨ごとかじる。しかも意外に綺麗好きらしく、食事の後は決まって体を洗っていた。
この密林に生える蔓植物の一種は水を溜め込む性質があり、蔓を切るとまるでシャワーのように水が噴き出すのだ。それで体に付いた血や汚れを洗い流す姿は、まさに女の子がシャワーを浴びてる姿と変わりない。見た目は昆虫っぽいが。
そこで俺は、寝るとき以外の寛ぐ場所として作った、防水シートを木に吊るしただけの簡易テントの脇に、貯水タンクに雨水を溜めてそれを利用できるようにしたシャワーを設置してみた。刃の見てる前で何度か使ってみせるとその使い方を理解して、そちらで体を洗うようになったのだった。その様子からして密と同等程度の知能はあると思われる。
しかも、密もそのシャワーで体を洗い始めるようにもなった。
密と刃は相変わらずお互いに警戒し合ってるようだが、いつの頃からか露骨に威嚇するようなことはなくなっていた。俺がどちらの求めにもちゃんと応じることで無駄に争う必要がなくなったらしい。
ちなみに、二人とも基本的に昼行性なので夜は一緒に宇宙船内の部屋で寝ることになる。と言っても、密は毛布を重ねた自作の寝床で、刃はいつも同じ場所で壁を背にして座った状態で体を丸めて眠る。何故その位置なのかと言うと、そこが一番温かいかららしい。壁の裏に宇宙船の制御用CPUの排熱ダクトが通っていて、それで温かいのだ。
さらに刃の習性と言うか習慣として、毎日、寝る前に俺に甘えてくる。密は二日に一度だがこちらはかなり濃厚なのに対し、刃は首筋を俺の体に擦り付けるだけで時間も精々五分ほどでありつつ毎日だった。それに慣れてくると、俺自身、刃のことがさらに可愛く見えてきてしまっていた。
「可愛いな、お前……」
そう呟きながら俺は、ヘルメットのようでいて実は触覚もあるらしい滑らかな手触りの頭を撫でていたのだった。
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